このページでは、ストーリー上のネタバレを扱っています。 各ストーリー情報を検索で探せるように作成したページなので、理解した上でご利用ください。 著作権者からの削除要請があった場合、このページは速やかに削除されます。 |
統合戦略2 エンディング3
舞台が幕を開けた。
「劇団の喉舌」が舞台上で倒れた。
手板に括られていた糸が、蜘蛛の巣のようにびっしりと舞台上に広がる。
彼はそれで古城のからくりを、そしてあの邪悪な人形たちを操っていたのだ。
しかし今、この元劇団員が事切れたことで、すべてが終わった。
ファントムが安堵のため息をつく。
クリムゾン劇団に支配されていた彼の半生も、ついに再びその呪縛から解き放たれたのだ。
「茶番劇の幕は閉じた。平穏な暮らしに戻ろう。」
ファントムはそう思う。
しかし……
照明はきらめき、緞帳が開く。
舞台がまだ何かを待っている。
彼は知らず知らずのうちに、劇団の喉舌の椅子を引き寄せ、舞台の中央に置いた。
彼は座り、考え、沈黙する。
「歌え、歌え。」
かすかな声が彼の頭の中で響き渡る。
「自分自身のために。」
......
ファントムの口から一つの音が流れ出た。
一つ、また一つ──
それらが繋がって単語に、そしてフレーズに変わる。
もはや舞台から静寂は失せ、高らかに主演が歌う。
その抑揚のある旋律を聴き、影の中からほんのかすかな声がこだました。
それらは呼応し、歌っている。
倒れていた司会者も起き上がり、糸の連なる手板を捨てると、舞台上での自分の立ち位置へと向かった。
[「劇団の喉舌」]……役者はそろいました。
[「劇団の喉舌」]……私も、責務を果たす時です。
......
シャレムはその声を聞いた。ファントムを見つけさえすれば、彼の任務は完了となる。
彼は扉を開けた。
[「劇団の喉舌」]おぉ、最初のお客様です。
[シャレム]これは、いったい……
[「劇団の喉舌」]二人の迷い子がようやく今、劇団の元に戻ってきました。
[「劇団の喉舌」]なんとも喜ばしい。
[「劇団の喉舌」]それでは、ここに宣言いたします……
[「劇団の喉舌」]舞台の幕開けです。
シャレムの目に映ったのは、舞台上に次々と浮かび上がる、かつての悪夢──
鞭を高く掲げる御者。
誇らしげに立っている司会者。
道具を調整している道具係。
人使いの荒い照明係。
包丁を研ぐ料理長。
黙して語らない管理人。
筆を走らせる劇作家。
さまよえる「シャドウ」。
冷たく光る「ブレイドダンス」。
微笑む「ズルカマラ」。
シャレムをじっと見つめる劇団長。
すべての劇団員が舞台の影で、赤く目を光らせている。
ただ一人、スポットライトに照らされているのは――「クリムゾンソリティア」ルシアン。
彼は軽く咳払いをした。
今まさに彼が──
歌い出す。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