東京メトロ日比谷線

ページ名:東京メトロ日比谷線

登録日:2017/08/02 Wed 21:31:41
更新日:2024/02/08 Thu 13:57:30NEW!
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東京メトロ日比谷線は、中目黒駅から北千住駅までを結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線である。鉄道要覧では「2号線日比谷線」。
路線のラインカラーはシルバー、路線記号はHである。


(出典:Wikipedia)


概要

都内北東部の北千住駅から、途中銀座を中心として上野・秋葉原・築地・霞ヶ関・六本木を経由して西南の中目黒駅まで結ぶ。
北千住から南千住の間で隅田川を渡るため、地上を高架で走り抜ける。ほとんどの区間で開削工法*1を採用し、急カーブが多い。基本的に用地買収が必要のない道路の下を通っているものの、カーブのために道路から大きくはみ出す区間もある。
急カーブが多くなったのは、1964年の東京オリンピックに開通を間に合わせるため突貫工事で建設されたから*2


北千住で東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)、中目黒で東急東横線と接続している。スカイツリーラインとは相互直通運転を実施しており、東武動物公園からさらに東武日光線の南栗橋まで乗り入れる。
建設当時の計画では東武からの直通列車は6両編成、東急からの直通列車は8両編成で足りると見ていた。これは東武沿線の開発が進んでおらず、利用者がそんなに増えないと推測されたためで、中目黒から八丁堀までは18m8両編成(20m車換算で7両)対応、八丁堀から北千住までは18m6両編成(20m車換算5両)対応で建設され、八丁堀駅には8両編成の列車が中目黒方面へ折り返せるように引き上げ線が設置された*3
しかし、日比谷線との直通運転開始で東武線の利便性が格段に上がると、沿線の宅地開発が急速に進み、利用者も急増。建設途中から8両対応に変更された。


建設工事中、地下変電所用の変圧器を載せた国鉄の貨車が日比谷線内を電車に牽引されて走ったことがある。地下に変電所があるなら地下の線路から入れてしまえ!というのは理屈としては分かるが、このような面白おかしいイレギュラーな事例は後にも先にもこの時だけである。


車両基地

南千住駅が最寄りの千住検車区と、東武スカイツリーライン竹ノ塚駅が最寄りの千住検車区竹ノ塚分室の2箇所を持つ。当初は千住検車区だけで賄っていたが、輸送量が増大して車両数が増えると千住だけでは車両を収容しきれなくなった。
当初は千住を立体車庫にする計画も立ったが、千住検車区が位置する場所は隅田川沿いで地盤が悪く、地盤改良工事で相当な費用を要することから断念され、東武鉄道から竹ノ塚電車区を譲り受ける形で地下鉄の車両基地とした*4


収容能力

  • 千住検車区:8両編成15本
  • 竹ノ塚分室:8両編成19本

以上は18m級の車両での留置能力であり、20m級の車両だと留置両数が減少する*5


2箇所の車両基地だけでは全車両を収容しきれない*6ため、広尾駅と六本木駅の間にある留置線や東武の南栗橋車両管区春日部支所などでも夜間留置を行う。


運行形態

ラッシュ時は2分間隔、日中でも5分間隔で列車がやってくるため利便性は高い。
大半の列車が中目黒~北千住・東武線内を通しで走るが、車両基地のある南千住発着、留置線のある霞ヶ関・六本木止まり、広尾止まりの列車も設定されている。


東武線への直通列車は日中であれば1時間に4本が東武動物公園行、2本が南栗橋発着で運転され、同じく日中は草加とせんげん台で急行に接続し、南栗橋発着列車は東武動物公園で久喜発着の急行とも連絡する。


2013年3月までは東急東横線への直通運転も実施しており最長菊名駅まで乗り入れていたが、東横線が副都心線との直通運転を開始したことに伴い廃止された。
なお、東急・メトロ・東武と3社すべてを直通する列車はなかった*7が、1日で東武・メトロ・東急の全てを制覇する運用は存在した。
東急との直通運転終了後も中目黒駅の渡り線は残されており、東急田園都市線沿線にある鷺沼検車区での定期検査実施時に使用されている*8


2020年6月6日より東武スカイツリーラインに直通する「THライナー」が運行を開始した。
上りは久喜~恵比寿間で運転し、上野~銀座間は降車のみ可能。下りは霞ヶ関~久喜間で運転し、霞ヶ関~上野間は乗車のみ可能。
日比谷線内の停車駅は広尾・六本木・神谷町・虎ノ門ヒルズ・霞ヶ関・銀座・茅場町・秋葉原・上野となっている。



