登録日:2022/03/28 Sun 00:00:13
更新日:2024/06/18 Tue 11:50:49NEW!
所要時間:約 78 分で読めるというお話
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鬼 戦隊怪人 ヒトツ鬼 紅 スーパー戦隊 自然現象 センタイギア 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 神出鬼没 欲望 悪趣味 戦隊悪役 秀逸なデザイン 篠原保 第三勢力 文字化け 皮肉 ヒトツ鬼ング 悲しみを退治してゆく 井上敏樹の本気 所要時間30分以上の項目 if 今週の怪人 コメント欄ログ化項目 所要時間60分以上の項目 憎めない悪役 人攫い アバタロウギア 邪鬼 負の感情 悪鬼 アナザー戦隊 滅ぶべき存在←脳人にとっては 戦隊版アナザーライダー 脳人レイヤー 討伐対象兼守護対象 ベニツ鬼 シソツ鬼 歴代戦隊に対するディスペクト アホの集団 モンスター化 怪人化 一周回って愛すべきバカ達
ヒトツ鬼とは、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する敵怪人で、今週の怪人枠に当たる。
讎りヲ
己の強い欲望に取り憑かれた人間に取り憑き、モンスターに変異させる鬼。
憑依した人間の欲望を暴走させ、最終的に体を取り込み実体化し、モンスターの姿に変えてしまう。
しかもそのきっかけとなる欲望は、
- 食欲、怒り、恐怖、困惑といった誰もがごく当たり前に感じるようなありふれたもの
- 向上心、名誉欲、プロ意識など、程度と方向性次第ではプラスにも働きうるようなもの
であることが殆どで、いつ誰がなってもおかしくないと言ってもいい。
実のところ「人間」とは書いたが欲望を抱えている者であれば誰でも憑依対象になり得る。
強い欲望さえあれば未練を残した地縛霊、ドンブラザーズ、脳人にすら取り憑いてしまい、場合によっては人間の肉体ではなく人間の思念に取り憑く変わり種もいる。
ちなみに本編に出てきたヒトツ鬼のうち3割程がタロウの辛辣な物言いやドンブラザーズの奇行が原因で変貌している。とんでもないマッチポンプ
迚ケ蠕エ
最大の特徴は自然発生気味に生まれることであり、メインの敵組織である「脳人」に生み出されている*1わけでもなければ彼らに従う手下というわけでもない。
むしろヒトツ鬼は脳人にとって脳人レイヤーの存在そのものを揺るがしてしまう害獣のようなものであり、彼らからは抹殺・討伐の対象と見做されている。
おまけに脳人はヒトツ鬼のみならずその宿主となった人間も「穢れた存在」と唾棄しており、容赦なく宿主もろともヒトツ鬼を消去してしまう。
実は…
脳人による消去は完全に不可逆なものというわけではなく、消されてしまった人々は意識を失った状態で異空間へと送られている。
もちろん、通常の手段では救出も脱出もできないので「死んだも同然」の状態であることに変わりはないのだが、
ドン15話では桃谷ジロウがソノイに斬られて転送された雉野つよしについていくことで先に消されていた桃井タロウとつよしを同時に救出している他、
[[消されたはずの人間が何故か普通にピンピンして忍術修行に励んでいた>大野稔(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)]]という例もあったりする。
後者のケースについて公式サイトでは
ですがご安心下さい。
ちゃーんと理由を用意しましたよ。2つほど!
1,「32話のソノイはタロウの力が入った状態だったので、消去が不完全だった」
2,「忍者なので、謎の忍者パワーで生き残った」
さぁ! こちら、どちらかお好きな方をお持ちくださいませ!!
として整合性を合わせることを諦めた。白倉Pも井上御大も細かいことを気にしない人だから許された、ある種の開き直り
そして獣人達の棲家である眠りの森の奥には「許しの輪」と呼ばれるものがあり、これを起動すれば消去されてしまった人々を解放することが可能。
これにより、最終的には過去のエピソードで消されてしまった者も含め多くの人々が無事生還を遂げた。
強い精神力があればヒトツ鬼に取り憑かれても理性を取り戻し元の人間の姿に戻ることもできるが、そういったことができる人間はごく一握り。
そもそもそれもその場凌ぎの対症療法に過ぎず、確実に倒されない限り何らかの拍子があればヒトツ鬼が暴走させる欲望に飲まれてしまう。
なので確実に元に戻すためには「ヒトツ鬼を倒す」ことが最も手っ取り早く確実な解決策となる。
そしてドンブラザーズに倒され、元に戻った素体の人間は、ヒトツ鬼化の原因となるストレスや負の感情から解放され、明るく前向きになる模様。
ドン31話では宿主が何らかの原因で欲望が満たされると分離し、新たな宿主を探すケースも見られた。
ただしヒトツ鬼を倒す=欲望がなくなるわけではないため、その後はまた似た性格に戻ったり再び別のヒトツ鬼に取り憑かれる者もいる。
総じて一般怪人枠としては歴代でも非常に珍しい、敵組織に与しているわけではない「第三勢力」的なポジションに落ち着いている。
螟冶ヲ
通常の個体は角を生やした頭にがっしりとした体、紅色や紫蘇色など独特な肌の色といった昔話に登場する鬼を思わせる姿をしているが、時折その上に歴代スーパー戦隊を彷彿とさせる見た目の「スキン」を纏った特殊な個体が出現することもある。
その理由や原因は不明ながら、単に見た目が似ているだけではなく実際にモチーフ戦隊の力を取り込んでいるのか、撃破した際にはモチーフ戦隊のセンタイギアもしくはアバタロウギアをドロップする。
ヒーロー側の戦力をデザインモチーフとする戦隊怪人としては他にネガティブシンジケートが挙げられるが、あちらに比べると色々な面でよりレジェンドヒーローを悪趣味に皮肉ったアンチテーゼ感が強く、
- モチーフの戦隊を皮肉ったり、モチーフが抱える負の面・闇の部分をことさらに強調したような不気味な外見
- 変身者が抱える欲望
- 変身者のストーリー上での行動・立ち位置
などを併せてモチーフの戦隊を醜悪・凶悪にアレンジした存在に仕上がっている。
さながら「戦隊版アナザーライダー」あるいは「アナザー戦隊」。
ちなみに作劇上、モチーフ戦隊とストーリー・キャラクター性との絡め方には
①脚本が上がってから→モチーフ戦隊を決定
②モチーフ戦隊を決めて→脚本を書き上げる
という2パターンで決めている。「おにぎりもピラミッドも三角形だから」「将棋の駒とスーパーカーの見た目が似ているから」等、かなり雑なモチーフ選びも。
本編完結後に発売された公式読本「抱腹絶桃」においてデザイン担当の篠原保氏が語ったところによると、デザインについては元のライダーに寄せていたアナザーライダーとは反対に「同じモチーフやテーマを用いてどこまで元の戦隊から離れられるか」というところを到達点にしていた、とのこと。
閭ス蜉
ドンブラザーズや脳人同様脳人レイヤーを自由に行動でき、アノーニを呼び寄せたり、固有の特殊能力も行使できるようになる。
中には人間の姿のまま固有能力を使う個体もいる。
また、大多数のヒトツ鬼が持つ特性として、「何らかの力で周囲の人間や物を消し去る」という能力がある*2。
このため、ヒトツ鬼が暴れれば暴れるほど人間がどんどん消えていってしまう。
ヒトツ鬼に憑かれてしまう人間の多くはどこにでもいると言うにはクセが強すぎな一般市民なので、力はあっても戦闘には不慣れであることが殆どで基本的にあまり強くない。
中には自分の欲望を叶えることに夢中でそもそも自分が戦闘をしているという自覚すらなさそうな個体までいる。
身も蓋もなく言ってしまうと、平均的な戦闘能力は戦隊シリーズの一般怪人の中でも最弱レベル*3。
なので手練かつほぼ一撃必殺の討伐手段を持つ脳人達には到底敵わず、放っておけばあっという間に宿主ごと始末されてしまう。
宿主を助けるにはドンブラザーズが必殺技を使い、脳人達に消される前に自分達の手でヒトツ鬼を倒すしかない。
すなわち、倒すべき敵であると同時に守るべき存在なのだ。
また、戦隊モチーフのアバタロウギアを取り込んでいるヒトツ鬼は倒された直後にそのパワーが脳人レイヤーに積み重なってヒトツ鬼ングと呼ばれる巨大な怪物へと変貌してしまう。
荳?隕ァ
通常のヒトツ鬼
特にモチーフのない外見のヒトツ鬼。
戦隊モデルのヒトツ鬼はこの個体がベースとなっている。要は邪面師やワルド怪人と同じ理屈の造形。
- ベニツ鬼
身長:185cm
体重:213kg
スキン:紅カラー
ドン1話に登場。
タクシー運転手の破壊の欲望から生まれた紅色モデルのヒトツ鬼。
走行中の車を片手で簡単に破壊できる程の凄まじい怪力を発揮する。
自身のタクシーに乗せた鬼頭はるかに襲いかかったが、バイクに乗って現われたソノイに一刀両断され、消去された。
- シソツ鬼
俺はもっと強くなる…もっともっとぉぉぉッ!!
CV:八頭司悠友(ドン1話)
身長:185cm
体重:217kg
スキン:紫蘇カラー
ドン1話及びスピンオフに登場。
ドン1話でははるかの同級生・吉岡(通称・よっぴー)の「卓球でもっと強くなりたい」という欲望から生まれた紫蘇色モデルのヒトツ鬼。
はるかが漫画賞を受賞した時から既に取り憑かれており、校舎裏で作った釘ラケット片手に同じ卓球部の花村や高校生チャンピオンの高木リョウ、金メダリストの春日誠に挑んではテーブルテニヌ人並み外れた運動能力で次々と負かせていき、最終的にヒトツ鬼化。
説得するはるかを一蹴するが、最後は現われたソノイによって釘ラケットを遺して消去されてしまう。
『仮面ライダー電王』とのコラボ動画「目指せ!ドン王」では3話にわたって登場したが、いずれの個体も最後は同時攻撃で撃破されている。ちなみにプリンの話は律儀に聞いていた
さらに『ドンブラザーズmeetsセンパイジャー』でも登場。
アノーニを引き連れていたがアバターチェンジしたドンモモタロウに蹴散らされ、最後は自身もドンモモタロウとオニシスターの攻撃で倒された。
戦隊モデルのヒトツ鬼
戦隊モデルのヒトツ鬼は変身の際に文字化けした戦隊の名前と赤く染まったエンブレムがエフェクトとして表示される。
また変身時や攻撃の演出は当時のSEや演出をほぼ完全に再現しためちゃくちゃ丁寧なものになっている。
ドン1話~10話
※一覧
- 騎士竜鬼
俺は金メダリストだ……!俺が一番強いんだァーッ!
鬨主」ォ遶懈姶髫
CV:狩野絹成
身長:188cm
体重:226kg
スキン:騎士の甲冑
ベース:ベニツ鬼
ドン1話に登場。
吉岡に敗れた卓球の元金メダリストの春日誠が「自分が一番強いことを証明する」という欲望から生まれた騎士竜モデルのヒトツ鬼。
吉岡に負けた後、自身の金メダルに執着する様子を見せていた春日がソノイに強制的に変貌させられる形で誕生した。
リュウソウジャーやガイソーグを彷彿とさせる西洋甲冑のようなスキン「騎士の甲冑」を装着。
頭部の兜は口を開けた恐竜のようにも見え、顔の覗き穴からは赤く光る不気味な目がいくつも並んでいるのが見える。
その姿は「ダークファンタジーに出てくるような得体の知れない怪物が鎧を着込んで騎士のフリをしている」ようにも、
あるいは「強さを誇示することに固執した挙句、人間性を失くした化け物のようになってしまった騎士」のようにも見える。
モンスター化するとギラッと光る複数の目と並外れた動体視力で相手の技をどんどんと見切って、鬼険棒で勇猛に戦闘する。
……らしいのだが、劇中ではドンモモタロウ相手に終始劣勢で、頑強な体故に重たいのか折角の動体視力があっても相手の攻撃に反応しきれていなかった。
最終的にはドンモモタロウの「ザングラソード・快桃乱麻」で一刀両断され撃破されるも、そのまま騎士竜鬼ングへと変貌した。
モチーフは『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。
全体的な姿はよく見るとリュウソウジャーの変身アイテム・リュウソウルのナイトモードにも似ている。
カラーリングや卓球という要素から、さらに細かいモチーフは「卓球にハマったナダと渡り合ったコウ」と思われる。
自分の強さを証明したいがために暴れる騎士竜鬼は、周囲の全てをライバル視してなりふり構わず戦っていた幼い頃の凶暴なコウや、
蛮族とも揶揄されるほど争いの歴史を繰り返してきたリュウソウ族など、リュウソウジャーの負の部分を形にしたようなものとも取れるかもしれない。
- 烈車鬼
いくつに見える?いくつに見える?
