aklib_story_喧騒の掟_CB-10_111A.M._戦闘前

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喧騒の掟_CB-10_1:11A.M._戦闘前

鼠王の指揮下にある地元マフィアと収容再編成したマフィアが一斉にペンギン急便に猛攻を仕掛けた。モスティマが自ら鼠王を抑え込んでいるところで、バイソンもようやく悩みを振り払い、戦闘に加わった。


[女の子] ネズミのおじいちゃん~!

[鼠王] おや、お主か。ここに何しに来たのかね?砂埃まみれの顔をして。通気口でも通って来たのかのう?

[女の子] えへへ、これ正門の何おじさんからもらったの!何おじさんはね、わたしが小っちゃくて、駆けっこ早いから、これ十五分で渡せたらヨーグルトくれるんだって! ちゃんと間に合ったよって言って!

[鼠王] ああ、ちゃんと言っておくからのう。もう行きなさい。

[女の子] ありがとうおじいちゃん! バイバ~イ!

[鼠王] ……。

[普通そうな住民] ご老人。どうしました?

[鼠王] ワシらを探していた、あのシラクーザ人たちを覚えているか? 彼奴らの「ファミリー」は、完全にシラクーザから龍門へ移ってきたようじゃぞ。

[普通そうな住民] 連絡担当者に知らせましょうか?

[鼠王] 必要ない。こちらが動かなくても、彼奴らの方から訪ねてくるのだろう。

[普通そうな住民] 何のためにです?

[鼠王] ここで生き抜くためにだ。

[普通そうな住民] それだけでしたら、別に誰かの同意が必要なわけではないと思いますが。もし誰かに伺うとしたら、それは「天災」ってやつですね。

[鼠王] もし天災に口を利けるなら、殺し合いなぞせんでよいだろうよ。

[カポネ] ——アンタの言う通りですよ、鼠王さん。

[カポネ] 龍門には龍門のルールがある。ウェイが十数年も前に黙認したこの掟を、我々は決して破ってはいけない。

[カポネ] しかしその執行者はアンタだ。これが俺らが今日訪ねてきた理由でもある。

[鼠王] ……お主らはペンギン急便を一掃し、取って代わりたいのだろう。

[カポネ] その通りだ。

[鼠王] お主らは彼らへの理解が足りないのう、シチリア人よ。こんな取引では、お主らは何の得も得られぬぞ。

[ガンビーノ] チッ。

[カポネ] (ガンビーノ!)

[ガンビーノ] テメェは俺たちが勝てないとでも言いてぇのか?「鼠王」さんよ?

[鼠王] 「勝ち負け」というのは、取引で口にする言葉ではないな。どおりでお主がシラクーザから追い出されるわけだ、確かにあの女の相手にはならん。

[ガンビーノ] 俺のファミリーを侮辱すんのか?

[カポネ] おい黙れ、ガンビーノ! 俺たちに必要なのはペンギン急便に対しての——。

[鼠王] ルールさえ守ってくれるのであれば、ワシにはペンギン急便をかばう理由はない。

[カポネ] ——つまり何だ?

[鼠王] ペンギン急便は皆に知られている合法的な会社であり、彼らを庇護しておるのは、龍門の鉄の法律だからな。

[鼠王] だが彼らは、たびたび各方面で問題を起こす。しかも、やらかした事に対し、なんとも思っていない顔をしておる。

[鼠王] だがくれぐれも覚えておけ、シチリア人よ。くれぐれも、一線を越えてはならぬと。

[鼠王] ここの秩序は変わっておるが、決して無秩序ではない。シラクーザ人なら最も理解しているはず。この老いぼれの手を煩わせることはもう二度とないと、約束するんだな。

[カポネ] ——わかった。

[鼠王] ……龍門のこの時期の星は、思っていたより多く出ているのう。

[鼠王] テーブルに置いてきた茶も、冷めてしまったのかのう。

[通りすがりの人] これは旦那の……おい、仕事だぞ。

[通りすがりの人] 聞こえてるっての。さっさとやれ、終わるころにはヤムチャにちょうどいい時間だ。

[マフィア] 俺たちの番が回ってきたようだな。

[マフィア] 挨拶も済んだし、やるか。クロスボウを下ろせ、間違えて無関係な人間を傷つけないように注意しろ。

[マフィア] ……新しいルールには慣れてかなきゃな。

[クロワッサン] ウチら、なんやぐるっと囲まれてるやん。内側に三周、外側に三周みたいな?

