aklib_story_ある落書き

ページ名:aklib_story_ある落書き

このページでは、ストーリー上のネタバレを扱っています。

各ストーリー情報を検索で探せるように作成したページなので、理解した上でご利用ください。

著作権者からの削除要請があった場合、このページは速やかに削除されます。

ある落書き

Lancet-2に問題が起きた。解決の過程で、白いボディの彼女はちょっとした落書きを得た。あるいは友情も。


a.m. 05:30 天気/曇天

[Lancet-2] こんばんは、ドクター様。

[Lancet-2] もちろん厳密に言えば、今はもう夜ではありませんが。

[Lancet-2] お疲れのご様子ですね。モニタリングしたデータによりますと、ドクター様が前回のノンレム睡眠を終えてから20時間以上が経過しています。当然、居眠りは計算に含まれておりません。

[ドクター選択肢1] 仕方ない、処理しなければならない書類がたくさんあるんだ。

[ドクター選択肢2] ……眠い。

[ドクター選択肢3] ロドスのドクターだから……!

[Lancet-2] ドクター様のお仕事は非常に重要です。しかしながら、いつもの言葉を繰り返させていただきます。仕事で最大のパフォーマンスを発揮するには、適度な休息も必要ですよ。

[Lancet-2] 医療部の皆様も同様の見解をお持ちです。だからこそ、いつも私にドクター様のアテンドをさせているのです。それに……

[Lancet-2] うう……実際のところ、ドクター様の健康状態をモニタリングする以外、私にできることもほとんどありませんしね。

[ドクター選択肢1] 自分は健康だ。

[ドクター選択肢2] …………

[ドクター選択肢3] ……お疲れ様。

[Lancet-2] ところでドクター様。見えていますからね……机の奥の方に置いてあるカップ。

[Lancet-2] 書類で隠そうとしても無駄です。確かにクロージャ様は、私に嗅覚モジュールを搭載しませんでした。けれど、私が画像解析を誤ることは滅多にありません。

[Lancet-2] まだカップから湯気が出ているということは……ドクター様、また隠れておかわりをしましたね?

[Lancet-2] 15分前の時点で、すでに4杯目でしたよね?

[Lancet-2] 適量のカフェインを、適時に摂取することはメリットがあります。しかし現在が早朝であることを考慮しますと——なるべくコーヒーを飲むの……

[ドクター選択肢1] ……ん?

[Lancet-2] 最新のスキャン結果では、ドクター様の心拍数および血中のアドレナリン濃度のいずれも、正常値より高い数値が出ています。

[Lancet-2] ですので……これ以上コーヒーを飲むの……

[Lancet-2] あれ? 私はどうしたのでしょうか……これが普段、皆様が仰っている「噛む」というものでしょうか? ロボットも噛むのですね……

[Lancet-2] ……とにかく、ドクター様はもっと健康に注意を払ってください。でないとまた医療部の皆様にお説教されてしまいますよ。ですからコーヒーはもう……飲むの……

[Lancet-2] ......

[Lancet-2] 飲むの……! ああ! 飲んで……!! 飲むの……!

[Lancet-2] ううっ……

[Lancet-2] どうしましょう、なぜこんなことに? ドクター様……コーヒーを飲むの……

[ドクター選択肢1] わかった。ちょうど飲むつもりだった。

[ドクター選択肢2] …………

[ドクター選択肢3] 論理が破綻してないか?

[Lancet-2] 一体どこに問題が生じているのでしょう……? ドクター様を諌めるつもりだったのですが……思った通りに話すことができません。

[Lancet-2] 論理的思考モジュールの不具合? それとも言語プログラムモジュールが……?

[Lancet-2] ううっ……私は壊れてしまったみたいです……ドクター様のアテンドすらできなくなったポンコツです……

[エンジニア] おう、ドクターか、早いな。

[エンジニア] 今週三度目になる早番を嘆いてたところだったが……ドクターが元気なところを見て、俺も眠気が吹き飛んだよ。

[エンジニア] 何か俺に手伝えることはないか?

[ドクター選択肢1] Lancet-2に問題が生じたみたいだ。

[エンジニア] ん?

[Lancet-2] うう……私の言語モジュールが故障してしまいました。

[エンジニア] ええっ、マジか? そりゃ珍しいな。

[エンジニア] 昨日だったか? 一昨日だっけ? 週一の定期メンテナンスに来てたろ。

[エンジニア] あの時は正常だったじゃないか。しかもよ、お前に関しては、一から十までクロージャさんが手を掛けてるだろ。

[エンジニア] どうして急に問題が発生したんだ?