辜郁サ頑姶髫
CV:松浦佐知子
身長:190m
体重:228kg
スキン:蒸気機関車
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:さなえは赤いドレスを着るのが好きだったそうな…。
ドン2話に登場。
桃井タロウと同じシロクマ宅配で働く女性・磯野さなえの「もっと若くなりたい」という欲望から生まれた烈車モデルのヒトツ鬼。
上半身が蒸気機関車を模した鎧のようなスキン「蒸気機関車」に覆われており、頭は機関車の煙突を被った痩せ細った老人のような顔。そしてライト部分が光のない不気味な1つ目になっている。
ところどころ塗装が剥げたようになっていたり、肩の部分は先端が赤く錆びたような色合いになっていたりと、その姿は手入れも十分にされないまま捨て置かれていた、もう走ることのない古い蒸気機関車のよう。
モチーフ戦隊のイマジネーション溢れる若々しさやカラフルさとは対照的。
人を超えたアンチエイジングの鬼となり特急のスピードで40代、20代の姿へどんどんと若返っていった。
モンスター化すると「いくつに見える?」と叫びながら、胸からレールを伸ばして胸の煙室に人々を吸い込んでいく。
日課のように同僚に配っている手作り弁当の中身も、「彩りの少ない茶色中心の弁当」→「どこか落ち着かない赤色中心の弁当」と、心境の変化を表すように変わっている。
急激に若返ったさなえだが、嘘のつけないタロウにだけはどれほど若返っても実年齢である68歳に見えるとしか言ってもらえず、焦りと苛立ちからヒトツ鬼化。
戦闘ではレールで相手の動きを封じたり、煙室から火炎ビームを発射したりするなど多彩な攻撃手段を用いる。
変貌後はソノイ・ソノザの2人から狙われるものの、ドンモモタロウが間に入ったことで消去はされずに「桃代無敵・アバター乱舞」を受けて倒され、烈車鬼ングへと変貌した。
烈車鬼ングの撃破後、さなえは元の外見に戻ったものの、文字通り憑き物が落ちたかのように以前よりも生き生きと過ごすようになり、お弁当も「彩り豊かで目にも楽しい弁当」になった。
モチーフは『烈車戦隊トッキュウジャー』。
同じく蒸気機関車がモチーフのトッキュウ1号に比べるとよりモチーフに寄せた見た目になっているが、機関車をそのまま着込んだようなスキンはハイパートッキュウ1号に似ている。
また、猿のような顔はチケットくんをイメージしたものであるらしい。
ストーリーの根幹部分のネタバレであるため詳細は伏せるが、「若返りたい」という列車鬼の欲望や「いくつに見える?」という口癖は、トッキュウジャー達の置かれた身の上から考えるととんでもなく悪趣味なオマージュと言える。
- 快盗鬼
俺が運ぶのは荷物ではない。闇だ……暗闇だ!!
諤ェ逶玲姶髫
CV:門下秀太郎
身長:194cm
体重:233kg
スキン:アルセーヌマント
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ルパンレンジャーギア
むかしむかし:クロクマは配達中に嫌な目にあったのかもしれない…。
ドン3話に登場。
宅配業者を装った怪盗クロクマの「灯りを奪って人々に闇を運ぶ」という欲望から生まれた快盗モデルのヒトツ鬼。
赤いマントを羽織った怪盗のようなスキン「アルセーヌマント」を装備している。
怪盗のシルクハットを模した顔は目を吊り上げて邪悪な笑みを浮かべており、胸には金貨や首飾りなどの貴金属を白い口を模した4本の手で独り占めするように覆い隠している。
そして右側頭部にある巨大モノクルが特徴的。
全体的に怪盗のイメージを盛り込みつつもモチーフのような義賊らしいヒロイックさ・スタイリッシュさは皆無で、まさしく被害者を翻弄して嘲笑う狡猾で欲深な盗人といった印象になっている。
クロクマが何故このような欲望を抱いたのか、猿原真一は「宅配の仕事で嫌な想いをして、その復讐のために幸せの象徴である家の明かりを狙った」と推測されている。
人を超えた泥棒の鬼となり、闇の中で不敵に笑いながら予告なく訪れた家の照明器具をどんどんと盗んでいった。
モンスター化すると、華麗に舞いながら頭部のモノクルに映った敵を攻撃する。他にも人の記憶や認識を消す能力をもっている。
上述の通り宅配業者に扮し、目撃者の記憶を消しつつあちこちで盗みを働いては世間を騒がせていたクロクマだったが、
その手口に「配達員の名を汚している」と怒りを覚えたタロウに追い詰められ、完全にモンスター化。
そのままドンモモタロウに挑みかかるもほとんど歯が立たず、「桃代無敵・アバター乱舞」を受けて撃破……されるかと思いきやトドメの一撃を乱入してきたソノニが阻止、二重弓コンドルアローの一撃を受け宿主のクロクマもろとも完全に消去という最期を迎えた。
モチーフは『快盗戦隊ルパンレンジャー』。
シルクハット型の頭部がルパンレンジャーのマスクやエンブレムを彷彿とさせる造形になっているほか、マント部分はスーパールパンレッドのアーマーに似たシルエットとなっている。
消されてしまった大切なものを取り戻すため闇に生きる快盗となり、最後には自分達の正体を知ったパトレンジャーと彼らなりの形で認め合い絆を結んだルパンレンジャーに対し、
快盗鬼は人々から大切な灯りを奪い闇に追いやる存在であり、最後には脳人によって本当の名前も欲望に取り憑かれた理由も知られることのないまま自らが消されてしまうという悲惨な末路を辿ることとなってしまった。おばあちゃんは言っていた、人のものを盗む奴はもっと大事なものをなくすと。
快盗鬼の消去により転送されてきたルパンレンジャーアバタロウギアを見た五色田介人は「これは…よくないな」と呟いていることから、ドン介人にとっても脳人によるヒトツ鬼の消去は都合が悪い様子。
- 超力鬼
言ってみろ……俺のおにぎりは、何点だぁーッ!?
雜?鴨謌ヲ髫
CV:きづき
身長:198cm
体重:238kg
スキン:王のピラミッド
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:オーレンジャーギア
むかしむかし:幸雄はおばあさんのおにぎりが忘れられなかったそうな…。
ドン4話に登場。
おにぎり専門店『おにぎりごろごろ』のオーナーシェフ・水野幸雄の「100点のおにぎりを作る」という欲望から生まれた超力モデルのヒトツ鬼。
黄金のピラミッドやファラオのマスクを模したスキン「王のピラミッド」を纏っている。
ストレートにエジプト風の外見だが、上半身の大半を覆う巨大なピラミッドのインパクトが強烈。
胸部はよく見ると遮光器土偶の顔のようになっており、モチーフの戦隊同様超古代文明のごった煮とも言えるデザインをしている。
一見すると全身金ピカで荘厳な姿に見えなくもないが、ピラミッドにはあちこちヒビが入っているうえ、顔も目が落ち窪み頬のこけたミイラのような不気味なものになっており、
その見た目は上辺を虚飾されただけの過去の遺物といった雰囲気。
また、金色一色の顔面は完璧なおにぎりを求めるあまり、人間の心を捨てた冷たいマシンの顔のようでもある。というかシンプルにバーロ兵に似ている。
赤字続きの店を立て直すべく、水野はタロウのアドバイスを元にあらゆるおにぎりをどんどんと食べ歩いて修行し、人間を超えたおにぎりの鬼となるも、頑張っても99点のおにぎりしか握れなかった苦悩と悔しさからモンスター化。タロウの採点基準から考えると99点はめちゃくちゃ凄い
多数のおにぎりを具現化させ、「念力のように飛ばして人間の口に放り込む」という能力を得て、「おーれのおにぎりは何点だー!」と叫びながら、怯える人々におにぎりを超力ずくで食わせ続けた。
……ぶっちゃけると能力はそれだけであり、戦闘は鬼剣棒を振り回したり素手で組み付いたりとがむしゃらに暴れるような戦い方しかできず、ドンモモタロウやソノザには鎧袖一触と言わんばかりにあしらわれてしまっている。
攻撃されて応戦はするものの怯えたり困惑したりするような反応ばかりが目立つなどそもそもあまり好戦的ではないようで、ヒトツ鬼の中では比較的害の少ない存在と言えるかもしれない。
と言っても勢い余って後ろに吹っ飛ぶほどの力で大きなおにぎりを口に投げ込んでくるのは一般人視点では十分危険だが……
前回の快盗鬼と合わせて、ヒトツ鬼を人間ごと平気で消す脳人の冷酷さと危険性を示す役割を果たしていたと言えるだろう。
幸い最終的にはドンブラザーズの「桃代無敵・アバター乱舞」によって倒され、水野も無事正気に戻り店の立て直しに成功した。
モチーフは『超力戦隊オーレンジャー』。
キングレンジャーやキングピラミッダーの要素が目立つが、顔をよく見ると目の下~こけた頬~上唇あたりのラインが星形になっており、オーレッドの要素も盛り込まれている様子。
また胸の土偶の顔はドグランダーから来ているものと思われる。
陰鬱な過去戦隊要素のオマージュはなく、公式によると
おにぎり回をやります→おにぎりと言えば三角形→三角形と言えばピラミッド→ピラミッドと言えばオーレンジャーだ!!!!!!!!!!!!!!!!!
という連想ゲームから思いついたヒトツ鬼とのこと。「超力」と「調理器」を掛けたギャグではない……はず。
- 警察鬼
逮捕だ!全員逮捕だ!そして今度こそ…警視総監賞をもらうのだーッ!!
隴ヲ蟇滓姶髫
CV:杉本凌士
身長:189cm
体重:227kg
スキン:熱血おまわりさん
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:健児は猟犬と言われた名刑事だったそうな…。
ドン5話に登場。
まもなく定年を迎えるベテラン刑事・狭山健児の、「手柄をあげて警視総監賞を貰う」という欲望から生まれた警察モデルのヒトツ鬼にして、本編では初のシソツ鬼ベースのヒトツ鬼。
モチーフは『警察戦隊パトレンジャー』。
詳細は個別項目を参照。
- 動物鬼
生きとし生けるものは……みんな入院しろぉぉぉッ!
蜍慕黄謌ヲ髫
CV:畦田ひとみ
身長:192cm
体重:230kg
スキン:あつまるアニマル
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ジュウオウジャーギア
むかしむかし:切田はたいそう努力して看護師の資格を取ったんだそうな…。
ドン6話に登場。
本野格西病院の看護師・切田風香の「全ての患者を自分で救う」という欲望から生まれた動物モデルのヒトツ鬼。
石造りの動物の彫刻のようなスキン「あつまるアニマル」を纏っているが、
その姿はサメの口の中からライオンが顔を出し、さらにその口の中からワシが顔を出していて、胸部のアーマーはトラの頭骨を模してその眼窩からゾウの牙が突き出しているというかなり異様なもの。???「俺だけハブられている……」
そして全体的に無機質な石を思わせる灰色がかった色合いをしており、ワイヤーフレームか網目を彷彿とさせるような格子模様が表面に刻まれている。
「同じ地球に住む命として、群れとして共に生き助け合うもの」として動物達を描いたモチーフ戦隊に対し、
「互いに喰らい合い殺し合う野生動物の食物連鎖」を隠喩したような、自然界のシビアな側面を非常に悪趣味な形で前面に押し出したデザインとなっている。
人を超えた看病の鬼となり、自分にプレッシャーをどんどん充満させながら患者のために尽力していたが、
モンスター化すると鬼険棒を振り回しながら自分が看病するために人々を傷つけて病院送りにする刺客になってしまった。
切田は「自分が患者を救わなければならない」という強い職業意識と責任感を持った真面目な看護師だったが、
一方やや要領の悪いところがあるようで、何かにつけてミスを犯しては看護師長から叱咤されていた。
それでもひたむきに仕事を続けるが、積もり積もった仕事の疲れとストレスからかついに悪い方向に欲望を爆発させモンスター化。
病院を飛び出して暴れ回っていたところ、タロウとつよしの二人に偶然遭遇したことでドンブラザーズと交戦を開始。
固有の特殊能力の類は見せなかった一方、持ち前の怪力でパトレン3号にアバターチェンジしたキジブラザーをボコボコに痛めつけたが、
助けに入ってきたドンモモタロウに対してはほぼ手も足も出ず追い詰められ、そのまま「桃代無敵・アバター乱舞」であっさりと撃破された。
その後人間の姿に戻った切田は看護師として引き続き精力的に働いている様子。
モチーフは『動物戦隊ジュウオウジャー』。
ジュウオウジャーの初期メンバー5人と共通するモチーフを持つ他、石造りの彫刻風のデザインはジュウオウジャーのタイトルロゴの背景に描かれた動物達のレリーフを意識しているようにも見える。
動物鬼に憑かれた切田は元々ジュウオウジャー達と同じように心から命を慈しみ守ろうとする人物だったが、
欲望を暴走させたことで「自分が世話をするために他者を傷つける」という、デスガリアン同様に生命を弄ぶ存在になってしまった。
また、「度を越した世話焼き」「職業意識が強すぎる医療従事者」という要素は風切親子を意識したものでもある様子。
ちなみにこの回の登場人物の名前は切田本人や病院の名前を含めてジュウオウジャーの関係者や関連用語を捩ったものとなっており、
モブとして登場した看護師長と同僚の看護師にも「森真理子」「瀬良美希」*5と固有の名前が付けられている。
- 地球鬼
黙れーっ!勝手に喋るな!懲罰ッ!
