aklib_story_ニアーライト_NL-8_最後のケシク_戦闘後

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ニアーライト_NL-8_最後のケシク_戦闘後

感情の起伏が激しい若き「悪夢馬(ナイツモラ)」は、突然マリアへの追撃をやめて立ち去った。その頃、ドクターはプラチナの襲撃を受け、グラベルがそれを阻む一幕もあったのだが……ロドスは既に、準備を整えていたようだ。


[マリア] わっ……!

[老騎士] マリア!

[老騎士] 無茶をするでない!

[マリア] ……でも、フォーゲルヴァイデおじさんだって……手が……

[老騎士] この程度、これまでにもあったことじゃ。わしは慣れておる。

[追魔騎士] ……勝負はついた。お前たちの力は我が想像を上回り、この怒りを辛うじて鎮めるに至った……

[追魔騎士] 末裔の血に免じ、命までは取らぬ。だが今は、我が天路から去るがいい。

[老騎士] ……お主はどうあってもマーガレットと私闘をしたいようじゃな。

[追魔騎士] ……否。中断されし決闘の続きを行うのみ。

[老騎士] なぜそんなことをする?

[老騎士] そこまで固執し、そこまで……狂気に苛まれておるのは、何を求めてのことなのだ? お主の追い求めるものは、何だと言うのだ?

[追魔騎士] お前にはわかるまい……

[老騎士] わかってたまるか! その伝統とやらのために、お主は生活と、目の前のすべてを捨てたんじゃろうが! お主の行動には何の意味もないんじゃぞ!

[追魔騎士] 我が生の意味は我が定めるもの。貴様の承認が必要か?

[老騎士] わしはただ、お主が狂気の中に囚われておるのを見てはいられんだけじゃ。そも、「天路」が成人の儀だと言うならば、お主はただの小僧に過ぎぬというのに!

[追魔騎士] ……! くだらぬ話は止めよ。そこを退け。

[老騎士] ハッ、ならばわしを倒すほかあるまい。

[追魔騎士] ――後悔するなよ、老いぼれ!

[追魔騎士] ――!

[老騎士] 何をしておる、マリア! お主はケガを――

[マリア] ……あなたの感情がそんなに大きく揺れたのは初めて見たよ、ナイツモラさん。

[追魔騎士] ……

[マリア] ――「騎士の盾は、他者を守るためにある」。これは、お姉ちゃんが教えてくれたことなの。

[マリア] ……私の信念が借り物だって言われたことには、確かに返す言葉もないよ。

[マリア] それでも……照らしてもらった道を歩むことを、臆病な行為だと言うのなら――それを照らし出す騎士なんて、何の意味もなくなってしまうから!

[追魔騎士] 貴様が騎士について語るのか――

[マリア] ――悪いけど、今の私は騎士じゃないの。ただ、お姉ちゃんを守りたいと思ってここに立っているだけ――

[マリア] ――だから、あなたみたいな道理のわからない人に、お姉ちゃんの歩む道は邪魔させない!

[追魔騎士] これは……アーツか? だが、騒ぎ立てるほどのことは――うん?

マリアの頬を流れる血が、アーツの光に照らされた。

それは脆弱で小さく、ナイツモラには、全力を出せばこのペガサスを殺せるという確信があった。

そう――彼は、確信していたのだ。

しかし、なぜ……この瞬間、少女の頬を染めた鮮血が、金に輝いて見えたのだろうか?

[追魔騎士] ……アーツの光が、血を金色に見せたのか?

[追魔騎士] だが、歴史書に記されるほどのペガサスが、斯様な弱者であるはずがない……単なる偶然であろう。

[マリア] フォーゲルヴァイデおじさん、先に戻ってて……ここは、私が引き受けるから。

[老騎士] 馬鹿なことを言うでない! あやつは、本当にお主を殺すつもりでおるのだぞ――!

[マリア] 大丈夫。

[マリア] 私が、あの人を止めてみせる!

[追魔騎士] ……

[マリア] ……えっ? どうして、急に背中を向けたりなんて……

[追魔騎士] ……ペガサスよ。

[追魔騎士] 借り物の信念では決して、強者にはなれない。それを真実、固く信じ抜かぬ限りはな。

[追魔騎士] なれど、貴様はそれを信じてはおらぬだろう。

[マリア] ……

[追魔騎士] 献身に、犠牲……

[追魔騎士] 貴様のように……生まれながらにして、そうした自己破壊的な美徳を有する者も在るか。この邂逅は私にも学びを与えたと言えよう、ペガサスの末裔よ。

[追魔騎士] ……ともすれば……

[追魔騎士] ……いや。

[追魔騎士] ――耀騎士に伝えよ。貴様との決闘は未だ終わりではない、とな。

[マリア] ……

ともすれば何だと云うのだ?