[エクシア] あ、ロールケーキかな?

[テキサス] 鼠王はスラムの意思決定者だ。彼の爪牙が届かない場所はない。

[バイソン] ……どうしてそれを早く言ってくれないんですか?

[テキサス] ただの都市伝説だと思っていた。それにまさか本当にネズミだったなんて。まったく誰がこんなあだ名を付けたのか。

[クロワッサン] こんだけぎょうさん人がおったら、手ぇ出すの無理とかいうて、どこに罪もない民衆ちゅうやつがおんねん! 全員敵やないか!

[ソラ] うーん。全然身動きが取れないよ。

[バイソン] どうしましょうか?

[テキサス] キミはいつも人に聞いてばかりだな。自分で考えてみたらどうだ?

[バイソン] ……。

[テキサス] 来るぞ。

[鼠王] ……来たか。ここは下の様子がよく見える。

[鼠王] お主のお友達はだいぶ苦戦しておるが、手助けに行かなくても良いのかのう?

[モスティマ] 貴方がこんなに厳しい仕打ちを下すなんて知らなかったよ。

[鼠王] ワシとて何事も若者と誠実に語る、というわけではないのだよ。

[モスティマ] そうだね。私もすっかり忘れてたよ。貴方がそういう人物だと。

[鼠王] 多くの人は、この事を忘れ無様に死んでいくだろう。まぁお主は既に特別優待枠に入っているがのう。

[モスティマ] 貴方がボスを殺したんだね。今回のこと、タダで済むと思う?

[鼠王] フォッフォッフォ、無論わかっておるとも。

[鼠王] ペンギン急便と彼らの主人は、傍若無人に振る舞い過ぎたのだ。龍門は常に変化しておる。いつまでも彼らの好き放題にされては困るのでな。

[鼠王] 彼らには罰が足りなかったのだ。少し厳しい罰がな。

[モスティマ] 恩を仇で返すようなことをやりすぎるとバチが当たるよ。

[モスティマ] 貴方はペンギン急便の手を借りて色々してきたでしょう……。

[モスティマ] 待って、もしかして最初からこうするつもりだった?

[鼠王] それはどうかの。

[モスティマ] ありえないよね、貴方は自分の役どころを把握してるはずだから。うん、少なくとも私よりはね。

[鼠王] フォッフォッ……。お主は本当に賢いな。

[鼠王] その火炎がお主の意志に反応しているのは、ワシを墓地送りにしようとしているからかな?

[モスティマ] それはないよ。

[モスティマ] 私は老人を敬っているからね。

[エクシア] モスティマ!

[テキサス] 待て、エクシア。私たちはまだ囲まれているんだ。陣形を乱すな。

[エクシア] ちぇーっ! ちょっと待ってて! すぐ行くから!

[クロワッサン] コイツら、一般市民の中に紛れるんがうますぎて、こんなんで戦うんは無理やで。

[バイソン] もうなにがなんだか……。

[クロワッサン] バイソンはん、ボケっとしとらんと、ちょいとそこ邪魔やで! 退いてくれんか?

[バイソン] 誰もが自分のことばかり。こんなんじゃどうすれば……。

[バイソン] ……もういいや。

[バイソン] いつもこんなことになるなら、それで行こう。

[バイソン] ねぇ、聞こえてる?

[ソラ] 通信? 誰に向かって?

