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プロファイル
基礎情報
【コードネーム】スワイヤー
【性別】女
【戦闘経験】五年
【出身地】龍門
【誕生日】7月1日
【種族】フェリーン
【身長】163cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
能力測定
【物理強度】標準
【戦場機動】標準
【生理的耐性】標準
【戦術立案】優秀
【戦闘技術】標準
【アーツ適性】標準
個人履歴
龍門近衛局局長。
シエスタでのバカンスから戻り、現在は状況に応じて、個人的にロドスの業務に助力している。
健康診断
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。
【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。
【血液中源石密度】0.13u/L
源石との接触は極めて少ない。
第一資料
以前と比べると、局長に昇進したスワイヤーがロドスに来る頻度がどんどん下がり、滞在時間も短くなっていった。訓練室にいる時は訓練中のオペレーターに一言二言指導するのみで、大半のオペレーターと会話する時にはさりげなく龍門関連の話題を避けていた。ごく稀に話題に挙がることがあっても、それはもっぱら彼女とバイソンが共同でシエスタに立ち上げた物流会社のことや、自慢作のウォーターパークについての話ばかりだ。
そして、スワイヤーが局長に昇進して以降、ホシグマが彼女と同時に姿を見せることはほとんどなくなってしまった。
長く在籍しているオペレーターの中には、昇進によって両者の間に隔たりが生じたのではないかと疑っている者もいる。だがその話題になるたびに、スワイヤーはいつも急に声を荒げ、ホシグマの文句をまくし立て始めるのだ。一番気にしてなさそうな性格をしてるくせに、どうして人前でもプライベートでも自分を「スワイヤー局長」と呼ぶのかとか、偶然エレベーターで鉢合わせると、あからさまに神妙な顔をしながら降りていってしまうから、毎回呆れ果てているとか。それに対してホシグマは、疑惑を持たれる行動を避けているだけだと大真面目に答えたものの、スワイヤーは明らかに納得していない様子である。
慎重に慎重を重ねた結果、オペレーターたちとスワイヤーの普段の交流は、次第に龍門のグルメ関連の話題に落ち着いていった。下町グルメから目が飛び出るほど高級なレストランまで、彼女はまんべんなく推薦してくれる。時折外勤任務で龍門を訪れたオペレーターが、夜食を食べているスワイヤーと鉢合わせることがあるが、お互いそれぞれが立っている屋台から手を振るだけで、後は自分たちの食事に専念するのだ。近衛局局長執務室の明かりは夜になっても消えることなく、空の片隅を照らしている。
第二資料
スワイヤーは自身のシエスタでの投資について、はぐらかすことはない。
むしろウォーターパークの増築設計図を手に「たまたま」エンジニア部を通りかかっては、通常では思いつかないような方法で無料のアイディアを集めたり、外勤任務から戻ってきたばかりのスノーズントを「チーフデザイナーとして落成式に参加してほしい」と言って急に連れ出して、ついでに新しい設計図を描かせることもあるくらいだ。
スワイヤーの指揮の元、かつての黒曜石祭にも引けを取らない楽しさ満載のウォーターパークが、すでに計画通りに完成され、絶えず観光客を引き寄せつつもなお拡大を続けている。スノーズントは今回の旅行だけで、何年かけても貯められなかった経費を一気に稼ぎ、各種設計特許を取得できた。また、スワイヤー自身もそのおかげで、バイソンと共に本格的にテラの国際物流及び貿易業界の激流へと身を投じたこととなった。
フェンレン貿易は現在、安定した発展期にある。起業したばかりの国際貿易会社がシエスタで成功を収めたことは、二人の若者に前進する勇気を与えた。彼らの次のステップである龍門――炎国にとって最も重要な対外港湾都市――にも、きっともうすぐ新たな風が吹き込まれるだろう。大地を丸ごと繋げるという最終目標に比べれば、二人の若者はまだほんの小さな一歩を踏み出しただけに過ぎない。だが、揺るぎない決意と共に響いたその足音は、すでにこの時代にこだましている。
