鎧武外伝 仮面ライダー斬月

ページ名:鎧武外伝 仮面ライダー斬月

登録日:2015/10/24 (土) 22:45:43
更新日:2024/01/16 Tue 11:23:28NEW!
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「ノブレス・オブリージュ……」


「私は、自らが正しいと思う『信念』の為に……」


「……この『命』を捧げる!」





『鎧武外伝 仮面ライダー斬月』とは2015年にVシネマにて公開された『仮面ライダー鎧武』のスピンオフ作品『鎧武外伝』第1弾の第1章で、
ユグドラシル・コーポレーション主任の呉島貴虎が主人公の物語である。脚本は鋼屋ジン。
時系列としては第2章である『鎧武外伝 仮面ライダーバロン』同様に、鎧武本編の20話前後を基にしており、彼の過去も明らかになる。


なお、平成ライダーシリーズでVシネマが発売されるのは『仮面ライダーダブル RETURNS』以来、実に4年ぶりである。
あちらと違い、本作は第1章・斬月編と第2章・バロン編が一続きの作品になっており、それぞれ30分ずつ、計60分という構成を採っている。
キャッチコピーは、「貴虎、高貴なる宿命――」



ちなみに本作から4年後の2019年3月、斬月スピンオフ第2弾として舞台『仮面ライダー斬月 -鎧武外伝-』(脚本・演出:毛利亘宏、脚本協力:鋼屋ジン)が制作されているが、本作とはあまり関係ないので注意が必要。*1


以下ネタバレ注意。




【あらすじ】


呉島貴虎はヘルヘイムの森にて、葛葉紘汰に森の真実と人類の未来について伝え、同時に彼にこれ以上自分達の邪魔をしないよう、釘を刺す。
それと同じ頃、ユグドラシル関係者達が謎の人物に相次いで襲撃されるという事態が発生。
事態の収拾を付けようと捜査を開始する貴虎の前に、呉島家の元使用人・朱月藤果が現れ、彼に父である呉島天樹の訃報を知らせる。




【登場人物】


本作品の主人公。
ヘルヘイムから人類を救う為に「プロジェクト・アーク」を進める決心を固めている。
藤果と再会し、彼女と過ごす時間に久々に安らぎを感じていたが……。
後述する襲撃者とのやり取りで、彼自身の決意、そして信念が明かされる。
本編でも他人に裏切られ、散々な目に合うことが多かった彼だが、主役である本作も彼に不幸が訪れる。
因みに幼少時の彼の役を演じた竜跳氏は第2章に出てくるアルフレッド/仮面ライダータイラント役の河相我聞氏の次男である。


  • 朱月藤果

本作のゲストヒロイン。
かつて呉島家で使用人をしていたが、呉島天樹の父の死を受けて、貴虎と光実にその事を伝える為に呉島邸に訪れる。
料理上手だが何故かアップルパイだけは上手く作れず、貴虎に「不味い」とはっきり言われてしまった。
しかし、その不味いアップルパイを彼女と共に食す時間が貴虎にとっての安らぎでもあった。


ミッチこと、貴虎の弟。
藤果との交流に心安らぐ貴虎の姿に、「こんな兄さん、初めて見た」と驚いていた。
兄の意外な一面に驚く一方、もう1人の肉親である父・天樹の死に対しては、
「死んでしまった人よりも大切な事がある」と言って、軽くスルーしている。
襲撃者に襲われたが、龍玄に変身はせず。
下に書いてあるラストの貴虎とのやり取りは本編での今後の展開の伏線となっており、見所の1つでもある。


プロフェッサー。
貴虎に(これ以前の回に光実に奪われた)スイカロックシードの代わりとして、
プロトタイプの試作品ロックシードである、ウォーターメロンロックシードを渡す。
そして襲撃者は「ユグドラシル社員、もしくはその関係者」であろうと貴虎に助言を施した。
本作では彼の過去の一部が明らかになる(そして、彼が主役のデューク編で彼の過去はさらに掘り下げられる)。