「貴様と同じ環境で育っていたら、私も同じ選択をしていたかもしれない」?

――腑抜けたことを考えるな、トゥーラ。

軟弱になってはならない!

[グラベル] ……耀騎士に、血騎士か〜。あっという間に、メジャーも白熱してきちゃったわね~。

[グラベル] ポイントだけ見れば、耀騎士の決勝進出はほとんど確実でしょうけど……

[グラベル] ……あなたは、あんまり嬉しそうじゃないみたいね?

[ドクター選択肢1] ニアールの優勝を連合会が黙って見ているならいいが。

[ドクター選択肢2] 感染者による事件を経ても、民衆は受け入れてくれるのか?

[ドクター選択肢3] ニアールにとって最大の挑戦は始まったばかりだからな。

[グラベル] ……本当に。

[グラベル] だけど、連合会がどんな陰謀を企てていようが、監査会とドクターなら、ニアールさんが困難を乗り越えられるように助けてくれるって信じてるわ。

[グラベル] ただ、本当に商業連合会だけが問題なのかは気になるところね……彼らの得意分野は、自分たちの手を汚さずに、ただ種だけを蒔いて……それが芽を出すのをじっと待つことなんだもの~。

[グラベル] ……抗議の声は、多く上がってくるでしょうね。

[グラベル] ふふっ……でも血騎士の時だって、そうだったでしょう?

[グラベル] だけど彼がトロフィーを掲げて、歓声と札束がみんなの視界を埋め尽くしたあとには……そんな抗議のことなんて誰も覚えてなかったわ。

[グラベル] 民衆はすぐに過去のことなんて忘れてしまうの。だから、勝ったのが誰だろうと、その人が「感染者」の代わりに声を上げれば、全部解決しちゃうでしょうね~。

[グラベル] カジミエーシュは、チャンピオンを歓迎するのが当然だもの。

[グラベル] それって……血騎士との試合のことかしら~? ううん、あなたはそんな浅い話なんてしないわよね……

[グラベル] ……ともあれ、何があろうと、あなたとニアールさんなら困難を乗り越えられるって、あたしは信じているわ。

[ドクター選択肢1] ところで、アーミヤと医療オペレーターたちは?

[グラベル] 今日もしっかり、感染者騎士の検査と治療を行ってくれてるわよ。

[グラベル] あの働きぶり、誰の目から見ても、ロドスがとびきり優秀なのは明らかね。大騎士長があなたたちにここまで信頼を置く理由も、理解できるわ。

[グラベル] で・も~……今あなたのそばにいるのはあたしなのに、あたしのことは気遣ってくれないのかしら~?

[グラベル] ちょっぴり傷ついちゃうわ~。

[ドクター選択肢1] 確かに、君の協力には感謝しなくては。

[グラベル] 感謝、ねぇ……具体的には、何に感謝してくれるの~?

[ドクター選択肢1] しっかりと護衛してくれていることに。

[ドクター選択肢2] 行動制限のある我々のため、情報を提供してくれたことに。

[ドクター選択肢3] 暇つぶしにお喋りしてくれること、とか?

[グラベル] そのくらい当然のことよ~。それがあたしのお仕事だもの。命令を受けたからには、身を粉にして働いてあげるわぁ。

[グラベル] ……素知らぬ顔でドクターの感謝を受け取っちゃいたいところだけど……あたしに伝えられることなんて、大騎士長が許可してくれたことだけなのよ~。

[グラベル] だから、本当にロドスを助けてるのは、あの人なの。

[グラベル] あら。それじゃ、あたしたちの会話って、あなたにとっては単なるお喋りだったの?

[グラベル] ふふっ。本気でそう言ってくれるなら、いくらでも付き合ってあげるわ。

[グラベル] それで、ドクターはその感謝の印に何をしてくれるのかしら~?

[ドクター選択肢1] 外出のついでに買い物へ行くのはどうだ?

