烏枢沙摩明王

ページ名:烏枢沙摩明王

登録日:2016/11/17 Thu 20:46:46
更新日:2024/01/29 Mon 13:46:02NEW!
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仏教 密教 明王 五大明王 アグニ トイレの神様 汚物は消毒だ~!! 烏枢沙摩明王



■烏枢沙摩明王

烏枢沙摩明王うすさまみょうおうは大乗仏教(密教)の尊格。
他にも烏芻沙摩、烏瑟娑摩、烏枢瑟摩、烏芻渋摩、等の表記が用いられる場合もある。
代表的な明王部の尊格で天台宗では五大明王の一つに数えられる。


【概要】

梵名をウッチュシュマと云う。これを音写(当て字)し、尊名を“うすさま”或いは“うすしま”と翻訳された。
意味は“汚れを灼き浄める者”等となり、この語は古代インド神話の火神アグニの異名や通称であると云う。


この為、烏枢沙摩明王も火炎を背負い、不浄を浄める者としての属性を受けた。
異名に“穢積金剛えしゃくこんごう”、“不浄金剛ふじょうこんごう”、“火頭金剛かとうこんごう”と云った呼び名がある。


見た目からしてガチガチの密教尊なのだが、不動尊辺りとは別の意味で顕教(普通の寺門)や一般層にも馴染み深い尊格であり、真言宗や天台宗系寺門のみならず、禅宗や日蓮宗でも信仰が見られる。


特に知られているのが手洗所の守護尊とされている姿で、それらの宗派の寺門の御不浄(厠、東司)にて烏枢沙摩明王の姿を見掛ける事がある。
ちょっと汚しても尊が祓ってくださるので御安心してさしあげろ。小坊主さんとか新弟子さん辺りが掃除してる画が浮かぶけどね。


云わば、仏教版のトイレの神様である。
そう思えば怖い姿をしていても親近感を感じるってものである。


トイレ~には~♪めちゃ怖い顔した~神さんがおるん~やで~♪


トイレは当然汚い場所であり、穢れに通じることから悪鬼悪霊・魑魅魍魎が跋扈すると考えられた。
そのため、炎の絶大な熱で穢れを払う烏枢沙摩明王が守護するようになった。


悪縁そのものや良縁の障害物も焼き払い、良縁を侵すものから阻むため縁結び、縁切りも司る。
故にトイレ掃除をきちんとやれば好い人に巡り合えるのである。
同様に古来、命がけのため生と死の境目とされ穢れた場所だった産所も祓う赤子と女性を護る厳しくも優しき明王様である。


日蓮宗では火神であることから、所謂“竈神かまどがみ”として台所に祀られる。


真言宗系の通常の五大明王の一尊である金剛夜叉明王とは、共に不浄を浄める尊格とされる事から同一視されたり、同じ尊格としても扱われるが、主に金剛夜叉明王が修行者の内面の汚れや迷いを祓うのに対して、烏枢沙摩明王はアグニ神の属性を引き継ぎ、物質としての不浄を灼き祓う違いがあるとされる。
アグニは神の名にして、単に火を意味することばでもあり、天から人間にもたらされた火であり、地上(人間)と天(神々)を繋ぐ中継ぎの役目にある神であった。
インドに於いて供物や犠牲とした獣を火に投げ入れて天への贈り物とする習慣は紀元前15世紀前後のアーリヤ人の流入により持ち込まれたと考えられており、麻薬性物質を用いた感応的なな信仰と共にヒンドゥーに至る信仰の中心ともなった。
これを“ホーマ”と云い“供犠”と漢訳。
“ホーマ”を音写したのが“護摩”であり、これは密教の秘儀としても日本に伝わる。
即ち、アグニ=烏枢沙摩は地上の不浄を灼き浄め天に届ける=不浄を消失させる尊格と云う訳で、金剛夜叉明王との役割の違いが見えるのである。金剛夜叉明王みたいに喰らう対象としては汚いし。
これを“火生三昧かしょうざんまい”と云い、三昧は後に「雑念を捨て去り集中」することを指す仏教用語に、更に拡大解釈されて「○○漬け」的な意味で一般にも使われるようになっていった。


【説話】

■vs梵天王編

釈尊が地上での役目を終えて涅槃に入るのが近づいた時のこと。
梵天王は仏弟子になったのに快楽に耽ってしまい、見舞いに来ようともしなかった。
そこで、釈尊の従者が遣いを出したのたが梵天王は周りを不浄なもので囲んで近寄らせない。*1
そこで、烏枢沙摩が迎えに行き術により不浄を土に変えて梵天王をひっ捕まえてきたと云う。



■vs帝釈天

ある時、と仲が悪かった頃のインドラは、仏が糞の臭気に弱いと知り、仏を糞の山で築いた城に閉じ込めてしまった。


しかし、そこに烏枢沙摩が駆けつけると大量の糞を自ら喰らい尽くし、仏を助け出してみせた。
この功績により烏枢沙摩は厠の守護者とされるようになったという。


■結論

汚い。バラモンの神汚い。(物理)


【像容】

一面八臂像の他、二臂、四臂、六臂、など様々な姿で伝えられているが、炎を背負うのは共通している。
インドでの姿からか牛の骨を掲げたりぶら下げられたりされている。


【真言】

■オン シュリ マリ ママリ マリ シュリ ソワカ


【種字】

■ウン


【余談】

烏枢沙摩明王を本尊とする有名な呪法に「変成男子法」なる秘法がある。
これは、その名の様に胎内の赤子を男子に変えてしまう秘術であり、平安時代の公家の間で流行したと云う。




追記・修正は糞まみれを浄められてからお願いします。


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  • マヨヒガではありがとうございます。 -- 名無しさん (2016-11-17 21:47:29)
  • 毎日お世話になってるお方なのよね。老若男女誰でもお便所に行かない人間はいないのだ… -- 名無しさん (2016-11-17 21:50:58)
  • 阿佐ヶ谷zippyで準レギュラーぐらいに活躍してたな -- 名無しさん (2016-11-17 22:38:03)

#comment

*1 ※仏はお下品なものが嫌いなのだ。

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