aklib_story_快刀乱麻_5-9_業より出でし異形_戦闘後

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快刀乱麻_5-9_業より出でし異形_戦闘後

メフィストにはもう退路がない。そんな時、彼が話すとともに急に変化が訪れる。 状況はあっという間に逆転した。ところがチェンはまだ奥の手を残していたのだった。


[メフィスト] ゴホッ……ゴホッ。

[チェン] 脆いな!

[メフィスト] これだけの同胞を、全員片付けたのかい? 君を再評価せざるを得ないね、隊長さん。

[チェン] もういい。黙れ。

[メフィスト] いやいや、よくなんかないよ。ファウスト、彼女にサプライズをよろしく。

[ファウスト] 了解。

[チェン] ――!

[チェン] オイ! 最上階、全員伏せろォォォ!

[近衛局員] あっ!

[チェン] クッ、狙撃手か……。

[チェン] (予め防御姿勢をとったにも関わらず、これほどの衝撃を受けるものか?)

[チェン] だがお前の命を救うだけの力はない。そいつの攻撃が届く前に、お前は死ぬ。

[チェン] ……待て。お前は以前、近衛局が捕らえたあの感染者か?

[ファウスト] ……。

[メフィスト] そうさ、お前たち近衛局がファウストを苦しめたんだ。まあ、ウルサスの奴らが僕らにしたことを考えれば、なんてことないけどね。

[メフィスト] さっきはわざと外してあげたんだよ、近衛局の隊長さん。ファウストが世話になった礼として一度だけね。

[メフィスト] どうしてファウストがここに居るか分かるかい?

[メフィスト] 君たち近衛局はもう内部から腐り始めているのさ。そして君たちの腐敗が、ファウストの抜け出すチャンスを生み出したんだ。

[チェン] ……お前らは自分が上手くやったつもりだろうが、龍門というものを何も理解していないな。

[メフィスト] ふーん、その言葉には何か深い意味があるのかな?

[チェン] ファウストとやらは貴様らレユニオンが自分で救い出したとでも?

[メフィスト] 近衛局の内部にはたくさんの感染者がいるからね。

[チェン] ああ、その通りだ。数は二十一人だ。

[メフィスト] ……。

[チェン] お前はそのうち、少なくとも四人は根っからのレユニオンだと考えているのではないか?

[チェン] しかしその四人ですら私が手配したものであったらどうする? それを察知してか、彼らがお前に合流した後、そのうち一人を捕らえただろう?

[メフィスト] よく分かってるね、隊長さん。あの女には逃げられたけど。

[チェン] そしてお前は、まだ自分の境遇がわからないのか?

[メフィスト] そうだね、僕も認めないとね。僕の部隊は壊滅だ、残されたのは僕一人。

[メフィスト] 近衛局内外を徘徊するのは戦闘能力を持たない兵だけ、僕の同胞たちにはもう抵抗する力は残っていない。

[メフィスト] そう言いたいのかな?

[チェン] ある程度は現状の認識はあるようだな。

[メフィスト] じゃあ――さあ、僕の護衛たち。

[メフィスト] 立ち上がれ。

[レユニオン構成員] う、うう、うがあああ!!!

[チェン] 貴様! 何をっ!?

[チェン] 奴らの身体の源石が……成長している?

[メフィスト] 源石により刺し貫かれた身体は再構築され、新たな体躯となる。

[メフィスト] さあ隊長さん、よく見ておくといい。これが僕の護衛隊、不死身の衛兵たちだ。

[メフィストの護衛] 【雄叫び】

[メフィスト] それに、僕の家畜、僕の同胞……。

[メフィスト] フーッ……。

[チェン] なんだあの粉末は……?

[メフィスト] 同胞たちには治療が必要だ、つまり僕から離れられないってこと。

[チェン] アーツか? 各小隊、警戒しろ! 敵指揮官がアーツを放った、粉末は広範囲に飛散している!

[メフィスト] 安心しなよ、隊長さん。君たちは僕の同胞じゃない、君たちには関係のないものだよ。

[レユニオン構成員] ……あ、あ――

[レユニオン冓戊貝] ……ぐ、ぐぅ!

[繝九が繝ウ讒区・蜩] うう、ううう……

[???] うわああああ!

[メフィストのかヵカ] ……血!! 血!! あああ!!! あ!!!

[メフィスト] 静まれ。

[メフィストの刀千勹] ――

[近衛局員] 隊長! 緊急事態です!

[近衛局員] 敵の…か、身体が変形していきます。もう倒したはずなのに、あの粉が掛かるだけで……。

[近衛局員] ウワァァァァ、復活してこちらに向かってくる。畜生!

[チェン] おい、復活した敵の数はどれほどいる?

[近衛局員] ぜ、全員です!

[チェン] ――!

[メフィスト] 彼らは僕の家畜、そして僕の手足でもある。

[メフィスト] g7、g6。

[メフィストの家畜] ――があっ。

[チェン] 貴様……。

[メフィスト] 彼らは絶対に死なない。僕が彼らの傷と痛みを全て治すからね。

[チェン] こんなものを手足として従えるなんて、お前はもう人としての道を踏み外しているな。

[メフィスト] そもそも君らは感染者を人として扱っていないじゃないか。僕たちはね、理想のためなら何にでもなるって決めたんだよ。

[チェン] こんなものを理想と呼ぶのなら、お前だけは是が非でも始末する。

[メフィスト] 目標があって、やる気も十分。素敵だねぇ、隊長さん。

[近衛局員] 集中砲火だ! 目標は敵指揮官! 撃てッ!