車両

建設当時、東武は本線系統は既に20m車が主流となっていたが、東急は18m級車両を採用していた。このため東武は20m級車両の採用を主張。一方、地下鉄サイドはカーブを厳しくすることで用地買収が容易になる18m級車両の採用を主張し、3社による協議の末に18m級車両が採用された。ちなみに東急電鉄は20mでも18mでも構わなかったそうだ。
その後、輸送量増大によって東急も20m車両を採用したため、日比谷線直通車だけが東横線では18m級で残った。


なお、日比谷線は急カーブが多く、長年20m級車両の走行はできないとされていた。しかし、試運転ではあるものの20m級の5000系(東西線・千代田線用の車両)が走行した実績があった。
その後の東京メトロの調査で、一部の信号・標識の移設工事を行えばトンネルに大きく手を入れずに20m級車両の走行は可能であると結論付けられ、2017年より20m級の車両が運行を開始し、2020年3月末に全車両が20m4ドア車となった。


現行車両

  • 13000系

老朽化した03系の置き換えと日比谷線へのホームドア導入および、将来のATO自動運転に対応するために導入された日比谷線初の20m級の4ドア車。
正式な運用開始は2017年3月だが、2016年12月にクリスマスプレゼント名義で3日間だけ線内運用で先行デビューをしている。
編成両数が03系より1両短いが、全長で見た場合、差はたったの4m
制作コストを抑えるために次述の東武70000系とは基本設計を共通化しており、両形式とも全車近畿車輛が一括で製造を担当している。


  • 東武70000系

20000系列の置き換えを目的として2017年より登場。
前述した13000系とは基本設計を共通化しており、シルバー基調の13000系とは異なり赤基調の塗装がなされている。
THライナー仕様車は70090型と区別され、東上線の「TJライナー」と同じようにロングシート/クロスシートに切り替え可能。こちらはライナー以外の普通列車にも使用される。


過去の車両

  • 03系

車両冷房化および老朽化した3000系の置き換え用として1988年に登場。
全車8両編成で、一部の編成はラッシュ対策として先頭2両ずつを5ドアとした車両も存在した。
2020年2月に全車両が引退し、一部は長野電鉄・上毛電気鉄道・熊本電鉄・北陸鉄道へ譲渡された。


  • 3000系

日比谷線開通に際して投入された車両。ステンレス製の車体で、愛称はマッコウクジラ
開始当初は2両編成で運行を開始し、中間車を増結して8両編成となった。
日本の鉄道車両では初めてATCを装備した電車で、ATOも試験的に搭載した編成があった。
起動加速度は毎秒4.0km/hであり、関東の通勤電車としてはナンバーワンの高さを誇った。
編成毎に装備している直通用のATSが異なっており、運用は厳密に分けられていた。
廃車後、一部の車両が長野電鉄へ譲渡され、機器類が日本各地の地方私鉄へ譲渡された。
長電へ譲渡された車両の中にはトップナンバーの3001・3002が含まれており、これらは長電での活躍を終えた後東京へ里帰りしている。


  • 東武20000系

車両冷房化および老朽化した2000系の置き換え用として、03系と同じ1988年に登場。
初期のチョッパ車が20000型、03系と同じく先頭2両ずつを5ドアとした20050型、先頭2両を3ドアに戻した20070型の3種類に大別される。
70000系導入に伴い置き換えが開始され、2020年3月に全編成が引退。これにより日比谷線から18m級車両が消滅した。
置き換え後はワンマン改造を実施して20400型として閑散線区へ転用されたほか、アルピコ交通に譲渡された車両も存在する。
なお、伊予鉄道の自社発注車610型は車体が同一で、一時期20000系の発注ミスで余った車体が流用されたという噂が流れたことも。


  • 東武2000系

日比谷線への直通運転開始に備えて投入された車両。
東武初の高性能車で、東武の鋼製通勤車では最後までセイジクリームの塗装が残された。
後継の20000系に置き換えられて1993年に全廃。
経年の浅い中間車に関しては一部先頭車への改造を行い、2080系と新規に形式を付与して野田線へ転用し、新塗装化も実施したが、無理な改造が祟ったのか、本家より早く1992年に全廃された。
登場から廃車まで非冷房であり、2080系への改造後もこれは変わらなかった。


  • 東急7000系(初代)

