aklib_story_紅炎遣らう落葉_CF-9_決戦燃える狩猟魂_戦闘前

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紅炎遣らう落葉_CF-9_決戦!燃える狩猟魂!_戦闘前

リオレウスに何度打ち倒されようと、老狩人は立ち上がる。そのやり取りは彼の身体が動かなくなるまで続けられていた。そうしてついに身動きの取れなくなったその時、幼く小さな人影がリオレウスへと立ち向かう。


彼は膝をつく。右手は変わらず、地に刺した矛を強く握っていた。

体は傷だらけだが、彼は痛みを少しも感じなかった。あるいは痛みがそこら中から伝わってくるせいで、衰えた神経がそれを処理しきれなくなったのかもしれない。

出血はないが、汗は一瞬にして熱で蒸発し、肌は痛覚を失うほどに焼かれ、黒いかさぶただけが残っている。

喉の深くから痛みと共に、甘い生臭さが伝わってきた。突然、胃が激しく収縮して、何かが押し上げられてくる。

[柏生義稜] ぐっ――おえっ――

[柏生義稜] っ……はっ。畜生め、虫酸が走る……

轟く咆哮のせいで、耳鳴りが止まない。彼はそれでも、汚れた泥の中から己の意識を取り戻した。

顔を上げ、彼は再び立ち上がろうとしているその巨大な怪物を見つめる。

彼らは互いに見つめ合っていた。

[柏生義稜] ああ……お前か。

[柏生義稜] そうだ、思い出した……

数分前の記憶が蘇る。彼は炎が吹き出された瞬間――僅かに生じた隙を捉えて、矛先をリオレウスの頭に放つ。

しかしその代償として、次の攻撃は避けきれない。

[柏生義稜] はっ……はははは!

[柏生義稜] 血を――流させてやったぞ!

[柏生義稜] どうだ、この俺に傷を負わされた感想は!?

[柏生義稜] こっちはとっくに気付いてたのさ……頭の鱗は脆いってことにな。見ろ、俺の目は誤魔化せんぞ!

[柏生義稜] お前だって無敵じゃない。怪我をするし、倒れもするんだ!

[柏生義稜] チッ……待ちやがれ!

[柏生義稜] どこに行くつもりだ!

[柏生義稜] 今始まったばかりだろうが! 逃げるんじゃない!

[柏生義稜] 俺はまだ戦える! 決着はついてないんだぞ!

彼は矛で体を支えようとしたが、膝をまっすぐに伸ばすことすらできなかった。

矛はより深く地面に突き刺さり、その影は震えている。

[柏生義稜] 絶対に……お前を逃がしやしない……!

[柏生義稜] 何せ血を流させることができたんだ。次は……

[柏生義稜] この矛先を、心臓に突き立ててやる!

――これが最後のひと時だからだろうか。矛を高く掲げると、衰えた身体からとてつもない力が湧いてきた。

彼は走り出す。もう一度、あの仰ぎ見ることしかできない生命へと突撃する。

[柏生義稜] うおおおおおおッ!

[柏生義稜] ぐ、ごほっ……!

[柏生義稜] 俺は……生きてるぞ……

[柏生義稜] かかって、きやがれ……!

爪が手のひらに食い込むほどに、彼の右手はなおも強く矛を握る。

彼は必死に己の足を叩くが、筋肉はそれに応えることなく、震えるばかりだった。

身体に残った最後の力までもが、消え去ってしまったのだ。

矛が手から滑り落ちる。

[柏生義稜] 立て! 立つんだよ!

[柏生義稜] ……クソッ……!

[柏生義稜] 立ち上がれ……!

彼は目を見開く。

その目は、見た。

幼子が弓を高く掲げて、リオレウスを狙う様を。

その細腕は震えていたが、視線は揺らぐことなく真っすぐに怪物と向き合っていた。

[和也] か、怪物め! おじいちゃんに近付くな!

[和也] ぼくは……ぼくは和也だ! この村の、狩人なんだぞ!

[和也] これ以上お前に村を壊させたりしない! 僕らが止めてやる!

[ヤトウ] ノイルホーン!

[ノイルホーン] おう、待たせたな!

[ノイルホーン] 安心しろ、和也は無事だ!

[ノイルホーン] 学者先生、爺さんと和也を安全な場所まで送ってやってくれ!

[学者アイルー] わかりましたニャ!

[鍛冶屋アイルー] 荷車に乗せるニャ!

[学者アイルー] リオレウスが……部位破壊されてるニャ……? テラのハンターさんがやったのですかニャ? あの矛だけで……?

[学者アイルー] あんなに身体が軽いのに……そんな力がどこから湧いてくるんですかニャ?

[和也] ……お兄さん……

[ノイルホーン] 偉いぞ和也、もう立派な狩人だな。だけど、今日のところは俺たちに任せといてくれよ。

火焔が煌々と輝く。

その時、傷だらけのもう一人の姿が、リオレウスの前に現れた。

彼女は腰をかがめると手を伸ばし……地面に落ちていた矛を拾い上げる。

そしてその矛を、強く地面へと突き刺した。

天に向かって、真っすぐに。

[ヤトウ] 柏生さん。時間を稼いでくれてありがとう。

[ヤトウ] 今はゆっくり休んでいてくれ。

[ヤトウ] この先は……

[ヤトウ] ……私たちに任せろ。

[ノイルホーン] 準備万端だぜ!

[オトモアイルー] 決着をつけようぞニャ!

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