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統合戦略2 月次小隊1
[ワルファリン]つまり、一般的に妾たちブラッドブルードは、親密な関係にある者にだけ烙印を押す。
[ワルファリン]印章自体が他人の手にあるということは、殺されたか、そやつに命を託すほどの仲であるという意味なのだ、わかったか?
[ヴィグナ]えーっとつまり……
[マドロック]理解した。
[ヴィグナ]えっ?
[マドロック]沃土を贈ることと、堅石を捧げることとは、違う。
[ワルファリン]土石の子らはそのようにして親しい者をもてなすのか。ふむ、勉強になったな。
[ヴィグナ]んん?
[ヴィグナ]いや、えーっと……あなたたちは何の話をしているんですか?
[マドロック]ヴィグナさん。あなたは友人にどんな贈り物をする?
[ヴィグナ]あたしは……
[ヴィグナ]あたしなら、ギターで一曲弾いてあげると思います。
[ヴィグナ]ちょうどいい。お昼休みもまだ残ってますし、気分転換にちょっと弾いてみますね。
[ヴィグナ](ギターの音)
[ヴィグナ]さっき聞きそびれたんですが、どうしてブラッドブルードの人たちは親友の体にハンコを押すんです?
[ワルファリン]ハンコを押すとは随分と俗っぽい言い方だな、烙印と言ってくれ。
[ヴィグナ]あ、はい……その烙印にはどういう効果があるんですか?
[ワルファリン]ブラッドブルードにはそれぞれ、自分の好む匂いの中でも特に敏感なものがあってな。烙印はその匂いを永久的に残せる。つまり烙印を押せば、その者が数キロ先にいようと妾たちは嗅ぎ取れるのだ。
[ワルファリン]そして他のブラッドブルードに「この者は妾の庇護を受けている」といったメッセージを伝える役割もある。
[マドロック]あなたもそういう方法で友情を表現するのか、ブラッドブルード?
[ワルファリン]いいや、今もそんなやり方で友情を表すのは、頑固で古臭い年寄りだけだ。妾は誠実であるからな。
[ワルファリン]友情などというものは、心の内にとどめておけばよいだろうに……なぜこんな奇妙な方法を用いる必要があるのだ。
[ヴィグナ]こういうことに関してワルファリン先生に常識があったなんて。
[ワルファリン]もちろん、そなたらが免責事項にサインをして妾の実験に参加してくれるというのであれば、妾は断りなどせぬが。
[マドロック]ブラッドブルード、私は帰って沃土の世話をしなくてはならない。
[ヴィグナ]あたしもリハーサルしなきゃ……マドロックさん、行きましょう。
[ワルファリン]ま、待たぬか! サインはせずとも実験には参加してよいのだぞ、行くな!
[マドロック]あなたはまだ自分の印章を取ってあるのか、ブラッドブルード?
[ワルファリン]あるぞ、常に身につけておる。
[ヴィグナ]じゃあそれって、いわゆるその年寄りたちと一緒じゃないですか。
[ワルファリン]何を言っておるのだサルカズの小童。それは今、書類に押すハンコとして使用しておるわ。
[ヴィグナ]つまりすべての書類に──
[マドロック]──ブラッドブルードの好きな匂いが?
[ワルファリン]朱肉の匂いしかせぬわ!
[ヴィグナ]信じられません、嗅がせてください。
[ワルファリン]ほれ、嗅ぎたければ嗅ぐがよい。
[ヴィグナ]結構いい匂いがしますね。
[ヴィグナ](腕にハンコを押す音)
[ワルファリン]ヴィグナ、何をしておる。印章はそのように使うものではないぞ!
[ヴィグナ]どうぞ、マドロックさん。
[マドロック](腕にハンコを押す音)
[マドロック]感謝する、ブラッドブルード。
[ワルファリン]はぁ……
[ワルファリン]そなたら……自分で自分に烙印を押す奴がどこにおる。
[ヴィグナ]あたしたちは友人じゃないんですか?
[マドロック]そうだ、私たちは友人だろう。
[ワルファリン]......
[ワルファリン]わかった、好きにせい。
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