aklib_story_マリアニアール_MN-7_ミェシュコグループ_戦闘前

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マリア・ニアール_MN-7_ミェシュコグループ_戦闘前

大勢の人々が注目する中で、マリアは何かを決心したようだった。マリアの本気の思いをその目で見届けたゾフィアは、自らも気持ちを改めた。


[ゾフィア] ……もう試合が始まってる頃ね。

[ゾフィア] 必ず……え?

[ゾフィア] ちょっと、どうして私の剣がここにあるのよ?

[使用人] それは、マリア様が持ってこられたのです。

[使用人] 刃先を研ぎ直し、柄とのバランスも調整したので、真新しく生まれ変わっているはずと仰っていました。

[ゾフィア] ……はぁっ!

[使用人] うわっ――!

[ゾフィア] これ……すごく軽くなったわ。まるで貰ったばかりの頃のよう……

[使用人] お、お気を付けください! あぁ、また手すりを壊しましたね! 去年彫刻師に頼んでリフォームしたばかりの、ヴィクトリア調の装飾が――

[ゾフィア] いっそのこと、ほかもまとめてもう一度リフォームしたらいいじゃない。手配は任せたわ。

[使用人] えっ、またそんな適当でよろしいのですか?

[ゾフィア] 住めなくならない程度にお願いね――

[ゾフィア] ……

[使用人] お嬢様?

[ゾフィア] えっ!? ああ何でもないわ。ただ……突然懐かしくなっただけ。

[ゾフィア] この剣は……マリアのお祖父様にいただいたものなの。

[使用人] ああ、マリア様はお嬢様を「おばさん」とお呼びになりますね――

[ゾフィア] ちょっと複雑な関係なのよ。マーガレットが、「彼女は……まぁ、おばとでも呼べばいい」って紹介したのを今でも覚えているわ。

[ゾフィア] 二人とはそんなに歳も離れていないのよ? それなのにおばはないでしょう?

[使用人] お嬢様はお若いですよ。そのお歳でこれだけ事業も成功させているなんて、とても素晴らしいことです。

[ゾフィア] あの時、こんなに大きなお屋敷を買ったのは自分を証明したかったからなのかしらね。「ニアール」という名前、そして「耀騎士」の側に仕えるのに相応しい存在だということを――

[ゾフィア] いえ……今は過去を思い返している場合じゃないわね。

[使用人] お車の用意はすでにできておりますが、お急ぎでしたらご自身の足で走られた方が速いでしょう。いかがなさいますか?

[ゾフィア] それはもちろん――

[ビッグマウスモーブ] 左腕騎士はマリア・ニアールに何度も立ち上がる機会を与え、そしてその度に打ちのめしています! まるで獲物を弄ぶかのような残酷さだ――!

[禿頭マーティン] ……

[老騎士] マーティン! 今戻ったぞ、どうなっとるんじゃ!?

[老職人] なぜ、マリアがあんなレベルの相手と戦っているんだ? 騎士協会は気でも狂ったのか!?

[禿頭マーティン] 話せば長くなる……あの子たちはもう安全なのか?

[老職人] とりあえず今のところは、としか言えんな。あいつらの正式な騎士の身分だって剥奪されちまった、畜生め。

[老騎士] まさかここまで大事になるとはな……

[老騎士] 灰毫に焔尾――それとまだ正式な騎士には任命されていない二人の感染者に、奴らが全財産を投げうって競技場から引き取った感染者たち……

[老騎士] あやつらは――あの感染者たちは人々の娯楽のためだけに売り買いされておるんじゃ! 大きい子でも二十歳そこら、小さい子に至っては――!

[禿頭マーティン] ……

[老職人] あんな下水道に隠れていても安全とは言えん。人数も人数だ。この都市を離れるしか他に方法はねぇ。

[老騎士] わしの友人が世話を焼いてくれるはずじゃ。しかし、どこへ行こうとも結局は感染者たち……この先も平穏無事とはいかんじゃろう。

[老職人] ……となると、敵は企業だけではなくなってくるな。

[老騎士] なんじゃ、怖気づいたのか?

[老職人] 怖気づく!? ウルサス人に槍を口に突っ込まれたときでさえもビビらなかった俺だぞ? 俺だって一介のウルサス人だ!

[老騎士] ほら吹きめ、職人団がこの街の外に出たことなんてあったか?

[老職人] あぁ!? 工房を投石機で潰されちまった後、戦わねぇでそのまま殺されるのを待つ職人はいねぇんだよ!

[禿頭マーティン] ……

[禿頭マーティン] ……マリアの勝ちはない。

[老騎士] 確かにな。あんな奴が相手じゃあ、マリアは勝てんじゃろう。

[禿頭マーティン] いや、違う。勝ってはいけないんだ。

[禿頭マーティン] 騎士協会は手段を選ばないつもりだろう。先日店にやってきたチャルニーもそうだ。もし万が一勝ってしまえばマリアが危ない。

[マリア] うっ……!