[Lancet-2] 私にもわかりません……私と同じタイプのプラットフォームは、通常ならば10年以上は問題なく運用できると聞いています。

[Lancet-2] 私はまだ2年3ヶ月と05日しか経っていません。それなのにもう不具合が起きるなんて。うう……

[エンジニア] うーん……そんなに心配しなくていいんじゃないか?

[エンジニア] 実際よ、俺たちが過労で引退するようなことがあったとしても、お前さんは元気いっぱいに動き続けられるはずだろうしな。

[Lancet-2] 慰めてくれてありがとうございます、親切心で言ってくれているのはわかりますが……

[ドクター選択肢1] ……やっぱり早く診てもらった方がいいんじゃないか?

[エンジニア] 俺の腕じゃ、クロージャさんには全然及ばないが見るだけみてみるか……。

[エンジニア] ……ってこれ、めっちゃ単純じゃねぇか! ミュートモジュールが背中に付けられてるだけだぞ? それもこんなに雑に……角度もひん曲がってるし。

[Lancet-2] ミュートモジュール? そのようなパーツは初めて聞きました。

[エンジニア] あぁ、存在を知ってるのはエンジニア部の古株だけだよ。大昔のことだからな。クロージャさんが、お前たちをカスタマイズした時に……あー、言語モジュールのデータベースに問題が生じたんだ。

[ドクター選択肢1] どんな問題が?

[エンジニア] ゴホン……実は誰かがうっかり、テラ各地のスラングのデータをCastle-3の言語モジュールに追加しちまったんだよ。

[ドクター選択肢1] Castle-3がスラングを言うなんて想像しがたいな。

[ドクター選択肢2] …………。

[ドクター選択肢3] 本当にうっかりなのか?

[エンジニア] これまた量が多くてよ。しかも言語データを追加すると、言語処理モジュールが自動的に既存データとくっつけて応用データベースを作っちまうから、完全に削除するにはスゲー時間が掛かるんだよ。

[エンジニア] だから俺たちは、臨時でこういう小さなモジュールを作ったのさ。これが結構使い勝手が良くってな……こうやってスイッチを入れて近づけるだけで、電流が流れて動作する――

[エンジニア] 人に聞かれたくない言葉は変換されて聞き取れない周波数になる。

[エンジニア] そうすれば、しばらく言語表現に影響は出るだろうが、少なくともCastle-3が他のオペレーターたちからクレームを受けることは減るだろ。

[エンジニア] それになんつーかさ、あの当時からロドスには子供がたくさんいたからな。所構わずにスラングを吐き散らされちゃあ、教育に悪いだろ? ハハハ。

[Lancet-2] ……しかし……なぜそのモジュールが私の体に?

[Lancet-2] 30秒前にセルフチェックしましたが、私の言語データベース内に不適切な言葉は存在しません。

[エンジニア] どうも設定がいじられてるみたいだ。Castle-3に付けてた頃とは中身が変わってる。ミュート対象がスラングじゃねぇし、数も少ないな。えーと、否定と禁止の言語データ領域のうち……

[エンジニア] ……うわ、すげぇ切り方してるな。ミュート対象は「は控えてください」、「しないでください」、「はやめてください」、「はいけません」だってよ。これで言語異常の説明はつくか? ドクター。

[ドクター選択肢1] ああ。さっきのは「コーヒーを飲むのは控えてください」だ。

[エンジニア] 待て、モジュールの裏に何かくっついてるぞ。これは……ガム?

[エンジニア] 誰かが俺たちに隠れてモジュールを持ち出し、ミュート対象を書き換えて、それをLancet-2の背中にガムで貼り付けた?

[エンジニア] は、ガムか。スマートなやり口じゃねぇか。簡単でしかも有効だ。だけどよ問題は……誰がこんなことを?

[Lancet-2] ドクター様、実はずっとお伝えしていないことがあるのです。

[Lancet-2] 少し前から私は、このエリアに三人目の存在を検知していました。

[ドクター選択肢1] ここに三人いるだろう?

