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彼女の見たいもの
自分の目で本物の「オーロラ」を見ることは叶わなかったが、オーロラにとってはそれよりも尊い、本当に欲しいものが手に入ったのだ。
[マゼラン] あれ、オーロラちゃん、もう装備片付けてるの?
[オーロラ] えっ、そうだけど……だって、サンプルとかテストに使う材料はもう集められたんでしょ?
[オーロラ] 明日帰投するんだったら、片付けとか出発の支度は今日中に済ませた方があとあと楽かなと思って。
[マゼラン] そっか──あのね、ちょっと提案があるんだ! スケジュール的にはまだ余裕があるし、ここ最近オーロラの出現率も高いことだし、出発はもう二日くらい滞在してからにしない?
[オーロラ] えっ……いいの?
[マゼラン] もちろんだよ! 元々の帰投予定日も二日後だしね。今回は色々と助けてもらったから、お礼に君の願いも叶えてあげられたらなーって。ね? あたしの「調査アシスタント」ちゃん。
[オーロラ] そんな、気を遣わなくていいんだよ。当たり前のことをしたまでだから。
[オーロラ] 今回の任務がただマゼランちゃんにくっついて見物するだけなら、私は最初から応じなかったよ。
[マゼラン] はいはい、じゃあOKってことで。もう二日だけ滞在して、それでも見れなかったらしょうがない、計画通りに帰投しよう!
[オーロラ] うん。ありがとう、マゼランちゃん。
[オーロラ] えっと、だったらもう一個お願いを言ってもいい?
[マゼラン] もちろん!
[オーロラ] どうせ待つのなら、その間にこの新開発した防御特化用の盾を引き続きテストしようと思うの。それでその過程を撮影用のドローンで記録してほしいんだ。
[オーロラ] 自分の盾にも一応撮影用のモジュールは取り付けてあるんだけど、私から離れて自動で撮影するのはできないから……
[オーロラ] 新しい盾は源石回路も出来上がったばかりで、性能が安定してないんだ。手動で撮影して怪我でもさせちゃ大変だし、ドローンで遠くから撮ってもらう方が一番かなって。
[マゼラン] いいよ! 数値の設定方法とか教えてあげるね。
[オーロラ] ありがとう。邪魔にならないように少し離れたところでテストしてるね。結構物音するだろうから。
[マゼラン] 分かった、何かあったらすぐ呼んでね!
[オーロラ] うん!
[マゼラン] オーロラちゃんってば、ホント頑張り屋だよね。せっかくだから、肩の力を抜いてゆっくりしてもらおうと思ったのに……サンプル採取のときもずっと突っ走ってたしさ。
[マゼラン] いくらウルサスの体が丈夫だからって、鉱石病患者なのにね。
[マゼラン] それに盾の研究も一時も怠らないって感じで――
[マゼラン] ……ん? 風が立ち始めた?
[マゼラン] この暗い空模様……雲頂高度が比較的に高く、輪郭は曖昧で全体も塊が大きい……
[マゼラン] これってもしや……
[マゼラン] オーロラちゃん――
[マゼラン] オーロラちゃん!
[オーロラ] マゼランちゃん! 早く防護服を着て!
[オーロラ] あの雲には見覚えがあるの。これから源石の雹が降るかも――
[オーロラ] みんな早くこっちへ! この防護盾の下に隠れて! 防護服もしっかり着込んで! もうケガ人が出てるの!
[オーロラ] この雹には……源石が混じってるみたい!! 絶対に当たらないように気をつけて!
[怯える同級生] ララちゃん! う、腕が……!
[勇敢な同級生] ララ! それ俺に貸せ! お前は下がってろ!
[勇敢な同級生] もう雹にやられてるじゃねえか!
[オーロラ] !!
[オーロラ] でも――
[オーロラ] マゼランちゃん、早く私の後ろに!
[オーロラ] 私、前に雹災に遭ったことがあるの。源石の雹は感染力がすごく高いから、しっかり着てガードするんだよ!
[オーロラ] 上手く着れた? 着れたら私も着るから手伝いを――
[マゼラン] 着れたよ!
[マゼラン] 聞いてオーロラちゃん、突発的な災害はあたしも経験あるから! まずは向こうの岩の裏に避難しよう! 何かの陰に隠れてなきゃ五分も持たないよ!
