都営地下鉄新宿線

ページ名:都営地下鉄新宿線

登録日:2010/04/28 Wed 22:33:52
更新日:2023/12/14 Thu 11:21:53NEW!
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都営地下鉄新宿線しんじゅくせんとは、東京都新宿区の新宿駅から千葉県市川市の本八幡駅をつなぐ、東京都交通局の地下鉄路線である。
『鉄道要覧』における路線名は「10号線新宿線」。
都営地下鉄の路線では唯一、開業時から一貫して正式名称で案内されている*1
路線記号は新宿の「S」(Shinjuku)、ラインカラーはリーフ(黄緑)。


●目次


概要

浅草線三田線に続く3番目の都営地下鉄の路線で、総距離・駅数は共に大江戸線・三田線に次ぐ第3位。
井の頭線を除く京王電鉄の各路線や都電、東急世田谷線と同じく1372mmのいわゆる馬車軌間が採用されており、日本の地下鉄では唯一である。
新宿を出発してひたすら東へ進み、日本武道館や浜町公園を抜け、隅田川・荒川・江戸川を越えて千葉県市川市まで進む。
そのため、都営地下鉄の中では唯一千葉県に乗り入れており、東京都交通局の駅では唯一、東京都外にも駅が設置されている。


1978年12月21日に岩本町~東大島間が開業。1980年3月16日に新宿~岩本町間、1983年12月23日に東大島~船堀間、1986年9月14日に船堀~篠崎間が順次開通し、1989年3月19日の篠崎~本八幡間開業をもって全線が開通した。
東京メトロ銀座線を除く全ての地下鉄路線と乗り換えが可能である*2


都営地下鉄では唯一都営フェスタ未開催の地下鉄路線でもある。
かつては新鎌ヶ谷駅まで延伸する計画があったが、少子高齢化で沿線の人口増が期待できず、約1400億円もの費用がかかる上に採算の見通しもなく、ただでさえ多額の赤字を抱える北総鉄道がさらに経営難に陥ることは明白だったため、2013年9月3日をもって頓挫した。
このルートには現在、大町駅・東松戸駅を結ぶ京成バスが運行されている。



車両基地

東京都交通局大島総合庁舎の地下に大島車両検修場が設置され、ここで列車検査・月検査ならびに重要部検査・全般検査、その他車両洗浄・車輪転削を行っており、新宿線の全車両が所属する。
地図上は東大島駅の真北に位置していて旧中川に隣接しているが、線路上は大島駅からつながっている。
地下に設置されている関係上、湿気対策として大型の換気装置が設置されている他、地上部の一部は大島小松川公園になっており、災害時には避難場所として利用できる。
車両基地を挟んだ南側には車両搬入口があり、新造車両はトレーラーで陸送してクレーンで地下へと搬入する他、廃車時においては逆に搬入口からクレーンで搬出されるか、京王電鉄の若葉台工場まで回送して解体される。
2009年4月以降、重要部検査・全般検査は京王重機整備に委託している。



運行形態

大半の列車が新宿から京王新線に直通し、さらに一部の列車は笹塚駅から京王線に乗り入れている。
特に京王新線とは事実上一体化した路線になっており、新宿線には新線に直通しない線内完結列車が多数設定されている。
しかし、新線には新宿線に直通しない京王線との発着列車はあっても新線内のみで完結する列車は存在せず、全列車が新宿線および京王線に直通することから、実質的に笹塚~本八幡間で1つの路線として機能していると言っても差し支えなく、ダイヤが乱れても直通運転が中止になることはない。


新宿線・京王新線の新宿駅は「新線新宿駅」とも表記され、京王線の新宿駅とはホームも距離も離れていることから旅客案内上は別の駅として扱われるが、あくまで同一駅であることから改札内でつながっており、京王線ホームの3番線笹塚方には新線新宿駅につながる連絡通路が設けられている。
さらには大江戸線の新宿駅とも改札を共用しているため、実質的にはこれら3路線で改札内連絡しており、どの改札から入出場することもでき、ホームの番号も連番になっている。