蝨ー逅?姶髫
CV:丸井大福
身長:198cm
体重:238kg
スキン:地球テクター
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:校長先生はひどい花粉症に苦しんでいました…。
ドン7話に登場。
はるかが通う津野角高校の校長・阿須野の「規律を学ばせる」という欲望から生まれた地球モデルのヒトツ鬼。
古い地球儀のような頭部とプロテクター型の胸部アーマーからなるスキン「地球テクター」を纏っている。
名前通り地球そのものを模した外見だが、陸地部分は草木一本生えていないような赤茶けた色をしていて、海の部分は黒地に黄色のメッシュ状、あるいは無数のクレーターができたかのような気味の悪い質感で、
さながら「『銀河でただひとつきりの虹の降る星』からは程遠い、荒れ果てた死の星になってしまった地球」を思わせる悍ましいデザインになっている。
また古びて錆びついた地球儀のようなルックスは「思考が昔の時代で止まったままの頑固な教師」といった雰囲気でもある。
人を超えたルールの鬼となり、強大な教師の威厳を見せつけて規律違反者をどんどん注意していった。
モンスター化すると姿を消し、生徒たちを画仙紙の中に閉じ込めて燃やそうとした。気に入らないブラザーやシスターに宣誓してきつい懲罰を与える。
「ルールを書いた画仙紙を貼り出し、それに違反した人間を紙の中に吸い込んで閉じ込める」という能力と「自身の姿を消して身を隠す能力」を駆使して校内・校外を問わずあちこちに出没しては密かに己が敷いた規則を守らない人達を理不尽に罰していた。
何気に「自分で勝手に決めたルールを破った相手を問答無用で拘束する」という地味に凶悪な能力の持ち主。ただ、本人が「攻撃」ではなくあくまで(極めて自分勝手なやり方だが)「教育」を目的としていたため、即死級の能力にはなっていないのが幸いだったところか。
校長はもともとはるかをはじめ生徒からも煙たがられるほど規律にうるさい人物だったが、ヒトツ鬼に憑かれたことで暴走。劇中では街中で規律違反者を襲っていたところを犬塚とつよしに目撃されるも、変身した彼らに攻撃されそうになると姿を消して逃走。
そのまま津野角高校に向かい、タロウと猿原を特別講師に招いて課外授業を開いていたはるかのクラスに侵入。パニックに陥る生徒達を規律違反を犯したとみなして次々に紙に閉じ込めていき、さらに変身したドンブラザーズを教室のような閉鎖空間に連れ込んでしまう。
そのまま「補習」と称し規律違反をするたびに生徒の閉じ込められた画仙紙を一枚ずつ燃やしていくというとんでもない授業を開始。
「紙が燃え尽きれば閉じ込められた人間の魂は地獄に落ちる」と脅し、一方的に懲罰を食らわせていった。
しかしドンモモタロウにだけは反撃されそうになり、全ての紙に火をつけつつ姿を消して逃走を図るも、
扇子からばら撒かれた花粉を吸い込んでしまい、くしゃみをした弾みに居場所を掴まれ、今までのお返しとばかりに「懲罰」のパンチを食らって校庭に追い出される。
そのまま増援に現れたアノーニや乱入してきたソノイも交えての乱闘を繰り広げるも、最後はドンブラザーズの「桃代無敵・アバター乱舞」を受けて爆散。そのまま地球鬼ングへと変貌した。
地球鬼ングの撃破後、校長は人間の姿に戻っている。しかし花粉症は治らないままの様子。
紙に閉じ込められていた生徒達も燃え尽きる前に地球鬼ングが倒されたため無事生還することができた。
その後ドン17話にて回想シーンに再登場。街中に出現した際に同話のゲストである田辺誠とその恋人の加奈子を襲っており、後に2人の関係がこじれてしまう原因になっていたことが明かされている。
モチーフは『地球戦隊ファイブマン』。
スキンの名称はファイブマンの強化装備、ファイブテクターを意識したもの。
デザイン的には「地球」そのものの要素が強めであからさまにファイブマンに寄せられている部分はあまりないが、胸部にはよく見ると「V」の字を上下反転したような意匠がある。校長の名前も「earth(地球)」を捩ったものである。
ファイブマンは5人全員が生徒との深い絆で結ばれた教師であり、その生徒たちとともに大切に育ててきたシドンの花が最終決戦に至るまで劇中最大のキーアイテムとなっていたのに対し、
地球鬼は同じ教師でありながら規律に従わない教え子を火炙りにすることさえ厭わない、生徒に煙たがられ花にも嫌われる暴力教師というまさに正反対な存在となっている。
- 魔進鬼
俺のモデルを返せぇ…!返せえええッ!!
鬲秘?イ謌ヲ髫
CV:島田惇平
身長:195cm
体重:234kg
スキン:キラキラのメイジ
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:キラメイジャーギア
むかしむかし:榊は短髪も似合う男だったそうな…。
ドン8話に登場。
何処か浮浪者然とした画家・榊の「理想のモデルを描く」という欲望から生まれた魔進モデルのヒトツ鬼。
オラディンやマブシーナなどクリスタリアの人々の顔に似ていながらも邪悪な侵略者を思わせる青い宝石の仮面と長い帽子を被り、胸部には主に赤と紫、青の宝石が散りばめられたスキン「キラキラのメイジ」を装着している。
怪物感丸出しだったこれまでのヒトツ鬼と比べると幾分芸術的な見た目だが、どこか暗く澱んだ雰囲気を纏う。
スキン部分だけに目を向ければ一見キラメイジャー本編に登場しても違和感のなさそうな外見ではあるものの、装飾過剰な服装や目が吊り上がり頬のこけた顔立ちはどことなく悪役じみていて、全身を宝石で飾り立てた悪の魔法使いや神官といった印象を与える。
また縦に細長いその顔はムンクの「叫び」にも似ていて、まるで天啓や輝きを得られずスランプに陥って悩み苦しみ続ける画家を表しているようにも見える。
人を超えた芸術の鬼となり、自分の才能を引き出すモデルをどんどん探し、やがてみほを拉致した。
モンスター化すると、全身のクリスタルを煌めかせて自分がひらめくままに戦闘する。
……といっても素体がスランプのせいでひらめきが微塵も生まれなかったせいか、劇中では武器である鬼険棒を振るわなければ、他のヒトツ鬼のような特殊能力を発動することも無く、戦闘では大した活躍を見せなかった。
モチーフは『魔進戦隊キラメイジャー』。
宝石を埋め込まれた帽子のデザインがキラメイジャーの頭部を思わせるものになっている他、先述の通りクリスタリア人にそっくりの青く光る顔を持つ。
キラメイジャーの主人公である充瑠が自分のひらめきを形にできる豊かな想像力と、他人の好きなことを尊重できる優しさを持った、絵を描くのが好きな未来ある高校生であることに対して、
魔進鬼の方は理想の芸術のために他人の意思を蔑ろにする、自身の想像力やひらめきではなく形あるモデルに固執する落ちぶれた画家というのは何とも皮肉なもの。
また、榊はスランプのせいもあってか遅筆だったが、充瑠はそれと対照的に非常に早筆でもあった。
後のドン46話でソノイが許しの輪を発動させた事で、つよしを含む今まで消去された人々と共に人間界に生還を果たしている。
- 特命鬼
ダメだよ動いちゃ!もっとちゃんと遊んでよ~!
迚ケ蜻ス謌ヲ髫
CV:塚尾桜雅
身長:186cm
体重:223kg
スキン:バッディなチーター
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ゴーバスターズギア
むかしむかし:鼻たれ太一は友達に遊んでもらえずとても寂しかったそうな…。
ドン9話に登場。
入院中の老人・井沢太一(演:原田文明)の「みんなと遊びたい」という欲望から生まれた、特命モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『特命戦隊ゴーバスターズ』。
詳細は個別項目を参照。
- 海賊鬼
俺は漫画家になりたい…!だが才能がない…!だからお前達の才能を奪うのだ!!
豬キ雉頑姶髫
CV:久保雄司
身長:193cm
体重:232kg
スキン:海賊版パイレーツ
ベース:シソツ鬼
ドロップ:ゴーカイジャーギア
むかしむかし:男は努力するのがめっぽう苦手だったそうな…。
ドン10話に登場。
漫画家志望の中年の男・大井成樹*6の「漫画家になりたい」という欲望から生まれた海賊モデルのヒトツ鬼。
デイヴィ・ジョーンズのような顔から大量の蛸の触腕が生えた怪人の顔が2つ並んでくっ付いたようなスキン「海賊版パイレーツ」で覆われている。
漫画家のヒトツ鬼な事もあって、毒々しく派手なカラーページの顔と所々にトーンが貼られた白黒ページの顔の2つが並んでいるが、正面から見ると1つの顔にも見える騙し絵チックな風貌が特徴。
総じてビジュアルは[[ロマンからは程遠いホラー路線の海の魔物>ザンギャック行動隊長]]と化している。
人を超えた略奪の鬼となり、「漫画家になるためには人気漫画家から才能を奪えばいい」という短絡的な発想からファンを装って[[派手>ゴーカイレッド/キャプテン・マーベラス]]に成功している漫画家達をどんどん狙って襲撃。
モンスター化すると[[大いなる才能>大いなる力(海賊戦隊ゴーカイジャー)]]を持つ漫画家達を触手で捕えて豪快に吸収していった。
専用武器と思わしきカットラスも装備していたが、フラストレーションの爆発したオニシスターの前には一方的にボコボコにされ、そのまま全員ロボタロウになったドンブラザーズの「前人未桃・打ち上げロボタロウ」を受けて爆散。
吸収された漫画家たちは元に戻り、怠惰すぎる動機からはるかに「ふざけんなボケ!」と直球過ぎる一喝をされた大井も一平に書いてもらった手の甲のサインを隠して複雑な表情をしていた。
モチーフは『海賊戦隊ゴーカイジャー』。
左右に分かれたデザインはゴーカイクリスマスやゴーオンウイングス寄り。
ゴーカイジャーは「本家レジェンド戦隊の力を再現して戦う『海賊版』の戦隊」というイメージから企画された戦隊だが、海賊鬼は他の人気漫画家の才能を奪うという「海賊版」そのものの行為を働いている。
公式サイトでも「漫画で海賊といえば、海賊版!!NO!海賊版!!違法ダウンロードは犯罪です」と言及され、漫画と海賊という組み合わせを考えると『週刊少年ジャンプ』のロゴマークなどもイメージソースに含まれているのかもしれない。
「欲しいものは自分の手で掴み取る」を信条とし、力を借りているレジェンド戦隊とも絆を深めた正義の宇宙海賊であるゴーカイジャーに対し、
海賊鬼の場合ロマンも冒険心もリスペクト精神もなく、努力もなしに自分の夢を叶えたいがために偉大な先人の才能を略奪していく悪質な「海賊版」という対比になっている。
その精神性はむしろ彼らの因縁の大敵であったバスコ・タ・ジョロキアの方に近いかもしれない。
また、「漫画にこだわる海賊」という点から、ゴーカイジャーをパクった海賊版のヒーローに変身するヨホホイ彼を連想した視聴者も。
ドン11話~20話
※一覧
- 手裏剣鬼
我が宿敵よ!一子相伝、大野流忍術の真髄見せてやろう!!
謇玖」丞殴謌ヲ髫
CV:榊原卓士
身長:188cm
体重:237kg
スキン:忍ばないニンジャ
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ニンニンジャーギア
むかしむかし:稔は忍耐強いメンタリティで修行を続けてきたそうな…。
ドン11話に登場。
忍者道を究めたい男・大野稔の「自分の忍法を見せつける」という欲望から生まれた、手裏剣モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『手裏剣戦隊ニンニンジャー』。
詳細は大野稔の項目を参照。
- 宇宙鬼
コーラちゃんシズカちゃん~…みんなみんな僕のものだ~!!
螳?ョ呎姶髫
CV:小栗わたる
身長:192cm
体重:241kg
スキン:究極の惑星儀
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:青年にとってアイドルは自分の生きがいとなる救世主だったそうな…。
ドン12話に登場。
アイドル好きの青年の「アイドルをみんな独占する」という欲望から生まれた宇宙モデルのヒトツ鬼。
髑髏と銀河系を模したようなスキン「究極の惑星儀」を纏っている。
銀河系を模したような襟に宇宙を鷲掴みにする禍々しい手のような頭、象の頭を模した肩当て、ブラックホールや土星を模したような球体が付いた胸など、「救世主」にはとても見えない邪悪な宇宙の怪物のようなビジュアルとなっている。
また、丸い頭をヘルメットに見立てると宇宙服を着込んだ宇宙人のようにも見えなくもない。
人を超えたファンの鬼となり、アイドルへの愛をどんどんこじらせていって暴走。
モンスター化するとアイドルを無差別に襲撃しては胸の球体にアイドル達を吸収し永久に自分のものにしようとしたタチの悪いストーカーに成り果ててしまった。
ただし戦闘力は素体がただの拗らせたドルヲタだったこともありヒトツ鬼の中でも最弱クラス。
アノーニを呼び出した以外はまともな戦いにもならず5体のロボタロウ達にボコボコにされて敗北、そのままヒトツ鬼ングへと変貌した。
作中で多くのアイドルを襲っていた宇宙鬼だったが、その中には祖父のために自身をアイドルだと偽っていた吉良きららも含まれる。
この事件の後、きららは本物のアイドルとしてデビューしたことから、青年のオタクとしての見る目はある意味正しかったと言える。余談だがその後、きららの演者は魔法少女オタクから魔法少女愛をこじらせた悪の少女幹部になる主人公に選ばれるのだが、それは別のお話。
モチーフは『宇宙戦隊キュウレンジャー』。
デザインの造形はシシレッドではなくよりにもよってキュウレンジャー最大の宿敵ドン・アルマゲベース。
頭の形状はドン・アスランや宇宙幕府ジャークマターの紋章に似ているなど全体的にジャークマター要素満載である。
……と思われていたが、デザイナーの篠原氏によるとドン・アルマゲとのモチーフ被りは偶然で後から指摘されて気付いた、とのこと。アルマゲと同じ古代インドの宇宙図に加え、星座盤や古典的な宇宙人のイメージなどが盛り込まれているそう。
そしてキュウレンジャーが悪の手に落ちた星々を解放するべく戦う、「一人一人がスーパースター」な救世主達からなるレジスタンスだったのに対し、
宇宙鬼の方は自分にとっての救世主であるスーパースター達を独占して悦に入る身勝手なオタクという、ヒトツ鬼恒例の悪趣味なキャラ造形となっている。
- 獣電鬼
誰か構えーッ!構え、構えぇぇぇッ!!