[オーロラ] でも移動しながらじゃマゼランちゃんを庇いきれないよ!
[マゼラン] だからってこのままじゃ君がケガしちゃうよ!
[オーロラ] ……
[マゼラン] 言ったでしょ? あたしも経験あるって! 今までずっと一人でも対応できてたから、君はまず自分の身を──
[マゼラン] ちょっと、足! 足を引っ込めて! 防護服の紐が緩んでるから!
[オーロラ] 大丈夫だから、心配しないで。私が絶対に守る。それじゃ行こう。でも私から離れないで!
[オーロラ] 抱えて行くから、私にしがみついて。盾からはみ出ないように気を付けてね!
[マゼラン] いい! 自分で行けるよ! 雹なんて全然平気、それよりも君が心配で――
[マゼラン] うわぁ、なんて馬鹿力なの!? ウルサスってホント……ってオーロラちゃん! そんな体勢じゃ君が──
[マゼラン] オーロラちゃん!!
[オーロラ] まあまあ、ちゃんと無事についたでしょ……
[マゼラン] 無茶し過ぎだよ!! 防護服を見せて!
[オーロラ] 待って、マゼランちゃん。
[オーロラ] 私たちで支えてるだけじゃ不安定だから、まずはこの岩に盾を固定させてから――
[マゼラン] 作業しながらでもチェックはさせてもらうよ、少しでも破けてたら別の方法を考えないと──あっ、何かドローンで手伝えることはない?
[マゼラン] 岩と盾の隙間も塞がなくちゃね、でないと雹が入ってきちゃうかもしれない。この狭さじゃ漏れたら絶対当たってケガするし。
[オーロラ] うん……マゼランちゃん、帰投したら改善提案書を提出しなくちゃだね。
[オーロラ] 基地に万全の準備をしてもいざという時には使えない。もっと瞬時に防護措置を展開できるような装備を携帯してないと……個人の能力とその場の判断に任せるだけじゃ毎回上手くいくとは限らない。
[オーロラ] 今回は運よく近くに隠れられる岩があったからよかったものの……ああ、そういえば、撮影用のドローンはちゃんと回収してきたから安心してね。
[マゼラン] え? ちょっと、こういう時なんだからドローンなんか構ってる場合じゃないでしょ! 真っ先に逃げないと!
[オーロラ] それは分かって……
[オーロラ] ……
[マゼラン] どうしたの? 急に黙り込んで……
[オーロラ] マゼランちゃん、外の様子がおかしいかも。
[マゼラン] うそ、ごめん、もうちょっとズレてもらっていい? あたしが見てみる。
マゼランは背伸びしてオーロラの後ろから顔を出し、盾にへばりついて隙間から外の様子を覗いた。
黒い雲が日差しを完全に遮っていた。四方八方から叩きつけられた源石の欠片混じりの雹は、盾とその後ろに潜む二人を追い立てる。
強風が防護マスクのフィルターをすり抜け、氷雪の粒子が換気口を塞ぐせいで呼吸もままならない。鋭い氷片がオーロラの手袋を切り裂くが、彼女は必死に盾を抑え込んで放そうとはしなかった。
[オーロラ] ……マゼランちゃん、この盾じゃ長くは持ちそうにない。これは源石災害に対応した造りじゃないから。使える装備はみんな基地に置いてきちゃって……
[マゼラン] 一般的には、降雹時間はそう長く継続することはない。このドローンはある程度空域の障害物を排除する機能を備えてるから、少しの間ならドローンで雹を防げるはず──
[マゼラン] オーロラちゃん、もう少し盾を内側に傾けて。そうやって立ててると体力を余計に消耗しちゃうよ、あたしも力入れられないし。
[オーロラ] ねぇマゼランちゃん……プランを二つ思いついたんだけど、聞いてくれる?