新線は新宿~笹塚間の複々線区間という位置づけになっていて、運賃計算上は同一区間を利用している扱いのため、新宿~笹塚間を含む定期券がある場合は京王線・新線のどちらに乗車しても問題なく、この区間のいずれの駅でも利用できる。


初台・幡ヶ谷の2駅は新線のみ存在する。
当初は京王線上にホームが設けられていたが、1978年10月31日の新線開通によって現在地に移転し、幡ヶ谷駅はその後1983年7月17日に地下化された*3


主に相模原線に直通して橋本発着で運行されるのが基本的な運行パターンで、朝夜の時間帯には京王多摩センター駅および高尾線に直通して高尾山口発着で運転される列車もある。


他社線と直通運転を行う地下鉄路線では、直通先で優等列車になる列車では地下鉄線内でもその種別で案内される場合が多いが*4、新宿線については他の路線とは違って地下鉄線内にも優等列車が設定されているからか、京王線内急行・区間急行・快速になる列車については新宿線内では原則各駅停車として運行されており、一部の急行を除いて新宿駅で種別変更するようになっている。
2013年2月22日のダイヤ改正までは、他の地下鉄路線と同様に京王線内の種別を新宿線内で案内していた。


平日朝の時間帯には各進行方向の先頭車両が女性専用車両になるが、方面によって設定が多少異なっている。
西行きは7:15~9:00に本八幡を発車する全列車の1号車が対象だが、京王線の女性専用車両は10号車であることから、東行きとは違って新宿線内のみの適用になっており、新宿に到着すると解除される。
東行きは7:30~9:30に新宿に到着する京王線内急行・区間急行の10号車が対象で、実施区間は京王線を含めた全区間だが、京王線内快速・各駅停車の列車は対象外である。



現在の運行種別

2022年8月10日をもって8両編成が引退したことで、現在は全ての列車が10両編成で運行されている。


  • 各駅停車

いずれも新宿を境に、西行きは各駅停車→急行・区間急行・快速、東行きは急行・区間急行・快速→各駅停車へと種別変更するが、急行については朝と夕方以降に限られており、主に区間急行と快速がメインになっている。
日中時間帯は基本的に相模原線に直通して橋本発着で運行され、朝と夕方以降の時間帯には京王多摩センターおよび高尾線に直通して高尾山口発着で運転される列車もある。
また、新線に直通しない線内折り返し運用もある他、新宿で種別変更せずに京王線も含めた全区間を各駅停車で運行される列車も一部設定されている。



  • 急行

1997年12月24日より運行を開始し、当初は新宿線内を平日の日中のみ運転していたが、2001年3月27日のダイヤ改正からは土休日でも運用が始まった。
地下鉄では珍しい優等列車で、東京の地下鉄では東西線に続く2例目であるが、あちらと違って全線で通過運転が行われており、地下区間にも待避可能な駅がある。


他の都営地下鉄と接続する駅を中心に停車するが、2駅以上連続で停車しないことから、新宿三丁目や九段下といった他社線接続駅も通過する。大江戸線開通後は森下が停車駅に追加された。
日中時間帯は基本的に笹塚~本八幡間の運行で、京王線直通は朝夜のみの運行になっており、区間急行や快速と同様に新宿で各駅停車と種別変更する。
土休日には大島発着で運行される列車もある他、朝の高尾山口・多摩動物公園行き1本ずつ・夕方の橋本発2本は種別変更せずに京王線内も急行で運転される数少ない列車になっている。
2023年3月18日のダイヤ改正からは日中時間帯の運行がなくなり、大幅に本数が削減された。



過去の主な種別

前述の通り、2013年2月のダイヤ改正をもって新宿駅で各駅停車と種別変更するようになり、新宿線内の種別としては廃止された。
いずれも新宿線内は各駅停車。


  • 急行(京王線)

特急に次ぐ速達列車で、特急が存在しない新宿線直通列車としては最上位種別に当たる。
日中時間帯は本八幡~笹塚発着で運行されている関係で、京王線直通は朝夜のみの運転になっており、区間急行や快速と同様に新宿駅で各駅停車と種別変更を行うが、前述の4本のみ新宿線・京王線ともに全区間急行で運転する。



