aklib_story_信頼への第一歩

ページ名:aklib_story_信頼への第一歩

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信頼への第一歩

ロドスに加入したばかりのブローカは、会社に対して明らかな不信感を抱いていた。そんな彼が、ある任務中、他のオペレーターと衝突するのだった。


[ブローカ] アオスタ、本気でそのロドスとかいう組織に加わる気か?

[アオスタ] そうです。ブローカ。悪い選択ではないと僕は思っています。

[ブローカ] 他の町に行けばいいだろ。

[アオスタ] ブローカ、あなたがこういう大きな組織を嫌っているのは知っています。ですが率直に言って、これが一番マシな選択なんです。

[ブローカ] ……

[キアーベ] おい、んな浮かねぇ顔すんなって。

[キアーベ] 入ってみてマズけりゃまた別のとこに行きゃいいだけだろ?

[アオスタ] はぁ……そんな言うほど簡単ではないと思いますが、確かに理論的にはその通りです。

[アオスタ] どうです? ブローカ、納得してもらえました?

[ブローカ] チッ……わかったよ。

[前衛オペレーター] やっと目を覚ましたか。

[ブローカ] ここは……

[前衛オペレーター] 森の中だ。隊が獣の群れに襲われ、俺ら二人は崖から落ちてきた。思い出したか?

[ブローカ] ……ああ。

[前衛オペレーター] ……

[ブローカ] ……

[前衛オペレーター] チッ、ったくほんと憎ったらしい奴だ。

[前衛オペレーター] だがそれとこれは別だからな。礼は礼として言っておく。もしお前がいなかったら、俺は死んでただろうからな。

[ブローカ] ……ああ。

[前衛オペレーター] ……

[ブローカ] ……

[前衛オペレーター] ああ、もう、わかったよ、俺の負けだ! 昨日のお前とのケンカについても謝るよ。確かにあんな言い方はすべきじゃなかった!

[前衛オペレーター] 俺は気が短いんだ、俺の周りで誰かがロドスの悪口を言うのは許せない。

[前衛オペレーター] だがお前は来たばかりだってのも知ってる。ロドスがどんな組織か分からないのも無理はないし、仕方ない。昨日の夜、ヤトウにこっぴどく言われたよ。あれは言いすぎた俺が悪かった。

[ブローカ] ……いや、俺も悪かった。

[前衛オペレーター] いや。間違いは間違いとして認める。俺が悪かった、すまない。

[前衛オペレーター] これでこのことは水に流してくれ。いいか?

[ブローカ] 分かった。

[前衛オペレーター] はぁ、今日はずっとこのことが気になってたんだ、やっと胸のつかえが下りたよ。

[ブローカ] 他の連中は?

[前衛オペレーター] 分からんが……まあ、あいつらなら大丈夫だろう。

[ブローカ] とりあえず、みんなを探すべきだ……っつ。

[前衛オペレーター] 下手に動くな、相棒。さっきちらっと見たが、お前のその傷じゃまともに動けないはずだぞ。

[ブローカ] あ、相棒?

[前衛オペレーター] あぁ、これは俺のクセみたいなもんだよ。こういう呼び方をした方が距離を縮められるからな。嫌か?

[ブローカ] ……好きにしろ。

[前衛オペレーター] そうさせてもらおう。さてと、お前の傷の痛みが落ち着くまでしばらくはここで休むぞ。

[ブローカ] だが……

[前衛オペレーター] なに、安心しろ。ヤトウがいるんだ、問題なんて起きないさ。彼女はベテランオペレーターだ、俺らは自分の面倒だけ見てればいい。

[ブローカ] ……分かった。

[前衛オペレーター] ならお前はもう少し横になってろ。俺は付近の様子を見てくる。

[ブローカ] ああ。

[ブローカ] 俺を……見捨てるのか? 今まで組織とあなたにどれだけ尽くしてきたか、あなたが一番知っているだろう!

[???] ブローカよ、これも忠誠だ。

[???] 俺の代わりに死ぬ……これも忠誠のうちに入るんじゃねえのか?

[ブローカ] ……

[ブローカ] ……

[前衛オペレーター] 相棒、戻ったぞ。

[前衛オペレーター] 少し見てきたが、この森はかなり広いな。何があるか分からない。慎重に進む必要がある。

[ブローカ] 俺の方も少しは落ち着いてきた。もう動ける。

[前衛オペレーター] もうか? 無理はしなくていいんだぞ?

[ブローカ] 大丈夫だ。

[前衛オペレーター] そうか、なら行こう。来た方向は俺が大体覚えてる。

[前衛オペレーター] なあ、相棒、初対面の時から気になってたんだが、そのドリルの後ろに付いてるノコギリはなんだ?

[前衛オペレーター] 戦ってる時も使ってないだろ?

[ブローカ] ……これはいろいろと改造する時に使うんだ。木を切る時とかな。

[前衛オペレーター] 木を切る? お前、前はきこりでもやってたのか?