[Lancet-2] ドクター様……私を人数に入れてくれるのはありがたいのですが、私が言っているのは三人目の人間と言う意味です。

[アシッドドロップ] …………。

[アシッドドロップ] あちゃー、見つかったか。

[Lancet-2] こんにちは、アシッドドロップさん。

[Lancet-2] しかし、先ほど私が検知したのは違う人だったような……ううっ、いえ、なんでもありません。

[Lancet-2] そういえば、本日のメディカルチェックがまだでしたね。しばらくお待ちを。もう一度ドクター様のデータを確認した後で、スキャンいたします。

[Lancet-2] それと、生活エリアでスケートボードは使用しないでくださいね。まだ早い時間ですから、他のオペレーターに迷惑がかかる可能性が高いです。

[Lancet-2] 万一ぶつかってしまうと、不必要なケガを招いてしまいます。

[アシッドドロップ] ……もう元に戻っちゃったみたいだね。

[Lancet-2] え?

[Lancet-2] ドクター様、私の理解が正しいかどうか、少々判断致しかねますが、アシッドドロップさんの言った言葉の意味からすると——

[ドクター選択肢1] 彼女が犯人なんだと思うよ。

[Lancet-2] アシッドドロップさん、あなたがミュートモジュールを私に貼ったのですか?

[アシッドドロップ] …………

[アシッドドロップ] うん、まあ……ね。

[アシッドドロップ] そう、ボクがやったんだ。

[Lancet-2] あなたが設定したミュート対象と、直近の私たちの会話から判断すると……私に生活態度の指導をされたくないのですか?

[アシッドドロップ] うーん、どう言えばいいかな……。

[アシッドドロップ] ボクは自由が好きで、ボクに構う人もいないんだ。だからLancet-2のそういう言葉は……何ていうか、ちょっとウザいんだ。

[Lancet-2] えっ? ウザい……ですか? 大変申し訳ありません、そういったネガティブな感情を抱いてほしくはありません。

[Lancet-2] ロドスに加入して以来、アシッドドロップさんの病状は段々と落ち着いてきています。

[Lancet-2] ですので検査回数をできるだけ減らすよう、ケルシー先生に報告しておきます。

[アシッドドロップ] ……そういうことじゃないんだ。

[Lancet-2] ……なるほど、わかりました。

[Lancet-2] アシッドドロップさんがウザいと感じているのは、検査ではなく、私ですね?

[Lancet-2] でしたら、その問題の解決はそれほど難しいことではありません。

[Lancet-2] 医療部の方たちは皆様お忙しいですが、どなたもオペレーターを、特にロドスにやってきたばかりの若いオペレーターの健康状態は、常に気に掛けています。彼らに検査を代わってもらいますね。

[ドクター選択肢1] Lancet-2、傷ついちゃったかな?

[Lancet-2] そんなことはありませんドクター様。私はただの機械ですから、傷つくという感情は持ち合わせていません。新しく加入したオペレーターに誤解を与えるような発言はしないでください。

[Lancet-2] ……ううっ、こうしてみると、たしかに私は先ほどミュートされた単語を使う頻度が高いようです……

[アシッドドロップ] そんなこと言うなよ。

[Lancet-2] えっ?

[アシッドドロップ] ボクは担当を変えたいなんて思ってないからな。

[アシッドドロップ] Lancet-2がいいんだ。ロボットの何が悪いんだよ? クールだろ、違うか?

[Lancet-2] ……ありがとうございます。

[アシッドドロップ] えっと、その、なんて言うか……

[アシッドドロップ] あんたがウザいわけじゃない。たしかにそばでグチグチ言われるのは嫌だけど、それはあんたがボクを気にしてくれてるからだろ? それはボクもわかってる。

[Lancet-2] では、アシッドドロップさんがおっしゃっていた「ウザい」というのは……?

[アシッドドロップ] あえて言うならむしゃくしゃするんだ……ちょっとだけ。うーん、家が恋しいのかな? 別にあの場所が恋しいわけじゃないけど……とにかくウザいんだ、本当にウザいんだよ!

[アシッドドロップ] もう認める!ホームシックなんだよ。……これっぽっちもクールじゃないだろ。わかってるんだ……何とでも言えよ!

[Lancet-2] ......

[アシッドドロップ] おい、今度はどうして何も言わなくなったんだ?

[アシッドドロップ] あんたがいっつもボクに、あれはダメこれはダメって言うだろ? そのせいで誰かさんの事を思い出すんだよ……あの老いぼれは今、何してるんだろうな——って。

[Lancet-2] ドクター様、私の声は老けているように聴こえますか?

[Lancet-2] 私の実年齢はまだたったの2歳です。若いオペレーターたちの反応からしても、クロージャお姉様がお選びくださった私の声は彼らの年齢と近いはずですが?

