ジフト(ヒーローズファンタジア)

ページ名:ジフト_ヒーローズファンタジア_

登録日:2020/07/25 Sat 12:33:05
更新日:2024/05/20 Mon 13:21:40NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



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ヒーローズファンタジア 設定 用語 魔法 魔術 ある意味元凶 能力 ジフト アドロアス・オーク




『ジフト』とは、ゲームヒーローズファンタジア」に登場する用語。
本作に登場する異世界『アドロアス・オーク』の世界観を構成する上で、非常に重要な設定である。




■概要


魔法使いアルター使い契約者HiME翼手、偉人、宇宙人といった特殊能力者が一同に揃う本作における、オリジナルの特殊能力。
アドロアスの魔術であり、本作のオリジナルキャラクターは大半がこれの使い手。スパロボでいうところのオリジナルメカ及びその動力に当たる。


最大の特徴はなんと言ってもその種類の豊富さ。本編で確認されただけで、別の場所に一瞬で移動できる「転移」、エネルギーを放つ「衝撃」、対象を防いだり押さえ込んだりできる「結界」、生命体を合成したり新しい命を造り出せる「生体」など多岐に渡る。
アドロアスの住人にしか使えないわけではなく、地球生まれの主人公とその父親・英雄は、生まれつき衝撃と結界のジフトの素養を持っていた。


建築、治療、芸術など幅広く対応するジフトが存在し、非常に便利な能力なのだが…。




この先は「ヒーローズファンタジア」の重大なネタバレを含みます。ご注意ください。
















確かにジフトは便利な能力なのだが、他者に伝授することはできず、血統によってのみ受け継がれる。また、主人公とその父親の例を見てわかる通り、ジフトの使い手が全種類のジフトを使えるわけではない。しかも継承したジフトは成長するものの、新しくジフトを増やすことはできない*1、という極端な問題点を抱える。
にもかかわらずアドロアスの住人は徹底したジフト至上主義社会を築き上げており、ジフトが存在する技術に関しては完全にその使い手に丸投げされている状態で、これらの技術は全く進んでいない。


ゼロの使い魔」の貴族&魔法主義社会に似ているが、実際は更にひどい。
例えば、ゼロ魔第一巻の時点での各生徒の評価は以下の通りだが、


タバサ≒キュルケ>ギーシュルイズ


これがアドロアスだと以下のように評価される。


キュルケ>ギーシュ>ルイズ>タバサ


どうしてこうなってしまうのかというと、ジフトの性質上、アドロアスでは発展や研鑽という概念が薄く、「自分は自分ができることだけをやり、後は他力本願」が当たり前になっているからである。所有ジフト以外の努力をしようものなら人に笑われ、地域によっては「努力」という言葉すら存在しない場合もあるらしい。
よって、風と水を組み合わせて氷を操るタバサは、アドロアス基準では異端であり、爆発しか使えないルイズより評価が低くなるのである。
おかげでアドロアスには病気をジフト以外で治すという発想が無いため薬が存在しない。それどころか料理すらジフトに頼りきっている可能性が示唆されている*2
ファンタジー世界なので王政を敷いているが、これでは下級から成り上がることはほぼ不可能である。一応努力によって偉業を成し遂げた人物もいるようだが、作中には登場しない。



この歪んだ文化は作中に登場するアドロアスの住人の言動に如実に現れており、
セリッシュ姫は王族故に基本指示を出すだけ、
リュードックは一番得意な口八丁手八丁を上達させた結果、間違いなく味方にもかかわらず「つき」「詐欺師」と揶揄され、
アプトリオは「自分は強運だから、自分の判断・行動こそが正しい」と思い込むようになり、
レッドは当主によってジフトの才能が安定せず、繁栄と没落を繰り返すオルガンティ家に生まれたばかりに権力欲が強くなり、
アーヴィンは生体ジフトという、いまいち使い所の無いジフトの使い手である自分を認めさせたいがために、次元怪獣レインを造ってしまった。


つまり、アドロアスが滅亡の危機に瀕したのは、ジフト至上主義社会という歪みがもたらした、盛大な自爆でもあったのだ。
質が悪いことに主人公の父親もこの歪みによって殺されたと言っていい。詳しくはアーヴィンの項目を参照してもらいたい。


