aklib_story_喧騒の掟_CB-6_1026P.M._戦闘前

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喧騒の掟_CB-6_10:26P.M._戦闘前

「大地の果て」では、ペンギン急便の面々が無意味なワインパーティを開いていた。ペンギン急便を追って襲来したマフィアに直面した一同は、ワインボトルをつかみ、乱闘を始めた。


p.m.10:26 天候/曇天

サンセット通り バー「大地の果て」

[クロワッサン] ボス、この酒、何年もんか当てれるん?

[エンペラー] ウェッホン、んーこの沈殿した色合い、ふくよかな香り、後から感じる甘み、長く続く味わい、これこそは——。

[エンペラー] いや、先月スーパーで買った安酒だろうがっ!

[クロワッサン] 当たり~。百発百中や。流石は自称「龍門一の利き酒師」やな!

[エンペラー] オイ、何度言わせんだよ。コイツはな、飲むためじゃなくて予備の武器として買ってあんだよ。ソラ!

[ソラ] はいはーい。お口直しどうぞ。

[クロワッサン] うわっ……。炎国の黄酒なんかで口直しするんかい……。

[テキサス] アルコールは確かに消毒できるからな。バーテーブルの下に工業用アルコールがあるから、それでも代用できるかもな。

[クロワッサン] こら、アカンわ。こんな金があるんやったら、もっと別なん買うた方がええわ。散財っちゅーもんの真髄は、使い方にあるんや。使い方にな。金額の大小は関係あらへん。

[エクシア] みんな~、アップルパイが焼けましたーっ☆パーティーのスタートだよ!

[クロワッサン] おーっ! エクシアはんお手製のパイやな!

[エンペラー] 乾杯!

[ソラ] 気づいたら始まっちゃったけど、何のためのパーティーだっけ?

[エクシア] ん? バイソンくんの歓迎会だよ。

[ソラ] ……そのバイソンくん本人は?

[エクシア] ん~! どこだろうね!

[エンペラー] なら名目を変えりゃいい。俺らに名目なんて事欠かねぇからな。

[バイソン] ……皆さん、何してるんですか?

[クロワッサン] お、待っとったで。もっちろん、アンタの歓迎パーティーに決まっとるやろ。

[エンペラー] 来たか。「大地の果て」へようこそ。

[エンペラー] この店じゃあ、遅刻した者は罰として酒を三杯、主役が遅れたら更にその三倍。ま、でもお前ぇは酒が飲めないから、ソーダを九杯ってところだ。さぁ。

[バイソン] この店って、なんでこんな名前なんですか?

[バイソン] (それからこの内装、凄くまぶしい……。そしてなぜにその上にペンギンが……一種のパンクアートなのかな……?)

[エクシア] ぼーっと立ってないで、早くおいで。これキミの歓迎パーティーなんだからさ。アップルパイはいかが?

[バイソン] ……結構です。

[バイソン] ぼくとモスティマさんがマフィアと戦っていたとき、あなたたちはここでパーティーをしていたなんて……。

[バイソン] それで……あのマフィアのリーダーはどうしたんですか?

[テキサス] 逃した。

[エンペラー] 正確に言うと「この俺が特別に逃してやった」だな。

[バイソン] どちらにせよ逃してしまったんですね……。これからどうするんですか?

[テキサス] 敵の数、目的、正体、どれも判明した。

[テキサス] シラクーザから来たマフィア。彼らはペンギン急便の龍門での勢力圏を奪取する気だ。

[テキサス] ……私たちは運送会社のはずだが……まぁいい。

[ソラ] 気にしないでください、テキサスさん。どのみち「庭先のお掃除」はやらないといけないですから。

[クロワッサン] なんや、ウチらまともそうな会社に聞こえんねんけど。

[エクシア] なんか無駄な事してるよね~。譲ってあげたとしても、あいつらにボスの商売のスタイルが真似できるわけないと思うけど。

[エンペラー] ペンギン急便に取って代われるものはねぇよ。もし俺だってんなら尚更だ。

[バイソン] そういうことでしたら、別の解決法もあると思います。どうして喧嘩する必要があるんでしょうか?

[テキサス] 知らない。

[バイソン] 知らないって……。皆さん、いつもどうやって……。

[エンペラー] オッケーオッケー、そんなにガチになるなよ。簡単だ。奴らのボスをボコって河に捨てりゃあ、それで万事解決だろ?