「親の後ろを追いかけて、残してもらったものを奪い合うことに意味なんてあるの?どうせやるなら新しい市場を開拓しないと商人が廃るってもんよ。アタシには龍門という都市の治安を守る力だけじゃなくて、創り上げていく力だってあるんだから。」
龍門商工会の各勢力は常に競い合い利益を奪い合っている。シエスタの高層ビルの建設現場で使われている足場にも、大きな文字で各企業の名前が書かれていた。シエスタもスワイヤーも転機を迎えようとしている。そして、そのどちらも既に非常に喜ばしい回答を示してくれていた。
第三資料
シエスタから戻る途中、スワイヤーは立て続けに三通の手紙を受け取った。
一通目は力強い筆跡に整った字で書かれていた。
「……先日届いた手紙の件だが、アダムスもすでに目を通した。とても喜んでいたよ。フェンレン貿易の事業を非常に高く評価し、君にも高い期待を寄せている。」
……
「だが、君は現在龍門の要職に就く身だ。外では慎重に行動をしてほしい。立ち振る舞いに気を付け、必要以上に目立つことは避けるように。君も心得ているはずだから、小言はこれくらいにしておこう。近衛局での業務が立て込んでいる。もう十分に遊び歩いたのだから、できるだけ早く職場に戻るように。」
「追伸。御祖父の体調があまり芳しくない。孫娘を恋しく思っている故、君に会いたがっている。早めに会いに行くといいだろう。」
――ウェイ・イェンウ
二通目の手紙は麗しい筆跡で、便箋からも淡い香りが漂っている。
「お爺さまが病室であなたの子供の頃のビデオを見ている最中に吐血して、意識を失ったそうよ。お見舞いに行ったけれど、まだ眠ってらしたわ。医者が容態について説明してくれたけど、油断できる状況ではないみたい。」
「あなたとお爺さまが昔から仲が良くないのは知っている。だけど、血の繋がりは否定できないものよ。お爺さまは最後にあなたに何か伝えたいことがあるでしょう。遊んでばかりしないで、早く戻ってお見舞いに行ってあげて。自分のためにもね。後悔してからでは遅いわ。」
――リン・ユーシャ
最後の一通はこれまた力強い筆跡だが、解読不可能なレベルの乱雑な走り書きで書かれている。そして送り主も手紙が届くのとほぼ同時にスワイヤーの前に飛びついた。
「*龍門スラング*、御祖父がお嬢様への怒りのあまりにお亡くなりになったというのは本当ですか!?」
――ホシグマ
スワイヤーはホシグマを押しのけると、再び龍門への帰路についた。
豪勢な病室の中、スワイヤーと祖父であるアダムスがどのような会話を交わしたのか、知るのは当人たちのみである。だがスワイヤーがドアを閉め病室を離れたその瞬間、ドアの隙間から漏れ出した満足げな笑い声が、廊下中に響き渡った。
数ヶ月後、第一後継者であるスワイヤーはスワイヤーグループからの離脱を宣言。その午後に近衛局の昇進式に出席し、宣誓後に局長への昇進を果たした。
第四資料
近衛局の上級警司執務室には二年も使用されずに放置されている机がある。そして今回、スワイヤーが昇進したことでさらに空き机が一つ増えた。スワイヤーは前の上級警司が離れた時に残していったものをまとめて整理し、保管用のダンボールに入れ封をした。持ち主の名前「チェン・フェイゼ」と記した付箋を貼り付けることも忘れずに。
机上の所持品リスト
チェン・フェイゼ:
サインペン、過去の龍門感染者関連資料、コップ
スワイヤー:
ビジネス契約書、リンからの手紙、証拠品袋、近衛局休日当直表、警察の働き方制度の意見書、情勢分析……
他には魚団子スープが一杯。まだちょっと熱いから、あとで自分で運ぶわ。
