登録日:2011/11/23(水) 01:47:38
更新日:2023/08/17 Thu 14:34:44NEW!
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ウルトラシリーズ ウルトラマン ウルトラマンレオ 第二期ウルトラシリーズ 特撮 鬱トラマン 名作 ※金曜夜19時です。 優遇 涙腺崩壊 漢の義務教育 70年代特撮ヒーロー トラウマ トラウマ多し みんなのトラウマ ギスギスシーン多し 鬱展開←主に序盤と終盤 元祖鬱トラマン 不遇→優遇→超優遇 トラウマの40話 ハートフルボッコの嵐 矢島信男
あそこに沈む夕日が私なら、
明日の朝日はウルトラマンレオ!お前だ!
『ウルトラマンレオ』は1974年4月12日から1975年3月28日まで放送された円谷プロの特撮ドラマ。
ウルトラシリーズの7作目であり、第2期ウルトラシリーズの最終作である。
【物語】
ウルトラマンタロウに代わり地球を防衛する任務に就いたウルトラセブン。
しかし双子怪獣ブラックギラスとレッドギラスを率いるマグマ星人の前にピンチに陥る。
そこにウルトラ族に似た真っ赤な宇宙人が現れ加勢、マグマ星人を追い払うことに成功する。
人間態に戻ったセブンと宇宙人。宇宙人は自分をウルトラマンレオと名乗り、マグマ星人に滅ぼされたL77星の出身だと語った。
ウルトラアイを損傷しセブンに変身出来なくなったモロボシ・ダンは、レオ=おおとりゲンに自分に代わって地球を守るために戦うことを求める。
地球を第二の故郷と思うゲンはそれを了承、2人の宇宙人は地球を守るために戦うこととなった。
【概要】
本作が製作された背景には『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』のヒットによる終末思想の流行、
またブルース・リーのカンフー映画のヒットによる格闘技ブーム、またそれに付随した格闘技絡みのスポ根ブーム等がある。
それらを作品に取り込み、また前作『ウルトラマンタロウ』の反動からか、ハードな作風にすることを決めた本作はキャッチコピーからして
「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」
と非常にハードなものであった。
ストーリー展開もウルトラセブン=モロボシ・ダンが変身不能になるという衝撃的な展開から始まり、
後任のウルトラマンレオ、おおとりゲンは故郷の星を侵略で失った重い過去を持ち、第2の故郷の地球を守るために戦うのだが、
戦士としては未熟なことから敗退し、ダンの指導による特訓で雪辱を晴らすという、スポ根展開が繰り広げられた。
企画の段階ではMAC隊長の地球人・川上鉄太郎がゲンの正体を知りながらも彼を鍛え、そして協力するという設定で、川上役には森次晃嗣氏を起用するつもりだったのだが、
森次氏がウルトラシリーズでダン以外の役を演じることに反対したため、隊長の役割をダンに変更、更に森次氏の提案でダンが第1話でセブンに変身出来なくなるという展開に変更された。
初期案では川上にダンとの繋がりを匂わせる意味深な設定も設けられていたが、この辺りの詳細は本作のDVD第1巻参照。
防衛チームMACはゲンとダンのドラマを描くために、あえて目立たないようにしたり、
敵の宇宙人も地球侵略というよりは通り魔的犯行を繰り返す者がほとんど*1で、主人公の知人の家族も宇宙人の手で情け容赦なく殺害される場面も多々見られた。
また、格闘技を得意とするレオに合わせて、敵も剣や槍といった近接武器を使うものが多い。
こういった要素は『レオ』という作品の特徴にはなったものの、当時はあまり受け入れられず視聴率は10%台に低迷。
その後、視聴率対策として様々なテコ入れが行われた事で特訓シーンが無くなった代わりにこれまでのシリーズ同様、ヒロイックな展開やコミカル回も描かれるようになり、その中で双子の弟アストラや伝説のウルトラマンキングといった新戦士も登場している。
しかし、オイルショックによる物価高騰でさらなるテコ入れと予算削減を迫られた結果、あの「恐怖の円盤生物シリーズ」に突入し、ゲンとトオル以外のレギュラーが軒並み物語から退場するという展開と化した。
スタッフ面では『ジャンボーグA』から参加してきた者が多く、
特に『タロウ』終盤から参加していた特技監督の矢島信男氏は、その特徴的なカメラアングルや撮影の早さから活躍していた。
音楽では冬木氏が参加し、セブンのテーマ等も盛り込み作品を盛り上げた。
ちなみに放送期間は1年間だが、第48話でゲンが「地球に来てから3年」と発言していたことから、