  • 区間急行

2013年2月22日のダイヤ改正より登場し、通勤快速を置き換える形で設定され、終日運行されるようになった。
深夜の桜上水行き1本を除く全列車が相模原線と直通して運行されており、2020年10月30日のダイヤ改正までは平日の夕方以降のみ高尾山口発着列車があった。
調布以西は上りのみが運行されている。



  • 快速

区間急行と同様に、平日朝のつつじヶ丘発と土休日夜の調布行き1本ずつを除く全列車が相模原線と直通して運行されており、2020年10月30日のダイヤ改正までは平日夜のみ高尾山口発着・高幡不動発の列車があった。



  • 通勤快速

平日朝と深夜のみの運転で、停車駅は急行と同じ。
2013年2月22日のダイヤ改正より、区間急行に置き換えられる形で廃止された。



車両

当初は京王線の車両のみが両線を通して運行し、新宿線の車両は笹塚以東での運用に限られていて京王線に直通することはなかったが、現在は会社に関係なく全区間を運行している。


現行車両

自局車両

基本的に新宿線直通用なので特急には使用されず、笹塚~京王線新宿間には乗り入れないが、ダイヤが乱れた際は特急の運用に入ったり、京王線新宿駅に入線したりする場合もある。


  • 10-300いちまんさんびゃく
1・2次車(撮影:京王稲田堤駅)
3次車以降(撮影:京王稲田堤駅)

(どちらの画像もWikipedia出典)

JR東日本のE231系800番台をベースにした1・2次車と、E233系2000番台をベースにした3次車以降に分けられる。
外観こそJRの車両だが、増備途上で内外装をちまちまマイナーチェンジしていった点は先代の10-000形の血をしっかりと受け継いでいると言える。
1次車は8両編成、3次車以降は10両編成で製造されたが、1次車の一部は2010年6月1日以降、新造された2次車の中間車両2両を組み込んで随時10両編成化された。
8両編成のままだった1次車は全車10両化に伴い、2022年8月10日をもって全廃になったが、6次車で1次車を置き換えたことから、私鉄では珍しく同形式が同形式で置き換えられた



他社乗り入れ

運用の都合上、京王線に乗り入れない新宿線内折り返し運用にも充当される場合がある。


  • 京王9000系30番台

(出典:Wikipedia)

6000系30番台置き換え用に導入された9000系の都営新宿線直通仕様。
10両固定編成で、20編成200両が導入された。
行先・種別表示器がフルカラーLED式になり、UVカットグリーンガラスの採用でカーテンは省略された。
袖仕切りの形状も変更されている。



  • 京王5000系(2代目)

(出典:Wikipedia)

京王線初の有料座席指定列車「京王ライナー」での運用を目的に開発された車両だが、新宿線への乗り入れにも対応している。
座席がロングシートとクロスシートに切り替え可能なデュアルシート構造になっており、京王では初のクロスシート車両。
日中時間帯はロングシートにして一般列車としても使用されている。



過去の主な車両

  • 10-000いちまん

(出典:Wikipedia)

新宿線開業時から運転されていた車両で、試作車両と1・2次車は6両編成、3次車以降は8両編成で製造され、初期車両も後に8両化された。
落成当時は新宿線が未開業だった関係で、三田線で試運転が行われた。
試作車両は平面的な顔つきで、登場当初は先頭車両がダブルパンタという地下鉄車両らしからぬ見た目だった。
また、世界初となるマップ式の車内案内表示器や東京の地下鉄では初となる車両冷房装置やATO装置など、当時としては画期的な装備を多数搭載していたが、量産化改造の際に全て撤去された。このうち冷房のみ後年に再度搭載されている。
7次車までの量産車両は東急車両が提案したFRPの立体的な顔つきだが、8次車はアルナ工機製になっており、同時期に製造されていた東武30000系のような雰囲気に。
20年以上に渡って製造されており、試作車両から8次車まで存在することから、導入された時期によって上記の前面形状に加え、内外装や搭載機器など多種多様な違いがある。
10-300形の導入によって廃車が始まり、まだ車齢の低い編成は10-300R形への転用が行われたが、2018年2月11日を最後に全編成が引退した。
現在、第23編成の先頭車両が京王重機北野事業所で保管されている。