迯」髮サ謌ヲ髫
CV:原扶貴子
身長:194cm
体重:245kg
スキン:ブレイブインマスク
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:房子は夫を亡くし息子にも家出され淋しかったという…。
ドン13話に登場。
街のクレーマー・房子の「自分にかまってほしい」という欲望から生まれた獣電モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『獣電戦隊キョウリュウジャー』。
詳細は房子の項目を参照。
- 高速鬼
俺は走る!誰にも負けない!将棋ロードをーッ!!
鬮倬?滓姶髫
CV:石田泰誠
身長:189cm
体重:229kg
スキン:将棋駒GT
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:青年の青春は学業と将棋の両立だったそうな…。
ドン14話に登場。
高校生棋士の青年の「将棋でもっと強くなりたい」という欲望から生まれた高速モデルのヒトツ鬼。
スーパーカーと将棋の駒が混ざった鎧のようなスキン「将棋駒GT」を装備。
正面から見ると将棋の駒っぽいが、両目は車のヘッドライトのようで、背後から見るとしっかり車の後部側のデザインをしている。
遠目にはシャープにまとまったルックスだが、鋭い目を爛々と光らせ牙を剥き出しにした顔立ちはよく見ればかなり凶悪なもので、
棋士に必要な冷静さも理性も持たない、車を模した鎧を着込んだ凶暴な魔獣という風情でもある。
棋士は対局時に時間切れによる敗北を味わった瞬間盤面を滅茶苦茶に荒らし人を超えた将棋の鬼となり、ジグザグでも将棋ロードをどんどん突っ走っていった。
本格的にモンスター化すると、「2四銀!8六歩!」と棋譜を叫びながら睨むことで若さ全開の高校生たちをターボの速さで将棋の駒に変えていった。
その他にも車の急加速を彷彿とさせる高速移動で動き回り相手の攻撃を回避することができる。
ヒトツ鬼としては戦闘力が異様に高く、タロウ不在のドンブラザーズを苦戦させる実力の持ち主。
モチーフは『高速戦隊ターボレンジャー』。
将棋と車モチーフのターボレンジャーとでは接点がないためか、分かりやすい共通点は無し。「飛車」「香車」など駒の名前に「車」が入ったものがあるにはあるが
公式ブログによると「将棋の駒って、スーパーカーっぽいよね?Da! Da! Dash!!!!!」という理由でモチーフに選ばれた模様。
デザイナーの篠原氏曰く、同じ車モチーフの激走鬼がタイヤだらけのデザインであるため逆にタイヤの意匠を少なくしてスーパーカーらしくまとめ、フロントグリルの部分にはターボレンジャーの要素として妖精の羽をデザインに組み込んでいる、とのこと。
一方で演出周りには変な方向に力が入っており、
- 名乗りの際の決めポーズを再現し、紙吹雪が舞う中で巨大な将棋の駒とやぐらを組む
- OP前のタイトルコールの再現で大写しになった瞳に映った景色の中をジグザグに走り回る
- 暴れ回った先の高校がターボレンジャーの母校と同名の武蔵野学園高校
……などなどターボレンジャーへのオマージュが盛りだくさんとなっている。
そして年齢制限の兼ね合い*7でずっと若さ全開でいられず、長考の末の時間切れで敗北した高校生がターボレンジャーを模した怪人に成り果てるという悪趣味さはヒトツ鬼らしさ全開。
なお、高速鬼を演じた石田泰誠氏は実際に日本将棋連盟2段の段位を持つ俳優で、劇中に登場した棋譜はターボレンジャーの放送年である1989年に行われた「NHK杯 羽生善治五段vs加藤一二三九段」から引用している。
- 激走鬼
交通安全交通安全交通安全交通安全…交通安ぜぇん!!
豼?襍ー謌ヲ髫
CV:鈴木浩文
身長:190cm
体重:223kg
スキン:フルアクセルサラリーマン
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:カーレンジャーギア
むかしむかし:つよしは芋羊羹を食べておなかを壊したことがあるそうな…。
ドン14~15話に登場*8。
正体は…なんとキジブラザーことフェズントコンサルタントの会社員・雉野つよしの「みほちゃんを傷つけられたことが許せない」という欲望から誕生した、激走モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『激走戦隊カーレンジャー』。
詳細は雉野つよしの項目を参照。
- 恐竜鬼
クリア…クリア…!クリアァーッ!!
諱千ォ懈姶髫
CV:湊竜也
身長:187cm
体重:224kg
スキン:時をかける化石
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:若者はコメントも気にせず自由にゲームをプレイしていたそうな…。
ドン16話に登場。
あるゲーマーの若者の「ゲームを圧倒的にクリアする」という欲望から生まれた恐竜モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』。
詳細は個別項目を参照。
- 鳥人鬼
愛が欲しい…!運命の愛がぁ~!!
魑・莠コ謌ヲ髫
CV:小日向ゆか
身長:191cm
体重:222kg
スキン:バードニックウイング
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:加奈子は勇気あるナイスガイの翼に運命を感じていたんだそうな…。
ドン17話に登場。
青年・田辺誠が恋をする美女・加奈子の「運命の愛が欲しい」という欲望から生まれた鳥人モデルのヒトツ鬼。
黒い羽毛を纏った鳥のようなスキン「バードニックウイング」を装備。
頭部は鳥の頭蓋骨にも、雲を模したようにも見える青白いフルフェイスの兜のようで、
ボディは胸元を開いた青い襟付きの服の上に、5羽のカラスの頭と黒と紫のグラデーションの羽毛をあしらったようなアーマーを着込んでいる。
さながら青空目掛けて飛ぶ5羽のカラスの群れを描いたようなデザイン。
若干特殊な経緯で誕生したヒトツ鬼であり、当初は加奈子ではなく彼女に振られそうになっていた田辺を宿主にしようとしていたようだが、
犬塚が彼をヒトツ鬼にさせるまいとあれこれ奇行を働いた奮闘したおかげで彼の欲望は落ち着いたらしく、加奈子の方に憑依。
結果加奈子は人を超えた恋愛の鬼となり、犬塚への恋心をどんどんと爆発させていった。
しかし犬嫌いだったのかなんなのか犬塚の正体がイヌブラザーであることを知るやショックのあまりモンスター化。
モチーフ戦隊さながらの高速飛行能力で「ころころタマゴ爆弾」を空中から投下した。
鳥人鬼ングの撃破後、無事人間に戻った加奈子は田辺と元の鞘に戻った様子。
モチーフは『鳥人戦隊ジェットマン』。
ジェットマンのデザインに採用されなかったカラスの意匠と、マリア・ラディゲ・ジェットガルーダ・最終話での天堂竜と結城凱のやりとりを連想させる頭部が特徴的。
本作のメインライターを務める井上御大の代表作とも言える作品であることに加え、つよしと犬塚絡みで無数に恋愛関係の不穏要素が仕込まれていたこともあり、登場以前から色々と憶測を呼びがちだったヒトツ鬼だが、
蓋を開けてみればカオスなギャグ回で一般怪人として出てきた上に本人の振る舞いもギャグまみれだったことに困惑した視聴者多数。まさか2年連続でジェットマンがネタ枠になるとは……
一応、「戦うトレンディドラマ」とも呼ばれるほど恋愛を軸に敵味方入り乱れた複雑な人間模様が展開される中、己の愛と信念を貫いたジェットマンをモチーフとした怪人に、
運命の愛が欲しいという受け身で移り気な気持ちから周囲を振り回してしまう女性が変身するというのはなかなか皮肉だが。
- 炎神鬼
電話の…邪魔を…するなあッ!
轤守・樊姶髫
CV:中心愛
身長:186cm
体重:218kg
スキン:エンジン魂
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:美奈子は新造とデートの約束をする直前に事故で亡くなっていた…。
ドン19話に登場。
幽霊の女性・鷺山美奈子の「恋した新造さんに会いたい」と言う欲望を叶える為に誕生した、炎神モデルのヒトツ鬼。
実体のない怪人という点では特命鬼と似ているが、あちらが「魂が肉体から分離してヒトツ鬼になった」のに対して、こちらは「人間の思念体がヒトツ鬼になった」という違いがある。
モチーフは『炎神戦隊ゴーオンジャー』。
詳細は美奈子の項目を参照。
- 五星鬼
強い奴はどこだぁーッ!?
莠疲弌謌ヲ髫
CV:伊藤茂騎*10
身長:193cm
体重:227kg
スキン:弁髪拳士
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:芦田は厳しい修行を重ねて今の自分に転身したんだそうな…。
ドン20話に登場。
強さを求める男・芦田の「強い奴と戦ってもっと強くなる」という欲望から生まれた、五星モデルのヒトツ鬼。
中国の拳法家や中華鎧を思わせるスキン「弁髪拳士」を纏っている。
上下逆向きになった「大」の文字がくっついた顔面と長い銀色の弁髪、青色の拳法着が特徴的なフォルムで、首には無数の球が数珠繋ぎになったネックレスを身につけている。
ストレートに中華風のデザインではあるものの、青と紫を基調としたカラーリングや一つ目の意匠、細く吊り上がった目などは全体的に不穏で恐ろしげな雰囲気を醸し出しており、
邪悪な気配を纏った中国の妖怪のようなおどろおどろしいルックスに仕上がっている。
人を超えた格闘の鬼となり、様々なジャンルの著名な格闘家たちを闇討ちや道場破りでどんどん倒していった。
モンスター化すると両手を鋼鉄の籠手「鬼険拳」で武装し、五つ星級の拳法で相手をバッタバタと大連続で倒していく。
他にも倒した格闘家を五色の玉に変えて吸収する能力も持つ。
芦田本人が現役の武術家だったこともあり、単体の戦闘力はヒトツ鬼の中でもトップクラス。劇中ではドンモモタロウとゼンカイザーブラックのタッグ相手に体術だけで真っ向から戦えるほどの強豪であった。
一時撤退した後、ドンモモタロウと再戦。
大臣栄誉賞の授賞式を放り出して駆け付けたオニシスター達とまたしても何も知らずに転送されたイヌブラザーとも渡り合っていた所、突如乱入してきたドントラボルトの「雷刃闇駆白虎」を喰らって派手に爆散。そのまま五星鬼ングへと変貌した。
モチーフは『五星戦隊ダイレンジャー』。
鋼鉄の籠手や強さへの執着などキャラクター性としては魔拳士ジンの方向性。*11
額にはゴーマ怪人のような目玉の意匠があり、襟には女戦士クジャクのような孔雀の襟飾り、強さのみを渇望する余り人の道を外れた拳法家といった部分で鉄面臂張遼を彷彿とさせる要素など、全体的に『ダイレンジャー』本編に出てきた闇堕ちキャラや悪役のイメージが随所にある。
また、五星鬼が殴り込んだ道場のひとつに「嘉挧柔道場」があるが、これは『ダイレンジャー』のキーパーソンである道士・嘉挧から取られている。
ドン21話~30話
※一覧
- 侍鬼
俺が…兄さんと戦えば、自ずと分かるはず……!
萓肴姶髫
CV:山崎裕太
身長:190cm
体重:239kg
スキン:文字武者
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:シンケンジャーギア
むかしむかし:白井は「極ラーメン道 松井組」で真剣に働いていたそうな…。
ドン21話に登場。
先代サルブラザーにして元「極ラーメン道 松井組」従業員・白井の「真一が戦う答えを知りたい」という欲望から生まれた侍モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『侍戦隊シンケンジャー』。
詳細は白井の項目を参照。
- 電磁鬼
何か面白い話をしろ!面白い話をしろぉーッ!!
3・3・5
髮サ逎∵姶髫
CV:テット・ワダ
身長:189cm
体重:224kg
スキン:デジタルサーファー
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:豪田は事業を成功させて望むものは全て手に入れたそうな…。
ドン22話に登場。
大富豪・豪田健太郎の「退屈を紛らわせる面白い話が聞きたい」という欲望から生まれた電磁モデルのヒトツ鬼。
カツオノエボシに似たクラゲと電子機器が混ざったようなスキン「デジタルサーファー」を纏っている。
所々に機械的な意匠があるが全体的には毒々しい色合いのクラゲや海藻といった海洋生物を彷彿とさせる有機的なビジュアルで、さながら海での青春の思い出をぶち壊す毒クラゲの化け物と言ったところ。
またボディ周りは多数の襞が折り重なるように並び波立った海面のようにもなっていて、肩から突き出したサーフボードも合わせると「サーフィンしようぜ!光るネットの波をくぐって」という歌詞を悪趣味に具現化したような印象も受ける。
レドームのような頭部は透けており、内部には塔を思わせる奇怪な機械が埋め込まれている。そして顔周りに生えた触手は不気味にネジレた形状になっている。
人を超えた無茶ぶりの鬼となり、退屈とはおさらばするため人々に面白い話をすることをどんどん強要した。
ただ、くだらないダジャレを言うだけでも満足するので意外と回避は容易のようだ。
モンスター化すると、サーフィンしながら熱闘の波をくぐって、頭部にインストールされたメガトン級の技を繰り出す。
…のはいいのだが、インストールするものは掃除機だったりサーフボードだったり、ハイテク電子機器の力を操るメガレンジャーとは大違い。
劇中では掃除機をインストールして面白くない人間を体内に吸い込んだり、サーフボードで低空を高速で移動して体当たりをかますなどの戦い方を見せた。
モチーフは『電磁戦隊メガレンジャー』。
波打つ海藻のデザインなど全体的にネジレ獣に似た有機的な風貌であり、クラゲネジレやカイソウネジレと言われてもあまり違和感がない。
透けた頭部や頭に浮かぶ機械の立体映像、変身時の電子音、サーフボードを乗りこなす姿などメガレンジャーらしさが詰まっている。
また、頭部から透けて見える機械はネジレジアの本拠地であるデスネジロにも似ている。
メガレンジャーが退屈とは無縁な戦いと青春の日々を全力で謳歌し、時に心ない人々の冷たい視線に晒されるなど大きな挫折を味わいながらも、それを乗り越えて自分達だけの卒業証書を掴み取ったのに対し、
その風貌や変身者が社会的に大きく成功し望むものはなんでも手に入るようになったが、そのせいで退屈を持て余し、他人に「面白い話」を強要する中年男性だったりと、とにかく「青春」の欠片もない要素が目立つ。
- 獣拳鬼
俺は!高みを目指して学び、変わりたいんだぁー!!