凌馬の部下。
貴虎に怪我を負ったシドの状態を伝える。
その後自らも襲撃を受け、相手がアーマードライダーだと知って、マリカに変身して戦うが逃げられてしまった。


自称「大人」(笑)の錠前ディーラー。
冒頭で貴虎と襲撃者の事について話をし、「アンタは肝心な所で甘ちゃんだからな」と、彼の甘さを指摘した。
その後、一人で荷物を運んでいた所を背後から一方的に襲われ、変身する間もなく倒れてしまう(その後の容態は湊曰く「重傷」らしい)。
余談だが彼が襲撃者にやられる際に血が飛ぶ描写があるが、その描写が妙にリアル。


本編での主人公。
だが、登場シーンは冒頭とラストのみ。
貴虎の考えに対して反論する。
その反論は貴虎にはスルーされてしまったと思われたが……。
なお、彼と上記の戦極凌馬、湊耀子の3名は、鎧武外伝第1弾の第2章、『鎧武外伝 仮面ライダーバロン』にも登場する。


  • 呉島天樹

貴虎、光実、冴子若菜来人父親
6年前から病で倒れていたらしいが、今回の物語の前の段階で亡くなった。
「ノブレス・オブリージュ」を信義とする厳格な男。
しかし、その厳格さが災いしたのか、彼の死に対して貴虎はドライな反応をし、
光実に至っては上記の通りスルーされてしまい、ほとんど悲しんでもらえなかった。
とはいえ、彼の信義は貴虎にもしっかりと受け継がれている。
だが、息子達の知らない所で……。


今回は2名登場。
序盤でヘルヘイムの植物の処理をしていた所、襲撃者に襲われる。


  • 襲撃者/仮面ライダーイドゥン

ユグドラシルの関係者を暗い場所でいきなり襲撃する。
当初、貴虎は紘汰ではないかと疑っていたが、湊によって正体は自分達が把握していないアーマードライダーである事が判明した。
クラックを自由に操り、ロックビークル無しでヘルヘイムの森と現実世界を自由に行き来出来る」能力を持っている。
戦闘力は相当なもので、シドや黒影トルーパーを一方的に倒し、湊との勝負もこちらが優勢だった。




【本作のオリジナルライダー及びオリジナルフォーム】


より詳しい内容が知りたい方はこちらも参照されたし。


  • 仮面ライダーイドゥン リンゴアームズ

上記の襲撃者が禁断のリンゴロックシードと戦極ドライバーを用いて変身するアーマードライダー。
上にもある通り、クラックを操る事でヘルヘイムへの出入りを自由に行える。
また、戦闘にはアームズウェポン、アップルリフレクターとソードブリンガーを用いて闘う。
変身音は「DESIRE FORBIDDEN FRUITS!(禁断の果実を求めよ!)


スーツ・アームズは共に邪武 ダークネスアームズを改造したもので、マスクは新規に造形された。
スーツアクターは冠、邪武を演じた藤田慧。



☆装備


★禁断のリンゴロックシード
シリアルナンバーは「L.S.-TABOO」。
オーバーロードインベス同様クラックやヘルヘイムの植物を自在に操作する事が出来る。
しかしその代償として……。
なおこのロックシードはこの作品よりも過去を描いている『デューク編』で、壊れた状態で出てきた。
この作品までに修復されていたのか、それとも別のサンプルがあったのかは不明。


★戦極ドライバー
本作の仮面ライダーが変身に使用するベルト。
イドゥンの物はフォールディングバンドが黄色の初期型で、
バックルの左プレート「ライダーインジケータ」にイドゥンの横顔が描かれている。
変身する際の待機音として、トランペットのファンファーレのような西洋風の音声が鳴るのが特徴。