  • 10-300R形

(出典:Wikipedia)

10-300形の導入に際し、コストの軽減および経年の浅い10-000形を有効活用するため、先頭車両のみ新造した10-300形で中間車両は既存の10-000形で構成されているという、魔改造された異質の車両で、8両編成。
「R」は改修の意味のRepair、改造の意味のReconstructionの頭文字が由来だという。
10-300形4次車の登場により、デビューからわずか10年後の2015年より廃車が始まり、最後に残った編成は引退が間近に迫った2017年2月3日より前面・側面に引退記念ステッカーを貼りつけて運行され、2月14日をもって全編成が引退した。
都営地下鉄の車両では唯一、修繕工事を一切受けずに廃車になった形式である。
各種機器は10-000形のものを使用していることから、先頭車両が10-300形でも機器が違うために流用できなかったとか…。



  • 京王6000系30番台

(出典:Wikipedia)

新宿線への乗り入れ開始時から使用されていた車両で、京王初の20m級および4ドア車。
8両編成が基本だが、一部は2両編成を連結して8+2両で運行された。
9000系の増備により、2009年をもって新宿線から撤退し、京王線内でも2011年3月をもって引退した。



駅一覧

2018年以降、本八幡から西に向かってホームドアの設置が開始され、2019年8月10日の新宿三丁目稼働をもって全駅への設置が完了した。
一之江・瑞江・篠崎の3駅は、地下鉄単独駅としては珍しく駅ビルや駅前広場・バスロータリーが整備されており、地上駅の東大島や船堀も同様である。


大江戸線京王線JR山手線中央線快速中央・総武線各駅停車湘南新宿ライン埼京線小田急線乗り換え。
ご存じ世界一利用者数の多い大ターミナル。
起点駅にして京王新線との境界駅でもあり、多くの列車が直通運転を行っているが、地下5階の島式ホーム1面2線の構造になっており、初台方に引き上げ線と片渡り線がある点を除けば、ほぼ途中駅のような構造になっている。


新宿線の当駅終着列車は4番線に到着後、引き上げ線で折り返して5番線に始発として入線するが、新線の当駅発着列車は5番線に入線し、客扱い後は片渡り線を利用してそのまま初台方へ発車することから、引き上げ線および4番線には入らない。


新宿線としては起点駅であるが、京王電鉄と東京都交通局による共同使用駅になっており、駅の管理は京王が担当している関係で、駅構内の仕様はおおむね京王準拠である。
丸ノ内線の新宿駅・大江戸線の新宿西口駅・西武新宿線の西武新宿駅は距離が遠いので連絡運輸は行われていない。



  • S-02 新宿三丁目しんじゅくさんちょうめ

東京メトロ丸ノ内線副都心線乗り換え。
急行通過駅では九段下に次ぐ利用者数を誇り、終日混雑する。ホームは曲線部になっていて見通しが悪く、早朝以外は駅員がホームに常駐している。
伊勢丹や髙島屋などのデパートが立ち並ぶ商業地帯。LGBTQの聖地である二丁目の最寄り駅でもある他、地下通路で新宿駅や西武新宿駅ともつながっており、さらには都庁前駅を経て西新宿駅まで広がっている。
前述の通り、新宿駅では丸ノ内線と新宿線の連絡運輸を行っておらず、当駅での乗り換えが必要。
副都心線は新宿線のわずか11cm上を通っており、丸ノ内線とも30cmしか離れていない。


ちなみに同じ新宿間でも丸ノ内線は0.3kmと東京メトロ最短なのに対し、新宿線は0.8kmと倍以上離れている。
これは同じ当駅でも、丸ノ内線・副都心線の東京メトロ線同士は近距離(連絡通路は最短50m)の一方で新宿線とはやや離れていて、丸ノ内線の東端と新宿線の西端で交差していることと、丸ノ内線の新宿駅がJR線の真下にあるのに対して、新宿線の(新線)新宿駅はJR線よりも西側で小田急線や京王線の近くに位置していることが関係している。