迯」諡ウ謌ヲ髫
CV:天羽尚吾
身長:195m
体重:229kg
スキン:マスターカンフー
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:田丸は高みを目指して日々精進していたそうな…。
ドン23話に登場。
受験生・田丸の「憲法を学ぶためにみんな静かにしてほしい」という欲望から生まれた獣拳モデルのヒトツ鬼。
ネコ科動物の手を模したプロテクターのようなスキン「マスターカンフー」を纏っている。
獣の姿に変貌した拳士のような姿で、あくまで獣っぽいアーマーを纏っていたゲキレンジャーとは違い、ダイレクトに獣要素が強いビジュアルはリンリンシーに似ている。
全体的にはスマートにまとまっており醜悪さはあまりないが、あちこちに大きく鋭い爪があしらわれた外見は刺々しさが目立ち、
警戒心と闘争心を剥き出しにした臨戦態勢の肉食獣のような攻撃的な印象を与える。
人を超えた静けさの鬼となり、些細な物音にも刺激を受けて怒りをどんどん燃え立たせていた。
モンスター化すると、獣の力をたぎらせた拳法で自分の逆鱗に触れた相手を過激にガンガンぶっ飛ばしていく。
そして獣拳らしく、自身の姿を模したエネルギー弾を撃って攻撃することができる。
モチーフは『獣拳戦隊ゲキレンジャー』。
外観の色合いはゲキレンジャーではなくトレーニング・ドロイドのロボタフ風。
今回に関しては「暮らしの中に修行あり」という師の教えのもと拳法を学び、己の心技体を鍛え高みを目指したゲキレンジャーに対し、
高みを目指して憲法を学ぶうち、些細な生活音も我慢できないほど心身を消耗してしまった受験生というシンプルなネガティブ要素の塊になっている。
また履いているスニーカーがスクラッチ社製のものだったり、変身時にゲキチェンジャーの効果音が鳴ったり、「うるさいうるさい!ウルウルだー!」とジャン語っぽい台詞を言い放ったりと、例によって小ネタも多数仕込まれている。
- 忍者鬼
生き甲斐を…!僕に生き甲斐をくれぇーッ!!
蠢崎??姶髫
CV:織部典成
身長:187cm
体重:219kg
スキン:隠れる忍者
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:耕一郎は続けていたピアノに挫折してしまったそうな……。
ドン24話に登場。
東智子のひとり息子・耕一郎の「生き甲斐が欲しい」という欲望から生まれた、忍者モデルのヒトツ鬼。
青く鮮やかな忍者装束のスキン「隠れる忍者」を纏っている。
外見は非常にステレオタイプの忍者風でこれまで出てきた忍者系ヒトツ鬼の中では一番忍者らしい。
……が、原典に倣って現代風にアレンジされたためなのか、全体的にメカニカルな雰囲気。色合いもビビッドで、スキン名に反してあまり隠密行動向きには見えない。
また、原典のアメコミ要素やメタ入ったコミカルな演出を意識したのか、頭巾から覗く目元はよく見るとデッドプールに似ている。
総じて[[おかしな解釈をされてしまったニンジャのイメージのごった煮>ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン]]といった雰囲気。
耕一郎は母から押し付けられたピアニストの道に挫折し人を超えた家出の鬼となり、母に隠れて街を放浪し自らをスーパーに変化させる生き甲斐をどんどん求めていた。
モンスター化すると、人々を苦無で襲いシークレットな忍法で衣服を残したまま人々をドロンと消し去ってしまった。
専用武器である苦無で武装したタイプのヒトツ鬼だが、素体の影響かドンブラザーズ相手には忍法もまともに通じず直接的な戦闘力は低めであった。
モチーフは『忍者戦隊カクレンジャー』。
ビジュアル的にはニンジャマンの要素がかなり強め。また、OPの月をバックに疾走するシーンを再現した演出もある。
篠原氏によるとアメリカンな要素を盛り込むため、メカニカルな見た目はバイク*12を、カラーリングは星条旗をそれぞれベースにしたとのこと。
先祖から受け継いだ宿命と向き合い、時には肉親とさえ戦ったカクレンジャーに対し、親の敷いたレールから逃げた息子という血縁関係がらみの対比となっている。
耕一郎の母・智子を演じた片岡京子氏は、15代目片岡仁左衛門を父に持つ女優で、ニチアサ的には永谷園のお吸い物のCMに出演していたのが記憶に新しい。
- 大鬼
部下になれぇ…!ボーイズ&ガールズ、俺の部下に~ッ!!
螟ァ謌ヲ髫
CV:滝晃太朗
身長:199cm
体重:239kg
スキン:新体操遺跡
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:山田は社長のタブーに触れて怒られたことがあるそうな…。
ドン25話に登場。「だいき」と読む。
フェズントコンサルタントの部長・山田の「有能な部下が欲しい」という欲望から生まれた、大モデルのヒトツ鬼。
古代ギリシャの遺跡や石像を模したようなスキン「新体操遺跡」を纏っている。
名前通り(?)大柄で手にした新体操の道具とのミスマッチ感もありインパクトは強いが、あちこち崩れていたり黒ずんでいたりと全体的にボロボロ感が目立っており、夢も希望も残さず滅んだ遠い昔の文明の残骸のような風貌となっている。
人を超えた上司の鬼となり、クビになったつよしに代わる未来人材をどんどん求めていた。
モンスター化すると、大きな体で踊りながら新体操の大技コンボで優秀なボーイズ&ガールズを部下にしようと大襲撃した。
リボンやフラフープ、クラブといった新体操の道具を武器としており、新体操のリボンを伸ばしリボンに触れた子供をピンク色の新体操用ボールに変えて消し去る能力を得ている。元がスパルタな性格のためかリボンは鞭にも見える。
だが戦闘でこれらの道具が使いこなせているとは言い難く、これまでのヒトツ鬼の例に漏れず素体がただの一般市民だったせいか戦闘力は低め。
本人の戦闘意欲も薄かったこともあり、「ストップ・ザ・バト~ル…」とつぶやきながらどさくさ紛れにコソコソ逃げ隠れたりとかなり卑屈なヒトツ鬼となっていた。
モチーフは『大戦隊ゴーグルファイブ』。
初の昭和戦隊モチーフのヒトツ鬼であり、ゴーグルファイブの特徴の一つであった「古代文明」要素が全面に押し出されたビジュアルを持つ。
また、額や体の各所にはゴーグルファイブのメンバーの色を模した宝石が散りばめられている。
こと額の赤い宝石とそれを囲むレリーフはゴーグルレッドのそれにも、総統タブーの一つ目にも見えなくもない。
ゴーグルファイブが子供達からのスカウトを受けて戦士となり、数多くの優れたサポーターや上司と共に悪に立ち向かった若者達だったのに対し、
大鬼の場合不出来な部下の不始末に対する上司の責任から目を背け、優秀な部下を求めて嫌がる子供達をさらっていくダメな中間管理職といった対比を持つ。
ちなみに、山田を演じた滝晃太朗氏は『ゴーグルファイブ』の大ファンを公言しており、『ゴーグルファイブ』モチーフの敵を演じた事を大変光栄に思っていたとのこと。
- 魔法鬼
貴様を倒すため!また力を手に入れたのだあぁッ!!
鬲疲ウ墓姶髫
CV:榊原卓士
身長:198cm
体重:226kg
スキン:紫の魔法使い
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:稔は手裏剣鬼になったことがあるそうな…。
ドン27話に登場。
忍者道を究めていた男・大野稔の「宿敵の桃井タロウを倒したい」という欲望から生まれた、魔法モデルのヒトツ鬼。
手裏剣鬼に取り憑かれた後、ドンブラザーズに倒されて元に戻ったはずがいつの間にかまたヒトツ鬼になっていた。
モチーフは『魔法戦隊マジレンジャー』。
詳細は大野稔の項目を参照。
- 科学鬼
欲しい…欲しい!絵が……私の絵が欲しいぃーッ!!
遘大ュヲ謌ヲ髫
CV:糸瀬七葉
身長:193cm
体重:236kg
スキン:夢の発明
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:瑞穂は武夫が抱く愛の大きさの秘密を知っていた…。
ドン28話に登場。
絵を求める女性・伊集院瑞穂の「私の絵が欲しい」という欲望から生まれた科学モデルのヒトツ鬼。
赤・青の薬品が入ったフラスコや顕微鏡といった実験要素が詰まった科学者のようなスキン「夢の発明」を纏っている。
ただし頭や胴体は爆炎や煙、砕けた岩、焦げたアフロヘアなどを思わせる外見で、科学者の顔も右半分が青ざめ左半分は黒くなっており、全体的なビジュアルは実験に失敗して黒焦げになってしまったマッドサイエンティスト、或いは凄惨な爆発事故の現場といった風貌。
かつてお互い惹かれ合っていた天才画家・青田武夫が残した絵「秘密」を取り返すために人を超えた奪還の鬼となり、勝手に怪盗の師匠に指名した犬塚と共にどんどん絵を盗み出そうとする行動を起こした。快盗鬼の方が似合う気がするが既出なのでしょうがない
当初はヒトツ鬼化してもギリギリ理性を保っており、自らの意思で人間の姿に戻ることも出来たが、同じく「秘密」の絵を目の当たりにすると耐え切れず[[邪心化>有尾人一族ジャシンカ帝国]]してしまい、同じく「秘密」の絵を狙う猿原とはるかに追い詰められとうとう理性を失ってしまった。
戦闘力はあまりないが、最後の手段として両肩のフラスコの薬品をビーカーに注ぎ込んで合成した紫色の液体を撒き散らし、化学反応で周囲に大爆発を巻き起こしてしまう。
モチーフは『科学戦隊ダイナマン』。
ダイナマンの「科学」と「爆発」の要素を混ぜ合わせてネガティブに表現したようなデザイン。
また、薬品を含むデザインは進化獣/メカシンカの製造過程で投入される「生命のスープ」を彷彿とさせる。
篠原氏によると2色に塗り分けられた顔は、ダイナマンのモチーフの一つが「野球」であることから、映画「ウォリアーズ」のベースボールフューリーズのメンバーのフェイスペイントを元にデザインしたとのこと。
余談だが、美術品関連のヒトツ鬼にして爆発も起こせるということで、どこぞの芸術の巨人を連想した視聴者もいた模様。
というか劇中でもキジブラザーが「芸術は……爆発……」と呟いているシーンがあるし、全体的にどぎつい色遣いの前衛芸術っぽい見た目でもあるので、例の巨人はともかく実際岡本太郎氏の名言がベースのモチーフ選びではあったのかもしれない。
- 爆竜鬼
遅い遅い!もっともっと早く早くだぁ!!遅過ぎるーッ!!
辷?ォ懈姶髫
CV:若杉宏二
身長:194cm
体重:228kg
スキン:アバレミックス
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:永井は荒ぶる特大のガッツで社長になったんだそうな…。
ドン29話に登場。
とある会社の社長・永井から「全員もっと早く行動しろ」という欲望から生まれた、爆竜モデルのヒトツ鬼。
複数の恐竜の部位が融合したようなスキン「アバレミックス」を纏っている。
隕石の衝突により機械生命体に変貌した原典の爆竜とは対照的に、ビジュアルは完全に有機的。
人の顔にも恐竜の顔にも見える風貌といい、その姿はダイノアースの竜人ならぬ海外のパニック映画に出てきそうな不気味な恐竜人間もしくは邪悪なエイリアンといったところ。
また前面は黒味の強い色合いだが背面は赤熱したようになっており、表面が冷え固まった溶岩にも見え、体に生えた剣竜のフリルを葉っぱに見立てると、恐竜と植物と無機物の3つを混ぜ合わせた怪物とも解釈できるデザインとなっている
人を超えたせっかちの鬼となり、部下の行動にどんどんスピードを強要していった。
モンスター化すると人々を吸収し、あらゆる敵を凌駕しながら元気莫大に大アバレする。
一方的に「遅い」と見なした一般人を勝手に口から吸収する以外にもアバレンジャーのロゴマークを物理的に具現化させ、巨大なロゴマークを叩きつけて攻撃するド派手な技を有している。
モチーフは『爆竜戦隊アバレンジャー』。
スキン名同様、アバレマックスを怪物的にアレンジしたようなデザインだが、側面から見ると恐竜の顔に見え、真正面から見るとしかめっ面をした人の顔にも見えるなど騙し絵チックなビジュアル。
「アバレた数だけ優しさを知る」「アバレた数だけ痛みを知るよ」というOPの歌詞の通り、時として人間の負の側面に打ちのめされながらも優しさを失わず、人々のためにアバレ続けた原典のアバレンジャーに対し、
部下に対する「優しさ」など欠片もなく人の「痛み」も気にも留めず、傍若無人に暴れ回るばかりのパワハラ社長といった対比がある。
- 超新星鬼
もっとーッ!もっと!辛いものをくれーッ!