[エンペラー] そもそも連中の件は、二度寝しようとしてやっぱり寝付けなかったのと同じぐらい時間の無駄だ。俺はまっっったくやる気がねぇんだよ。

[エクシア] まぁ、そういうことだよね。真面目に話す価値すらないと思うよ。ほい、ガム。

[バイソン] ……あ、すいません。

[バイソン] でも少なくとも何か対策を考えておくべきではないでしょうか? んんッ、えっ、ちょっと待って、このガムは何味ですか?

[エクシア] 上級合成コール味。

[テキサス] このメーカーのガムは危険物リストに入れろ、クロワッサン。

[クロワッサン] 堪忍な。目新しいフレーバーのもん見つけると、つい仕入れてしまうねん。えへっ。

[エンペラー] おい、お前ら、パーティーどうした? 酒と料理はある、音楽は?

[エクシア] りょーかいっ!

[バイソン] これジャズですか……意外だ……でも少し……。

[エクシア] 前のマスターは、根っからのジャズ愛好家だったからね。ただボスが店を引き受けてから、ちょっとスタイル変えてるんだ。

[ソラ] ちょっと?

[テキサス] それはボスのレコードはさっき全部——。

[エンペラー] やめろ! 俺のトラウマを掘り起こすな!

[エンペラー] ま、奴さんがあんな厄介な病気になっちまったからよ。俺が代わりに店の面倒見てるってわけだ。

[バイソン] もしかして、鉱石病ですか?

[バイソン] あの事件が起きてから、龍門の感染者への扱いは改善したはずなのでは……。

[エンペラー] いや。

[エンペラー] アルコールアレルギーだ。

[バイソン] ……。

[クロワッサン] 龍門最高のバーテンダーになるっちゅう夢を持っとった人やったのにな。こんなんまさに命取りや。

[エンペラー] ヤレヤレ、また汚ねぇ連中が押しかけてきやがったか。おい、お前らよ、命が惜しけりゃカウンターの下に潜っとけ。

[クロワッサン] わかったわ!

[エクシア] あっ、カウンターの下にコインみっけ。ラッキー。

[ソラ] 騒がないで、ここ狭いんだから——あっ! エクシア! 頭のリングが!

[テキサス] ボケっとするな。バイソン、伏せろ。

[バイソン] えっ? あ——。

[マフィア] 撃て!!

[クロワッサン] うひゃ~、こんなん店がメタメタになってまうやん。

[バイソン] エンペラーさん、隠れてないみたいですけど、大丈夫なんですか?

[エンペラー] 本当にしつこい連中だぜ。おいお前ら、店がなくなっちまう前に反撃しろ!

[エクシア] ごめん、ボス。あたしのゴム弾はもう切れたから。椅子でも使えばいい?

[エンペラー] おい、わざわざ安酒買っといたのは、こういう時に武器にするためだろうが!?

[クロワッサン] あー、こらアカンわ。あの安物はさっきのひと瓶で終いや。残ってるんは、高いやつばかりや。

[エンペラー] 構わねぇよ。美酒を自分の宮殿にしまっておくなんざ、時代遅れのジジイのやるこった。

[エンペラー] 美酒らしく華を咲かせて散らしてやれ! 物理的に!

[クロワッサン] マジか。せやけど、あの秘蔵酒、メッチャ高いんやけど——。

[エンペラー] 持て、ひとり一本にしとけよ。頭だけ狙え。

[エンペラー] 俺のバーを守ることは、この大地を守ることだ。行けっ!

[テキサス] エクシア。

[エクシア] はーいっ! 酒瓶で人を殴るんでしょ、そういうのあたし得意。

[ソラ] ちょ、ちょっと待ってよ!

[マフィア] 奴らが出てきやがったぞ! 気をつけろ! うわあっ!

[クロワッサン] 10万、15万、45万、70万……。

[クロワッサン] あの瓶はなんぼなん? アカン! 待つんやエクシアはん! そのボトルは——あちゃ~。

[バイソン] そ、それは……?

[クロワッサン] 今夜の損失の数字や。アカン。耐えられへん。ウチら二人、盾で戦うで! これ以上損失を広げたらアカン。

[バイソン] りょ、了解!

[クロワッサン] いくで~、三、二、一、ゴー!

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