登録日:2012/10/17 Wed 13:59:22
更新日:2023/08/10 Thu 12:01:30NEW!
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ザク・マリンタイプとは、『機動戦士ガンダムシリーズ』の宇宙世紀に関連する作品に登場する架空のモビルスーツ(MS)である。
初出は『MSV』。別名として“水中用ザク”、“水中型ザク”とも呼ばれる。
▷目次
ザク・マリンタイプ
ZAKU Marine Type
緒元
型式番号:MS-06M → MSM-01
所属:ジオン公国軍
地球連邦軍
ティターンズ
開発:ジオニック社
生産形態:試作機 → 少数量産機
全長:18.2m
頭頂高:17.5m
本体重量:43.3t
全備重量:60.8t
出力:961kw
総推力:66,000kg
センサー有効半径:3,200m
最高速度:45kt
武装:60mm機関砲 ×2門
M6-G型4連装240mmサブロックガン
ブラウニーM8型4連装180mmロケットポッド ×2基
《主なパイロット》
ギュンター・ローズマン
ジオン公国軍一般兵
機体解説
ジオン公国軍の主力MSであるMS-06ザクⅡのバリエーションの一つで、本機は水中戦仕様。史上初の水中型MSである。
一年戦争序盤の地球侵攻作戦を発動するにあたり、地球の70%を占める海での活動を重要視した事と、アマゾン河流域にある地球連邦軍本部ジャブロー侵攻を主眼に置いて開発された。
元々はF型をベースに追加・改修する形を採ってパーツの流用を狙っていた。
その結果として
ランドセル:水流エンジン付きに改修
大腿とふくらはぎ:バラストタンクの増設
腕部:補助推進用のハイドロジェットエンジンを追加
頭部:予備動力パイプ及び短距離通信アンテナとエアダクトの追加
関節部:防水用シーリングを施す
といった大規模な改修が行われた。
しかし、それだけでは司令部から要求された「水深400mの水圧に耐えうる設計」を満たすには到らず、オマケにフレームレス構造のザクが原型ではパーツ流用が難しく、ほとんどが新規パーツで賄われた。
武装は頭部に固定された60mm機関砲、手持ち武器としてM6-G型4連装240mmサブロックガンが存在する。
それだけではあまりにも火力が貧弱だったため、一部にはオプションとしてブラウニーM8型4連装180mmロケットポッドが装備された。
前期型のM-1型と後期型のM-2型が全部で7機製造されたものの、どちらも司令部の期待した性能に達することはなく、ザクを水中戦に対応させるという計画自体が頓挫する結果となった。
これ以降は新たに水陸両用のMSを開発する方向にシフトし、本機はデータ収集機として運用された。そのデータが結実した物がツィマッド社製の“MSM-02 水中実験機”、そして“MSM-03 ゴッグ”である。
なお、水中型MSの開発が本格化すると、型式番号が従来のザク系を示す“MS-06M”から水中用MSの第1号を示す“MSM-01”へと改められた。
やがてゴッグから更に“MSM-04 アッガイ”や“MSM-07 ズゴック”、果てはその発展型が誕生する頃には既にデータ収集機としての役目を終え、倉庫で眠りに着いていた。
だが、一年戦争末期には戦力不足から実戦に刈り出され、“レッドドルフィン”と“シーサーペント”に2機ずつ、“グリーンサイレン”、“ナーガⅢ”、“マンタレイ”などの各部隊に1機ずつ配備された。
主にズゴックなどの支援機として運用されたが、特に戦果を残せず7機中4~5機が撃破された。
戦後は連邦軍に接収され、両手がマニュピレーターであるが故に、戦闘能力では勝っても汎用性で劣るゴッグやズゴックよりも海中での作業や救助活動、環境調査などで重用され、静かな余生を送ったようだ。
武装
- 60mm機関砲
地球連邦軍でいう頭部バルカン砲に相当する機関砲。
頭部に2門装備しているが、あまり具合がよくなかったのか、運用した部隊によっては蓋をして塞いでしまったケースもあったようだ。
- M6-G型4連装240mmサブロックガン
手持ち式の水中用ロケット砲。
ロケット弾なので水中以外でも使用可能で、『機動戦士Zガンダム』に登場した機体は水上でも発射していた。
しかし水中で手持ち式というのはあまり具合が良くなかったらしく、サブロックガンの運用テストの結果、水陸両用MSの装備は固定式とする決定がされたという。
- ブラウニーM8型4連装180mmロケットポッド
胸部に増設されるオプション装備。
資料によっては240mmともされる。
- 他
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場した南洋同盟の所属機はビームサーベルを装備していた他、『漫画版MS IGLOO』では水中用ビーム砲・エーギルの射手を務めた。
運用した著名な部隊
- シーサーペント
ネルソン大佐率いる北大西洋潜水艦隊。