警官たちは時々裏で上官としてのスワイヤーとチェンを比べることがある。チェンはいつも真っ先に最前線に飛び出し、粛々と手際よくすべての業務を振り分けてくれる。任務が終わると緊張が解けて思わずほっと息を吐いてしまうのだが、心を落ち着かせるまでかなり時間が必要なのだ。一方スワイヤーはいつもマルチタスクを要求してくるが、「忙しいが混乱はしない」というのが警官たちが抱いた印象だ。どれだけタスクが多くとも、それらを処理している時に必ずはっきりとした糸を感じられるのだ。その糸はすべてのタスクを結び付け、核心へと導いてくれる。だが結局は「二人とも脳が八つでもあるんじゃないのか?自分だったら絶対に初日で心が折れるよ」ということらしい。
近衛局の仕事の他に、スワイヤーはバイソンと共同で立ち上げたフェンレン貿易の業務にも携わっている。フェンレン貿易は初めのうち龍門の片隅に建っていた小さな工場しか資産を所有していなかったが、凄まじい勢いで成長を遂げ、それにより今まで炎国国内との取引のみに留まっていた龍門がテラの国際貿易に足を据えられるまでになったのだ。治安面においても経済面においても、龍門は今急速に発展している。スワイヤーは今日も変わらず執務室に座り、机はいつも通りごちゃごちゃと物で溢れかえっている。だけど、「どうせスワイヤーグループがバックにいるくせに」とか、「前任を引き継いだだけのくせに」とか、そういった不服の声はもう聞こえてこない。スワイヤーはただ自身に相応しい位置に座り、しかも期待以上の結果を出しているのだ。
「フェイゼにも己の目指すものがあろうが、この役目に向いておるのは明らかに小娘のほうじゃ……若者には若者の歩む道がある。あの娘らも無事にそれを見つけ出したではないか。当時ムキになって手を放そうとしなかったお主の無様な姿、まだ覚えおるか?さすがに今はもう観念しただろう?」
「……確かによく頑張ってくれているから、彼女になら安心して近衛局を任せられるな。」
「とはいえ油断はせぬように。小娘が狙っておるのはお主の龍門総督の座かもしれぬのじゃぞ。」
「それならもっと努力してもらわないといけないな。確かに我々は老いぼれだが、まだそこまで歳を取って――おい!人の茶碗に髭を落とすな!」
――龍門の夜市で茶を嗜む二人の老人の雑談
昇進記録
龍門近衛局辞令
ベアトリクス・スワイヤーを近衛局局長に任命する。
その任務において龍門に長く留まり、街と民衆の平穏に力を尽くすよう期待する。
以上
龍門総督ウェイ・イェンウ
スワイヤーはたった薄い紙一枚の辞令を手に取ると、それを慎重に引き出しにしまった。薄い紙に簡潔な言葉。だがそれを持つ彼女の手にはずっしりとした重みが伝わっていた。
ボイス
ボイス(デフォルト) | |
---|---|
秘書任命 |
急いでちょうだい。コーヒー休憩の時間で仕事を片付ければ、残りの仕事時間は全部休めるじゃない? |
会話1 |
バカンスなんだから、当然楽な恰好をしなきゃね。ここしばらくは確かに任務に出る回数は減ったけど、ハイヒールのままでも近衛局の体力測定に余裕で合格できるんだから! |
会話2 |
ロドスがビジネスパートナーを探してるなら、ここらへんの会社は信用できるわよ――何よその目?真面目におススメしてあげてるのに、まるでアタシがロドスの吸収合併を企んでるみたいじゃない。というか、もし本当にそれを狙ってたら――アンタを説得すればいいの? |
会話3 |
コホンッ……最近の作戦記録をチェックしてみたけど、ここ何年かでロドスの戦術も洗練されてきたみたいね。なかなかやるじゃない……はぁ?元々教官だったアタシが記録を見るのは普通でしょ?ちょっ、チェンの情報なんか覗いていないわよ! |
昇進後会話1 |
局長なんて大したものじゃないわ。ちょっと責任が重たくなって、心配事が多くなって、チェンのことをもっと理解できるようになっただけ……あぁ、もう一度言っとくわよ。アタシは近衛局を背負ってるけど、チェンの代わりにやってんじゃないの!たとえ今あのバカ龍が戻ってきたとしても、アタシを「長官」って呼ばなきゃなんだからね! |
昇進後会話2 |
一族からは離れたけど、まだいくつかのビジネスをしてるわ。アタシはこういうやり方で龍門を良くすることができるから、わざわざ避ける必要はないよ。すべきことをちゃんと理解したら、お祖父様も別に怖くなくなったのよね。自分が怖がってた力を存分に利用してこそ、本当の意味で恐怖に打ち勝つってことでしょ? |