  • S-03 曙橋あけぼのばし

1997年まではフジテレビ河田町本社の最寄り駅だったことから、「フジテレビ前」の副駅名や乗車位置に会社ロゴが使われていたり、駅アナウンスで「曙橋、曙橋、フジテレビ前です」と紹介されていたりした。



  • S-04 市ヶ谷いちがや

東京メトロ有楽町線南北線、JR中央・総武線各駅停車乗り換え。他路線では「市谷」と大文字表記である。
急行停車駅で、新宿線内では新宿・神保町・馬喰横山・九段下に次ぐ第5位の利用者数を誇り、全国でも非常に珍しい3社局全相互間の連絡改札口がある。
都庁前駅務管区市ヶ谷駅務区の所在駅で、神保町を除く新宿~岩本町間の各駅を管理している*5
大妻女子大学前」の副駅名を持つが*6、車内アナウンスや路線図においては使用されず、一部の駅名標の下に併記されるにとどまる。
法政大学や防衛省の最寄り駅で、駅付近には外濠があり、特に桜が満開になる4月の景観は美しいので、桜の名所として親しまれている。
本八幡方に片渡り線があるが、非常時の折り返し用なので営業運転では使用されない。



  • S-05 九段下くだんした

東京メトロ東西線半蔵門線乗り換え。
新宿線内では新宿・神保町・馬喰横山に次ぐ第4位の利用者数を誇り、急行通過駅としては最も多い。
乗り場の番号は他路線との連番になっており、新宿線は5・6番線である。


神保町間は東京都交通局が一括で建設したという歴史的経緯から半蔵門線とは同じフロアにあるが*7、実際には両路線の間に撤去可能な壁が設置されており(当時の東京都副知事だった猪瀬直樹氏曰く「バカの壁」)、乗り換えの不便さやホームの狭さの面で問題が生じていた。
当初は営団と都営地下鉄の一元化に際して撤去するとも言われていたが計画は頓挫し、都知事に就任した猪瀬氏の意向によって2013年3月15日をもって撤去され、改札も統合されたことで改札内乗り換えが可能になった。
これにより、新宿・京王線方面の5番線と半蔵門線の押上・東武スカイツリーライン方面の4番線が同一ホームになったことで対面乗り換えが可能になり、この関係上、地下4階の新宿線・半蔵門線ホームは実質的には2面2線の相対式ホーム(半蔵門線の渋谷・東急田園都市線方面と新宿線の大島・本八幡方面)が1面2線の島式ホームを挟む3面4線の構造になっている。


上記の経緯により、壁の撤去後も地下2階を通る東西線とは長らく改札外連絡だったが、改良工事を経て2020年3月14日からは3路線共通改札が設置され、改札内乗り換えが可能になった。
南北線と三田線が共用する目黒~白金高輪間を除けば、東京メトロと都営地下鉄の路線を改札内で乗り換えられる唯一の接続駅になっている*8
開業当初は路線ごとに個別の改札が7か所(東西線は3か所、半蔵門線と新宿線は2か所ずつ)存在していたが、2度の統合の末、現在は上記の新改札2か所と東西線の中野方にある1か所の計3か所まで削減されている。


二松学舎大学前」の副駅名を持つが、こちらも車内アナウンスや路線図では使用されない。
日本武道館・北の丸公園・靖国神社・専修大学神田キャンパス(法学部・商学部)の最寄り駅で、東京オリンピック・パラリンピックの開催を記念し、2021年7月16日~9月30日の期間限定で副名称「日本武道館」の副名称を駅構内の案内サインや車内アナウンスで使用した他、特別接近メロディとして『Make The Beat!』プロジェクトの「2020ビート」のアレンジが使用された。



