魔天郎(おもいっきり探偵団 覇悪怒組)

ページ名:魔天郎_おもいっきり探偵団 覇悪怒組_

登録日:2016/03/27 (日) 22:51:23
更新日:2024/01/22 Mon 13:38:08NEW!
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不思議コメディシリーズ 怪人 怪盗 怪盗紳士 黄金仮面 春田純一 本編より先に立った項目 東映不思議コメディーシリーズ 哀しき悪役 覇悪怒組 摩天楼のヒーロー 少年色のメロディ 魔天郎 秋野太作 おもいっきり探偵団 覇悪怒組 怪人魔天郎




私は、蜃気楼の国からやって来た
幻の怪人・魔天郎!


悲しみの涙は夢のかけらに流し込め!


怒りの涙は炎と燃やし火の鳥となって空を渡れ!


君達の挑戦を待っているぞ!




◇◆魔天郎◆◇
M A T E N R O U



演・声:秋野太作
演:春田純一(スーツアクター)


怪人「魔天郎(まてんろう)」は、1987年(昭和62)にフジテレビ系日曜朝9時に放映されていた東映製作の不思議コメディシリーズ第7弾『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』に登場してくるキャラクター。
同作のシンボル的な存在であり、実際に当番組が高い視聴率を誇る人気作品であった事もあってか、現在でも人気は高い。
当時を知るファンからも「流石に番組の詳しい内容までは忘れてしまったが、魔天郎の事だけは覚えている」という声が聞かれる位のインパクトを当時の少年少女に残した。
その人気は高く、ソノラマ文庫からスピンオフ小説「怪人魔天郎」(著:飯野文彦)も出るほど。


巷を騒がす怪盗紳士にして主人公であるヒロシ達「覇悪怒組(はあどぐみ)」の宿敵として、子供達への挑戦を繰り返す魔天郎の目的とは……?



【解説】

日本では江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズから続く怪盗紳士の系譜に属する、由緒正しい“怪人”である。


黄金の仮面にシルクハット、黒いスーツとマントに赤い薔薇という普遍的なデザインは、世代を越えた人気を魔天郎に獲得させたと言われる。
名前の由来は主題歌「摩天楼のヒーロー」からも解る様に、超高層建築の古い呼び名である摩天楼から。
これらのコンセプトは「少年探偵団」シリーズ+少年少女の成長を描くジュブナイルと云う、
番組コンセプトをそのまま体現したと呼べるものであり、魔天郎を不思議コメディシリーズ随一のダークヒーローとして記憶させているのだと云う。



【概要】

竹早小学校5年3組でも一番の問題児ヒロシ、サトル、タケオ、ススム。
彼ら四人が担任の落合先生に叱られた際、「ド肝を抜くようなでっかいことが出来んのか」と言われたことで自主製作映画を創作。
ヒロシが自身のパソコンで作成した架空の怪人が、「魔天郎」であった。
クラスメートで放送部のヤスコと弟のシンスケを巻き込ませたヒロシらは、理科の授業中に完成した映画「怪人魔天郎」を放送。
クラスはバカ受けだったがヒロシたちはこっぴどく叱られてしまう羽目になった。
その夜、その魔天郎が現実に出現。生みの親である筈のヒロシのパソコンを盗み取り、ヒロシ達に挑戦状を叩きつけて来た。


自らを“蜃気楼の国の住人”と称するその姿は、前述の様に正に探偵小説や漫画から抜け出して来たような“怪人”の姿をしている。


因みに、衣装はヒロシ達が自作していた時とデザインは変わっていないのだが、流石に小学生と大人ではコスチュームの出来に雲泥の差があった。



【能力】

変幻自在の変装術と、魔法としか呼べないような手品や大仕掛けを駆使して警察をも翻弄。
数々の財宝や秘宝を鮮やかに盗み出し、高笑いと共に気球に掴まって空に消えてゆく、まさに“怪人”に相応しき振舞い方が特徴。ただし罪もない者をむやみに傷付ける事はしない。
そんな魔天郎だが、何故かヒロシ達が魔天郎の挑戦を受けて結成した「覇悪怒組」には何かしらの意図をもっており、とりわけ子供達の勇敢さに執着するかの様にして挑戦を繰り返していた。