信頼上昇後会話1 |
新しいシエスタは面白いわよ。ビーチや火山がなくったって、空中プールとか温泉があるもの。一回行く価値はあるわ。そこらにした投資の利益率もなかなか良かったのよね~。時間があったら行ってみるといいわ、ドクター。ご無沙汰してた都市に遊びに行くのって、古馴染みに会うのと同じ感じがしない? |
信頼上昇後会話2 |
バイソンと共同経営してる商社が良い感じなのよね~。違う国に商品を運んで、遠くの景色と文化を別の地域の人々に見せるのが、ビジネスの魅力ってものよ。自分たちを守ってる殻を壊して外に出るのが怖いと思う人は、たくさんいるわ。でもねドクター、アタシたちなら、共通の話題を持てるはずだわ。 |
信頼上昇後会話3 |
これが最後のファイルね、お疲れ様!待ちくたびれたわ。やっと仕事とおさらばしてご飯に行けるわね~。新しくオープンした良い店を知ってるから、アタシのおごりで――これ以上、気を遣わせたくないって言うの?そう……じゃあ、おごられてあげてもいいわよ。もう一軒おすすめがあるから行きましょ。 |
放置 |
がお~……コホンッ、アンタ、仕事は終わったの? |
入職会話 |
久しぶりね、ドクター!コホン、改めて自己紹介するわね。龍門近衛局「次期局長」のベアトリクス・スワイヤーよ――本当にアタシが局長なの!局長だからバカンスを楽しんじゃいけないって、誰が決めたのよ? |
経験値上昇 |
ちょっと目を離してた隙に、ずいぶん成長したじゃない――ねえ、どうしてアタシが教官じゃなかった間だって強調するのよ! |
昇進Ⅰ |
優秀な人材が表彰をされる、まったくもって当たり前ね! |
昇進Ⅱ |
はいはい、アンタにはアタシがいなきゃダメってことでしょ。分かったから、回りくどいやり方は必要ないわ。アタシの手を借りたいなら、そう言ってちょうだい。友達として、アタシはずっと側にいるわよ。 |
編成 |
ふーん?隊長をアタシに任せなくていいの? |
隊長任命 |
アタシの指示に従っていれば大丈夫よ。 |
作戦準備 |
とっとと片付けてバカンスに戻るわよ。 |
戦闘開始 |
バカンスの気分を壊したくないのよね。大人しく縄についてくれない? |
選択時1 |
誰かの指示に従うのは久しぶり……なんだか慣れないわね。 |
選択時2 |
アンタの指示には従わない……こともないけど。 |
配置1 |
アタシの指示を待ちなさい。 |
配置2 |
作戦開始よ。 |
作戦中1 |
法を犯した瞬間から、アンタにはもう逃げ道はないの。 |
作戦中2 |
どこに逃げるつもり? |
作戦中3 |
お利口さんに手錠をかけられときなさい。取調室で事情をちゃんと聞いてあげるから。 |
作戦中4 |
手を上げて!動くな! |
高難度作戦クリア |
証拠も犯人もまるっと確保。さっ、撤収するわよ~。 |
★3で戦闘終了 |
得意にならないでね。近衛局の求める基準からすると、ギリギリ合格ってところだから。でも、もしこれを維持できるっていうなら、アンタを褒めてあげなくもないわよ。 |
★2以下戦闘終了 |
一度で解決できることに二回もかけないことね。コスト管理は基本よ。 |
作戦失敗 |
まずは撤退しましょう。報告はアタシがするわ。 |
基地配属 |
この部屋の内装ってずっと変えてないの?本気で言ってるの? |
タッチ1 |
ドクター、龍門で警官を襲撃した場合どうなるか知ってるかしら?硬くならなくていいわよ、法教育をしているだけだから。 |
信頼タッチ |
このブランドの服に興味があるかしら?一揃い見立ててあげてもいいわよ。 |
タイトルコール |
アークナイツ。 |
挨拶 |
おはよぉ……どうしたの?普通の挨拶じゃない。何を期待してるの?がおー? |
逆理演算
未実装
コーデ
デフォルト(昇進0)
スワイヤーがシエスタでバカンスを過ごす際に着ていた服。