雜?眠譏
CV:矢野たけし
身長:187cm
体重:235kg
スキン:プリズム恒星
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:小山はマグマのように赤い激辛料理をぺろりと平らげたそうな…。
ドン30話に登場。
辛い物好きの男・小山の「もっと辛い物を食べたい」という欲望から生まれた、超新星モデルのヒトツ鬼。
黄色い結晶のようなスキン「プリズム恒星」を纏っている。
無機質な体をしながら胸には大きく朱色に輝く球体が存在し、まるで[[何者かによって粉々に爆破された星>改造実験帝国メス]]といった印象を受ける。
人を超えた辛口の鬼となり、危険の意味なんて忘れて食べ物に超辛成分のトウガラシをどんどんかけまくった。
モンスター化すると辛い物を求めながら、赤・青・緑・黄・桃色の眩しい「フラッシュ流星」を放って敵をクラッシュする。
そして辛いものを求める余り、街に出没しては辛いものの代用と言わんばかりに一般人が何かを言う前にプリズムの光に変えて口から吸収してしまう。
モチーフは『超新星フラッシュマン』。
フォルムの輪郭がフラッシュスーツのベルトに刻まれたフラッシュマンのエンブレムに似ている。
またフラッシュマンの境遇やストーリー展開がシリーズ随一の辛さだったので、超新星鬼は辛いもの好きというトンチなのではという説もあったり。主題歌の歌詞にも「俺たちハートは一緒さファイアー」ってあるし。
ドンブラザーズ・ソノニ達が獣人を巡ってあれこれしている間に、ドンドラゴクウに倒された不遇なヒトツ鬼でもある。なお点数は65点と意外と高め
また、フラッシュマンのメンバーで血縁者が健在だったのはイエローフラッシュ/サラのみだったが、これはドンブラザーズの5人でも同じことが言えたりする*13。
ドン31話~40話
※一覧
- 天装鬼
痩せたい……痩せたい!ダイエット、ダイエット!!
祥子ちゃん!祥子ちゃん!……帰ってきてくれえええええ!!
螟ゥ陬?姶髫
CV:西洋亮/山岸健太
身長:195cm
体重:238kg
スキン:天使像ヘッダー
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ゴセイジャーギア
むかしむかし:龍二は黒いヒーローに憧れがあったそうな…。
ドン31話に登場。
名もなき街の大食漢の「ダイエットしたい」という欲望から生まれた天装モデルのヒトツ鬼……
だったのだが、その大食漢が、偶々入った定食屋の女性に、「私は一杯食べる人が好き」と言われて欲望を失ったことで宿主から分離し、「祥子ちゃんに帰ってきてほしい」という欲望を抱いた乾龍二に憑依し、顕現した。
モチーフは『天装戦隊ゴセイジャー』。
詳細は乾龍二の項目を参照。
- 轟轟鬼
見ろ!俺の新しい力を…!スタート・アップ…ハァ!!
霓溯ス滓姶髫
CV:榊原卓士
身長:191cm
体重:233kg
スキン:しつこき冒険者
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ボウケンジャーギア
むかしむかし:稔は手裏剣鬼と魔法鬼になったことがあるそうな…。
ドン32話に登場。
忍者道と魔法を究めていた男・大野稔の「宿敵の桃井タロウを倒したい」という欲望から生まれた、轟轟モデルのヒトツ鬼。
ドンブラザーズに二度の敗北を喫した後、母の為に真っ当に生きようと決意していたが、忍者道とタロウに対する復讐心を捨てきれないまま三度ヒトツ鬼になっていた。
モチーフは『轟轟戦隊ボウケンジャー』。
詳細は大野稔の項目を参照。
- 太陽鬼
みほちゃん…誰にも渡さない…みほちゃああああん!!
螟ェ髯ス謌ヲ髫
CV:鈴木浩文
身長:192cm
体重:225kg
スキン:サンシャイン会社員
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:サンバルカンギア
むかしむかし:つよしは激走鬼になったことがあるそうな…。
ドン33話に登場。
フェズントコンサルタントの会社員・雉野つよしの「みほちゃんは誰にも渡さない」という欲望から誕生した、太陽モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『太陽戦隊サンバルカン』。
詳細は雉野つよしの項目を参照。
- 特捜鬼
ふざけるな!俺は天才シェフ様だ!文句を言うなあああッ!!
迚ケ謐懈姶髫
CV:大高洋夫
身長:188cm
体重:221kg
スキン:地獄の看板犬
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:おやじは自分の料理にアリエナイ点数を付けられたそうな…。
ドン34話に登場。
おでん屋のおやじの「俺の料理に文句を言うな」という欲望から生まれた、特捜モデルのヒトツ鬼。
弾チョッキやパトカーのような拘束具を付けた猛犬を模したスキン「地獄の看板犬」を纏っている。
おやじの性格を反映してか「地獄の番犬」という言葉がぴったりの怒り狂うドーベルマンといった相貌だが、舌が二枚あるなど異形感が強めなルックスは犬に似た宇宙人のようでもある。
人を超えたシェフの鬼となり、料理に文句を言わない良いお客さんだけを自分の店にどんどん求めた。
モンスター化すると「はんぺんライセンス」をかざして、燃えるハートでクールに戦いながら料理を認めないカラフルな奴らをジャッジメントする。
そうしてはんぺんライセンスをかざされ「×」と判定された場合問答無用で消滅させられてしまう。
街に繰り出しては怒りのまま通行人を無差別にジャッジメントして消滅させていたが、それ以外の特殊能力や武器は全くなかったためドンブラザーズとの戦いでは脅威になりえず、終始逃げ回るだけだった。
モチーフは『特捜戦隊デカレンジャー』。
スーツは獣拳鬼のリデコだが、スキン名や犬に似たデザインなどモチーフはおそドギー・クルーガーとデカベースの複合。つまり猫から犬になった
彼は「百鬼夜行をぶった切る」のが決め台詞だが、皮肉にも特捜鬼は 「人々を勝手に断罪して回る百鬼夜行そのもの」になってしまっている。
また、よく見ると頭部が脳みそ剥きだしになっているようにも見え、デカレンジャーが対峙した中で最も因縁のある犯罪者を彷彿とさせる。
その他にも、出現する度にパトストライカーのサイレン音が鳴り響き、ジャッジメントする際は本家のジャッジメント音が鳴ったりとデカレンジャーネタは豊富。
デカレンジャーが凶悪犯罪者相手でも司法によるジャッジメントの上でデリートを行う、人々の平和と安全を守るために戦う警察官であったのに対し、
特捜鬼は客からの味の批評には怒り狂うのに、自分は客を私情によるジャッジメントをしてデリートする一市民といった対比があった。
- 超獣鬼
青春とは何だ!?青春とは何だ!?青春とは何だぁああああッ!?
雜?坤謌ヲ髫
CV:伊島空
身長:190cm
体重:230kg
スキン:生命アカデミア
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:男はずっと勉強ばかりで青春を知らずに育ったそうな…。
ドン35話に登場。
ある冴えない男の「青春を教えてくれ」という欲望から生まれた、超獣モデルのヒトツ鬼。
学帽を被った動物のキメラのようなスキン「生命アカデミア」を纏っている。
頭部は赤いハヤブサ、両肩は青いイルカの頭、ボディは眼窩から長いツノが突き出した黄色いライオンの頭骨を模した、色々な動物の頭ばかりを節操なく集めてきて組み合わせた歪な人工生物のような姿をしている。
人を超えた青春の鬼となり、キラリ輝くライフを送る人々に「青春とはなんだ」とどんどん問い詰めてまわった。
モンスター化すると、若さをぶつける「青春スロー」で、花…鳥…人間…それぞれどんな生き物の動きも低倍速モーションにすることが可能である。
この青春スローによる低速化で動きを封じ、キラキラ輝くエネルギー粒子を炸裂ファイヤーさせるハメ技が得意。
他にも、「青春爆発ファイヤー!」と叫びながら放つ緑色の光線で、物質をワイヤーフレーム状に変換して消滅させる能力も持つ。
しかし良くも悪くも青春スローによる一芸特化型であり、能力を突破されると呆気なく倒されてしまった。
そして超獣鬼ングの撃破後、元の姿に戻れた彼は「あしたに生きるぜ!」と夕陽に向かって全力疾走していった。
モチーフは『超獣戦隊ライブマン』。
頭部は手裏剣鬼、胸部は動物鬼のリデコ。しかしライブマンの変身エフェクトを思わせるワイヤーフレーム風の格子模様や鳥っぽくリファインされた顔、ライブロボを意識したと思しきカラーリングなど、流用元をうまく活かしてきっちり「ライブマン」モチーフの怪人として成立するデザインに仕上がっている。
一方で「ずっと勉強漬けだったせいで青春を知らずに怪物に転落してしまった男」という要素は、ライブマンよりは尾村豪を始めとする武装頭脳軍ボルトの初期メンバー達に近い。
そして生きとし生けるもののために青春を捧げた、命の輝きや自然の美しさの価値を知る若き科学者達であるライブマンや、
傲慢さやコンプレックスから誤った道に進んでしまったが、曲がりなりにもそれぞれが明確な目的意識のもとに勉強と研究を重ね、成果を出していたボルトの面々に対し、
勉強漬けの自分の人生に疑問を感じ、かといって青春の意味や価値も理解できず、目標を見失って迷走している大学生らしき若者である超獣鬼は、その両方にとっての痛烈な皮肉と言ってもいいかもしれない。
- 救急鬼
あわわ…!緊急事態だ…!緊急事態…!緊急事たぁぁぁい!!
謨第?・謌ヲ髫
CV:河西晃司
身長:193cm
体重:234kg
スキン:世紀末のマトイ
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:久我はミントのガムを噛んで心を落ち着かせていたそうな…。
ドン36話に登場。
気弱そうな男・久我の「自分をレスキューしてくれ」という欲望から生まれた、救急モデルのヒトツ鬼。
防火服を着た消防士のようなスキン「世紀末のマトイ」を纏っている。
しかし、そのヘルメットの奥から覗いている顔は醜く焼け爛れており呼吸マスクもよく見れば呼吸マスクを模した怪物の口のような造形。
さながら火災に巻き込まれたレスキュー隊員や、[[燃え盛る炎を模した悍ましい魔物>災魔一族]]にも見える。
人を超えた警報の鬼となり、身に起きた出来事をサイレンのごとく「緊急事態だー!」とどんどん騒ぎ立てながら、進路上に人がいると要救助者を収容するかの如く自らの体に吸い込んでいった。
モンスター化すると辰巳の方角から出場し、灼熱の「カラミティブレイズ」で炎の壁を召喚して逃げ場をなくし、問答無用にドンブラザーズを攻撃した。
「僕の命は、地球の未来だ〜!」と叫びながら暴れるも憑依された人物がとても臆病だったためか、大大災害も大大混乱も際どくかわすばかりで、積極的に戦闘を行うことはなかった。
救急鬼ング撃破後に元に戻り、落ち着いた様子で「状況完了。撤収」と呟いて何処かへと去る。
モチーフは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』。
頭は火消が持つ纏のようなデザインとなっているが、これはスキン名も含めリーダーが「マトイ」であることやゴーゴーファイブのメンバーである巽家の先祖が火消だったことを意識したものと思われる。
またスキン名の「世紀末」は『ゴーゴーファイブ』の放送年が1999年で、ストーリー的にも当時話題になっていた「ノストラダムスの大予言」にまつわる終末論をベースとした要素が多かったことを意識したものと思われる。
ゴーゴーファイブがどんな小さな命も決して見捨てず、どんな危険も恐れない救急戦士であったのに対し、
身の回りの危険を過剰に恐れて逃げ回ってばかりいる臆病な男である救急鬼は、まさに正反対の存在と言える。
- 星獣鬼
馬鹿な…!?お前達こんなことをしてぇぇぇッ!!
譏溽坤謌ヲ髫
CV:廣瀬智紀
身長:190cm
体重:232kg
スキン:獣装の光
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:ソノシはソノイ達とは馬が合わない関係だったそうな…。
ドン37話に登場。
脳人の監察官・ソノシの「自分を陥れた者たちを許さない」という欲望から生まれた、星獣モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『星獣戦隊ギンガマン』。
詳細はソノシの項目を参照。
- 電子鬼
食べたい…!美味しい料理を、新しい味を…!
髮サ蟄先姶髫
CV:戸張美佳
身長:193cm
体重:223kg
スキン:DZメカ8022型
ベース:シソツ鬼
ドロップ:デンジマンギア
むかしむかし:典子は食欲がなくなり「どうするどうする」と焦っていたそうな…。
ドン38話に登場。
グルメ評論家・飯田典子の「新しい味の料理が食べたい」という欲望から生まれた、電子モデルのヒトツ鬼。
電子回路のプリント基盤やICチップを成形して作った鎧のようなスキン「DZメカ8022型」を纏っている。
総じて無機的・非生物的な印象の強い外見で、特に顔は口元に微笑みをたたえたデンジマンのマスクとは対照的に、
目も口も鼻もなく、ただICチップを並べただけという表情の見えないのっぺらぼうのようなもの。
全体として何を考えているのかわからない、人の心とは相容れない不気味な機械の化け物といった風情がある。
人を超えた美食の鬼となり、パンチの効いた未知のオイシー味を求めてどんどん料理を食べ歩いた。モンスター化すると、頭にきらめくDZメカで人々を吸収し、どこかで見たことある外見をした謎の果物が実る体内の異次元世界へと閉じ込めた。
登場時点で既に取り憑かれており、自分に料理を出した料理人を次々吸い込んでいき、ドンブラザーズが立ち寄った高級レストランにも現れ犬塚と高村をも吸い込んだ。
しかし、攻撃手段を一切持っていない為戦闘では逃げるだけでゴールドンモモタロウの「抱腹絶桃・フェスティバル縁弩」でどこかで聞いたことある断末魔をあげながら呆気なく倒された。
元に戻ると犬塚達も解放され、異次元空間から持ち帰った果実から作った料理を見つけると即口にするが、それが自分の求めていた味らしく感激していた。
モチーフは『電子戦隊デンジマン』。
スキン名や顔面のICチップに刻まれた型番「DZ8022」は『デンジマン』の初回放送日(1980年2月2日)から取ったものと思われる。
宿主が美食家である点は食べ物に関するエピソードが多い青海大五郎を思わせる他、
美食を追い求めるあまりに普通の食べ物を受け付けなくなってしまった女性という点は、地球人とは正反対の汚れたものを好む価値観を持っていたヘドリアン女王や彼女率いるベーダー一族と対照的ながら一周回って同じようなところに辿り着いてしまっているとも言える。また、実際にデンジマン本編にはベーダー一味が用意したヘドロ料理を食べた人間が普通の食べ物を受け付けなくなってしまう回もあり、それも意識している可能性が高い。
また、デンジマン関連の怪人は前作にも登場していたりする。
- 邪鬼
見て!私を見て!もっと見てぇッ!!