第1話から第48話の間、3年ものの月日が経過していることになるが、その割には、トオルの外見が変わっていないので、この回だけの設定や「第1話以前の3年前からゲンは地球で暮らしていた」と思われる。
……のだが、『心にウルトラマンレオ』(辰巳出版)では「三年戦った説」を徹底的に重視して分析している。
この本を参考文献の一つにしている『ウルトラマン大辞典』(中経出版)でも、劇中描写から「トオルが進級している」ことを分析してこの説を補強したりしている。どうやら特撮研究者の中にレオ好きが多すぎるようだ「三年戦った説」を正史として考えて作品を楽しんでみるのもいいかも。
本作を持ってテレビシリーズ休止となったが、脚本を手掛けた田口成光氏は「本作が『タロウ』の視聴率を越えない事は予想済みで、最初からシリーズに区切りをつけると決まっていた」と証言している。
シリーズ再休止は1975年の新聞にも掲載されており、「さようならウルトラマン」という記事が載り宇宙へ飛び去っていくレオの写真が大々的に使われ、見出しは「ウルトラ世代10年 桜の花びらを肩にレオは去って行く」だった。
さらに前後してフジテレビのピープロ作品は『冒険ロックバット』を最後に枠が途絶え、ゴジラシリーズは『メカゴジラの逆襲』、
ライバル作品の仮面ライダーシリーズは『仮面ライダーストロンガー』を以てシリーズが一端終了となり、第二次怪獣・変身ブームは完全に終息した。
【評価】
過去には他の第2期ウルトラシリーズの作品共々酷評されることもあったが、当時の視聴者が大人になるにつれて再評価の機会も増えていった。
作品の個性が強く出ている特訓編と円盤生物シリーズが特に評価されやすく、やや迷走していた中盤は低く見られがちだが一定のクオリティは保っており、レオがウルトラマンらしく活躍出来た貴重な時期として評価することも出来る。
また、見方を変えれば未熟だった(特訓編)レオが一人前のヒーローに成長し(中盤)、
やがて降りかかる新たな悲劇を乗り越えていく(円盤生物編)、と「ウルトラマンレオ」の物語としては一貫しているとも取れる。
近年では『ウルトラマンメビウス』における極めて愛のある客演エピソードを皮切りに、
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではウルトラマンゼロの師匠となったりゼロの危機に単身駆けつけたりと、他のウルトラヒーローと比べても優遇されることが多く、露出も増えている傾向にある。
また、『ウルトラ銀河伝説』のメガホンを撮った坂本浩一監督は『レオ』のファンであり、レオやアストラが登場する作品では大分優遇したり、
『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』では本来登場予定のなかった場面でのレオ兄弟の登場を現場で決めたり、各種インタビューやイベントで度々『レオ』への愛を口にする等している。
【主題歌】
主題歌は前期と後期に分けられ、1クール目は前期「ウルトラマンレオ」、2クール目以降は後期「戦え!ウルトラマンレオ」が使われた。
前期は主演でクラブ歌手などの経験がある真夏竜氏、後期は歌手のヒデ夕樹氏が歌っている。
共に作詞は阿久悠氏、作曲は川口真氏である前期は二番の歌詞が使用されているが、作品世界観を伝える歌詞がイメージが悪いとして1クールのみの使用となった。
ただし、「こっちのほうが好き!」と言うファンも多い。
歌唱を担当した真夏氏は挿入歌「星空のバラード」の歌唱も担当し、本編中でもギターを弾きながら歌う場面がある。
後期はレオのヒーローとしての魅力を表現している。どちらも間奏が非常にカッコいい。
【登場人物】
◆おおとりゲン(演:真夏竜)
本作の主人公でウルトラマンレオの人間態。詳しくは項目で。
●宇宙パトロール隊 MAC
モロボシ・ダンを隊長とする防衛チーム。詳しくは項目で。
●スポーツセンターの人々
ゲンのもう一つの職業であるインストラクターとしての勤め先。
円盤生物編でもゲンが働いていると思われる描写がある。
◆大村正司(演:藤木悠)
ゲン達の上司にあたる人のようだが、普段はひょうきんなおじさん。コメディリリーフ的な立ち位置だったが第22話で降板した。
◆山口百子(演:丘野かおり)
ゲンの同僚でヒロイン的存在。初回で故郷の「黒潮島」が怪獣被害による津波で壊滅するという悲劇に見舞われている。
恋人であり、ゲンが仮に宇宙人でも構わないと言ったりとゲンにとって救いとなるような人物だった。また、親を亡くしたトオルとカオルの世話もしていた。