[ドクター選択肢2] 趣味があれば、それに付き合おう。

[ドクター選択肢3] お望みのままに、何でもしよう。

[グラベル] うふふっ……素敵な提案ね。あたし、実はずっとモデルさんになってみたかったのよね。

[グラベル] だって、いつもは鎧ばっかり着てるんだもの。あたしだって女の子なのに、こんなの、うんざりしちゃうわ~。

[グラベル] まあ……昔のあたしには、こんなこと考える権利自体、ないに等しいものだったんだけど。

[グラベル] 趣味~?

[グラベル] あんまり考えたことなかったわ~……普通のカジミエーシュ女子って何が好きなのかしら? グルメ? お化粧品とか? ん~……騎士の話で盛り上がる、とかなら遠慮したいところだけど~……

[グラベル] でも、そうねぇ……ファッションには興味があるわ。いつも鎧を着てばかりだから、段々気が滅入ってくるのよね~。

[グラベル] あたしみたいな征戦騎士は、私服を着る機会なんて滅多にないんだもの。

[グラベル] ドクター……自分が何を言ってるかわかってるの~? 「何でも」するだなんて言葉はたとえ拷問されてる時でも、一番最後の手段として取っておくべきだと思うけど~?

[グラベル] あんまり横着して選択を他人任せにしてると……任せた相手が、予想外の行動に出ることだってあるのよ?

[グラベル] ところで、ドクター……ちょっとそこに座っててもらえるかしら?

[ドクター選択肢1] わかった。

[グラベル] 目を閉じててね? あなたの目が傷ついてほしくないから。

[グラベル] それじゃあ、次はぁ……

[グラベル] ――ドクター、まだ目を開けちゃダメよ。

[グラベル] 無冑盟の殺し屋なんて見ちゃったら、カジミエーシュから無事に帰れなくなるかもしれないしね~?

[???] ......

[ドクター選択肢1] 君だけを危ない目に遭わせるわけにはいかない。

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] 何が起きたかは、知っておくべきだろう。

[プラチナ] ……アンタ、普通の征戦騎士じゃないね?

[グラベル] あら。暗殺者になれるのは無冑盟だけだなんて、思わないことね。

[プラチナ] 動くなよ。少しでも動けば、オマエの喉を掻き切る。

[グラベル] それはできない相談だわ~。あたしは、死んでもドクターの安全を守らないといけないから。

[プラチナ] 相手はただのよそ者でしょ……一人の騎士が命を懸ける価値なんて――ん?

[プラチナ] その腕についたバーコード……アンタ、買われた奴隷の身で、部外者にそこまで忠誠を誓う必要なんてあるの?

[グラベル] 残念だけど、あたしは今、自分の意志でドクターを守りたいと思ってるのよ。

[プラチナ] ……なるほどね。監査会がロドスにオマエみたいなお供をつけておいたのは……最初から、ロドスの手を借りて零号地を調査するためだったってことか。

[グラベル] あたしたちが利用してるみたいな言い方はやめてちょうだい。

[ドクター選択肢1] それなら、利用し合っていると言ってもらいたい。

[ドクター選択肢2] ……Win-Winの関係とも言う。

[ドクター選択肢3] とにかく、仲良くできればそれでいい。だろう?

[プラチナ] ……アンタが、ロドスの「ドクター」? そばにコータスの女の子がいるはずだって聞いてるけど……

[プラチナ] 私、子供に手出しするのは嫌いなんだ。だから、アンタを始末しとけば、それでいいよね?

[ドクター選択肢1] 残念だが、そのアーミヤこそがロドスのリーダーでね。

[ドクター選択肢1] ついでに言うと、彼女を甘く見るのはやめたほうがいい。

[グラベル] ドクター、先に行っててくれる? ここはあたしが引き受けるわ。あなたはアーミヤさんを連れてこの場を離れて、監査会へ――

[プラチナ] ……言っとくけど、私一人で来たわけじゃないからね。

[プラチナ] 無冑盟の人員が、ひそかにここを取り囲んでるんだ……もう逃げられないよ。

[グラベル] ……大丈夫よ、ドクター。あたしがいる限り――

[グラベル] ――っ、ドクター?

[プラチナ] ……護衛の前に立つなんて、どういうつもり? 自分の命を差し出して他人を守ろうってわけ?

[プラチナ] ほーんと感動的だね。でも、私にも任務があるから。

[ドクター選択肢1] その任務というのは、常務取締役からの指示か?