繧ク繝」繝?き繝シ
CV:鵜川もえか
身長:191cm
体重:224kg
スキン:トランプサイボーグ
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:たまきは忙しいと言われて真之助に会えていなかったそうな…。
ドン39話に登場。
若い女性・たまきの「自分をもっと見てほしい」という欲望から生まれた、邪モデルのヒトツ鬼。
トランプのスートを模したデザインの西洋甲冑のようなスキン「トランプサイボーグ」を纏っている。
愛と温もりを求めて嘆き悲しむ心を露わにしたような鉄仮面を被り、冷たく固い鎧で隙間なく身を固めたトランプの兵士という変身者とモチーフ戦隊の両方を全力で皮肉ったルックスが特徴的。
人を超えたハートの鬼となり、彼氏の真之助に可憐なクイーンとして見てもらうためどんどん思いの丈を叫んだ。
モンスター化すると周囲に電撃帯を放ちながら、スペード、ダイヤ、ハートにクラブのひみつの切り札をヘイヘイヘヘイと連射してエース級に攻撃する。
しかし今回の主役はドンブラザーズですら歯が立たないドン王家の最後の切り札「ドン・キラー」であり、完全に蚊帳の外に置いていかれた挙句、存在感が非常に薄くなったところを最終的に呆気なくドンブラザーズに倒されてしまった。まぁ、最近のヒトツ鬼はそんな感じですけどね。
モチーフは『ジャッカー電撃隊』。
「〇〇戦隊」ではないためか、「電撃隊鬼」ではなく「ジャッカー→ジャッカ→ジャッキ→邪鬼」というやや変則的なネーミング。
繰り出したトランプは上にスペードのエース、左にダイヤのジャック、下にハートのクイーン、右にクラブのキングという位置だったが、実はこれ、『ジャッカー』のOP映像に出てくるトランプの並びと全く同じなのだ。
またジャッカーが名乗り前に自分の名前と同じトランプを名詞代わりに投げつける描写のオマージュであるとも言える。
スーツはわかりづらいが騎士竜鬼の改造。ボディ部分はスートを模した装飾とカラーリング以外ほとんど騎士竜鬼と同じデザインだが、リペイントによってハートの意匠が加えられている。
- 未来鬼
教官歴30年、何が何だか…!誰か…誰か俺の教官になってくれえぇぇぇッ!!
譛ェ譚・謌ヲ髫
CV:松本博之
身長:196cm
体重:235kg
スキン:クロノドライバーα
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:教官歴30年の武藤と一人の女子高生が出会った、新しい免許を刻むために…。
ドン40話に登場。
王苦ミライ自動車教習所のベテラン教官・武藤の「誰か俺の教官になってくれ」という欲望から生まれた、未来モデルのヒトツ鬼。
フクロウと目覚まし時計を模したロボットのようなスキン「クロノドライバーα」を纏っている。
しかし、顔に当たる部分からは内部機構が完全に剥き出しになっており、その姿はまるで[[文字盤も針もなくなって修理不可能になるほどボロボロに壊れ、もう新しい時を刻むことができなくなってしまった時計>ギエン(未来戦隊タイムレンジャー)]]にも見える。
人を超えた教習の鬼となり、はるかの3Dフォーメーション運転や予期せぬ事態にもめげずに「OK!」行くぜとどんどん指導していった。
モンスター化すると身体を覆う「チックタックアーマー」で、敵がタイムアップするまで小さく圧縮プレスすることができる。
しかし、尺の都合で戦闘シーンすら描かれないまま倒された。
元に戻った後は半ばヤケクソ気味に勢いのまま「OK!」と言い放ち、なんとはるかへの免許の交付を認めた。
モチーフは『未来戦隊タイムレンジャー』。
スキン名の元ネタは恐らく変身アイテムのクロノチェンジャーとタイムロボαであり、外見も外装部分はタックそっくり。
一方で機械的かつ一つ目になっている顔のデザインは敵戦闘員のゼニットにも似ている。
ちなみに、取り憑かれた人物が教習所の教官という点は、恐らく『タイムレンジャー』本編でアヤセが免許の再取得に向かう話が元ネタ。
『ドンブラザーズ』のメインライターである井上御大は『タイムレンジャー』で2回だけ脚本を執筆しており、そのうちの一つがこのエピソードであった*14
この回もメンバーの一人が原因で車が暴走したり、教習中のカーチェイスに教官が振り回されたり、それでいて敵味方の関係を巡る重いドラマもしっかり描かれていたりと、20年前以上から変わらない井上御大のノリが詰まっている。
また、武藤が着ているジャケットがトゥモローリサーチ社の制服に似ていたり「王苦ミライ自動車教習所」のロゴが『タイムレンジャー』のタイトルロゴまんまだったりと小ネタも豊富。
なお、武藤を演じた松本博之氏は過去に『仮面ライダーOOO』でガメル役を演じていた。あちらでも「欲望から生まれる怪人」とは縁があったり。
ドン41話~ドン最終話
※一覧
- 光鬼
黙れ!黙れ黙れ黙れェ!お前たちのような青少年に、私の心の傷が分かるか!!
蜈画姶髫
CV:螢雪次朗
身長:194cm
体重:249kg
スキン:燃えるオーラ
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:サンタは健気にプレゼントを寄付してくれたタロウと喜・喜として遊んだそうな…。
ドン41話に登場。
サンタクロースの[[「時代とともに変わった人々に復讐する」>地底帝国チューブ]]という欲望から生まれた光モデルのヒトツ鬼。
半身が機械となった多腕の仏像のようなスキン「燃えるオーラ」を纏っている。
スキン部分の腕は5対あり、そのうちの1対は胸の前で三角形の手印を結んでいる。
機械化された右半身は微笑みを浮かべた金色の千手観音像、生身の左半身は憤怒の表情を露わにした黒い肌の阿修羅像といった印象で、かなりスマートで現代的だったマスクマンのスーツとは対照的に古風で宗教的なイメージが前面に押し出されたデザインは、子供達を喜ばせたいという純粋な善意と、時代の変化についていけずその善意が受け入れられなくなってしまったことへの怒りの間で揺れるサンタの心をそのまま形にしたような姿となっている。
人を超えた苦労の鬼となり、本気のプレゼントを喜ばない子供達にどんどん気落ちしていった。
モンスター化すると歪んだ愛のソルジャーとなり、人々に不気味なプレゼントを贈りつけた。初登場時は脳人レイヤーを使って人の家に侵入し、プレゼントという名のゴミを送り付けている。
戦闘の際はメディテーションで一気に浮遊して、生意気な敵をオーラパワーでねじ伏せる。
介人の親友であったヒーロー・リアルサンタが変身しただけあり、座禅のポーズを駆使して攻撃を回避しつつ打撃を加えたり、空中からオーラパワーを放って一方的に攻撃する戦法を駆使するため戦闘力は比較的高めであった。
倒されると「マスクマンギア」をドロップする。
モチーフは『光戦隊マスクマン』。
ビジュアルのモチーフは恐らく姿長官の部屋にあったハイテク曼荼羅。ただし機械と生身の部分は本家とは逆。
また、胸で構える手印はレッドマスク/タケルのものと同じ日輪印(九字の印の在)であり、変身時にはマスクマンの変身シーンを彷彿とさせるモーションで変身していた。
曼荼羅や気功、九字の印など東洋の文化・宗教をベースにした要素の多かったマスクマンモチーフの怪人に、
キリスト教の聖人であるサンタクロースが変身する、というのもどこか対比的。超力鬼や高速鬼のように「空を飛ぶサンタって空中浮揚っぽいよね!」というこじつけである可能性も……?
またこの回でイヌブラザーがニンジャブラックにアバターチェンジしていたが、マスクマンのメンバーであるイエローマスクもカクレンジャー同様忍者の家系の生まれだったりする。
- 秘密鬼
嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!誰か助けてくれーッ!
遘伜ッ?姶髫
CV:チカトプライド
身長:197cm
体重:243kg
スキン:五連者仮面
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:勉は霊能力者を演じて他人の家庭に潜り込み、金品などを奪っていたそうな…。
ドン42話に登場。
霊能力者を名乗る詐欺師・亀田勉の「やばい家族だらけの家から助けてくれー!」という欲望から生まれた秘密モデルのヒトツ鬼。
モチーフは最初のスーパー戦隊である『秘密戦隊ゴレンジャー』。
詳細は亀田勉の項目を参照。
- 超電子鬼
俺を褒めろぉ!褒めるんだァッ!!
雜?崕蟄
CV:中村圭吾
身長:195cm
体重:236kg
スキン:BM粒子8424型
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:バイオマンギア
むかしむかし:小野は何事にも[[ギア>新帝国ギア]]を上げて命懸けで頑張っていたそうな…。
ドン44話に登場。
会社員・小野力雄の「もっと俺を褒めてくれ」という欲望から生まれた超電子モデルのヒトツ鬼。
角ばったロボットの様に見える機械のスキン「BM粒子8424型」を纏っている。
その漆黒のボディには金色に青紫や赤色を織り交ぜた派手な差し色が入っているが、配色は微妙に左右非対称だったりところどころ塗り間違えたようになっていたりとぐちゃぐちゃで、煌びやかさや華やかさよりも毒々しさや不条理さ、滑稽さが目立つ。
宿主の印象もあってとにかく目立たせようと派手な色ばかりを闇雲に塗りたくった不格好な玩具や、バグって変な挙動を繰り返すポンコツロボットといった雰囲気。
人を超えた努力の鬼となり、社内で褒めてもらうためにモンスター級のアピールをどんどんしていった。
モンスター化するとバッとBM粒子を活性化させて、褒めない奴らを超パワーでクラッシュ・アウトする。*15その反面、褒められるとにっこりほほえんで攻撃を超停止する。
またバイオエレクトロンみたいな演出で頭部から光を放ち、周囲の人間に無理やり自分を褒めさせる能力も持ち、褒め称えさせた後光に変換して吸収してしまう。
「カッコいい!」「強そう!」「イケメン!」「尊い……!」「クール!」
モチーフは『超電子バイオマン』。
スキン名や顔面のICチップに刻まれた「BM8424」は『バイオマン』の初回放送日(1984年2月4日)から取ったものと思われる。
スーツは電子鬼のリペイント。
キャラクター的にはバイオマン達が身に覚えのない理由で突然戦うために選ばれたソルジャーとなるも、その宿命を受け入れて苦闘の末に地球と人類を守り抜いたのに対し、
超電子鬼は努力の方向音痴で必死に自己アピールしても誰にも選んでもらえず、現実を受け入れられずに誰彼構わず自分を褒めろと無理強いするようになってしまった男という対比となっている。
また、選ばれなかった人間が素体となっている事や、たった一つの物事に囚われ過ぎた結果壊れた機械のように暴走してしまった敵という面は、
バイオマン6人目の戦士になりたがったものの、素質が無かったために認められなかった山守正太や、バイオ粒子の消去のみに囚われ続けて周りの言う事に一切聞く耳を持たず、自分の考えを最後の最後まで変える事をしなかったバイオハンター・シルバを彷彿とさせる。
ちなみに小野を含め彼の勤める会社の社員は何故か新帝国ギアの幹部連中みたいな怪しげな風貌をしており、上司はドクターマン、同僚の女性社員はファラ、そして小野本人はモンスターにそっくり*16。これぞまさに「承認欲求モンスター」。
また、超電子鬼が暴れた場所がバイオドラゴンの搭乗バンクに使われたエスカレーター(公式曰く「バイオマンの聖地」)だったり、襲われた人のリアクションがバイオマンの名乗りそのまま*17だったりと『バイオマン』ネタが豊富。
演じた中村圭吾氏はプロレス団体「DDTプロレスリング」所属のプロレスラー。なお、元ネタのモンスターを演じたストロング金剛氏もプロレスラーだった。
ちなみに、氏の公式X(旧Twitter)によると、1月13日の復帰戦*18から着用しているシングレッドは超電子鬼を意識したカラーリングだという。
そして長らく掛かったドンブラザーズの6人同時変身を実現させた記念すべき(?)ヒトツ鬼でもある。
- 百獣鬼
……帰ってきてよぉぉぉ!みほちゃぁ~ん!!
逋セ迯」謌ヲ髫
CV:鈴木浩文
身長/192cm
体重/236kg
スキン/牙吠の猛獣
ベース:シソツ鬼
ドロップ:ガオレンジャーギア
むかしむかし:つよしは激走鬼と太陽鬼になったことがあるそうな…。
ドン45話に登場。
フェズントコンサルタントの会社員・雉野つよしの「みほちゃんに帰ってきてほしい」という欲望から生まれた百獣モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『百獣戦隊ガオレンジャー』。
詳細は雉野つよしの項目を参照。
- 電撃鬼
真之助…どうして私を見てくれないの?私だけを見てぇぇぇッ!!
