累(鬼滅の刃)

ページ名:累_鬼滅の刃_

登録日:2017/03/07 Tue 00:50:00
更新日:2024/02/06 Tue 10:31:57NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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僕たちは家族五人で幸せに暮らすんだ


僕たちの絆は誰にも切れない







るいとは、『鬼滅の刃』の登場人物の一人である。


CV内山昂輝



●目次


◆プロフィール

人間時の名前:累
身長:135cm
体重:30kg
趣味:あやとり
死地:那田蜘蛛山


◆概要

那田蜘蛛山に住まうの徒党、曰く「家族」の末弟であり、彼らは父親・母親・兄・姉と累の計5人で構成されている。
彼らはそれぞれ蜘蛛を模した容姿や能力を持っているという共通点があるが、1人が分身しているわけではなく別々の個体が1つの集団にまとまっている。
藤の花の家紋の家で傷を癒した炭治郎たちは本部からの緊急指令を受け、那多蜘蛛山へと足を踏み入れることとなる。


なおこの項目では累を中心に他の「家族」4人についても記述する。



◆蜘蛛の鬼(母)


さぁ私のかわいいお人形たち 手足がもげるまで踊り狂ってね


CV:小清水亜美


最初に登場した家族であり、素晴らしい太もも谷間という恵まれた外見で読者の中に若干の浮気者を発生させた。
母親と呼ばれてはいるが、家族の中の立場は最も低いようである。父親への告げ口をちらつかされて焦る姿はなんだかちょっとかわいそう。
先に到着していた鬼殺隊士たちを血鬼術で操り、同士討ちさせているなどやっていることは外道一直線だが。


一人称はわたし
家族に一人として味方がいない中、夫による理解不能のDVに怯える生活に疲れて果てていたらしく、全ての手札を失い居場所を割り出されて追い詰められたときは、「ようやく死ねる」とさえ思っていた。
炭治郎は必死に助けた同僚隊士を彼女に殺された際は、伊之助さえ押し黙るほどの怒気を発していた。
だが刀が迫る死の直前、自ら死を望むその所作から何かを察した炭治郎は壱の型から急遽伍の型に切り替え、その命を絶った
この型はあらゆるすべての呼吸の型で唯一、鬼に苦痛を与えずに首を落とす技である。
これまでの鬼同様己の非道を顧みずに死んだにも拘らず、そのあまりに痛々しい扱いに同情してしまう読者も多い。
そして炭治郎が死に際の自分に向けた優しい眼差しから、人間だった頃の記憶の一部を思い出し、彼に十二鬼月の存在を警告して消滅した。


「優しい目 透き通るような 人間だった頃、誰かに…優しい眼差しを向けられていた気がする」
「あれは誰だった? 思い出せない いつも私を大切にしてくれていた人 あの人は今どうしているのかしら」


何と、その容姿は鬼の能力で変形させたもので、正体は幼い少女の鬼だった。
ロリババアならぬ「お母んロリ」という謎ジャンルの爆誕である。
家族に加わった当初は人食いの経験も少なかったためか人間であった時の記憶も残っており、変形なども得意ではなかったため度々元の姿に戻ってしまい累から叱責を受けていたようである。
しかしファンブック2巻によると元々無惨以外の鬼にとって、違う姿に擬態し続けるのは難易度が高いらしい。つまり鬼としての力も元々そう強くなく、累の力を分け与えられてやっとこの力量の彼女には「大人の女性の姿を維持し続ける」のは無茶振りもいいところのだったわけで、「母親役を振り分けた累のミスキャスト」という読者も少なくない。


この境遇を踏まえて考えると、外見に似つかわしくないどこか幼い言動や「自分の何が悪かったのかわからない」といった台詞にも納得できるようになっている。
…また、おそらくは彼女を大切にしてくれた人とは母親の事であり、そして彼女は母親を殺し食らい、手の鬼がそうであったようにそのことを忘却している。


  • 蜘蛛糸繰り

ほとんど見えない糸を小さい蜘蛛を介して対象に取り付け、それを繰って対象を操る。
かなり引っ張る力が強いらしく、人間一人くらい軽く持ち上げられる。この力は操り主に近く、糸が太いほど強力になる。
それにより本来の実力よりも高い戦闘能力を発揮できもするが、耐久力は変わらないので肉体が壊れていく。折れた骨が内臓に刺さったまま動かされていた者も。
鬼が潜む森に突入した隊士10人はこの糸に繰られた隊士との同士討ちに遭ってほぼ全滅。
その有様たるや、身体能力の限界を超えて無理矢理操られたせいで関節はあらぬ方向に曲がり、骨が飛び出しているものまでいるという痛々しい有様。
しかも体だけ見ても凄惨なのに、精神は特に無関係なので、生きたまま操られる場合は更に悲惨。
自分の意に反して仲間を殺してしまった挙句、死んでもなお操られるという壮絶な地獄を味わうことになる。