  • S-06 神保町じんぼうちょう

三田線・東京メトロ半蔵門線乗り換え。
上記の通り、九段下間は半蔵門線と並走する形になっており、駅間距離は600mと非常に短く、ホーム端からは向こうの駅の明かりも見えるほど。
地下1階に中柱のある相対式ホーム2面2線を有する急行停車駅で、新宿線内では新宿に次ぐNo.2の利用者数を誇り、九段下と同じく乗り場の番号は連番で、新宿線は1・2番線である。
古本屋のメッカであり、明治大学駿河台キャンパスをはじめとする学校や出版社が集結しており、御茶ノ水方面にかけて日本最大の学生街が広がる。
専修大学前」の副駅名を持ち、九段下ともども最寄り駅でもあるが、やはり車内アナウンスや路線図では使用されていない。多少距離はあるものの、当駅から徒歩で日本武道館や靖国神社等に向かうことも可能であることから、急行に乗ったとしてもそれほど問題はない。
前述の通り、当駅は三田線と同じく日比谷駅務管区日比谷駅務区の管轄になっている。
ちなみに、初期は英語表記に長音符(マクロン)を使用していた(Jimbōchō)が、東京メトロは2006年頃より使わなくなり(Jimbochoへ変更)、都営地下鉄でも2010年頃に同様の表記に改めている。



  • S-07 小川町おがわまち

東京メトロ丸ノ内線(淡路町駅)・千代田線(新御茶ノ水駅)乗り換え。
連絡運輸は行っていないものの、御茶ノ水駅や神田駅も近くに位置している。
本八幡方にある改札のすぐ近くに淡路町駅の改札がある関係で丸ノ内線と間違える人が多かったことから、乗り場の番号は同駅との連番の3・4番線になっており、当駅に1・2番線は存在しない。
同駅とは隣接しているので乗り換えは容易だが、新御茶ノ水駅はやや離れた場所にあることから、構造上は両駅間の乗り換えには当駅を経由しければならず、かなり時間がかかる。
ちなみに、埼玉県のJR八高線東武東上線にも同名の駅があり、特に東武東上線については2019年3月16日のダイヤ改正以降、副都心線との直通運転区間が土休日のみ埼玉県の小川町駅まで延長されたことから、東京の地下鉄の路線図において2つの「小川町駅」が記載されることになった。
交通系ICカードでの履歴では区別のために「小川町」と表記される。



  • S-08 岩本町いわもとちょう

東京メトロ日比谷線、JR山手線・京浜東北線・総武線各駅停車、つくばエクスプレス(秋葉原駅)乗り換え。
開業当初の起点駅で、千代田区最東端の駅でもある。
秋葉原に近い駅。2015年2月以降は同駅の各路線とも連絡運輸を行っていて、日比谷線との乗継割引も適用される。
他路線のダイヤが乱れた際に裏ルートとして利用することもできるが*9、地下通路はないため、一度地上に出て移動する必要がある。
そして、2021年7月に秋葉原の副駅名を獲得した。


地下3階に島式ホーム2面3線を有し、2・3番線は線路を共用しており、急行を待避する各駅停車が多い。
新宿線の最終列車と初電は当駅発着になっており、笹塚0:16発の終電は当駅で夜間留置し、翌朝5:00の初電新宿行きになる。
ちなみに京王線との直通運転開始当初は当駅以東のホーム有効長が6両編成までだった関係で、8両編成以上の京王線の車両は1987年12月のホーム延伸によって大島に延長されるまで当駅で折り返していた。



  • S-09 馬喰横山ばくろよこやま

浅草線(東日本橋駅)、JR総武快速線(馬喰町駅)乗り換え。
2駅の中間に位置し、小川町と同じく当駅を含まない乗り換えは時間がかかる上に、浅草線とは同じ都営地下鉄の路線なのに改札外乗り換えになってしまう点に注意。
急行停車駅で、新宿線内では新宿・神保町に次ぐNo.3の利用者数を誇る。
馬喰駅務管区の所在駅で、馬喰駅務区として浜町~東大島間および浅草線の新橋~東日本橋間、本八幡駅務区として船堀~本八幡間を管理している。
周辺は日本有数の問屋街で、改札口の近くにある立ち食いそば屋「文殊」はかなりおいしいのでぜひ利用してほしい。



  • S-10 浜町はまちょう

中央区最東端の駅で、「明治座前」の副駅名を持ち、車内アナウンスやLCDで使用される。
急行停車駅の馬喰横山・森下に挟まれており、徒歩圏内に東日本橋駅・人形町駅・水天宮前駅が存在することもあってか、新宿線内では最も利用者数が少ない。
建設中の1976年には当駅付近でナウマンゾウの化石が発掘され、「浜町標本」と命名されたという。
浜町公園の最寄り駅。