日本初のオールステンレスカー。米国バッド社からの技術提供を受け、東急車輛で製造された。
日比谷線直通のみならず、田園都市線二子玉川~渋谷間(旧新玉川線)を除く鉄道線各線で運用され、日比谷線直通には1991年まで使用された。
一部の編成は機器類がVVVF化され、7700系として2018年まで活躍。
1両18mと地方私鉄にとって手頃な寸法であることから、ほとんどが地方私鉄へ譲渡され一部は現在も活躍している。


  • 東急1000系

車両冷房化を目的として、7000系の後継に導入された。
製造時期の近い9000系をベースにしており、車体長や細かい部分を除けばほぼ9000まんまの車両である。
東横線からは日比谷線との直通廃止により撤退したものの、東急多摩川線池上線では現役であり、7000系と同じく地方私鉄に譲渡された車両も多い。


【駅一覧】

○中目黒(H-01)
東急東横線乗り換え。駅の管轄は東急電鉄が行なっている。
ホームは地上にあり、中目黒発車後すぐに地下へ潜る。中目黒へ到着した電車は降車扱い終了後、ホームの横浜方にある引き上げ線に入って折り返す。
駅の名前の通り目黒区の中心に近い位置にあり、目黒区役所や目黒警察署はこの近くにある。


○恵比寿(H-02)
JR山手線埼京線湘南新宿ライン乗り換え。
恵比寿ガーデンプレイスがある他、最近は街自体も発展傾向にある。


○広尾(H-03)
隣の六本木駅との間には地下留置線が存在し、当駅発着列車が設定されている。
駅の周囲は大使館や公園が多い。都立中央図書館最寄り駅。


○六本木(H-04)
都営大江戸線乗り換え。
隣の広尾駅との間に地下留置線が存在し、朝のラッシュ時に北千住方面からの六本木行が設定されている。
六本木ヒルズやテレビ朝日の最寄りでもある。


○神谷町(H-05)
改札外コンコースから地上へ通じるエレベータは終日動いていないので注意。
こちらも各国大使館が多い他、東京タワーが意外と近い。


○虎ノ門ヒルズ(H-06)
2020年6月ダイヤ改正で開業した新駅。
周辺再開発事業で虎ノ門ヒルズステーションタワーと直結するためこの駅名が採用された。
ただし開業時点で駅施設は完全に完成はしておらず、竣工時期は未定。
銀座線の虎ノ門駅との乗換が可能だが、連絡通路は約435mで所要時間は徒歩7分。
供用開始に合わせて駅ナンバリングは当駅がH-06となり、これに伴って霞ヶ関駅以降の番号が1つずつ繰り上げられた。


○霞ケ関(H-07)
丸ノ内線千代田線乗り換え。両線とは改札内乗り換えが可能。
朝ラッシュ時には北千住方面からこの駅終点の列車が設定されている。
駅周辺は中央省庁などの関連施設が集まっている。


○日比谷(H-08)
千代田線・都営三田線有楽町線、JR山手線京浜東北線(有楽町駅)乗り換え。
銀座・東銀座・大手町・東京の各駅とは改札外地下通路を通じてつながっている。


○銀座(H-09)
銀座線・丸ノ内線・有楽町線(銀座一丁目駅)乗り換え。副駅名は三越・松屋前、または松屋・三越前
繁華街である銀座の街が広がり、有楽町・八重洲などのビジネス街も徒歩圏内にある。
有楽町線の銀座一丁目駅は日比谷線はU字型の駅構造の底の部分に当たるため、下手したら東銀座駅の浅草線ホームの方が近い


○東銀座(H-10)
都営浅草線乗り換え。
浅草線と日比谷線でホーム番号が通番になっている珍しい駅。
歌舞伎劇場「歌舞伎座」の最寄り駅であり、日比谷線の改札口と直結している。


○築地(H-11)
有楽町線(新富町駅)乗り換え。副駅名は本願寺前
副駅名から分かるように築地本願寺の最寄り駅であり、朝日新聞東京本社や築地場外市場・聖路加国際病院などもこの駅が最寄り。
有楽町線とは2018年3月17日より正式に乗換駅となった。


○八丁堀(H-12)
JR京葉線乗り換え。
新大橋通りの真下に駅がある。茅場町寄りに引き上げ線があり、1日1本この駅始発の中目黒行が使用する。


○茅場町(H-13)
東西線乗り換え。
日本橋兜町に近く、東京証券取引所はこの駅が最寄り。地下鉄日本橋駅まで連絡通路が延びている。


○人形町(H-14)
都営浅草線、半蔵門線(水天宮前駅)乗り換え。
東銀座駅と同じく、浅草線と日比谷線でホーム番号が通番になっている。
かつては水天宮前駅とは乗換駅ではなかったが、距離は徒歩5分程度で移動可能と非常に近く、2018年3月17日より乗換駅となった。