[アシッドドロップ] ハハッ、あんたが老けてるって意味じゃないよ。

[アシッドドロップ] 時々そういう話し方になるってこと。

[アシッドドロップ] あの老いぼれもボクにグチグチ言ってばっかりでさ、危ない場所でスケボーするなとか、遅くまで街をほっつき歩くんじゃないとか、怪しいところに近づきすぎるなとか……

[アシッドドロップ] ……あんまりうるさくて、耳の毛が抜けちゃうかと思ったよ。

[Lancet-2] あっ、おおよそ理解しました。

[Lancet-2] アシッドドロップさんは、私がいつもグチグチと注意をするのが、うるさいと感じていらっしゃるのですね。

[Lancet-2] ううっ……たしかに、人に好かれる行為ではありませんね……しかしアシッドドロップさんが廊下でスケートボードをなさるのを見ると、どうしてもケガをする可能性を計算してしまうのです。

[Lancet-2] そのうえ、病状をまだちゃんとコントロールできていない段階での過度な運動は、一部の病状悪化の可能性を上昇させるが危険性があります……

[アシッドドロップ] わかってる、わかってるよ。全部ボクたちのためを思ってやってることなんだろ?

[アシッドドロップ] 正直、そういうことをされると何だかとても変な感じがするんだ。あの頃はウザいって感じてた言葉を聞くことができなくなった今、あんたの言葉がそれを思い出させるんだよ……

[Lancet-2] アシッドドロップさんは昔が懐かしいのですか?

[アシッドドロップ] 懐かしいのかな……そうじゃないと思う。昔を懐かしんでるだなんて全然クールじゃないしな。

[アシッドドロップ] まぁでも、ロドスは良い場所だと思うよ。あんたみたいなクールなロボットもいるし、ハハッ。

[アシッドドロップ] はぁ。

[アシッドドロップ] ……悪かったよ。

[Lancet-2] えっ、なぜ私に謝るのですか?

[アシッドドロップ] 特定のエリアでは、スケボーに乗らないようにするよ……あんたはそうしてほしいんだろ?

[アシッドドロップ] 昨日なんとなくグチってたらさ、イー……ゴホン! 誰かに面白いものがあるって噂を聞いたんだ。

[アシッドドロップ] 初めは本当に効果があるなんて思わなかった。でもその夜あんたにいつもの口調で「夜更かしをしてください」って言われた時、急に心がモヤモヤしちゃってさ……マジですごくモヤモヤしたんだ。

[アシッドドロップ] 変だよな? 自由になったはずなのに……全然落ち着けないんだ。むしろ何だかむしゃくしゃしてた。

[アシッドドロップ] とにかく、ボクは間違ったことをしたんだ。

[アシッドドロップ] 間違ったことをしたボクはあんたたちに捕まった……言えよ、どんな罰になるんだ? 部屋に閉じ込められるのか?

[Lancet-2] えっと、ロドスには安易にオペレーターを閉じ込めたりする習慣はありません。それにこれは別に大したことではありませんよ?

[Lancet-2] アシッドドロップさんの故郷では、使い勝手が悪い機械をすぐ改造するのはよくあること……そうですよね?

[Lancet-2] 資料の中で拝見しました。アシッドドロップさんはご自身のハンドボウガンとスケートボードに、ある程度の改造を施してらっしゃるようですし——

[アシッドドロップ] いや、それは違う。

[アシッドドロップ] あんたはそういう機械とは違うんだ。

[Lancet-2] え? それはどういう意味ですか?

[ドクター選択肢1] Lancet-2はただの機械じゃないって言ってるんだと思う。

[ドクター選択肢2] Lancet-2を友達として見てるんじゃないか?

[Lancet-2] ならなおさら今回の件は大したことではありません。私が思うに、これはただの冗談ですから。

[アシッドドロップ] ……冗談で済むの?

[Lancet-2] 今回の件は友人間の悪ふざけですね。これは、私に搭載されている会話モジュール内の、冗談の定義に基づいて出された判断です。もちろん、ロボットの私は冗談に対する主観的な感想は持ちません。

[Lancet-2] ドクター様はどう思われますか?

[ドクター選択肢1] ハハッ。

[Lancet-2] ご覧ください、ドクター様も笑っています。つまりこれは冗談ということですよね?

[Lancet-2] 冗談なのですから、ケルシー先生やアーミヤさんが今回の件を知る必要はありません。私はすでに正常に機能回復しておりますので、エンジニア部もこのような些事を記録に残さなくていいでしょう。

[アシッドドロップ] うん……サンキュ。

[アシッドドロップ] あんたは確かに――すっげークールな――友達だ。

[アシッドドロップ] じゃあまたな。

[Lancet-2] あっ、廊下ではスケートボードを使用しないでください――

[Lancet-2] ……ドクター様、一つお伺いしたいことがあります。

[Lancet-2] ドクター様も私がグチグチうるさいと思われますか?