また制御ができなくなっても糸が繋がってさえいれば、操っていた相手の首を無理矢理捻じ曲げて殺すことが可能。
この時死んだポニーテールの女性隊員・尾崎は、やらリョナやらポニテやらで結構人気であったため生存が願われていたが、作者のスタイルに隙はなかった。
後に人形の一つとして、両腕が蜘蛛のようになった首のない大男の鬼というものが登場したが、どのように作られたのかは不明。*1



◆蜘蛛の鬼(父)


オ"レの家族に"近づくな"!!


CV:稲田徹


屈強な体格を誇る蜘蛛鬼。初登場時は後姿しか描かれず、一言も言葉を発しないため性格などは一切不明だった。
ただ、突如癇癪を起こして妻に暴力を振るうらしく、彼女からは心底恐怖されている。しかも息子の累は「何に怒ったのか分からないのが悪い」などと宣う始末。
彼の顔面の上半分はごっそり蜘蛛なのだが、口周りは人間の面影も残っている。そして、妙にリアルに描かれているせいで結構怖い。
この面で発言が濁点交じりの「オレの家族に近づくな」しか喋らない。


一人称は「オレ」
外面では「父」として家族を守ろうとする体裁を保つ一方で家族の前だけでは「父」としての権力を誇示しそれを奪おうとする者は誰であろうと許さない、表面上の「父」としての価値だけを追求しようとするモラハラのDV夫の典型例みたいな野郎。
シンプルでパワフルなその体躯は伊達ではなく、川底を殴れば底まで水が吹き飛び、太い丸太をバットのように振り回す。
当時の炭治郎の実力だったとは言え、水の流派で上位の威力の「水車」でも骨で止められるなど、攻防ともに桁違いの化け物である。
その強さから炭治郎はこの父鬼蜘蛛が母蜘蛛の言っていた十二鬼月と勘違いしていた。


炭治郎、伊之助の2人がかりでも優勢のままであったが、伊之助に右腕を切り落とされて逃走し、木の上で脱皮。
体はさらに大きくなり、肩にはとげとげしいパーツが追加され、頭部は正面から見るともうティラノサウルスと蜘蛛の中間みたいな有様に。
この形態には強気な伊之助さえ一時死を覚悟するほどで、圧倒的身体能力で瞬く間に殺す寸前まで追い詰めるも、駆けつけた冨岡義勇に瞬殺された。
姉蜘蛛の話から察するにおそらく彼は累に歯向かった為、知能を奪われたのだと思われる。


血鬼術:脱皮変態
脱皮することで体型が巨大に変化し、異形化が進み戦闘力が大幅に上昇する。しかも日輪刀により切断された部位も脱皮により完全再生する。
ただし脱皮するためには一時的に無防備な休息状態に入らねばならないらしく、腕が切られた後は木の上に避難する為に逃走している。
冨岡に瞬殺されているので大した強さでないように思われがちだが、冨岡は累さえも同じように瞬殺しているので脱皮後の実力は不明。
炭治郎と伊之助の2人がかりで脱皮前でも苦戦し、脱皮後は伊之助を瞬殺しそうだった事を考えると相当の強さである。
何より伊之助の初代日輪刀をその身体強度だけで受け折ってみせており、規格外とも言える強さだったと言えるだろう。



◆蜘蛛の鬼(兄)


くふっ 逃げても無駄だぜ お前はもう負けてる


CV:森久保祥太郎


木の根元付近から頭を覗かせるという、嫌な予感しかしない初登場を果たし、その話のうちにさっさと全容を見せた。
その姿は、超リアル&人間ほどもある蜘蛛の体に人間の頭がくっついているというどストレートに気持ち悪いもの。
善逸をして「炭治郎なら臭いだけで死んでる」と言わしめる程の刺激臭を全身から発しており、近くで嗅いでいると喉や目まで痛くなってくる程に強烈。