その正体については、物語の開始当初から“何か怪しい”5年3組の新担任の落合先生(演:秋野太作)ではないかと疑われていたが……。
その明確な正体は誰が何と言おうとも、最終回まで明かされる事は無かった。
この「最後の最後まで正体不明だが誇り高き怪人」と言うコンセプトは、次回作『じゃあまん探偵団 魔隣組』の大怪盗ジゴマへと受け継がれている。


赤い薔薇や自らのシンボルが描かれたカードを飛ばす御約束めいた得意技がある他、
覇悪怒組が本物の悪人に捕らえられた際には「怒り仮面」なる戦闘形態をとって、ムチを武器に悪人を懲らしめた事もある。
『探偵団スペシャル 魔隣組対覇悪怒組 ジゴマVS魔天郎』ではパンドラの箱を狙っていたところでジゴマを待ち構えていた魔隣組と遭遇、更にジゴマも現れて、怪盗怪人同士の対決を繰り広げるも、箱の鍵を魔隣組に奪われた事から一時休戦する事に。更に箱を狙う悪人・左文字博士も出現し、鍵を守ろうとする魔隣組&覇悪怒組と3つ巴の戦いが繰り広げられる。
この時は、薔薇から炎を出す術を使用し、ジゴマステッキから冷気を出すジゴマに対抗していた。


何人かの部下を連れて行動する事も多かった。


基本的には悪漢として振る舞う一方、上記のように覇悪怒組を助ける事もあれば、
覇悪怒組の面々が間違った方向に進んだ時には手厳しい方法で灸を据える事もあった。


ミステリアスな存在感を見せつける一方で、「ダンディな私」「私の仕事は完璧だ」などと自画自賛したり、有刺鉄線にマントを引っかけて剥がした際に指を怪我する、棒高跳びで塀を飛び越えて逃走したらその先にあった池に落ちる*1といったドジを踏む一面も見られた。


これら、覇悪怒組との関係はいい意味でも悪い意味でも子供に強い影響を与えてしまう“大人”の姿の投影と縮図なのだとも言える。


登場時には専用のBGMが流れるが、48話でこのBGMが流れた際、その場にいる全員が反応した(サトルに至っては「この曲は!?」と発言している)事から、このBGMは視聴者だけでなく作中の人物達にも聞こえているようだ。


覇悪怒組との丁々発止のやり取りでは、遊んでいるようにすら見える魔天郎だが、
それと同時に莫大な財宝を集め続け、何かしらの行動を起こそうとしている。


……果たして、魔天郎の最終目標とは?


以下、ネタバレにつきステルス。


魔天郎の目的は、大人達の悪意に傷つけられた子供達の心を癒す施設・光の塔を建設する「MTR計画」だった。
光の塔は太陽の光子エネルギーで作動する塔で高さ10000m、地下300m*2に及び、地下に5000人の子供達を収容し、宿泊所、レストラン、プール、図書館等の施設があり、地上部分はがらんどうになっていて、子供達は空中浮遊装置で空間を浮遊する事で、昼は光子エネルギーを全身に浴び、夜は空の星々と交感して心の傷を癒し、心身共に健やかになって元の世界に帰って行くというものだった。
魔天郎は塔の建設に協力するように覇悪怒組を誘うも、ヒロシの「盗んだ金で塔が建てられて良いのか、光の塔は傷付いた子供達が何かに祈った時に、心に見えれば良いのでは、目的の為にどんな手段を取っても良いという考えには同意できない」という考えを聞かされた事で、負けを認めて塔の建設をやめ、日本を離れて自身を鍛錬し、いつの日か再び挑戦する事を宣言して姿を消した。
その後、故郷に帰る落合先生の乗った電車を覇悪怒組が見送っていると、魔天郎がその電車の屋根の上に出現し、そこから頭上の気球に飛び移って去っていった。