[オーロラ] 一つ目は、この盾を持ってもらって、私は基地まで走って行くの。それで用意した装備を取ってきて補強の作業をする。それまで耐えてくれればいいから、マゼランちゃんの安全は保証するよ。
[オーロラ] 二つ目は、この盾をまだテスト中の盾に切り換えるっていう案なんだけど、プロトタイプだからもしかすると──
[マゼラン] 二つ目のプランで行こう。
[マゼラン] あたしが非感染者だからって、一人でこの中を走り抜けるだなんてバカなこと言わないで! もし行くのならあたしもすぐにそのあとを追うからね、そんな捨て身の気遣いはお断りだよ。
[マゼラン] 君もここに残ってて。テスト段階の盾じゃ心許ないなら、別の方法もあるから。ここから岩沿いに移動すれば、一ヶ所ぐらいは身を隠せる窪みや洞窟が見つかるはず、それを探せばいいよ!
[マゼラン] とにかく、一人で何もかも背負うような考え方はしないで!
オーロラは背中に手を伸ばし、プロトタイプの防御盾に触れた。
この盾に装着されている源石回路は、彼女がまだアイアンフォージ工科大学に通っていた頃の課題だった。あの頃の彼女は、最先端の防御工程技術を研究し、イェラグに持ち帰ることを夢見ていた。
イェラグの外に出るために、彼女は多くの努力を重ねてきた。父親と殴り合いの大喧嘩までした。
[ララの父] ララ! なぜそこまで頑なに外に出ようとするんだ?
[ララの父] 機械いじりがしたいなら鉱区にもあるし、エンシオディス様の下で学ぶことだってできるんだぞ。何より、イェラグにいればイェラガンド様が見守ってくださる!
[ララの父] イェラグの未来のために貢献したいというのなら、わしやお前の兄と一緒に鉱区で働いたって一緒じゃないか!
[オーロラ] もちろんイェラガンド様のことは信じてるよ。でも鉱区にいるとどうしても目に入るから嫌なの……私は技術の進んだ機械がどれも外国製なのが悔しいの!
[オーロラ] いつか、全部イェラグ製のものにしてあげたい!
[勇敢な同級生] ララ、早く下がれ! もう防護服が破けてるぞ!
[勇敢な同級生] なんでこう毎回みんなの前に立とうとするんだ! できるからって限界もあるだろ! あれは天災なんだぞ!
[勇敢な同級生] その感じじゃひょっとしたらもう感染してるかもしれない。いいから盾を俺によこせ! 俺の方が丈夫だからお前よりは長く堪えられる!
[オーロラ] でも──
[オーロラ] いや、私がやる……ここは私が守り抜いてみせる!
[オーロラ] これは私が設計したものなの。どう扱えば真価を発揮させられるかは私が一番よく知ってる!
[オーロラ] 本当にもう感染してるんだったら、なおさら一番前に立つべき。感染していないあなたたちを守らなきゃ!
体内で源石のできた箇所がひりひりと痛む。あの時に地面とオーロラの身体に叩きつけられていた雹が、今は彼女の目の前で降り続けている。
様々な記憶が彼女の脳裏を過る。自分の感染を知って送られてきた両親の手紙、仲間と作ったかまくら、エンシオディス様の人材育成計画書、汽笛を鳴らして走る列車、林立するクルビアのビル群……
盾の向こうには相変わらず激しい雹が降り注いでいる。防護マスク越しでも差し迫る危険の匂いがわかるほどだった。
私は……恐れているの?
オーロラは自らに問いかける。
これからの人生が大きく変わってしまうことは怖いし、いつまでも両親を心配させてしまうことも怖い。
でも、一番怖いのは……できるはずだったことができなくなってしまうこと――
オーロラの背中にある盾、その裏側に装着された源石回路は、彼女が病気にかかったせいで未完成に終わった課題だ。
これは彼女がずっと成し遂げようとしてきたことでもある。彼女がこれまで追い続けてきた夢であり、彼女をいつも最前線に立たせてくれる支えでもあった。
雹はさらに激しく彼女たちを叩きつける。背後にいるマゼランが必死に手を伸ばし、支えようと頑張っているのがわかる。
オーロラは、ついにプロトタイプの防御盾を自らの面前に掲げた。
[マゼラン] オーロラちゃん……?
[マゼラン] そんな一気にアーツを放出しちゃダメだって! アーツ得意じゃないんでしょ、下手したら身体が持たないよ!