主に情報収集と試作機の運用実験部隊章は海蛇が巻き付いた十字架。
一番最初にマリンタイプの実験を行なった部隊で、ここの実験部隊が北米東部・ノーフォーク沖で3週間の実験を行なった。
大戦末期には同艦隊所属のユーコン級潜水艦U-48に2機が配備された。
- レッドドルフィン
ハーミス中佐率いる北大西洋潜水艦隊。
大戦末期に同隊に2機が送られ、赤いイルカのエンブレムが描かれた。
11月中旬、オデッサから敗走するヨーロッパ方面軍をアフリカに脱出させる“地中海上陸作戦”に参加するが、連邦軍の対潜攻撃部隊との交戦の末に壊滅させられてしまった。
その残存部隊は東進してバイコヌール宇宙基地から脱出したと言われている。
- グリーンサイレン
南大西洋を中心に活動した潜水艦隊。
緑髪の人魚が部隊章。
他の潜水艦隊の配備MSがズゴックとゴッグの混成部隊であった中でもズゴックで部隊を統一していた稀有な部隊であった。*1
ただ、終戦間際にもなると補給もままならなかったようで、ザクマリンタイプを引っ張り出して運用していたという。
- ナーガⅢ
太平洋で活動していた部隊。
部隊章の赤い鯱からまんま「赤い鯱」とも呼ばれていた。
- マンタレイ
これも北大西洋で活動していた部隊。
2〜8隻しかないマッドアングラー級を与えられていた部隊で、ザクマリンタイプが配備された部隊の一つだが、どちらかというとゾックの運用試験を行っていたことで有名。
バリエーション
◆M-1型
最初期に生産されたタイプ。所謂前期型。
全部で5機が生産されたが、耐圧性には難があり、信頼性は低い。
一年戦争集結後、生き残って連邦軍に接収された機体はダカール基地に配備された。
◆M-2型
増加試作された後期型。開発が打ち切られるまでに2機がロールアウトした。
こちらは航行速度を犠牲にした代わりに耐圧性が増し、M-1型のデータを基に関節部への耐水シーリング処理とモノアイ保護用の大型モニターシールドが施されたことで信頼性は増した。
こちらも戦後まで生き延びた機体があったようで、接収された物がニューギニア基地に配備された。
◆マリン・ハイザック
一年戦争集結後、連邦軍が接収したM-1型を下地に改良・量産したマイナーチェンジモデル。
コックピットを全天周囲モニターとリニアシートに換装、熱核エンジンとフレームに改良が施された。
本来のマリン・ハイザックはハイザックのプロトタイプとなったRX-106 ハイザック試作型ベースであったが、量産が見送られたために名前だけが本機に受け継がれた。
詳しくは『ハイザックのバリエーション』を参照されたし。
◆ザク・マリナー/ザク・ダイバー
マリン・ハイザックを参考に開発された連邦軍製の後継機2種。
こちらはM-2型を参考(M-1型説あり)に開発されたらしい。
詳細は項目へ。
作中での活躍
厳密に言えばマリン・ハイザックだが、一応映像作品にも登場している。
『機動戦士Ζガンダム』ではベン・ウッダー大尉がホンコンシティでミライ・ノア母子を人質に取った際に登場。
アムロ・レイの身柄と交換で解放されたミライ達を再び捕らえた。
救出に来たカミーユ・ビダンのガンダムMk-Ⅱを4機がかりで苦しめたが、海上に誘い出されて全機が撃墜された。
ガンプラ
MSVシリーズの一環として1/144で発売。
後にZガンダムが放送されていた頃に成型色を変えた「マリン・ハイザック」も発売された。
後者は長らく再販されずにいたが、近年ようやく再販された。
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▷ コメント欄
- イグルーとかアウターとかに登場 -- 名無しさん (2014-02-28 17:19:40)
- 某ガンドゥムじゃ部長の貫禄と言うべきか、下手な水泳部より使える -- 名無しさん (2014-05-21 14:02:36)
- 最初の頃の試験は、内部を海水で満たした漁業コロニーで行ったそうな。ジオンは魚介類の養殖が盛んだったんだろうか。 -- 名無しさん (2014-11-06 20:26:09)
- グリーンサイレンとナーガIIIにもエンブレムがあるぞ -- 名無しさん (2014-12-03 04:38:46)
- ジオンが新型を開発しては大した戦果も挙げられずに接収させてくれるから連邦は楽でいいな… -- 名無しさん (2018-12-20 21:56:36)
- ザクの水中タイプだけでも種類あるから、詳しくないとややこしい。 -- 名無しさん (2019-09-09 15:07:36)
- ↑4 ジオン・ズム・ダイクンの本来の思想は「全地球人類の完全宇宙移民」「人類発祥の聖地としての地球保護」もあったみたいだし「地球に依らず宇宙移民以前の暮らしを宇宙暮らしで再現する」試みに積極的な宇宙移民計画者もいたのかも -- 名無しさん (2022-04-20 09:21:32)
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