  • S-11 森下もりした

大江戸線乗り換え。
ホームの番号は大江戸線との連番になっており、新宿線では1・2番線である。
土休日のみ豊洲駅や東京ビッグサイトを経由して日本科学未来館と発着する急行バスがあり、コミケ帰りに当駅を利用する人も少なくない。



  • S-12 菊川きくかわ

墨田区最南端の駅。



  • S-13 住吉すみよし

東京メトロ半蔵門線乗り換え。
猿江恩賜公園の最寄り駅で、新宿方には非常時に折り返しが可能な片渡り線がある。
当初は改札が地下1階にあったが、半蔵門線の開業後は乗り換えの利便性向上のためにホームと同じ地下2階に移転し、同時に地下1階の全体が改札外コンコースになった。
つまり、現在は改札が方面別になっており、さらに各ホームも完全に独立していることから一度改札に入ると反対側のホームには移れない構造になっているので、特に半蔵門線から乗り継ぐ場合は注意。
将来的には豊洲駅から有楽町線が当駅まで延伸する予定である。



  • S-14 西大島にしおおじま

「おおしま」ではなく「おおま」と読む。児嶋だよ!
全国には廃駅も含めて「おおしま」(一部は「おしま」)の名を含む駅が多数存在するが、「おおじま」と読むのは当駅を含めた新宿線の3駅のみである。



  • S-15 大島おおじま

岩本町と同じ構造になっており、急行停車駅では唯一待避が可能だが、実際のところは当駅発着列車の乗り換えや折り返し運転に使用されるケースが多い。
当初は当駅で急行の乗務員交代が行われていた。
大島車両検修場と通じる線路があり、新宿線の車両はもちろん京王線の車両もここで検査を受けたりする他、当駅発着の列車も一部設定されている。



  • S-16 東大島ひがしおおじま

開業当初の終点駅で、江東区最東端の駅でもある。
地下鉄としては珍しく高架駅であり、かつては試験的に霧吹き冷却装置が備えられていた。


特筆すべき点として、当駅は旧中川の橋梁上にあるという少し変わった駅である。ホームの中間に江東区と江戸川区の行政区分標がある珍しい駅でもあり、改札口も川の両側にある。
このような珍しい構造ゆえか、2000年には関東の駅百選に選ばれた。


  • S-17 船堀ふなぼり

急行停車駅で、新宿線の単独駅では最も利用者数が多い。
東大島ともども相対式ホーム2面2線の高架駅(2階)で、急行停車駅としては唯一である。



  • S-18 一之江いちのえ

当駅より再び地下区間になる。
建設中の仮称は「春江駅」だった。
当駅以西は駅シンボルマークが設置されており、当駅は鯉。



  • S-19 瑞江みずえ

地下2階に島式ホーム1面2線の他、外側に通過線が2本設置されており、岩本町や大島と同じく待避可能駅であるが、あちらとは違って2線有することから、上下線で同時に待避が可能な唯一の駅になっている。
建設中の仮称は「西瑞江駅」だった。
駅シンボルは桜。



  • S-20 篠崎しのざき

江戸川区はもとより東京23区、そして東京都最東端の駅。
地下2階の島式ホーム1面2線の構造で、かつては引き上げ線を有していたが、本八幡延伸により撤去された。
本八幡までの行政手続きの遅れから、開業当初は当駅が暫定的な終着駅になっており、本八幡方の構築を当初計画から変更し、両渡り線と引き上げ線を設置していたが、延伸後は引き上げ線が本線になり、両渡り線も撤去され、跡地の一部に保線用機器の留置線が設けられている。


毎年8月第1土曜日に開催される江戸川区花火大会の最寄り駅であり、開催時刻前後は安全確保のために北口と西口を閉鎖し、終了直後も入場規制が行われ、地上出口付近でも乗車券の販売を行っており、開始前に急行数本が当駅に臨時停車する他、終了後も臨時列車が運行される。
駅シンボルはクスノキ。