[オーロラ] ……大丈夫。きっと、上手くやってみせるから。
[オーロラ] 私がこの盾を開発したのは、故郷を……そばにいる人たちを守るためなんだから……
[オーロラ] 命がかかってる、今こそ使い時なんだ……今こそ、私の頑張り時なんだ!
[オーロラ] 私は自分の力が及ばなかったせいで、鉱石病に感染してしまった……だからもう誰一人同じ目に遭わせたくない──
[オーロラ] マゼランちゃんを……いや、誰もがっかりさせたくないんだ……何よりも、自分をがっかりさせたくないの!
[オーロラ] これは私が心に決めたこと。だから最後まで頑張ってみせる。
[オーロラ] 一人くらい無傷に守り切ることもできないようじゃ、イェラグを丸ごと護りたいだなんてもう言えなくなっちゃう!
[オーロラ] マゼランちゃん、どうかあなたの経験と知恵で私を導いて! 盾を置き換えたら、あとはどうすれば二人とも無傷でいられるか、アドバイスをお願い!
[マゼラン] ……
[マゼラン] 攻撃モジュール、起動――オーロラちゃん、もうちょっと場所を空けて。
[マゼラン] ドローンが位置についたら、あたしの合図を聞いて動いてね。入れ換える間に落ちてくる雹は、全部吹き飛ばしてあげるから!
[マゼラン] オーロラちゃん、具合はどう?
[マゼラン] 今、ちょうど氷原と荒野の境目──今回の出発時点の補給所に戻ってるよ。
[マゼラン] オーロラちゃんったら、雹が晴れたと同時に気絶しちゃってさ。例のプロトタイプの盾もボロボロになっちゃったけど、君なら絶対に捨てないはずだと思って、洗浄して持ってきておいたよ。
[オーロラ] ……
[オーロラ] ……マゼランちゃん! 大丈夫!? ケガは? か……感染はしてない!?
[マゼラン] 大丈夫、してないよ。かすり傷程度で済んでるから。
[オーロラ] はぁ……てっきり──
[マゼラン] 守れなかったんじゃないかって? まったく、最後は体を張って盾になろうとしてたでしょ、丸わかりだったんだから。あのね、氷原では自分を守ることが最優先事項だよ、わかる?
[マゼラン] 自分の安全を確保してこそ、チームメイトの安全も守れるからね。
[オーロラ] マゼランちゃん、私……
[マゼラン] ……はいはい、大事な大事な盾のことが気になってるんでしょ。どうぞ、ちゃんとキレイにして包んでおいたから。
[オーロラ] ううん、違うの……
[オーロラ] ただ……天災って、遭わずに済むことだってできるよね?
[オーロラ] 天災を止めようなんて言いたいんじゃないの。ただもし計画通りにしていれば、今頃は基地の中でゆっくり物資を整理して、「外の雹すごいね」って感心するだけだったはずなのになって……
[マゼラン] オーロラちゃん……
[マゼラン] 君ならそう考えるだろうって思ったよ。でもね、極北で実地調査をするなら、こうした突発的な事態が日常のように起きるんだよ。
[マゼラン] あたしも今までいろんな経験をしてきたものだよ。大吹雪が発生して氷の洞窟に五日間も閉じ込められたり、雪崩でドローンが全部埋まっちゃったり、目視しにくいクレバスに落ちそうになったり――
[マゼラン] 極地というのは、個人の意志程度でそのありの姿を変えられるような場所じゃない。そこから何かを得ようとするなら、必ずそれなりの代償を支払うことになる。
[マゼラン] それは数ヶ月間の孤独であったり、ケガであったり、色々さ……ともかくどれも探検ではよくあることなんだよ。
[マゼラン] たかが数日帰りを遅らせた程度で、天災を下してきたりしないよ。ここじゃそれが常で、あたしたちはたまたま出くわしただけ。そういうことなんだから、あまり自分を責めることないよ。
[オーロラ] ……
[マゼラン] はぁ、本当は今度君がちゃんとオーロラを見れた時に渡そうと思ってたんだけど……
そう言ってマゼランは、ボロボロに壊れたドローンを取り出した。
それに装着された撮影モジュールは、一本のケーブルでモニターと繋がっており、断続的な映像が映し出されていた──
盾の端に、わずかに見える狭い空。黒い雲と雹に吞み込まれたそこには、不意に奇妙な光が現れ始めた。
光はまるでひらひらと宙を舞うシルクかシフォン生地のようで、目まぐるしく変化する光を放ちながら、次第に空の下に広がった。
その頃、オーロラはちょうど頭を垂れていた。その手に持つ盾の源石回路はオーバーロードしたせいか、通常の蒼白い光から眩い青色に輝き出した。
彼女はがっしりと盾を支えており、盾と一体となって、倒れることのない要塞と化していた。源石も雹も共に盾に遮られながら、次々と滑り落ちていく最中──
空に浮かぶ五彩のオーロラは、鮮やかに輝きを放っていた。
[マゼラン] 残りの物資を整理してた時に、この録画を見つけたんだ。ドローンの撮影モジュールがつけっぱなしになってて、たまたま撮れたんだろうね。君が見たかったオーロラに本当はもう出会ってたんだよ。
[マゼラン] それとオーロラちゃん、あと二日残ろうって言い出したのもあたしでしょ?