[ブローカ] 違う。ただ自分に使いやすいように物をいじるのが好きなだけだ。

[前衛オペレーター] ああ、なるほど。見かけによらず器用なんだな。

[ブローカ] 別に大したことじゃない。

[前衛オペレーター] なあ、相棒。お前、愛想が悪そうに見えるが話し始めると結構いい奴だな? 俺はずいぶん長いこと勘違いしてたようだ。

[前衛オペレーター] お節介するわけじゃねぇが、最低限でもいいから、自分の意思や考えはちゃんと伝えろ。でないと誤解されるぞ。昨日みたいにな。

[ブローカ] 誤解? 俺は本気だった。

[前衛オペレーター] 本気? それこそ本気かよ。

[前衛オペレーター] いいか。お前はまだ新参者だ。来たばかりのお前のことを分かってる奴なんかいないし、逆もしかりだ。ロドスに忠誠を誓えだの、周りを信用しろだの綺麗事は言わねぇ。だが、せめて敵対心は隠せ。

[前衛オペレーター] これだけは忠告しとくけどな。そんな話し方じゃ、お互いにいいことないからな。同じロドスに属してんのに、開口一番「ロドスを信用してない」って言われる方の身になってみろよ。

[ブローカ] お、俺は……

[前衛オペレーター] 話し方、いや、違うな。俺はお前の話し方を責めてるわけじゃなくてよ。なんて言やいいかな……

[前衛オペレーター] ……俺はな、ロドスに入る前はフリーの傭兵だった。いろんな大組織も見てきた。ロドスに来たのも、最初は食いぶちを稼ぐためだけだった。

[前衛オペレーター] ロドスの待遇は悪くない。飯も温かいしマズくもない。だがそれだけだと思ってた。

[前衛オペレーター] 大きな組織や大企業はみんな同じだ。そう、今のお前の考えてることだよ。でもな、例外もあるんだよ。

[ブローカ] ……例外?

[前衛オペレーター] ロドスはどうも少し違ったんだ。信じられんことにな。相棒よ、もうしばらくすりゃ、身に染みて分かるようになる。言葉じゃ説明できないからな。

[前衛オペレーター] いずれにしろ、俺はアーミヤを信じることにした。だからドクターも信じてる。もちろんケルシー先生も信じてる。

[前衛オペレーター] これで、昨日俺が怒った理由を理解できたか? お前の話し方じゃなくて、俺たちの信じてるものを、ろくに知りもしないのに否定したからだ。

[ブローカ] ……分からない。

[前衛オペレーター] ……まあいい。すぐには理解しなくていいさ。ただ言いたいのは、ロドスはお前が思っているような組織とは違うってことだ。俺たちは信頼には信頼で応える。それだけは覚えておいてくれ。

[ブローカ] ……ところで、俺たちの任務に村の支援なんて含まれていなかったと思うが?

[前衛オペレーター] あ? ああ昨日のことか? ありゃ隊長の裁量の範囲だよ。隊長がやるって言や、状況が許す限り、地元の人のために何かしてやる。人助けは悪いことじゃないからな。

[前衛オペレーター] で、相棒……どうして急にそんなこと聞いたんだ?

[ブローカ] ……なんでもない。

[前衛オペレーター] って、おい……ちょっと待て。

[ブローカ] どうした?

[前衛オペレーター] 見ろ。

[ブローカ] ……!?

ブローカたちの視線の先にある木々の間からは、先ほど小隊を襲った野獣の群れの姿が見えていた。

[前衛オペレーター] どうやら俺たちをお探しのようだな。

[ブローカ] ……俺なら戦える。

[前衛オペレーター] やめとけ、痛みがほんの少し引いただけだろ? 俺がひきつけてやるから、お前は先に逃げろ。

[ブローカ] ……いや、俺は戦う。

[前衛オペレーター] おい、相棒。俺がさっき自分から謝った理由が分かるか?

[ブローカ] ……?

[前衛オペレーター] ヤトウにどう言われようが絶対折れないって決めてたんだけどよ。あいつらに襲われた時、お前は俺を守ってくれたろ? それで「あぁ、こいつは根は悪い奴じゃない」って思ったんだ。

[前衛オペレーター] お前みたいな奴は、きっとロドスを気に入る。断言してもいい。

[ブローカ] ……

[前衛オペレーター] だから今度は、俺がお前を助ける番だ。

[ブローカ] だめだ。

[前衛オペレーター] お前もたいがい頑固な奴だな……先輩の言うことは聞くもんだぞ?

[前衛オペレーター] だいたいだな、この程度の相手じゃ死にゃしないさ。

[ブローカ] ……

ブローカは、彼の言葉を無視して、その場に立ち、無言で武器を掲げた。

[前衛オペレーター] はぁ……ったくほんと憎ったらしい奴だ。

[前衛オペレーター] まあ、嫌いじゃねえがな。

[前衛オペレーター] 相棒よ、もう止めないが俺から離れ過ぎるなよ? 俺に合わせろ。一緒に殺るぞ!

[ブローカ] 分かった。

二人が野獣に向かって飛びかかろうとした瞬間、群れの中から、突如として悲鳴が聞こえてきた。

[前衛オペレーター] ん? ありゃあ……

[医療オペレーター] お二人とも、無事ですか!?

[前衛オペレーター] おう、待ってたぜ! 俺はぴんぴんしてるぜ。こいつは少しばかり怪我をしてるがな。

[医療オペレーター] あら、たしかに。ブローカさん傷だらけですね。とりあえず座って診せてください。必要があればこの場で処置しますから。

[ブローカ] 大した傷じゃない。

[前衛オペレーター] で、あそこにいるのはヤトウたちか?

[医療オペレーター] はい、お二人が崖から落ちた後、ずっと探してたんですよ。二人ともご無事で本当によかったです。

[医療オペレーター] 確かに大怪我ってことはなさそうですが……でも油断は禁物です。ここは他の方に任せて、私たちは一足先にブローカさんを連れて戻りましょう。

[前衛オペレーター] あいよ!

[ブローカ] ……ありがとう。

[前衛オペレーター] あ? 何か言ったか?

[ブローカ] なんでもない。

[アオスタ] 初めての外勤任務はどうでした? ブローカ。

[ブローカ] ……まあまあ、といったところか。

[アオスタ] そう……それはよかった。誰かと揉めないか心配だったのですが、大丈夫だったようですね。

[ブローカ] そうだな。とりあえず、もう少しここでやってみてもいいと思う。

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