[マリア] (肩が外れそう……あの槍、正面からじゃ近づけない――)

[マリア] (――いや、近づけたとしても、勝てる方法が見つからない……一体どうすれば……)

[左腕騎士] ……立て。

[左腕騎士] さぁ、続けろ。

[マリア] くっ……!

[左腕騎士] これで終わりか? まさに、「没落騎士の一族」にふさわしい末路だな。

[左腕騎士] さぁ、立ってみせろ。騎士を葬る最も有効な方法は、その尊厳を奪うことだ。

[ビッグマウスモーブ] これは挑発だ! 繰り返される挑発の数々! 強者の眼差しで相手を見下ろしています。“レフティ”タイタス、やはり恐るべき存在だ!

[ビッグマウスモーブ] 賞金プールも完全に一方に傾いています。比率も金額も驚きだ! この金額は、おそらくカジミエーシュにある他の全競技場のベット額の合計に匹敵するでしょう!

[男性観光客] おおい! 頼むぜニアール! 万が一おめぇが勝ったら、城を丸々買えるくれぇの金が手に入るんだからよ!

[女性観光客] ちょっと、頭おかしいんじゃない? あの子に一体どんだけ賭けたのよ??

[男性観光客] ――タイタスに賭けた金の方がもっと多いぞ! でも、それじゃあ儲からねぇからな。相手にも賭けたんだ!

[マリア] てやぁっ!! ――はぁ……はぁ……

[左腕騎士] ……

[左腕騎士] 未熟者が……無謀にも騎士を夢見るとは。

[左腕騎士] 殺す価値もない、棄権しろ。貴様が諦めたからと言ってニアールの過去の栄光が消えるわけではない。己自身を諦める、それだけだ。

[マリア] 私に……情をかけているつもり?

[左腕騎士] そうだ、貴様など騎士とは到底言えんからな。

[マリア] ……

[左腕騎士] 貴様の試合記録は見た。シェブチック戦から始まり、イングラ戦、続いてレース、そして団体混戦……

[左腕騎士] 全神経を集中させて「ニアール家の新たな騎士」を観察してきた。しかし無駄だった……貴様が運よく勝利するなど、騎士への冒涜。貴様ごときに私の時間を浪費する価値など微塵もない!

[マリア] ぐ……あ――!

[左腕騎士] 立て、マリア・ニアール! 貴様と耀騎士とでは天と地ほどの差があることを、私が思い知らせてやる!

[左腕騎士] 奴の光は相手の意志を砕き、その才能は人を嫉妬させ、その激昂は私をも身震いさせた。

[左腕騎士] だが貴様にはそういったものが何一つない! ――貴様に勝つことなど容易い。その意志ごと灰塵と化してくれる!

[ビッグマウスモーブ] 武器を弾いたー!! タイタスが再びマリアの武器を吹き飛ばしました!

[ビッグマウスモーブ] あぁ、こんなに繰り返し蹂躪されるとは、身も心も締め付けられる思いです。競技場は血肉が飛び交うだけの場所にあらず! 実力をもって相手の尊厳を踏みにじることも許されているのです!

[ビッグマウスモーブ] 挑発! 圧力! 破壊! これこそが“レフティ”タイタス。弱者への容赦なき猛攻!

[マリア] (攻撃が重すぎる……それに盾が割れるなんて! お姉ちゃんが残してくれたものなのに……)

[マリア] (刃にアーツの痕跡が見える……あいつのアーツだ――)

[マリア] くっ!

[左腕騎士] 耀騎士は黒騎士のような強大さは持ち合わせておらず、血騎士のように他人を震え上がらせる存在でもなかった。レベルの低いシーズンのメジャーで、運よく優勝できただけ――

[左腕騎士] 己にそう言い聞かせたとしても、埋められない差があることは自覚している。しかし、奴に比べれば貴様の弱さは悲劇的だ。

[マリア] 確かに私は、お姉ちゃんには敵わないかもしれない……

[マリア] でも、私だって――ニアール家の騎士だから!

[左腕騎士] ……目障りだ。

[マリア] (一振りで――!?)

[左腕騎士] やめろ。イングラごときを惑わせた術で私を愚弄する気か?

[マリア] うぅっ……ぐっ……

[左腕騎士] もういい。どれだけ強固な鎧でも、その苦痛は耐えがたいはずだ。

[マリア] ……

[左腕騎士] 無言で剣を向けるその根性だけは称賛してやろう。

[ゾフィア] ごめんなさい――ちょっと、どいてちょうだい!

[ゾフィア] これで見えるわね……

[ゾフィア] ……マリア。

[マリア] ……!

[左腕騎士] どうした、声を出す気力もなくなったか?

[マリア] ……

[左腕騎士] 息は乱れ、足元も覚束ぬ……もはや勝機など微塵も――

[左腕騎士] ――! 貴様……? くっ!

貴族騎士、上位商業騎士、メジャーの常連選手……無数の肩書を持つタイタス・トポラは、顔をしかめた――

突然の輝きに目を眩ませて。

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