「そんなに歪んでるなら主人公や版権キャラからツッコミが入るんじゃ?」と思うだろうが、本編開始の時点でアドロアスはヤップ・ナー以外の国が全て滅び、生き残りは10000人程しかいないというポストアポカリプスぶりであったため、主人公たちの目線にはアドロアスの歪みはほとんど映らず、ツッコミはなかった。
上記した設定は大半が作中で手に入る「ナレッジ」と呼ばれるアイテムに記載されているもので、プレイヤーのみが知る事実である。
最終的には主人公を除き、リュードックと魔導騎士団の残党しかジフトの使い手は生き残らなかったため、これからは「ジフトに頼りすぎない文化」を発展させなければ、アドロアスの復興はまず不可能だろう。
というか、赤い霧のせいでありとあらゆる動植物が死滅しているため、もはや異世界に移住するしかない。


なお、シナリオライターはジフトを必要以上に持ち上げるつもりはなかったようで、本編では、

  • アドロアスでは2億もの値がつく絵画(もちろんジフト製)が登場するが、誰も興味を示さない。
  • HiMEの秘密を探るために風華学園に2000万もの投資を行う、人間を翼手化させる薬を栄養剤と偽りロストグランドにばらまく、アルター使いと契約者に類似性を見出だし積極的に雇用しようとする等、他作品の能力にも貪欲的に手を出し負のクロスオーバーをエンジョイしていた無常が、ジフトにはすぐに興味を失う。

といったシナリオが組まれている*3




■使用者

分類:衝撃、結界
術使いということもあり、エネルギーを矢じりのように使うことが多いが、エネルギー弾による遠距離攻撃も可能。
終盤は結界を張って赤い霧を防ぐが、版権キャラたちがそれぞれのやり方で全面協力したため父親と違って死なずにすんだ。


  • 渡/不堂英雄

分類:衝撃、結界
既に故人だが、アドロアスの住人たちの評価を聞く限り、主人公の上位互換だったようだ。さすが父親キャラといったところか。


  • リュードック

分類:転移
自分の知ってる場所にならどこにでも行ける。他人を連れた状態での転移も可能。ただし、距離の長さや運ぶ人数に比例して疲労する模様。
また、さすがに異世界を行き来することはできず、レインが開けた次元の穴を通って移動している。


分類:生体
作中ではレインを造り出した他、自分自身に生体ジフトを用いて「アドロアスの生命体の優れた部分だけを集めた」異形の姿となり、ラスボスとして立ちはだかる。
なお、ラスボス戦時は回復技を使ってくるが、上記の理由からジフトを用いたものではないと思われる。


  • レッド・ヒュー・オルガンティ

分類:衝撃
基本は騎士らしく普通のを用いて戦いを挑むが、家宝である魔導器「コンプレント・インサーン」を腰の左右に携えており、それを用いて砲撃してくる。
その様は正にパイルドラモン


  • アプトリオ

分類:衝撃、治療
ジフトを使用する際に魔導器を必要としない「器知らず」と呼ばれる存在。その類い希なる素質を見出だされてアーヴィンの部下に養子として引き取られた過去を持つ。
空中に魔法陣を浮かび上がらせてそこからエネルギーを放つ等、本作のオリジナルキャラクターで一番魔法使いらしい攻撃をしてくる。


  • 魔導騎士団

分類:衝撃
英雄の形見であり主人公が使用する魔導器「クラック・エンホース」と同型の魔導器を使用している者がいる。


  • 魔導僧衆

分類:結界
赤い霧を防いだりレインを押さえ込んだりするのが仕事。こいつらが職務放棄をしたから英雄は死ぬことになってしまった。





ジフトの使い手の方は追記・修正をお願いします。


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  • 分かりやすい説明でした -- 名無しさん (2020-07-25 19:29:57)
  • ナレッジの文化や歴史が結構凝ってるのを見ると、設定資料集や続編も考えられてたんだろうか。なんか黒幕っぽい最初の大魔導士とか書かれてたし -- 名無しさん (2023-09-13 21:33:37)

#comment(striction)

*1 主人公の場合、衝撃と結界のジフトをより強力なものにすることはできるが、他のジフトを習得することはできない。
*2 無常によると、アーヴィンが四川料理に感動して皿をなめたらしい。
*3 もっとも、前者はミレルをメインとした「魔法戦士リウイ」の原作再現ネタ、後者は一休のとんちによってアルター結晶体が原作より早く手に入ったからという理由が存在する。

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