aklib_story_吾れ先導者たらん_GA-7_光と影_戦闘前

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吾れ先導者たらん_GA-7_光と影_戦闘前

「幻想だったら何なの? 幻想でも理想でもなんでもいい、信じるものを追ってきたからこそ、今日のあたしがあるのよ。理想を他人の身に委ねるのは私の弱さかもしれないけど、後悔なんてしないわ。」


[うれしそうな市民] 街が賑やかだなぁ。サミットがそろそろ始まるからかな?

[のんびりした市民] そうじゃないかしら。いろんな場所で爆発してるし、みんな興奮してるみたいね。

[うれしそうな市民] 痛って! おい誰だよ!

[フェデリコ] ……

[のんびりした市民] あれって……執行人とレガトゥス!?

[うれしそうな市民] 何やってんだあいつら。パルクールでレースでもしてんのか?

[のんびりした市民] 盛り上がってて楽しそうね。私たちもやってみない?

[うれしそうな市民] 乗った! 追いつけるかどうかやってみようぜ!

[オレン] ここまで来りゃきっと……

[オレン] はぁ……諦めの悪い奴だな、フェデリコ。

[フェデリコ] お互い様です。

[オレン] そもそもお前、今は任務中じゃなくて……休暇中だろうが! こっちはわざわざ調べたんだよ!

[オレン] まったく意味わかんねぇ。なんでこんなしつこく追い回されなきゃいけねぇんだよ? 恨まれることでもしたか?

[フェデリコ] 私の前回の任務は、シラクーザへ向かい、現地で亡くなったサンクタの遺品をラテラーノへ送り届けることでした。

[フェデリコ] 遺品の中にあったノートには、あるサンクタの女性がサルカズと接触しているのを見たと記載されていました。

[オレン] そうかい。そりゃ確かにお前の調査対象なんだろうが、俺と何の関係があんだよ? 俺は「サンクタの男性」だぜ。

[フェデリコ] 各種手がかりを追ったところ、該当の女性の住所は、ラテラーノ、ステファン区ステヴォヌス通り7-265であることが判明しました。

[オレン] ……

[オレン] そんでお前がたどり着いた時には、そいつはもう亡くなってたってわけか。

[フェデリコ] はい。

[オレン] ……だからお前はそいつの行動記録を調査するほかなかった。それから怪しい外出記録に気付き、毎回その直前にとあるレガトゥスと連絡を取っていることを知った……そんなとこだな。

[オレン] ハハハハ! 面白れぇ、面白れぇじゃねぇか!

[オレン] ヴィクトリアでボロを出しちまったか、あるいはアンドアインと連絡を取るときに痕跡を残しちまったかと思ってたが……親切心からフェオリアの手伝いをしてたことがあだになるなんてな……

[オレン] はぁ、これも運命ってやつかね。

[フェデリコ] そろそろ感傷に浸り終えましたか?

[オレン] なぁフェデリコ、俺の予想通りなら……今お前、俺の感情を感じ取れてないだろ?

[フェデリコ] ええ。ですが問題ありません。

[フェデリコ] 逮捕する相手の感情など私には関係ありませんから。

[オレン] それ以外の奴の感情は気にするってのか?

[フェデリコ] ……いえ。

[オレン] 俺もお前と同じさ。多かれ少なかれ共感を拒絶している者同士……ダチになれるかもな。

[オレン] 正直言うとな、俺はラテラーノにはお前みたいな奴がもっと必要だと思ってんだよ。

[オレン] 同情心に流されず、単に法規にのっとり行動するような奴がな。

[フェデリコ] その点において異論はありません。あなたの裁判が終わった後でよければ、監獄で話を聞きましょう。

[???] オレン、つまりそれがあなたの言い分かしら?