一人称はおれ
外見も性格も嫌すぎるのだが対人感性は意外とまともらしく、ポンコツ全開の善逸に「何なんだ?」と困惑したりボッチ指摘にカチンときている姿は妙に笑いを誘う
一方で完全に油断していたであろう状態から(眠りに落ちた)善逸の攻撃を迎撃したりなど、その戦闘能力は侮れない。
が回って弱っていく中で突如雰囲気が変わった善逸に対しても警戒して迎撃を行うも、それすら凌駕する非常識な機動力によって見事斬殺される。
最期は目の前のロクに手足も動かなくなっているはずのポンコツにやられたことを信じられないまま、地に落ちて散って行った。
なお、後述の娘蜘蛛鬼が目の点の数が2つで、点が3つの累が彼女を姉と呼んでいるため、点が1つの彼が長男だと思われる。
累との絡みがほぼなく、仲が良かったのかは不明。


  • 蜘蛛毒

小さな蜘蛛を介して毒を相手に打ち込み、四半刻(30分)で相手を自分に隷属する人面蜘蛛に変えてしまう。
10分で手足に痛みと痺れが出始め、20分でめまいと吐き気が加わり、25分で激痛とともに体が縮みだして失神する。また頭髪はかなり早い段階から抜け始める。
最終的には血走りつつも虚ろな目とほとんど抜け落ちながらも半端に頭髪が残った人間の頭部に、首から下は頭部ほどの大きさの蜘蛛という、気持ち悪さの塊の化け物と化す
この症状は術者であるこいつ自身を倒しても治まらず、一度でも毒を打ち込まれたら蜘蛛化はどんどん進行していく。呼吸で毒の巡りを遅らせる事は可能。
他にも作り出した下僕蜘蛛から相手の命を蝕む毒を撃ち込んだりなど、複数の毒を操っている。
ちなみに、蜘蛛毒により人面蜘蛛と化しても鬼化するわけではないらしい。血鬼術による呪いに近い作用。
そのためか後遺症こそあれ完全に蜘蛛化してしまった者も治療によって元に戻れる。


  • 斑毒痰ふどくたん

溶解性の毒を含んだ痰を口から大量に噴き出す。いわゆる溶解液。
太い木の幹をものの数秒で溶かして倒木させるほどの威力なので、直撃していたら瞬時に拭えない限り即死だろう。



◆蜘蛛の鬼(姉)


しくじった しくじった 私だけは今までしくじったことがなかったのに…!


CV:白石涼子


外見は白い着物を着た美少女で、ポニテ隊士や母蜘蛛鬼という女性キャラを失った読者の新しい癒し。
山の現状を把握していなかったのか、のんきに炭治郎たちの前に現れて速攻で逃げ出した。
その後、何があったのか累に顔を傷つけられるなど、敵らしからぬ扱いに新たなヒロインにならないかと期待した読者がちらほら。


一人称はわたし


一見おとなしそうに見えたが、実は自分本位な性格で嘘を平然と吐くゲス*2
彼女の独白から蜘蛛の家族に血の繋がりなどないただの家族ごっこであることが明かされた。
新ヒロインへの期待をしていた読者のハートにも被害が発生したが、彼女も母蜘蛛鬼と同じく容姿を変えていたことが判明。
生き残っていた隊士の一人、村田を一瞬で血鬼術の繭で包むも、援軍として訪れていたの一人・胡蝶しのぶと遭遇。
実力の差を見せつけられて命乞いをするも、嘘の涙の演出付きでついた嘘を簡単に見破られた。
挙句にしのぶのサイコっぷりを見せつけられ、腕力のなさに油断し迎撃しようとするも鬼を殺せる毒を送り込まれて死亡。


公式ガイドブック『鬼殺隊見聞録・弐』の描き下ろし漫画では他の鬼同様地獄に堕ちたらしく、蟲の呼吸の斬られ心地について「小さいから舐めてたのよ 突きの攻撃だしね」と悔しそうに語っていた。
なお同じくインタビューを受けていたコイツは相変わらずな態度だったが


アニメ版では、累に助けられる場面や、整形シーン、空の膳を囲む空虚な団欒など回想シーンでの出番が増えている。
中でも印象的なのは、同じように「累の姉」役を課せられた鬼に、一緒に那多蜘蛛山から、累の支配から逃げようと誘われて頷くも、彼女を裏切って計画を弟の皮を被った支配者に密告するというゲスさを補強するエピソードだろうか。