【関連人物】


■覇悪怒組

竹早小学校5年3組の仲良し5人組で結成された少年探偵団。名前の由来は「ハードボイルドな探偵
魔天郎は、序盤では彼らを「君」付けで呼んでいたが、次第に呼び捨てが多くなった。
5人組のバランスは、製作会社である東映の戦隊シリーズを意識したものなのだろう。
尚、当作は次回作の『魔隣組』と並び、不思議コメディシリーズでは歴代最高視聴率2位の記録を持ち、覇悪怒組と魔隣組の共演スペシャルまで放送された経験がある。


■落合先生

不自然なタイミングで竹早小学校に赴任してきた、5年3組の新担任。
同僚の純子先生にアプローチをしてはフラレるのを繰り返したりと、うだつの上がらない三十男に見えるのだが、
まだ担任になる前からヒロシ達の姿を監視していたり、魔天郎と同じ場所に怪我をしていた例が何度かあったり、魔天郎出現中は行方不明になっていることが多かったりと怪しい行動が多い。
その為、劇中でも早い段階から覇悪怒組に「魔天郎」の正体として疑われたりもしたが、先生と魔天郎が同時に出現した事や、
覇悪怒組やその家族、周囲の人間達と落合先生の絆が深まる中で、終盤までには「魔天郎の正体として落合先生を疑いたくない」との想いや葛藤が生まれていった。


……尚、演じた実力派俳優の秋野太作氏は特殊メイクをして魔天郎が変装した怪人物をノリノリで演じていたりするが「正体隠す気ねーだろwww」……とかは言ってはいけない。


■辛切警部

魔天郎を捕らえる事に執念を燃やす警察庁捜査二課の警部。だが捜査の腕はイマイチ。タケオの父とは幼馴染。
20年前、東京美術館の警備中にアメリカマフィアに美術品を盗まれた事からエリートコースから外れ、結婚もできなかったという過去を持つ。
魔天郎は彼のガッツを評価しており、前述の美術品を見つけて彼に返してあげた事がある。
だが失敗続きな為か、警視総監から直々にとらばーゆ(転職)を勧められたショックから、自分を心配するススムの心を利用して魔天郎を捕らえようとした事で魔天郎に同情され、「警察官が犯罪者に同情されるようになったらおしまい」と退職を決意、屋台「からきりラーメン」を開いた。
登場話は9、14、15、22、40話の計5話と少ない。



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  • 子供心に怪獣や改造人間とは違ったまさに「怪しい人」然とした姿が魅力的だった -- 名無しさん (2016-03-28 02:33:42)
  • この手のキャラは今のテレビにはいないんだよなぁ…善とも悪とも言い切れない謎の存在は素敵だ -- 名無しさん (2016-03-28 08:54:58)
  • この番組、そんなに視聴率良かったのか… -- 名無しさん (2016-03-28 22:38:14)
  • なんか、探偵団の誰かが勉強してなかったのかと呆れてた場面で落合先生じゃないのかって匂わせたりもしてた。 -- 名無しさん (2016-11-23 12:08:48)
  • 結局最後まで正体わかんなかったんだよな。多分落合先生だろうという感じで。 -- 名無しさん (2021-02-02 09:11:28)
  • 落合先生が純子先生に真実を告白する場面はあるけどあくまでも視聴者の創造にゆだねるって感じで「僕が魔天郎なんです」って直接言う描写を避けてるのが意外だった -- 名無しさん (2022-02-26 18:41:19)

#comment

*1 飛び越える前に、ヒロシに「そっちは池だぞ、危ないぞ」と指摘されたが、聞いていなかったらしい
*2 46話に登場した設計図では、高さ1000m、地下100m、幅150mとされていた

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