  • S-21 本八幡もとやわた

終点駅。JR総武線各駅停車、京成本線(京成八幡駅)乗り換え。
千葉県市川市に所在しており、前述の通り新宿線を含めた東京都交通局の駅としては唯一、東京都外に属する最東端の駅でもある。
開業当初はコンコースが未完成だったことから仮設駅として営業していたが、1991年9月より本設駅として開業した。
篠崎間の距離は2.8kmと、東京の地下鉄全13路線では最も長い*10
駅シンボルは市川市の木であるクロマツ。



表形式

●…停車
|…通過

駅番号駅名



接続路線待避設備
直通運転区間京王線笹塚および相模原線橋本、高尾線高尾山口まで
S-01(新線)新宿新宿駅のページを参照。
S-02新宿三丁目東京メトロ丸ノ内線・副都心線
S-03曙橋
S-04市ヶ谷東京メトロ有楽町線・南北線JR中央・総武線(各駅停車)
S-05九段下東京メトロ東西線半蔵門線
S-06神保町都営地下鉄三田線、東京メトロ半蔵門線
S-07小川町東京メトロ丸ノ内線(淡路町駅)・千代田線(新御茶ノ水駅)
S-08岩本町東京メトロ日比谷線(秋葉原駅)
JR山手線京浜東北線総武線(各駅停車)(秋葉原駅)
つくばエクスプレス(秋葉原駅)
S-09馬喰横山都営地下鉄浅草線(新日本橋駅)、JR総武快速線(馬喰町駅)
S-10浜町
S-11森下都営地下鉄大江戸線
S-12菊川
S-13住吉東京メトロ半蔵門線
S-14西大島
S-15大島
S-16東大島
S-17船堀
S-18一之江
S-19瑞江
S-20篠崎
S-21本八幡JR総武線(各駅停車)、京成線(京成八幡駅)


追記・修正は急行に乗ってからお願いします。



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  • 住吉までは、接続路線が多いので、人の出入りが多く、座席は空きやすい。 -- 名無しさん (2014-07-30 22:57:04)
  • 通学で本八幡から乗ってたな。急行は新宿まで30分くらいで行けたから便利。ただ朝のラッシュ時や夕方以降は各駅停車しか走らなくなるのよね… -- 名無しさん (2020-07-29 19:47:15)
  • 「新宿線の小川町方と半蔵門線の大手町方を九段下で乗り継ぐと不正乗車」と書いてありますが、神保町は改札がメトロと都営で完全に分かれている為、不正乗車にはならないのでは? -- 名無しさん (2023-01-05 20:51:42)
  • ↑神保町で乗り換えた方が早いのは確かですが… -- 名無しさん (2023-01-05 20:53:30)
  • ↑ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。 -- 名無しさん (2023-01-08 12:51:48)

#comment

*1 浅草線・三田線は1978年6月まで、大江戸線は2000年4月まで号線名称が案内で使用されていた。
*2 銀座線とは小川町~岩本町間で交差しており、付近に神田駅があるが連絡運輸は行われていない。
*3 初台駅は1964年6月7日の地下化に際して移転したため現在もホーム跡は残されており、保線資材置き場・資材搬入口・トンネルの緊急避難路・駅メンテナンス用の通路として使用されている。
*4 例えば、小田急線と直通運転を行っている千代田線は、小田急線に向かう代々木上原方面のA線では直通先の種別(急行・準急・各駅停車)で案内している。
*5 同駅は三田線と同じく日比谷駅務管区日比谷駅務区の管轄。
*6 2014年7月までは「法政大学前」
*7 神保町駅の部分は駅位置・高低差のずれのため、同時施工ではない。
*8 もっとも、運用面でほぼ一体になっているあちらとは違ってあくまでホームを共用するに過ぎないことから、4・5番線ホームは中央を境にサインシステムの仕様や改札設備・配置係員が異なる。
*9 都営地下鉄でも一時期秋葉原に近いとPRしていたこともある。
*10 日本地下鉄協会加盟路線としては東葉高速線の東海神~飯山満間の4.0kmが最長である。

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