  • 溶解の繭

掌から柔らかくも強硬という地味に厄介な特性を持つ糸を出し、繭状にして敵を包み内部を溶解液で満たす。
一度中に閉じ込められると体勢的にも状況的にも強度的にも、内側から破るのは困難と思われる。
そしてまず服を溶かし、体を溶かして食料とするという、蜘蛛らしく且つえぐい能力。
ただし外側からの斬撃には弱いらしく、鬼の首を切れないしのぶの小さな刃でも破れている。
本編でこの技を食らった村田さんは、別の意味で残念なことに。しのぶとのやり取りから察するに、服を溶かすので数分か。





◆蜘蛛の鬼(姉の姉)

CV:伊藤かな恵
アニメ版のみに登場するアニメオリジナルキャラクター
姉蜘蛛鬼が家族になる前にいた娘蜘蛛鬼で、姉蜘蛛の上の姉にあたる位置の美少女。登場した蜘蛛鬼の中では唯一の常識人だった。
姉蜘蛛の目の点が横並びの2つに対し、彼女は縦並びの2つ(双子の設定?)。前髪ぱっつんで長い髪を後ろの先で結んでいる。
他の家族と共に意味のない『家族ごっこ』をしている中、姉蜘蛛の事を本当の妹のように気に入っていた。
累が無惨様に呼ばれて一時的に山を離れると知り、姉蜘蛛に一緒に山を下りようと誘い那多蜘蛛山から逃走。
しかし姉蜘蛛が裏切って密告した為、累の怒りを買ってしまい鋼糸で切り刻まれた挙句、朝日炙りの刑に処されて焼死した。*3
鬼殺隊が来る以前は彼女以外にもたくさんの兄弟姉妹がいたようだが、累に逆らったり彼の望むような家族を演じられずに同様に処刑されたらしい。
会話から彼女も累から何かしらの能力を受けていたはずだが、詳細は不明。
…もしかしたら姉蜘蛛の能力(溶解の繭)か?
なお、彼女を含めビジュアルだけ登場のその他兄弟姉妹は皆、母蜘蛛や姉蜘蛛同様にその姿は人に近い。
そのため彼らが登場したアニメでは異形の姿をした父蜘蛛、兄蜘蛛だけが露骨に浮いてしまっていた
特にアニメ終盤、死の間際の累の前に幻影で現れた時に、母蜘蛛を中心に人型の兄弟たちがセンターを占める中、図体がでかい2人が後ろに追いやられていたのは少しだけ涙を誘う。




◆累


結局お前たちは自分の役割もこなせなかった いつも…どんな時も



最初に炭治郎と接触した蜘蛛鬼。
見た目は蜘蛛の脚のような白髪をした少年の鬼。
空にかかる糸に乗り、うつろな様子で綾取りをしたりしているなど全体的に不気味な様子を見せる。
小さな少年のようだが、他の家族に対し高圧的に発言したり、彼の家族達が皆累の存在に怯えている節が見受けられる。


その正体は十二鬼月「下弦の伍」を預かる強力な鬼であり、那多蜘蛛山に住まう蜘蛛鬼たちの首魁。
蜘蛛の家族は彼が集めたもので、力と恐怖で無理矢理縛り付けたうえで、顔を自分に近づくよう変形させたことで形成した偽りの家族である。*4
彼らの蜘蛛としての能力も元々は累が持っていた能力を分け与えられたものである。


一人称はぼく(まれにおれ)。
「役割」と「家族」に異様な執着をみせているが、同時に「自分の役割を理解してない奴は生きてる必要がない」「他人を恐怖で縛れば強い家族の絆が生まれる(要約)」と言い切るなど非常に歪な価値観の持ち主。
その辺りが「無惨様のお気に入り」である所以であろうか。いわば上弦候補の成長株だったのだろう。
性格も、自身が課した家族の役目を配下がこなせない場合平気でその鬼を斬り捨てるなど非常に酷薄。
役目をこなせなかった鬼を太陽で炙る拷問を執り行ったり、知性を奪い理性無き獣同然に貶める行為を平然と行う残忍さも持ち合わせる。てか無惨と丸々同じじゃん*5
上記の4人以外にもこれまでに多くの鬼と「家族ごっこ」をしていたようだが、炭治郎達が討伐に赴いた時点で存命はしていなかった。


その歪な絆と価値観を知った炭治郎に「偽物の絆」と否定された時には激昂し強い殺意を向けている。



戦闘能力

人間どころか日輪刀さえ易々と細切れにできるほど硬く鋭利鋼糸はがねいとを作り出し戦いに用いる糸使い。
しかも、あらぬ方向から目にもとまらぬスピードで飛んできたりもする。
派生技も豊富と凶悪な能力だが、一方であくまで蜘蛛の糸であるという点は変わらないらしく、火によって燃えてしまうという欠点がある(血鬼術による火であるからかもしれないが)。