髮サ謦?姶髫
CV:鵜川もえか
身長:189cm
体重:220kg
スキン:ミリタリードラゴン
ベース:シソツ鬼
むかしむかし:たまきは邪鬼になったことがあるそうな…。
世界鬼共にドン47話に登場。
若い女性・たまきの「私だけを見て」という欲望から生まれた、電撃モデルのヒトツ鬼。電撃な戦隊と法則外れに縁がある
モチーフは『電撃戦隊チェンジマン』。
詳細は個別項目を参照。
- 世界鬼
CV:栫良太
身長:196cm
体重:239kg
スキン:バトルダンサー
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:真之助は考えていることがたまきにはお見通しだったそうな…。
電撃鬼共にドン47話に登場。
若い男性・真之助の「たまきちゃんに元に戻ってほしい」という欲望から生まれた世界モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『バトルフィーバーJ』。
電撃鬼+世界鬼の2体で晴れて『キラメイジャー』までの全レジェンド戦隊モデルのヒトツ鬼をコンプリートした。
詳細は個別項目を参照。
ちなみに、ドン48話のあらすじが公開された際に電撃鬼と世界鬼のプロフィールが先行公開されてしまうというミスがあった(数十分後に非公開にされた後、1週間後に改めて公開された)。
- 王様鬼
か、母ちゃん…ごめん…!今度という今度という今度こそは…!俺は最強の王になるぅぅぅッ!!
邇区ァ俶姶髫
CV:榊原卓士
身長:200cm
体重:240kg
スキン:オオノオウカン
ベース:シソツ鬼
ドロップ:キングオージャーギア
むかしむかし:稔は手裏剣鬼と魔法鬼と轟轟鬼になったことがあるそうな…。
ドン49話に登場。
忍者道と魔法と冒険を究めていた男・大野稔の「宿敵の桃井タロウを倒したい」という欲望から生まれた、王様モデルのヒトツ鬼にして「最強のヒトツ鬼」。
三度もヒトツ鬼した経験をソノシゴロ…もとい脳人監視隊に目をつけられて、ドンブラザーズを亡き者にするために生み出された。
モチーフは次回作『王様戦隊キングオージャー』。
詳細は大野稔の項目を参照。TV本編における最後のヒトツ鬼。
番外編
※一覧
- 忍風鬼
そう!俺がラスボスだ!俺を倒せば、映画は完成する!かかってこい!!カメラ…スタートォッ!!
蠢埼「ィ謌ヲ髫
CV:姜暢雄
身長:197cm
体重:236kg
スキン:映画フィルムのハリケーン
ベース:シソツ鬼
ドロップ:ハリケンジャーギア
映画『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』に登場。
映画監督・黒岩一蹴の「良い映画を作りたい」という欲望から生まれた忍風モデルのヒトツ鬼。
竜巻と炎、映画のフィルムが混ざったようなスキン「映画フィルムのハリケーン」を纏っており、その姿はまさしく風という言葉をそのまんま形にしたようなもの。
……しかしながら、その有様は燃え上がる正義のハリケーンと言うより[[何かに巻き付いた大ムカデのようにも見える。>宇宙忍群ジャカンジャ]]
[[水色のメガホン>ハリケンブルー/野乃七海]]・カチンコ・撮影用カメラがくっつき「HARI」の文字が刻印された巨大大砲「トリプルバジェット」を専用武器として装備しているのが最大の特徴。
人を超えた映画の鬼となり、疾風の如き超高速移動で街の人々を襲っては「超忍法・電影の舞」で無理矢理エネルギーに変えて体内に吸収し、エキストラとして誘拐。
戦闘では体術だけでなく、メガホンで相手の行動を操って翻弄し、大砲からシュシュっと火の玉を乱射して爆撃、そして取り込んだ一般市民を映画のシナリオに合わせてゾンビ化させ手駒にする多彩な能力を使ってくる。
モンスター化後は黒子に扮したアノーニを撮影スタッフに見立てて従えていた。
倒されると「ハリケンジャーギア」をドロップする。
映画本編以前にも度々人も知らず世も知らずヒトツ鬼となりて暴れていたようだが、自分が思い描く「最高のリアリティに満ちた映画」を作りたいという途方もない夢を追いかけているうち、完全にヒトツ鬼へと変貌。
自分をラスボスに見立てて「理想的なシチュエーションで倒せ倒せ倒せ悪の化身を」と強要し、名乗りから戦法に至るまで口うるさくダメ出ししながらラスボスらしく振舞って、最後は望み通りドンブラザーズに成敗される……
というように「自分がかっこよくヒーローに倒されること」を目的に行動するはた迷惑なヒトツ鬼であった。
モチーフは『忍風戦隊ハリケンジャー』。
ソニックメガホンを彷彿とさせるメガホン攻撃の他、トリプルガジェットをアレンジしたような巨大カメラ風大砲が印象的。
忍術を悪用して人々に危害を加えていくなど、宇宙忍群ジャカンジャっぽいキャラ付けになっている。
なお、演じた姜暢雄氏は『ハリケンジャー』本編にてクワガライジャー/霞一鍬を演じていた。ハリケンイエロー役の山本康平氏を含む一部では「お前は忍風じゃないだろ?」「変身するなら電光石火鬼では」と言われているが
ちなみに、『新・初恋ヒーロー』の悪役のキャストは忍風戦隊OB、同時上映作品の『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』の悪役・アヅマ/仮面ライダーダイモンのキャストは忍者戦隊OBという妙な共通点がある。
- 機界鬼
最強、最強! 俺こそ、オンリーワァァァン!!!
讖溽阜謌ヲ髫
CV:榊原卓士
身長:203cm
体重:244kg
スキン:ギアガトリンガー
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ゼンカイジャーギア
むかしむかし:稔は世界初、手裏剣鬼と魔法鬼と轟轟鬼と王様鬼になったことがある男だったそうな…。
Vシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』に登場。
忍者道と魔法と冒険と王道を究めていた男・大野稔の「宿敵の桃井タロウを倒したい」という欲望から生まれた機界モデルのヒトツ鬼。
モチーフは『機界戦隊ゼンカイジャー』。
詳細は大野稔の項目を参照。
その他のヒトツ鬼
- 煙突鬼
スピンオフ『コレがドンブラザーズの名乗りだ!暴太郎のホントの姿!?』に登場。
上記の烈車鬼と同型のスキンに覆われているが、素体がシソツ鬼になっている他、本編映像流用の都合上でなんとソノイの得物『一級剣バロンソード』と同型の剣を持っている点が異なる。
欲望や宿主に関しては一切不明。
高笑いしながら人々を襲っていたが、戦隊らしい変身と戦隊らしい名乗りと戦隊らしい連携を発揮したドンブラザーズの敵ではなかった。直後にいつものノリに戻るけど。
RPGでたまにある『重要なボス敵の色違いが後になって通常エンカウントの雑魚として登場する』パターンを彷彿とさせる。
- 氷河鬼
CV:大谷秀一郎
スピンオフ『爆竜戦隊アバレンジャーwithドンブラザーズ』に登場。
名前通り氷の結晶を思わせる青く角張ったスキンを纏ったシソツ鬼ベースのヒトツ鬼。右腕が氷でできた剣か槍の穂先のような形状に変化している。
煙突鬼同様欲望や宿主については不明だが、「キンキンキーン!」と叫びながら敵に斬りかかるなど言動は割とコミカル。
一方自分そっちのけで仲間割れを始めたドンモモタロウとサルブラザーに困惑した様子で呼びかけようとするなどヒトツ鬼にしては理性的な面も。
出現直後はドンモモタロウ相手に派手な斬り合いを演じていたほか、口から吐く冷気でアバレッドとアバレブルーを一瞬とはいえ氷漬けにしてしまうなど戦闘能力はそれなりの様子。
地下駐車場らしき場所でドンモモタロウと交戦していたが、そこに「タロウに勝って近頃の体調不良の元を断つ」と意気込むサルブラザーと偶然喫茶どんぶらを訪ねていたアバレッド・アバレブルーが乱入。
アバレっぷりに定評のある2大戦隊の連携(?)を前にしてはなす術もなく、最後はサルブラザーの「暴れ猿パンチ」を顔面に受けてカリスマ整体師による治療のついでに倒されてしまった。
しかし、その時にできた空間の裂け目から、新たなトリノイド「アバレンゲッコー」が現れ…。
スーツは超新星鬼、武器はコオリワルドの装備していた「ツラランス」の流用。
直接的には特定のスーパー戦隊と関係のない器物モチーフのヒトツ鬼だが、寒色ベースのカラーリングや武器と一体化した右腕、口癖や冷気を操る能力などから察するに、映画『爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』における最大の敵・バクレンオーがモチーフの一つなのではないかとも言われている。
菴呵ォ
- デザインを担当したのは篠原保。『手裏剣戦隊ニンニンジャー』『動物戦隊ジュウオウジャー』『機界戦隊ゼンカイジャー』では幹部を担当していたが、一般怪人をメインで担当するのは『烈車戦隊トッキュウジャー』以来8年振りである。
- 名前は「人憑き」をもじったものと思われる。
- テレ朝公式のヒトツ鬼の公式の説明文の最後には、烈車鬼以降「むかしむかし…」で始まる、ヒトツ鬼になった人の過去を綴った説明文や、モチーフとなった戦隊にまつわるワード(決め台詞や劇中の用語、主題歌の歌詞など)に、「どんどん」という文字が盛り込まれている。
- 冥殿鬼
……外のカラス五月蝿ぇなぁ……昨日徹夜で掲示板してたから眠いんだよ糞…
…う〜わ……まじウゼェ……イヤホンイヤホン……
あ〜やっぱこの音楽は最高だわww後で録画したアニメ観よww
外の小学生うっせぇな……ギャーギャー騒ぎやがって……
……? やっと静かになったか……ったく……さ〜てネットでもすっか……www
う〜わマジアンチウゼェ……あのアニメは現代社会の厳しさを批判しているんだっつの…
…それぐらいわかれや池沼が。
……つか腹減ったな……ババァは昨日飯持ってきてなかったし…
…クソッ…子供をなんだと思ってんだ……?ったくマジ死ねよ……
……さ〜て憂さ晴らしにお気に入りの項目追記・修正でもすっか……www
あっ…こいつ俺の追記・修正勝手に消しやがって…
俺はWiki籠りだ……俺が一番追記・修正するんだァーッ!!
蜀・谿ソ謌ヲ髫
CV:あなた
身長:257cm
体重:550kg
スキン:ドジっ子管理人
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:Wiki籠りはアニヲタWiki(仮)で追記・修正した記事がウケず、ツラァイ思いをしていたそうな…
とあるWiki籠りから生まれた、冥殿モデルのヒトツ鬼。「この項目をもっと面白くしたい」という欲望を叶えようとする。
人を超えた追記・修正の鬼となり、楽しい項目をどんどん書いていった。
モンスター化すると、つまらない項目の穴を突いて良項目になるよう養生する。異議を唱える者は通報ビームで容赦なく垢BANしてしまう。
「ヘンシュウジャーギア」をドロップする。
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*2 主に自身の体内に吸収する形で消し去るパターンが多い。
*3 ただし、格闘家や忍者(自称)、つよしなど戦い慣れした人間が宿主になることもあり、そうでなくとも欲望やモチーフとなった戦隊次第で厄介な能力を身につけていることもあるので強い個体がいないわけではなく実力はまちまちと言える。
*4 劇中のエフェクトではこう表記されている。この文字化けを直すと正確には「怪盗戦隊」になる。
*5 前者は大和の叔父の森真理夫、後者はジュウオウシャーク/セラとその演者の柳美稀氏から。
*6 東映公式サイトより。名前の由来は『ゴーカイジャー』本編のキーワードである「大いなる力」と「レンジャーキー」、及び本作メインライターの井上敏樹からか。
*7 基本的には19歳までに入会し、26歳までに四段昇格しなければプロ棋士にはなれないため。
*8 ドン14話時点では半透明なシルエットのみ。
*9 美奈子を守る分身として最初からこの姿で登場するため、登場時の演出は省かれている。
*10 ドンドラゴクウ・ドントラボルトのスーツアクターを担当。
*11 『ダイレンジャー』本編での魔拳士ジン関連のエピソードは本作メインライターの井上御大が担当していた。
*12 「アメリカの忍者」で検索をかけたところ、カワサキのバイク「ニンジャ」ばかりがヒットしたそう
*13 はるかには叔母がいるが、他の4人には兄弟や親の存在が確認されていない。
*14 Case File 14とCase File 22。元になった話は前者の方。
*15 この時、名乗り最後の超電子頭脳が光る演出が再現されているが、なぜかイエローとピンクの色が逆転している。
*16 ちなみにこの会社の社名は「新帝国貿易」で、部長が誉めた資料は「バイオ粒子テクノロジーの活用 蔭山エリアの都市開発について」。小野の提出した資料は「シルバ(ー)世代のための街づくり」。表紙に描かれたカットは赤・緑・青・黄・桃のロボットとこれまたバイオマンの5人と同じカラーリングである。
*17 ご丁寧に男女比も3:2になっている。
*18 2021年11月頃に右膝の半月板と靱帯の損傷が発覚し、手術の為に休業を宣言。本作が放送された2022年頃はリハビリに専念していた。
*19 『バトル』部分がないのは劇中のエフェクトそのまま。また「J」は全角でないとこの文字化けにはならない。
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