[テキサス] 気を付けろ。

[テキサス] 集中しろ、ソラ。

[ソラ] わ、わかりました!

[バイソン] いるんでしょ? ずっと。分かってるよ。

[執事] バイソン様……私は……。

[バイソン] 知ってるよ。責めたりなんかしない。どうせ父さんからの指示なんでしょ。だけど今は、ぼくの指示を聞いてもらうよ。

[執事] ……承知いたしました。どうぞ何なりとお申し付けを。

[バイソン] こんな状況なんだから、言うまでもないよ。

[バイソン] 奴ら全員ぶっ飛ばせばいいんだ!

[執事] まさかバイソン様の口からこのような命令をお聞かせ頂けるとは。

[執事] 旦那様の代わりにお聞きしましょう。「理由は?」と。

[バイソン] ……理由なんかどうでもいいよ! クロワッサンさん、ちょっとどいて!

[クロワッサン] なんや?

[クロワッサン] おっとっと——。

[バイソン] はあ——っ!

[クロワッサン] おっ、敵をどつき飛ばしたんか!? ええで、ウチの立ち位置奪ってみい!

[執事] フム……結果から言えば、旦那様は満足されるでしょう。ただ、バイソン様がこのままですと……ペンギン急便色に染まる可能性がありますな。

[執事] いえ……もうこれ以上、バイソン様の妨害をしてはなりません。バイソン様が良いと仰ればそれで良いのです。

[マフィア] このチビめ! 大人しくやらればいいものの! 野郎共、かかれ!

[バイソン] ——!

[マフィアA] かわされた!?

[マフィアB] うわっ、いてぇ! 俺の棒が何かに弾き飛ばされた!

[マフィアA] 気をつけろ、スナイパーがいる!

[バイソン] そこを退いてもらうよ!

[モスティマ] ……手加減してるとはいえ、貴方はここで微動だにしないなんて、さすがにちょっと理不尽じゃないかい?

[鼠王] なに、立ってるだけだといっても、楽だとは限らないのじゃよ。

[モスティマ] この龍門で貴方を打ち負かせるものなんて、本当にあるの?

[鼠王] 無論だ。「龍門」なら。

[モスティマ] あー、ずるいね。

[鼠王] ワシとて毎日公園で早朝トレーニングを続けておる。歳を取ったら健康維持は重要だからのう。

[モスティマ] 早朝トレーニングって、こんな効果があるの?

[鼠王] ちょっとした人生経験を足せばな。

[モスティマ] あの二人のシラクーザ人はどうしたの?

[鼠王] どうしておるのじゃろう。

[モスティマ] ……本当にね、毎日このように闇に葬られた事がいくらあるのか、知りたいものだね。

[モスティマ] それとも「龍門に手を出そうと画策した人同士が殺し合うように仕向けるのは、今回で何回目?」って聞いた方がいい?

[鼠王] はっきりとは覚えとらんよ、お嬢ちゃん。ワシが知っているのは、生き抜くために努力を惜しまない奴が、下水道の死体より遙かに多いということだけさ。

[バイソン] モスティマさん! 今助けに——

[普通そうな住民] それ以上近づくのは許さない。お前たち、ボスを助けに行け。

[マフィア&通りすがりの人] はっ!

[バイソン] させるか!

[普通そうな住民] スナイパーだと? この坊主のボディーガードか?

[バイソン] どけ!

[普通そうな住民] お前はただのトランスポーターだろうが。余計なことに首を突っ込むな。

[バイソン] トランスポーター? そう、ぼくはただのトランスポーターさ。だけどね、ぼくたちの周りにいるあの一番騒がしい人たちも、みんなトランスポーターみたいだよ。

[普通そうな住民] テキサスたちとお前は違う。今この戦場から引けば、まだお前は無事で済むぞ。

[バイソン] ……それはあなたが決めること?

[普通そうな住民] うっ――! お前、少しはやるようだな!

[モスティマ] 思いきってやればいいよ!

[バイソン] ——はい!

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