「下弦の伍」という十二鬼月の中でも下位の序列だが、劇中ではそうとは思えないほどの強さを発揮している。
ヒノカミ神楽の呼吸まで使った炭治郎達を追い込んだことから「下弦の弐〜肆より強いんじゃね?」と言われていた。
その後出たファンブックによると累本人は血戦に興味がないから「下弦の伍」の地位に甘んじており、本来の強さは下弦の壱や弐相当であるらしい。
劇中で戦った際は家族に能力を分けていた状態で評されており、「仲間に分け与えた能力を全て回収していれば柱と良い勝負だった可能性がある」とも。
そのため能力を全て回収した状態で上昇志向で成長を続けていれば、冗談抜きで上弦にたどり着けるほどの戦闘能力を誇っていたかもしれない。
無惨様がお気に入りだった理由もわかる。


なお累の頸は鋼糸より硬い。


  • 刻糸牢こくしろう

鋼糸を蜘蛛の巣状に形成して撃ち出し、向かってくる相手の進路を塞ぐ。
アニメでは相手の周囲を撃ち出した真紅の鋼糸で取り囲み、糸を収束させ細断するように使っていた。


  • 殺目篭あやめかご

相手を中心に360度を鋼糸で完全に囲み糸の籠を形成、一斉に糸を収縮させて細切れにする。


  • 刻糸輪転こくしりんてん

最高硬度の鋼糸の束を広範囲に拡散させて複雑な文様を描くように編み上げ、編み上げた鋼糸を高速で前方目掛け撃ち出す大技。



劇中での顛末

鬼と人でありながら兄妹の絆を保ち、身を挺して兄を守った禰豆子の姿に瞠目し躍起になって奪おうとしているなど、絆に対する執着は凄まじく強い。
血鬼術の糸で炭治郎の日輪刀をあっさり折るなど絶望的な戦力差を見せつけるも、前述の通り禰豆子の奪取にかまけて即座に殺さなかったことで、反撃を許すこととなった。
それでも炭治郎とは大きな実力の差があり余裕を保っていたが、竈門兄妹の絆と目覚めた新たな力でその首を切り裂かれる。
…と思いきや、切られる直前になんと自分の糸で首を切断することで死亡を回避するという離れ業を披露。
再度兄妹を殺そうとするが、救援に間に合った冨岡に敗れる。冨岡の実力の高さもあるだろうが、には相手にならなかったらしい。



人間だった頃の累は病弱で、一人では満足に走ることもできない身体だった。
この辺りは人間だったころの無惨と重なるものもあり、お気に入りであった一因でもあるかもしれない。
鬼となることで克服するも人喰いとなった息子を憂いた両親に殺されそうになった際に逆に殺してしまった。
だが死に際の言葉で両親が実は息子を殺した後は自分たちも死ぬつもりだったことを知り、命を懸けた愛情を自ら断ってしまったことに気付く。
しかし後悔しても時すでに遅く、無惨に唆されて外道へと堕ちていったのだった。
そして、鬼は人を食い続けることで生前の記憶は薄れてしまい、ただ執着のみが強くなっていく。
身体が滅びていく中で、累は本当の願いを思い出す。それは本当の絆を作ることなどではない。彼はただ、両親に謝りたかった。
しかしそれは叶わないと諦めの言葉を呟く。大勢の人間を殺してきた自分は地獄へ行くから、極楽に居るであろう両親には会えないと。



全部僕が悪かったよう ごめんなさい


ごめんなさいごめんなさい……


ごめんなさい……!



そんな彼の魂は夢か現か死に際で両親の魂と再会。
己の罪を号泣しながら懺悔する累の姿は、もはや残虐な人食い鬼ではなくただの幼い少年だった。自分達を殺した息子を両親は責めず、優しく抱き合いながら三人の家族は地獄の業火へと消えていった。



一方、累の死は鬼の陣営にも大きな影響を与えた。
彼の敗北により無惨は下弦の鬼そのものを見限り、生き残りの五人の下弦・釜鵺、零余子、病葉、轆轤、魘夢を自分の下へ召集。
倒されては補充し、倒されては補充しを繰り返してきた下弦の不甲斐なさを散々詰めた末、怒りに任せて魘夢以外の四人を皆殺しにしてしまうのであった。
あまりの展開に「お気に入りを殺された無惨様の八つ当たり」と囁かれているとか…。