[マゼラン] 極北での経験はあたしの方が豊富だし、君よりも立ち向かってるものが何なのか理解してたはずなのに……
[マゼラン] だから、いつか、君がちゃんと自分自身の目でオーロラを見られた時にって思って……
[オーロラ] マゼランちゃん!
[オーロラ] マゼランちゃん、聞いて――
[オーロラ] 私ね、今までずっと、自分の足でイェラグを飛び出て、自分の手でやりたいことを成し遂げたいって思ってた。
[オーロラ] 私が本当に気にしてるのは、自分たちをちゃんと雹から守り抜くことができて、あなたも感染することなく無事でいることなの。しかも、ずっと研究してきた課題もちゃんと役に立った!
[オーロラ] これで両親や兄さんと姉さんに堂々と言えるよ……鉱石病にかかっても、故郷を出てからずっと立ち止まらずに頑張って来れたって。夢の実現に向かって、一歩一歩ちゃんと進んでるんだって!
[オーロラ] そして、自分にも言い聞かせられる、間違った選択じゃなかったって――マゼランちゃん、私が本当にこだわってるのは、ただオーロラを見るんじゃなくて、自分の力で目標を達成することなんだ。
[オーロラ] だからね、この録画は私にとって、自分の目でオーロラを見ることよりもずっと尊いものだよ!
[オーロラ] それにマゼランちゃん、ここを見て──
オーロラは興奮気味に再生画面のシークバーをスライドさせ、ある場面で止めた。
そこにはオーロラの後ろにピッタリくっつき、身体で支えつつ両腕を懸命に伸ばすマゼランの姿があった。ドローンはその指揮のもとで、盾の隙間から飛び出て空中に展開している。
[オーロラ] さっき気付いたんだけど、盾を支えてる私だけじゃなく、後ろにいるマゼランちゃんもばっちり映り込んでるの!
[オーロラ] これってもう、オーロラの下でのツーショットだね!
[オーロラ] この映像を残してくれて本当にありがとう!! 私、今回の実地調査に参加できて、すっごくすっごく嬉しいよ!
ララへ:\nあなたが鉱区に送ったというデータが届いたみたいだよ。みんなでその新しい技術を採掘設備に取り入れようと真剣に考えているわ。
写真も母さんたちのところにちゃんと届いたからね。『イェラガンド』のそばに飾ってあるわ。これで毎日ララが頑張る姿を見られるわね。
手紙と一緒に、父さんが作ったチーズフォンデュも送っておくわ。保存処理はしてあるから、それなりに日持ちするはずよ。
ララはとっても頑張り屋さんだから、父さんも母さんもあなたを応援しているけど、心配もしているの。でも、自分の人生は自分が決めるものだよね。私たちは家であなたからのいい報せを待つことにするよ。
[オーロラ] マゼランちゃん、いる?
[オーロラ] 次回の調査のことなんだけど、プランのひな型を考えてきたよ。それとこの前研究したいって言ってた新しい装備の草案も、エンジニア部のみんなと相談してまとめてきたの!
[オーロラ] しかもね、他にも任務に参加したいって言ってるオペレーターがいるんだ。それについても打ち合わせしようよ!
[マゼラン] はいはーい、今行くね!
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