○小伝馬町(H-15)
この駅の下を総武快速線が通過しているが、総武線側に駅はない。


○秋葉原(H-16)
JR山手線・京浜東北線・総武線各駅停車つくばエクスプレス都営新宿線(岩本町駅)乗り換え。
御存知、趣都秋葉原の最寄り駅。ただし、アニメイトメロンブックス・ゲーマーズなどがある電気街とはJRを挟んで反対側の昭和通りに駅がある。昭和通り側にあるヨドバシカメラAKIBAには近い。
日比谷線では初となる発車メロディが導入されており、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が採用されている。


○仲御徒町(H-17)
銀座線(上野広小路駅)、都営大江戸線(上野御徒町駅)、JR山手線・京浜東北線(御徒町駅)乗り換え。
北千住側に非常用渡り線が設置されている。四大寄席の一つである鈴本演芸場およびそこに出られない芸人向けのお江戸上野広小路亭最寄り駅。


○上野(H-18)
銀座線、東北上越秋田山形北陸北海道新幹線、山手線・京浜東北線・宇都宮線高崎線常磐線上野東京ライン京成本線(京成上野駅)乗り換え。
御存知東京の北の玄関口。銀座線と日比谷線はホーム番号がなぜか通番になっていない。


○入谷(H-19)
恐れ入谷の鬼子母神で有名な真源寺が近くにある。
1964年の東京オリンピックに間に合うように急ピッチで駅を建設した結果、列車進入時の空気の流れを考慮しないで設計したために、列車進入時に階段付近は強風が吹き荒れる。


○三ノ輪(H-20)
都電荒川線(東京さくらトラム)(三ノ輪橋停留場)乗り換え。
南千住側はトンネルの出口がすぐ近くにあり、ホームの気温は外気温とそこまで差がない。


○南千住(H-21)
JR常磐線、つくばエクスプレス線乗り換え。ただし、連絡運輸はこの駅接続では行なっていない。
千住検車区最寄り駅であり、この駅発着の列車も存在する。
地上駅となっており、同駅に乗り入れる3路線の中で一番高い位置にホームがある。


北千住(H-22)
千代田線、東武スカイツリーライン、JR常磐線、つくばエクスプレス乗り換え。日比谷線ホームの管轄は東武鉄道が行なっている。
3階の専用ホームに発着し、1階の東武線(半蔵門線直通含む)ホームとは区別されている。千代田線への乗り換えはかなり高低差がある。
日比谷線ホームの構造は2面3線で、当駅止まりおよび東武直通列車が入る5番線、当駅始発列車用の6番線、東武線からの直通列車が入る7番線に分かれている。



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  • 入谷駅はあのオンボロ具合なのに最近? と思ったら東京オリンピックは昔の方か。焦ったぜ。 -- 名無しさん (2017-08-03 21:34:41)
  • めっちゃ時間かかるイメージ。遠回りのルートで駅間も短め。 -- 名無しさん (2018-04-24 03:49:24)
  • 虎ノ門ヒルズ駅と虎ノ門駅の連絡路、もはや一駅間レベルの距離じゃん…。 -- 名無しさん (2018-12-22 20:30:37)
  • 茅場町のくささは異常 -- 名無しさん (2023-02-28 21:55:39)

#comment

*1 地上から重機で穴を掘ってトンネル躯体を構築し、躯体完成後に埋め戻すもの。
*2 日比谷線と同時期に建設されていた都営浅草線は、最初の区間こそ1960年に開業したが、その後予定していた区間の建設工事がオリンピックに間に合わず、オリンピック開催期間中は工事を休止していた。
*3 この引き上げ線は現在も1日1本八丁堀発中目黒行の電車が使用している。ただし長時間の待機を伴う使用ではなく、平日は北千住から、土日休日は中目黒から回送してくる。
*4 竹ノ塚の車庫を東武鉄道が手放したのは、春日部に竹ノ塚よりも規模の大きい車両基地を新規に建設し、余剰となったからである。
*5 留置できる本数は変わらない。
*6 13000系は44本が在籍。さらに夜間には東武鉄道の車両も入庫する。
*7 東急車は東武に乗り入れ不可、東武車は東急に乗り入れ不可、メトロ車は両方に乗り入れ可能。ただし3000系は東武線直通対応車、東急直通対応車、2社直通対応車の3種類が混在していた。
*8 回送ルートは中目黒→東横線→目黒線→大井町線→田園都市線。

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