◆余談

○鬼の共食いと家族

鬼は徒党を組めないように共食いの性質があるとされているが、仮にも家族というコミュニティを形成している累と矛盾しているように見える。
これに関して特に説明はないが、無惨様のお気に入りだった事で「許されていた」というのが理由と思われる。
また、下記の可能性も考えられる。


  • 共食いはあくまで鬼舞辻への反抗防止が目的であるため、自分の力を与えて弱体化している場合は対象外
  • 全員が自分と同じ蜘蛛鬼化しているため、別の鬼ではなく自分の分身という認識(沼鬼の分身と同じ)

上述のファンブックにある様に、家族に能力を分配して弱体化しており、本来の累は下弦の壱程度の強さである。



○鋼糸より硬いはずの首

累の頸はどんな鋼糸より硬いはずなのに、鋼糸で切れるのはおかしいという疑問もある。
これは「自分で首の強度を変えられた」「柔らかい素材でも固いものを切断する事はできる」などの諸説があるが、前述は論拠がなく、後述は一瞬では切れない。
しかも炭治郎の刀は完全に首を捉えており、仮に強度を変えたとしたら糸で切るよりも先に切り落とされる可能性が高い。
さらに出した糸は禰豆子の爆血の不意打ちで直前に焼き切れてしまっているので、首を切断できるように新たな糸をまわす事は難しい。
そして何より爆血刀になっているので、糸を出したところで首に近づけば燃えるだけである。
……というか、そもそもそれが出来るなら目の前の炭治郎の腕や首を切り落とす方が確実で早い


そうなると手品などで使われる「すでに切れている状態の物を表面上で隠しておき、あたかも今切れたように見せるトリック」の応用ではないかと思われる。
切った首を最高硬度の鋼糸の束で体と繫げておき、いざという時は自ら糸を切って斬られたふりをする保険を掛けていたと考えると、一応説明はつく。*6
これなら累の「自ら先に首を切った」というのも間違いではない。


明確に自分の頸を切断し、且つ上記の矛盾を解消する手段としては「最初から自分の頸に切断用の糸を巻いていた」と考えられる。
鬼は首を日輪刀で切断される以外のいかなるダメージでも死なない。
加えて、切断力の高く柔軟性も操作性も高い糸を出せる彼ならば、最悪の事態に備えて「緊急脱出装置」の一種としてこういった仕組みを設定しておくことは可能である。
この方法の問題は、根本的に子供である彼が自分が死ぬかもしれないという可能性を事前に想定しておけるかという点。
まあ、「己の生存においては右に出るものがいない奴」から吹き込まれたと考えればありえなくはない。


ただしこれらはあくまでも推測の域を出ないものであり、本当のところは公式の見解が待たれる。



○十二鬼月

だいたいの読者は薄々察していたとはいえ、累が十二鬼月であると明かす前に担当編集が本誌の煽り文でネタバレしてしまったため、ツッコまれた。


「その刃、十二鬼月には届かず!!鬼に抗う術はなし…!?」


ただ自分の力に慢心しているのか、義勇との戦いでは血鬼術が通用しないことが信じられないといった態度だった。
下弦の鬼を悉く倒してきた柱の存在を警戒すらしていない可能性があり、その意味では今の自分の力では勝てないと判断した零余子や轆轤の方が現実が見えていたのかもしれない。



○アニメでの活躍

アニメ第一期では話数の関係上、彼との戦いが実質的なラスボス戦となっている。
それもあってか、ヒノカミ神楽発動からの一連のシーンは相当に気合いを入れて作られており、放送時は話題を呼んだ。
加えて、前述の通り彼らの空虚な「家族ごっこ」についても描写されている。




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*1 姉蜘蛛の首を累が切り飛ばしていたので、同じ要領で首を切った鬼を改造したと思われる。恐らくは前の父親蜘蛛?
*2 実は回想で母親が虐げられていた時には眉をひそめて見下すようにそれを眺めていたなど、片鱗はあった
*3 この際、妹への恨みも言わず涙を流しながら静かに焼けていった
*4 とはいえ累以外の鬼は弱い鬼であったので、鬼狩りに対抗するための仲間、力が欲しいという打算もあったようだ。
*5 何気に配下が全員負けた際に「結局誰も役に立たなかった」というニュアンスのことをほざいた点も共通する。
*6 一本糸より高密度の束の方が当然硬いので、どの鋼糸よりも硬いのも嘘ではない。

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