劇中で描写されていないが、上記2つとも襲撃者がユグドラシルから盗んだものと思われる。


アップルリフレクター
リンゴを模した盾型アームズウェポン。
飾り切りしたリンゴを模した装甲「リフレクラスト」の分割構造により、衝撃を分散する。
また、中央部の「マルスサークル」の力で武器の能力を一時的に向上させる事も可能。
それ以外にも敵に叩き付けて攻撃する事も出来る。


ソードブリンガー
片手剣型アームズウェポンで、通常はアップルリフレクターの内部に収納されている。
刀身部の「ソードコア」の先端がエネルギーに覆われることで、切れ味が強化される。



☆必殺技


★斬撃(正式名称不明)


カモンッ!

リンゴ・スカッシュ!


カッティングブレードを1回倒すと発動。ソードブリンガーにエネルギーを纏わせて敵を切り裂く。



  • 仮面ライダー斬月 ウォーターメロンアームズ

貴虎が凌馬から渡された「PROTO-10」(スイカロックシードのコードが「L.S.-10」である事に対応しているのであろう)
のコードがなされたウォーターメロンロックシードと戦極ドライバーを用いて変身する斬月の新形態。
アームズウェポン・ウォーターメロンガトリングを用いて、ガトリングによる遠距離戦闘、
内蔵された剣と本体を盾として使用する事での近距離戦闘など、斬月・メロンアームズに比べて距離を選ばない広域な戦闘が出来る。
しかしガトリングが高威力な分、使用者の肉体に大きな負担をかける諸刃の剣のアームズである。
だが、今回の外伝内で出てきた他の試作品ロックシードに比べれば、まだ安全性に配慮がなされているロックシードである。
変身音は「乱れ玉! ババババン!


なお時系列上、貴虎は本作の時点ですでに斬月・真に切り替えていたが、
襲撃者にメロンエナジーロックシードを奪われて変身が不可能になってしまったため、本作で再び斬月に変身している(アームズは異なるが)。






以下、更なるネタバレ











「なぜあなたは呉島の人間なのです?」


「私はあなたを殺さなければならない!」






襲撃者の正体は朱月藤果。
彼女は呉島天樹が経営していた孤児院の出身で、そこではユグドラシルにとって有能な人材を育てる為の育成が行われていた。


適性ありとみなされた者は、ユグドラシルの仕事に就くことが出来る。ある者は指導者として、
ある者は研究者として、ある者は裏社会で暗躍する工作員として。
しかし、もちろん誰もがそうなれる筈もなく、適性無しとみなされ、切り捨てられた子供は人体実験にかけられ、
命を落とすかインベスに変貌してしまったのだ
(貴虎はこの事を知った後、「父さん……あなたという人は……!」と、
自分達に何も教えずに裏で残酷かつ非人道的な事をしていた天樹に対して怒りの言葉を吐いている)。


詰まる所、天樹はヘルヘイムに侵されており、その為に孤児院の子供達は揃いも揃って犠牲になってしまったのだ。


その為、彼女は自分を利用した呉島天樹、そしてユグドラシルを恨み、復讐の為に彼を殺害した
(彼女曰く「惨めな最期」だったらしい)。
そして次の段階として憎しみの元凶であるユグドラシルの関係者の襲撃を始めたのだった。
その後、彼女がいた孤児院を訪れて、人体実験の真実を知った貴虎の前に現れ、イドゥンに変身して彼をも手にかけようとする。
貴虎は「止めろ! もう止めてくれ!」と必死に説得するが、彼女は聞く耳を持たない。