[オレン] ……一番面倒な奴まで現れやがったか。俺みたいな一日一善を実践してるような良識人がどうしてこんな目に遭うかねぇ……

[フェデリコ] 枢機卿ヴェルリヴ殿、ごきげんよう。

[ヴェルリヴ] ごきげんよう、執行人フェデリコ。

[ヴェルリヴ] 反逆者オレンの処遇は第七庁に引き継がれたわ。公証人役場はもうこの案件をクローズしてちょうだい。今回の件に関する報告は、写しをとって第七庁および第一庁に送るようにね。

[ヴェルリヴ] これが私の認証コードよ。

[フェデリコ] 確認完了、手続きに問題はありません。

[ヴェルリヴ] それと、あなたはこのまま休暇に戻ってもいいし、迷い人の逮捕作戦に臨時で加わってもいいわ。ご自由にどうぞ。

[オレン] なぁヴェル、フェデリコの別れの挨拶を聞いたことある奴っているのか?

[ヴェルリヴ] 馴れ馴れしくしないで。

[オレン] なんだよ、助けに来てくれたんだろ?

[オレン] もし俺にお縄についてほしいだけなら、フェデリコが仕事を終えるのを待ってりゃよかっただろ。

[オレン] もちろん、俺がフェデリコを返り討ちにしてた可能性もあるが……だとしても、本気で俺を捕まえるつもりなら、あいつを追い払う必要はなかった……違うか?

[ヴェルリヴ] 私はただ、あなたが意外と役に立つことに気付いただけよ。

[ヴェルリヴ] フェデリコの報告を聞いた時は、あなたはせいぜいアンドアインの使いっ走りかと思っていたけど……改めて見れば、そこまで役立たずではなさそうだから。

[オレン] そりゃ光栄なお言葉で。

[ヴェルリヴ] あなたは、ラテラーノにとって脅威となるセシリアが消されてしまうことを望んでいない……だけど、その脅威をラテラーノにぶつけるのではなく、それで取引がしたい……そうでしょう?

[オレン] そういうこった。棚からぼた餅が転がり出たってのに、誰もそれに手をつけないなんて心が痛むだろ。

[オレン] 俺はこう見えてラテラーノには忠誠を誓ってんだ。ヴェルリヴ、俺のことはよーくわかってんだろ。

[オレン] 教皇聖下の理想を一番に支持してるのだって俺だ。

[ヴェルリヴ] だけど、聖下のやり方には賛同できないということね。

[ヴェルリヴ] 例えば今回のサミット……あなたは何の意味もないと思っているのでしょうね。

[オレン] ……

[オレン] まさかお前は意味があると思ってんのか?

[オレン] ヴェルリヴ、お前はヴィクトリアの現状をどれだけ理解している?

[オレン] 戦争がどれだけ間近に迫ってきているのか、お前にわからないはずがねぇ。

[オレン] 数十年間の下準備を経て、聖下はこの時期に大部分の国を動かすことには成功した。だが集まった連中は……あまりにも小物すぎる。

[オレン] もっと平和な時代だったなら、これを基礎にしてゆっくりと手回しすることだってできただろう。

[オレン] だが今はそんな時代じゃねぇ。聖下の理想を実現したいなら、のんきに事を行っている時間はないんだ。

[オレン] 俺はヴィクトリアで、数え切れないほど汚ねぇやり方を見てきた。ああいうのが正しいとは言わねぇが、もし正しいやり方じゃ目的を達成できそうにねぇなら――

[オレン] まさかお前は、正しさを貫くために目的を諦めるような高尚な人間にでもなるつもりか?

[ヴェルリヴ] オレン、こんな状況であなたが饒舌に語るなんて珍しいわね。

[ヴェルリヴ] 時間稼ぎでもしているの?

[オレン] ……実はさっき気が変わったんだ。

[ヴェルリヴ] へぇ?

[オレン] 外を何年も駆け回ってたらよ、俺はだんだんとサンクタが大して特別じゃないと思うようになった。

[オレン] 俺たちの特別なところって言ったら、ただ互いに感情を共有できるだけ……それだけだと思ってたんだ。

[オレン] だがさっき、俺みたいなやつでも感じちまったんだ……古の、悠久の何かが、まさに俺の心の中から湧き上がってきたのをな。

[オレン] しかも、俺たちは切り札になり得るカードを手に入れた。

[オレン] 各国の使者がラテラーノに集まった日に、この地に奇跡が舞い降りた……

[オレン] これが意味することを……どんな意味付けができるのかを考えれば……俺たちにもやれることがたくさんあるだろ?