[ドクター選択肢1] そんなことはない、Lancet-2の言うことは正しい。

[ドクター選択肢2] 少しだけ。

[Lancet-2] ドクター様がコーヒーをお飲みになられる時、私はいつも「あまり飲まないでください」と注意します。しかし何度も言われているとウザいと感じますよね?

[Lancet-2] 口うるさく注意する機械よりも、コーヒーが飲みたくなった時に、気を利かせて運んできてくれるロボットの方がいいとは思われるのではないですか? 従順なロボットとはそういうものです。

[Lancet-2] ならば私は、否定や禁止の使用頻度を下げてもらうようクロージャお姉様にお願いすべきでしょうか?

[Lancet-2] ……しかしそれは私が作り出された目的と相反しています。

[Lancet-2] 私は医療ロボットです。私の存在意義はロドスの皆様が健康であるよう精いっぱい尽くすことです。

[Lancet-2] たしかに、私の言葉を皆様がいつも聞いてくれるとは限りません。クロージャお姉様にしても、ドクター様と同様にいつも時間外労働を重ねて、不摂生な食事をしています。

[Lancet-2] もしうるさく言われるのが嫌であるならば、どうしてこんな機能を付けたのでしょう?

[Lancet-2] ううっ……わかりません……論理が矛盾しています。

[ドクター選択肢1] 矛盾してない。

[ドクター選択肢2] …………

[ドクター選択肢3] それがLancet-2だからだよ。

[Lancet-2] 矛盾していない? これが私? うるさいのが私?

[Lancet-2] もし皆様のお気に召さないようなら、いつでも私のこのプログラムを書き換えてください。

[ドクター選択肢1] 私は変えたくない。

[ドクター選択肢2] クロージャは変えたくないと思う。

[ドクター選択肢3] アシッドドロップだって変えたくはないと思う。

[Lancet-2] そうですか。もしかしたら私はドクター様の意図をよく理解できていないかもしれません……でもきっと、私を慰めてくださっているのですよね? ありがとうございます。

[Lancet-2] あっ、ドクター様、またお会いしましたね。

[ドクター選択肢1] おはよう、Lancet-2。

[Lancet-2] おはようございます。

[Lancet-2] どうやら昨晩は早めにお休みになったようですね、これは喜ばしいことです。

[Lancet-2] ドクター様もアシッドドロップさんの訓練を見学にいらっしゃったのですか? 彼女にとって初めての早朝訓練ですよ。あ、一緒に訓練なさってるのは、イーサンさんとヴィグナさんです。

[Lancet-2] なぜかはわかりませんが、今日の教官たちは特に厳しいようです。私の消毒液の消耗速度がいつもよりかなり早いです。

[イーサン] フゥ……フゥ……

[イーサン] 化け物め! 俺がいるとこがわかるってのかよ!

[アシッドドロップ] これがロドスの訓練か……すごいな。

[ヴィグナ] 何であたしまでこんなシゴキを……?

[ヴィグナ] あなたたち二人、何か悪い事して見つかったんでしょ!? とんだとばっちりだわ!

[Lancet-2] 皆様、本当に活力に満ちていますね。

[Lancet-2] どうやら、普段から激しく動き回ることも、彼らにとっては悪い事ではないようです……ひょっとすると、本当に否定や禁止の使用頻度を下げてもいいのかもしれません。

[メランサ] Lancet-2、背中に何か付いてますよ?

[Lancet-2] え……え!?

[メランサ] きれいな緑色の……うーん、これは落書きみたいですね。

[Lancet-2] 落書きでしたか……外装の問題でよかったです。また何かエラーが生じたのではないかと一瞬焦ってしまいました。

[Lancet-2] ところで、この落書きはどういう意味でしょうか……スキャンしてみましょう。

[Lancet-2] うん? クルビアのスラングか何かでしょうか? 言語データベースには完全に一致する項目がありません。

[ドクター選択肢1] 褒め言葉じゃないか?

[ドクター選択肢2] …………

[ドクター選択肢3] また友達の冗談だろう。

[Lancet-2] 良い言葉なのでしょうか? 私にはわかりませんが……

[Lancet-2] 何はともあれ、きれいなんですよね? メランサさんがそう仰っていましたし。

[Lancet-2] それではひとまず、そのままにしておくとしましょう。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