優しいだけでなく、子供だろうと間違ったことをした場合には叱ることができる芯の強さも発揮。本当の意味での優しさを持つ女性と言える。
ゲンがダンと同じように宇宙人であったことを踏まえると最終回はゲンと彼女の別れもあったはずだが……
猛やカオルと一緒に買い物にきていたところをシルバーブルーメに襲われ、倒壊したビルの下敷きになり死亡。
その後ゲンが駆け付けた病院に犠牲者一覧が貼り出され、レギュラーキャラ3人の名前が次々と映し出されるシーンはなかなかの衝撃シーン。
名前を見れば分かると思うが由来は当時ブレイクしていた山口百恵から。
◆野村猛(演:伊藤幸雄)
ゲンの後輩で、弟分的存在。
ゲンの特訓に付き合ったり、百子と一緒にトオルやカオルの世話を見たりと、優しく人付き合いのいい性格。
しかし、シルバーブルーメに……。
ミドレンジャーやバトルコサックではない。
弟がいるらしいが、劇中では登場しなかった。
◆梅田トオル(演:新井つねひろ)
カオルの兄でゲンや猛にとって弟みたいな存在。
父親を目の前でツルク星人に殺され、たった1人の肉親であるカオルも円盤生物編で喪うと、坂田次郎とは、また違った意味で悲劇の少年。
円盤生物編では彼の動向も物語を盛り上げた。
ちなみに演者はかつて『風雲ライオン丸』にも出演しており、そっちの方の主役も百子の幼馴染としてゲスト出演していた。
4年後金八先生の生徒になるも、後の参議院議員(またはデンジブルーの妹分)や日本歌謡大賞歌手に「顔はやばいよ!ボディやんなボディ!」とフルボッコされた(しかも殴った方が有名になったためそのシーンが名場面として度々放映されたり)。
◆梅田カオル(演:富永美子)
トオルの妹でスポーツセンターの女の子では一番ゲン達になついていた。
親を亡くしてからは百子に世話をされながらもトオルと2人で助け合って生きていた。
しかし、シルバーブルーメに……。子供のレギュラーキャラクターが殺害される形で降板するという珍しいケース。
ちなみに43年後、快獣に転生したかもしれない。
パトレイバーを操縦はしないし、ゾフィー声の義兄とグルマン博士声の従弟がいる磯野家の長男でもないし、ましてやバッドエンド王国から来たわけでもない。
●美山家の人々
シルバーブルーメによって身寄りを無くしたゲンとトオルがお世話になっている。
円盤生物編の物語の中心の1つである。
◆美山咲子(演:春川ますみ)
美山家の母親で看護婦をしている。ゲンとは知り合いだったらしい。医者だった夫は他界しており、女手一つで姉妹を育てた。
自身の勤める病院で百子達を失い悲しむゲンとトオルと再会し、2人を引き取り居候させる。彼女の言葉にゲンは後押しされ、トオルは救われた。ある意味ではヒロインといえる存在感である。
◆美山いずみ(演:奈良富士子)
咲子の娘で大学生。ゲンに気があるような雰囲気を出していたがあまり進展しなかった。
何気に重要な台詞が多い。
◆美山あゆみ(演:杉田かおる)
いずみの妹でトオルとは同学年。活動的な性格でトオルに対してはなかなか強気に接する。
ある意味最終決戦での功労者。
基本的にはトオルの相方として活躍。4年後にも二人揃って金八先生のクラスになるが、そっちの世界ではフォーゼのラスボスに似た人と結ばれた。
演じた杉田かおるはあゆみ役になる前にも「白い花の精」役でカオルやレオと共演していた。
そんなレオが好きかという問いかけに好きだと即答出来るあなたに追記・修正をお願いします。
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▷ コメント欄
- たまに出てくるゲストさんが、特撮及びアニメファン驚きの人物だったりするんだよなあ・・・。 -- 名無しさん (2013-09-15 11:04:44)
- 個人的にはキララ回が印象的だったな。キララからすればただ姫を連れ戻しに来ただけなのにMACやレオと対立してまったが何とか姫を連れ戻した。ただ今まで姫を育ててきた地球人の気持ちを考えるとこれでよかったのかと疑問が残る。 -- 名無しさん (2013-09-20 12:39:47)
- ガキの頃、レンタルで見たときは、ダンがまるで悪の宇宙人に見えたものだ。とくに、伝説のジープの回。 -- 名無しさん (2013-10-01 22:45:15)
- レオとセブンの共闘が観たかった。アシュランの回で新マンがウルトラアイを光の国に持ち帰った事でセブン復活フラグが建ったのに結局ダンがMac全滅の際に行方不明になったせいでうやむやになっちゃったのが残念。兜甲児やギャバン隊長みたいに終盤で帰ってきてくれると思ったんだがなあ。 -- 名無しさん (2013-11-20 18:19:48)