[プラチナ] ……え?

[ドクター選択肢1] 恐らく、理事会から直接受けた命令ではないはずだ。

[プラチナ] 何言ってるの……?

[ドクター選択肢1] ミェシュコ工業からか?

[ドクター選択肢2] サン・グラス製薬グループだろうか?

[ドクター選択肢3] クラウド製薬かな?

[ドクター選択肢1] 確かに、ロドスの存在は彼らを恐怖させたのだろう。

[ドクター選択肢1] とは言え真相を知ったからといって、たかが一外部企業の我々に何ができる?

[ドクター選択肢2] それに、ロドスの声ならば彼らはもみ消すことができる。

[ドクター選択肢1] 本当に恐ろしいのは、虎視眈々と狙ってくる同輩のほうだろう。

[ドクター選択肢2] 彼らが恐れているのは身内だ。

[プラチナ] ……それで?

[ドクター選択肢1] こちらの命を奪うことなど、君には簡単なんだろう?

[ドクター選択肢2] 急ぎの用はあるか? 君の仕事がフレックス制ならいいが。

[ドクター選択肢1] 座って一息ついてみないか。

[プラチナ] ……アンタ、自分が何してるか本当にわかってんの?

[プラチナ] そこの征戦騎士に邪魔されようが、私には――

[ドクター選択肢1] ――いや。君にはできない。

[ドクター選択肢1] 昨日、代弁者の立ち会いのもと行った契約があるからな。

[ドクター選択肢2] マルキェヴィッチは本当に力になってくれた。

[ドクター選択肢3] ロドスの「法律上」の立場を伝えておこうか?

[ドクター選択肢1] ――我々は今や、「商業連合会の臨時加盟組織」だ。

[ドクター選択肢2] 我々に手を出せば、連合会に手を出すことと同義になる。

[ドクター選択肢3] いずれにせよ、この機会を狙う者があるのは知っていた。

[プラチナ] ……

[ドクター選択肢1] 君たちは、「法律」を無視することができる。

[ドクター選択肢2] しかし水面下の貪欲な共食い絡みのことは無視できない。

[プラチナ] ……!

[グラベル] 今の音……電話……?

[ドクター選択肢1] 出てみるといい。君は……プラチナだったか?

[ドクター選択肢2] 君宛ての電話だ。

[ドクター選択肢3] まずは話を聞いてみてくれ、お嬢さん。

[プラチナ] ……

[電話の声] ……セントーレアか?

[プラチナ] ……!

[電話の声] プラチナ、動揺せずともいい。

[電話の声] 君がまだロドスのリーダーを手に掛けていなくてよかった。

[電話の声] 撤退してくれ。伝達内容に誤りがあったんだ。功を焦った愚か者たちが、理事会を通さず無冑盟に命令を下したらしい……

[電話の声] それから、零号地での「不要となった感染者」への処理もやめさせるように。彼らはまだ、価値を生み出すことができると、ロドスが教えてくれたのでね。

[電話の声] 連絡は以上だ。

[プラチナ] ……

[プラチナ] ……全部、アンタの計算通りってこと?

[プラチナ] 一体どうやって……

[ドクター選択肢1] 一部の人を味方につけ、そうでない人々に対処しただけだ。

[ドクター選択肢1] これは、決して難しいことではない。

[ドクター選択肢2] ただし、交渉する価値のある人はほんの一握りにすぎないがね。

[ドクター選択肢1] 本当に難しいのは、敵と味方の選び方だ。

[ドクター選択肢1] 話の通じる友人がいてくれて幸いだった。

[代弁者マッキー] ……では、零号地のことはどうするんだ?

[代弁者マッキー] 感染者たちがここまで多くの暴動を起こした直後に、二人の感染者騎士が勇姿を見せてしまうとなると、不確定要素が多すぎる。

[代弁者マッキー] このタイミングで、零号地の感染者に対する処理が明るみに出てしまえば……

[代弁者マルキェヴィッチ] おそらく、メリットもデメリットもあるでしょうが……

[代弁者マッキー] 「おそらく」、なんてそんなあやふやなことは許されないんだ。良きにしろ悪しきにしろ、我々が求めるのは「すべてをコントロールすること」なのだから。

[代弁者マルキェヴィッチ] ……ほかの方法も、用意してあります。

[代弁者マルキェヴィッチ] 万一に備えて、無冑盟を向かわせておきました。

[プラチナ] ……こんなんでアンタを見逃せって言うの?