[メフィストの護衛] ――

[メフィストの護衛] (うめき声)

[メフィスト] でも僕の護衛隊は普通の攻撃でどうにかできるものじゃない。

[近衛局員] 身体で爆発を受け止めて指揮官を守った……しかも無傷だと!?

[近衛局員] こいつは都市の防壁を打ち砕くほどの威力なんだぞ!

[メフィスト] 無駄遣いはやめといたほうがいいよ。

[メフィスト] 傷口なんてすぐに塞がるし、そこはより厚く硬い皮になる。命すら簡単に再生できるんだからさ。

[メフィスト] 君たちの武器なんかじゃ僕の護衛隊に対抗するのは無理だよ。元々みんな隊長さん一人の為に用意したものだしね。

[メフィスト] 同胞たちよ、立ち上がれ。誰にも僕と隊長さんとのお話を邪魔させるな。

[近衛局員] チェン隊長、レユニオンが波状攻撃を仕掛けてきます! 我々の武器では倒せそうにありません!

[近衛局員] くそ、こいつら痛みや苦しみを一切感じないのか!

[近衛局員] 他の小隊も同じ状況です! ビル外で徘徊していたレユニオンの兵も行動を開始しました、ビルに向けて進攻し、先程設置した防護設備へ攻撃を行っています!

[チェン] 各小隊、まずは各個に周囲の敵を排除し自分の安全を確保しろ。

[近衛局員] どけっ!

[近衛局員] 隊長、奴らに知覚は全くないようです。そして近衛局のビルはすでに包囲されました!

[近衛局員] こちらは肉弾戦を強いられています、そちらに支援を送るのが難しい状況です。

[チェン] とにかく自分たちの身を守れ。

[近衛局員] 了解!

[メフィスト] 壮観だよね? 何度も戦ってきたから、彼らの意識は負荷に耐えられなくなってきてるけど、肉体の方はまだまだ元気だ。

[メフィスト] これだけの力があれば、少しの作戦ミスだって帳消しにできる。

[メフィスト] これで少なくとも、君とゆっくりお話できるね。

[メフィスト] 一度君とちゃんと話しておきたかったんだ、隊長さん。この戦いとは関係なくね。

[チェン] 必要ない。

[チェン] 直接お前を切り伏せて終わりだ。

[メフィスト] おっと、さすがに速いっ!

[ファウスト] ……。

[メフィスト] でもまだまだ足りない。

[チェン] !

[ファウスト] 切っ先で弾を逸らした?

[メフィストの護衛] ――

[チェン] 狙いは正確だな、黒髪。

[チェン] チッ、狙撃で動きを止め、私の行動を予測し肉の壁を作るというわけか。

[メフィスト] 悪いね、隊長さん。君の行動パターンはもう予測できる。接近戦が出来ないように進攻ルートを封鎖してやればいいだけだよ。

[メフィスト] こうすれば、もう僕には近づけないだろう。鋭利な矢、重たい矢、爆発する弾、どれが好みかな?

[チェン] ――

[チェン] お前の用意は確かに周到だったのかもしれん。

[チェン] だが、投了まで読みきった対局であっても、規格外のコマまでは予測できまい。

[メフィスト] (待て、どうして粉末があいつの身体に……?)

[メフィスト] (そうだったのか、そういうことだったのか。)

[チェン] 私はお前の思い通りには行かない。こちらとて準備は万全にしてここに立っている。

[チェン] 私をチェスの盤上に当てはめようなど無駄なことだ、私は誰のコマでもない、私は龍門の刃だ。

[メフィスト] へぇ、そうなんだね。

[メフィスト] 勇敢と無鉄砲は似て非なるものだよ。

[メフィスト] あるいは、切り札があるのかな? そのもう一本の刀、まだ抜いたところを見たことがないけど。

[メフィスト] それは飾りじゃない、そうでしょ。

[チェン] ふんっ。

[チェン] この刀はお前たちの様な輩を斬るためのものではない。

[チェン] どちらにせよ、お前たちにはこの刀を抜く価値すらない。

[チェン] だが、お前たちには償いをしてもらう必要がある。お前たちが傷つけた龍門とチェルノボーグの全ての罪なき者たちのために。

[ファウスト] ……。

[チェン] 今、ここで。

[ウェイ] ——これはもう君のものだ——

[チェン] ——必要ありません——

[ウェイ] ——ではひとまず君に預ける、ということにしておこう——

[チェン] ——怖くないんですか?——

[ウェイ] ——君が私に刃を向けるかもしれない、ということか?——

[チェン] ——はい——

[ウェイ] ——ああ、怖くないな——

[チェン] ——どうしてですか?——

[ウェイ] ——私はそれほど死を恐れていないのでね——

[チェン] ——……——

[ウェイ] ——それは普通の武器ではない、扱っていれば徐々に理解できるはずだ——

[ウェイ] ——そやつの殺意はしまっておけ。斬龍の剣を抜くだけの価値のある局面以外では——

[ウェイ] ——誰に刃を向けるかは、君が自分で決めればいい——

[チェン] (……まだ寝ているのか。)

[チェン] (こんな時であっても鞘から出たくないのか。)

[チェン] (だが今は、赤霄(せきしょう)、お前は血を吸わねばならん!)

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