- 屈指の脱力系エピソード「おいらは怪獣大将だ!」ばかり印象に残ってる。これだけ見ると至って平和な話なんだけどねぇ…。 -- 名無しさん (2013-11-20 18:31:08)
- ↑コロ星人やオニオンの話も結構コメディだよ。後かぐや姫の話みたいな感動路線の話も中盤はあったな。 -- 名無しさん (2014-02-11 09:14:46)
- ギロ星人回も中々印象深い。 -- 名無しさん (2014-05-12 19:34:44)
- 特訓終了~円盤生物までは相手を倒さない話もそこそこあるよね。 -- 名無しさん (2014-06-04 19:59:00)
- 「レオはますます面白くなるねえ」…果たして本当にそうだっただろうか? -- 名無しさん (2014-06-04 20:40:43)
- ↑5 佐藤隊員がバンゴと色々やる回? -- 名無しさん (2014-06-04 20:50:44)
- 殺陣師をつけたからか、レオ以降のシリーズは格闘がとてもキレイになった。だがやはりレオの格闘を越えるウルトラマンは未だいない。 -- ??隊員 (2014-08-01 01:48:03)
- 1クール目にもギャグ回はあるが流石に円盤生物編には無かった -- 名無しさん (2015-02-06 21:48:17)
- ↑9没案のウルトラ兄弟が活躍する最終クールへの前置きだったのかもね -- 名無しさん (2015-02-06 21:50:50)
- 特訓編の説得力が半端ないな あれだけやれば強くなるよね -- 名無しさん (2015-03-30 21:32:08)
- 中盤のタイショーとか「昔話シリーズ」は前作のタロウを意識したんだろうか。コメディ要素がぐんと増したけど、やっぱり強引に路線変更された感じがしたな。ウリンガの回は大好きだけど。 -- 名無しさん (2015-03-31 21:03:49)
- タイショー回は居候ものの鉄板ネタをふまえた傑作だと思う -- 名無しさん (2015-07-21 18:59:34)
- ↑というより、第二期ウルトラ恒例の -- 名無しさん (2016-01-25 20:09:58)
- 途中投稿すんません、第二期ウルトラ恒例の●●括りシリーズの総決算みたいなことをレオはしてた気がする。その結果、円盤生物シリーズでのちの平成ウルトラの連続ドラマの先駆け的なことになったというか -- 名無しさん (2016-01-25 20:12:05)
- ある意味平成ライダー初期の原点(クウガ、アギト、龍騎、555辺り)、序盤の通り魔宇宙人を見ていると、グロンギやアンノウンっぽいし、ババルウ回でウルトラマン同士のぶつかりあいを見ていると、龍騎にも通ずるし。 -- 名無しさん (2016-07-02 20:55:12)
- そういえば梅田兄妹の後、ウルトラシリーズに子役レギュラーっているの? -- 名無しさん (2016-07-16 19:57:26)
- うーん、ギンガSのレピがそういう意味では近いのかな? -- 名無しさん (2016-07-16 20:07:32)
- 予算の事情か、怪獣の鳴き声の使いまわしがかなりある。タロウやエースでも度々あったが、レオは特に目立つ。ジラースなアトランタ星人とかレッドキングにしか聞こえないアシュランとか。 -- 名無しさん (2016-08-03 21:31:32)
- ネクサスに先駆けた、鬱トラマンだったけど、2話以上かけるネクサスと違い、1話完結がメインで主人公も悩むよりも特訓させられ、勝利していたので、ヒーロー作品らしさは保っていた。 -- 名無しさん (2016-08-27 18:55:53)
- ↑2そういうのでは完全にバルタン星人とほぼ同じ鳴き声のフリップ星人が一番印象に残ってる -- 名無しさん (2020-09-19 10:54:50)
- ↑5ウルトラマン80の生徒たちとか 12話までの出番だけど -- 名無しさん (2020-09-19 11:41:21)
- 子供のころレンタルで観たとき、格闘メインなのと特訓ですむのか子供の目からも厳しすぎるその内容が印象的、ちなみにOPは初期が好き -- 名無しさん (2021-12-03 18:22:36)
- これとネクサスみたけど。かなりきつかった。 -- 名無しさん (2023-05-24 18:35:36)
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