デザイナーもスワイヤー本人も、ほかの人たちがもう少しファッションセンスに気を遣ってくれたらと思っている。美しさはプライスレスなのだ。
デフォルト(昇進2)
スワイヤーにとって、龍門のネオン輝く夜景は何度見ても見飽きない美しい景色だ。
この景色にさらなる輝きをもたらすため、彼女にはやりたいことがまだたくさんある。
モジュール
ORIGINAL / 琳琅スワイヤーの記章
琳琅スワイヤーは繰り返し戦場に切り込む戦術に秀でている。
外勤部門の決定に基づき
外勤任務においては特殊オペレーターとして区分し、執行者の責務を担う。
特別に本記章を授与し、
その証明とする。
MER-X / 「輝かしきメダル」
「フェンレン貿易は卓越した戦略的思考と、努力を惜しまぬ振る舞い、そして人道的な姿勢で国際市場の扉を開き、シエスタ経済に新たな活力を与えました。ベアトリクス・スワイヤー女史が自ら仰ったように、ビジネスの価値とは話し合いから生まれるものであり、そして何よりも偉大なビジネスというのは、未来との対話にこそあるのです。」
――シエスタ1099年度最優秀事業者賞の受賞者紹介より
シエスタ市シティホールで開催された毎年恒例の祝賀会で、スワイヤーはセイロン・ドルクスから直々にメダルを授与された。
そしてそのメダルは今、スワイヤーがシエスタから龍門に持ち帰った手土産の山に埋もれている。
「シエスタにはバカンスのために行かれたのでは?こんなものまでお持ちになるなんて、一体何があったのですか?」
表彰状に綴られたクルビア語を見て、ホシグマが不思議そうに尋ねた。
「『何よりも偉大なビジネスというのは、未来との対話にこそある』――うん、やっぱりいい言葉ね。アタシの自伝にも残しておかなくちゃ。」
「表彰の言葉として色々書かれているようですが……いやはや、二か月足らずでよくぞここまで多くをやり遂げましたね。『国際市場の扉を開いた』というのは?」
「ちょっとしたコネを使ったの。シエスタで売れ残っていたコーヒー豆を、カジミエーシュに売ったのよ。――あとで味見でもしてみる?バッグにまだ少し残りがあるから。」
「ありがとうございます。ところで、この『人道的な姿勢』というのは何ですか?」
「少し投資をしてあげただけ。火山温泉をウォーターパークに作り替えてみたんだけど、みんな結構気に入ってくれたみたい。」
「では、『努力を惜しまぬ振る舞い』は……」
「シエスタの都市建設に参入したい企業は結構いるの。その中で競争入札に勝ちたければ、それなりに目立つことをしないといけないのよ。」
「お嬢様、一体どんな手を使ったんですか?」
「そこは企業秘密ね。知らないほうがいいこともあるものよ。」
「はあ……」
「ほら、そっちはもういいから、お土産の整頓を手伝ってちょうだい。あ、このサーフボード、アンタにあげるわね。ネズ公の分は火山泥パックでしょ、それとアホ龍にあげるレコード――は、自分で取りに来させましょ。あとはウェイ長官へのフルーツの缶詰と……」
二人は午後を丸々使って、山積みの土産物を分類して整理した。
そうして、最後にぽつんと残ったのは、例の表彰メダルだけになった。
「これはどこかに飾っておきますか?部屋の棚はもうトロフィーでいっぱいのようですが……」
「いいの。これは老いぼれのトラへのお見舞いだから――明日、病院に行くつもりなのよ。その時に自分で持ってくわ。」
スワイヤーはメダルをハンドバッグに入れて、気持ちよさそうに伸びをした。
「龍門の未来を代表して、少しお話しをしに行かないとね。」
印
琳琅スワイヤーの潜在能力強化に用いられる。
ピカピカ輝く金貨。重量感と光沢のある高純度の金貨を手に取ってよく見てみると……なんと中から隠し武器が出てきた。これは彼女が護身用としてくれた贈り物のようだ。
指名券採用
彼女が持ち帰ったのは衝動買いした商品だけでなく、市場を大きく動かすビジネスチャンスでもある。
龍門近衛局局長・スワイヤー、先ほどシエスタでのバカンスを終えたばかりである。
紹介文
省略
登場ストーリー
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