[プラチナ] 部外者のアンタに、無冑盟の存在を知られたっていうのに……

[グラベル] ……あんまりしつこくすると見苦しいわよ? プラチナさん。

[プラチナ] ……

[アーミヤ] ……ドクター! 今日の物資輸送の件ですが――

[アーミヤ] あっ、ご来客中でしたか? す、すみません……

[プラチナ] ……大丈夫。入っていいよ。

[グラベル] 無冑盟と征戦騎士を同じテーブルにつかせてお茶をするなんて……ドクター、あなたって本当に型破りな人ね~。

[アーミヤ] では、失礼して。ドクター、こちらへ来ていただけますか? この書類、ドクターにもサインをお願いしたいんです。

[プラチナ] (あれがロドスのリーダーか……今、手を下すとしたら……)

それは単なる想像にすぎなかった。

すぐ近くにいるグラベルでさえ殺気の一つも感じないほどだった。当然だ、所詮はただ想像なのだから。

しかしそうであっても、プラチナはやはり迷いを感じた。そしてそれと同時に、自分は運が良かった、とも思っていた。

任務完遂にこだわらなかったのは幸運なことだったのだ。

そう思うのは、彼女がその小柄なコータスから何か予感めいたものを感じ取ったからだ。

仮に、手を下そうとしたならば――自分は本当に無傷のまま矢を引き抜けるのだろうか?

それとも、その前に――

[アーミヤ] ……? あの、どうかされましたか?

[プラチナ] いや、何でもない。ごめん。

[プラチナ] 今日は、これで帰るとしようかな。さっき壊したガラスは、修理してもらえるように手配しとくよ。

[プラチナ] アンタ……ロドスのDr.{@nickname}、だったよね?

[プラチナ] アンタのこと、覚えたから。

[アーミヤ] ……ドクター、グラベルさん、もしかして何かあったんですか?

[グラベル] ……いいえ。

[グラベル] ちょっとお茶してただけよ。

[無冑盟構成員] ……プラチナ様、お求めのものが手に入りました。

[プラチナ] ほんとに見つけてくれたんだ。

[無冑盟構成員] はい。ロドスと監査会の間で使われている通信周波数を探り当て、それを手がかりとして特定した情報です。

[無冑盟構成員] こちらが、オペレーター・ニアール……耀騎士の、本当の身体検査報告書です。

[プラチナ] ……

[プラチナ] えっ……?

[プラチナ] 耀騎士は……感染者じゃ、ない……?

[ビッグマウスモーブ] カジミエーシュメジャー会場へよ~~こそ! 私は皆さんお馴染みのビッグマウスモ~~~~ブです!

[ビッグマウスモーブ] 本日の注目カードである、血騎士vs追魔騎士! 我々が幸運にもこの試合を見ることができるのは、追魔騎士のしたミスのおかげでございます! 感謝しておかなければ、ですね!

[ビッグマウスモーブ] さてと、今宵幕を開けますのは――比類なき恐怖と実力のぶつかり合い! 強大なる血騎士と伝説の種族、ナイツモラの戦いは、火花散ること請け合いです!

[ビッグマウスモーブ] この前の試合において、血騎士と追魔騎士は一触即発の顔合わせを済ませ、そして今! 正式にこの競技場で相まみえました!

[ビッグマウスモーブ] これから始まる命懸けの闘争の果てに、勝者だけが栄光を手にすることになります! それではご登場いただきましょう! ――両騎士の――入~~場~~で~~す!!

[マーガレット] ……

[追魔騎士] ……

[ビッグマウスモーブ] 現れましたのは追魔騎士! 彼は騎士団無所属、スポンサーからのサポートもなしの独立騎士でございます! なぜこんな優良物件を皆さん放っておくのでしょうか!?

[ビッグマウスモーブ] どなたか、彼のために騎士団を作る気はありませんか? きっと大儲けできるはずですよ!

[ビッグマウスモーブ] 対しますのは――鮮血の王! 人呼んで、カジミエーシュの紅きゴブレット、無情なる勝利略奪マシン、その名に恥じぬ強さの頂点!

[ビッグマウスモーブ] 血騎士! ディカイオ~~~~ポリス~~~~~!!

[血騎士] ……また会ったな、ナイツモラよ。

[血騎士] 貴様はまだ、過去の幻影を追っているのか?

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