「天樹様はいつも仰っていました。『腐った果実は取り除くべきだ』と」

「この世界にとっての『腐った果実』は、あなた達『呉島』だ!」


そんな彼女に貴虎はとうとう覚悟を決め、


「私は呉島の人間だ! 父と心を通わせることは遂に無かった」

「だがそれでも! 唯一正しいと思える教えがある」


と言い、冒頭の言葉を言う。


「たとえどれほどの罪を背負っても、人類を救ってみせる!」

「あなたの正しさは他人を追い詰める! いつかきっと、その報いを受けるでしょう!」


お互いの考えをぶつけ合い、貴虎も斬月・ウォーターメロンアームズに変身。彼女と死闘を繰り広げる。
剣術の腕自体では彼女と互角に渡り合っていたが、イドゥンのクラックを使ったトリッキーな戦術と、
ウォーターメロンアームズの扱い難さによって苦戦する。
そこで彼はクラックの開閉時は無防備になる点を利用し、ウォーターメロンガトリングで、クラックが開き彼女がそこから出てこようとする所を狙い撃ちし、上手く倒す事に成功。
その後貴虎は彼女が落としたメロンエナジーロックシードとゲネシスドライバーで斬月・真に切り替えて遂に彼女との戦いに決着をつけた。


戦いには勝ったものの、貴虎は彼女に止めを刺すことが出来ず、見逃してしまう。
再び孤児院に戻ってきた藤果。貴虎を「本当に甘い人」と言いつつも、
彼の持つ優しさに対してどうして彼が呉島の運命を背負わねばならないのかと嘆くが、突如彼女の体に異変が起き、苦しみだす。


「あーあ。やっぱりそうなっちゃうか」


そう、禁断のリンゴロックシードは、ヘルヘイムの力を(限定的ではあるが)操れる代わりに使用者の体を蝕んでいく恐ろしいロックシードだったのである。
しかもこのロックシードの動作試験では更にとんでもない事故が起きていた事が『デューク編』で明らかになり、それと同時に呉島天樹の黒い行動がまた一つ増えることにもなった。
「全部私のせいだ!ハッハッハッハッハ!!」



そしてそこに現れた凌馬によってその真実を告げられ、自分はロックシードのデータ回収の為に彼に泳がされていたのだという事を知る
(なおこの時の彼の発言から、後に本編に登場したヨモツヘグリロックシードもこの頃から存在していた事が判明した)。


「君のおかげだよ、朱月藤果君。せめて苦しまない様に眠らせてあげよう」

「礼はいらない。同じ施設の仲間じゃないか」

「貴方も……この施設で育てられた子供……!」


凌馬もまた、この施設の育ちだという事を知った後、
デュークに変身した彼に用済みと見なされ、今度こそ止めを刺され、始末されてしまう。


「天樹氏によろしく伝えておいてくれたまえ。それでは……」

「……さよなら」


死にゆく彼女が最期に放った言葉は、


「貴……虎……」


であった。呉島に恨みを抱きつつも、彼女は貴虎に愛情のような感情も持ち合わせていたのだった。


場所は変わって呉島邸、


「本当にこんなやり方でいいのか?」

「胸張って『正しい』って言えんのか!?」


ヘルヘイムの森で紘汰が放った言葉を思い出しながら、貴虎は光実に対して


「お前は身近な誰かが目の前に立ちはだかったとして、その人を倒す事が出来るか?」


と聞く。これに対し光実は


「多分……出来ると思う。大切なものの為なら、たとえ誰であっても覚悟を決めると思う」

「そうしなきゃ、何も守れない」


と答える。
納得した貴虎は、かつて藤果と共に不味いアップルパイを食べたテーブルへと目を向ける。


楽しかった、懐かしかったあの日々……。
しかし、彼女はもういない。


貴虎は彼女との思い出、紘汰の言葉、そして「人類を救済する」という自分自身の信念を心に感じながら、仕事に行く為に家を出るのであった。




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  • 本編でも外伝でもいいとこなしのシド -- 名無しさん (2020-05-23 19:28:57)
  • ミュージアムも真っ青の黒さ -- 名無しさん (2021-11-11 16:23:56)

#comment

*1 ただし僅かながら呉島天樹の存在が物語に影響している等、本作の存在を踏まえた設定とはなっている

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