[ヴェルリヴ] なるほど。それなら一つだけアドバイスよ。あなたはこんな慌ただしい時に万国サミットを開催すべきじゃないと思っているみたいだけど……むしろ逆に考えた方がいいわ。

[ヴェルリヴ] だけど、あなたの考えにも確かに理があるわ。教皇聖下が直々に手を下しづらいことでも、私の立場なら気兼ねなく用意しておける策はある……

[ヴェルリヴ] 運が良かったわね、オレン。確かにあなたが必要よ。

[フィアメッタ] パティア、出てきなさい。

[フィアメッタ] サルカズの仲間を街の騒ぎに関与させないなんて、まだそのくらいの理性は残っていたみたいね。

[フィアメッタ] もし使節たちがラテラーノで「万国サミットをぶち壊しに来たサルカズ」を目撃していたら……そう簡単に事態の収拾がつかなくなっていたでしょうし。

[パティア] ……何が言いたいの、フィアメッタ。

[フィアメッタ] アンドアインはもう大聖堂へ向かってるんでしょ。

[パティア] 何の情報を掴んだの!?

[フィアメッタ] それをあなたに報告する義理はないわ。

[フィアメッタ] でもあいつとケリをつけに行く前に、あなたを止めておきたいの。これ以上バカでうざったい小細工をされるのは御免だから。

[フィアメッタ] あなたたちはまだ万国サミットに本気で手を出すほど血迷ってはいないのかもしれないけど……

[フィアメッタ] でも下手なことはしない方がいいわ。物事っていうのはいつも望むようにいくとは限らないから。

[パティア] へぇ……? 今度はあんたがあたしを「説得」する番?

[フィアメッタ] ちょっと忠告してあげただけよ。聞き入れるつもりがないならそれでもいいわ……

[パティア] ……

[パティア] フィアメッタ、あんたは一体何を考えてるの。

[フィアメッタ] 至って簡単よ。自分の仕事をこなして……ケリをつけないといけないことを解決する……それだけ。

[パティア] ……八年前、なんで護衛隊を抜けたの?

[フィアメッタ] ……護衛隊じゃ外に行けないでしょ、でも公証人役場に所属すれば行けるからよ。それがどうしたの? こんなことに興味があるの?

[パティア] …………

[フィアメッタ] パティア、あなたが何をそんなに気にかけてるのかも、私に何を期待してるのかもわからない。リーベリならどうあるべきだとか、そういうあなたの不満は知ったことじゃないのよ。

[フィアメッタ] そんなことにはこれっぽっちだって興味ないわ。

[フィアメッタ] ……信頼してた奴の裏切りで、友人たちが散々な目に遭ったの。一人は追放されて……もう一人は大怪我して、しかも未だにその裏切り者から狙われてる疑いだってある。

[フィアメッタ] 時間を巻き戻すことはできないけど……もう二度と同じ事は起こさせないわ。

[フィアメッタ] 私はあいつらを守りたい、それだけよ。

[フィアメッタ] もしこれが、あなたが私に抱く幻想通りじゃなくても、謝るつもりはないわ。

[モスティマ] ……プッ。

[フィアメッタ] ……なにニヤついてるのよ。あなたが私でもきっと同じようにするでしょ?

[モスティマ] まぁね。

[パティア] ……その通り、あたしの幻想よ。

[パティア] 幻想だったら何なの? 幻想でも理想でもなんでもいい、信じるものを追ってきたからこそ、今日のあたしがあるのよ。

[パティア] 理想を他人の身に委ねるのは私の弱さかもしれないけど、後悔なんてしないわ。

[フィアメッタ] 理解に苦しむわ。

[パティア] ……だから、あたしは引かない。たとえこれが……あんたからすれば「バカでうざったい小細工」だとしても、任務として最後までやり遂げてみせる。

[パティア] どうしても止めたいなら、あたしを倒しなさい。

[フィアメッタ] ……

[フィアメッタ] それでいいわ、パティア。

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