aklib_story_光冠残蝕_10-2_ターゲット奪取_戦闘後

ページ名:aklib_story_光冠残蝕_10-2_ターゲット奪取_戦闘後

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光冠残蝕_10-2_ターゲット奪取_戦闘後

ダブリンの手から案内人を救い出すと、アーミヤとドクターは小隊を集結させ、ロンディニウムサディアン区ゲートへ向けて出発した。


a.m. 8:15 天気/曇天

ロンディニウムから数km 付属区画

[ロドスオペレーター] クロージャさん、ドローンの信号を捉えたぞ!

[クロージャ] どれどれ、見せて見せて!

[クロージャ] おっ……お~、いいねぇ。新しく搭載した撮影モジュールは正常に作動してて、少なくとも100メートル以内はバッチシ見えるね。

[クロージャ] 飛行も安定! うん、このまま前方に飛ばせば、壁を飛び越えて、中がどうなってるかこっそり見れたりして……

[ロドスオペレーター] 待て待て、そんなことしたら絶対敵の守備軍に見つかって撃ち落されるぞ!

[クロージャ] みんなにそんなリスクを負わせたりしないってば~、安心してよ。

[クロージャ] まぁドローンに塗るステルス塗料の開発は急がないといけないけどね……

[ロドスオペレーター] クロージャさん、ドローンのアラームだ!

[クロージャ] 何者かが警戒範囲に近づいてる……自動攻撃モジュールのチャージ準備を……

[クロージャ] いや待って、救援小隊だよ! アラーム解除!

[クロージャ] アーミヤちゃん、ドクター、インドラちゃんたちが帰ってきたよ!

[ドクター選択肢1] クロージャのドローン、進化したね。

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] 偵察チームからはまだ知らせが来ていないのに。

[アーミヤ] そうですね、ここまで来る間、クロージャさんはずっとドローンの研究に没頭していましたから。

[アーミヤ] クロージャさんはドローンの偵察能力を強化したいと考えてるんですよ。接近してくる敵に気付かないなんて状況も防げますから。

[アーミヤ] ドクターも一安心したんじゃないですか?

[アーミヤ] ロンディニウム近辺に到着して最初の作戦行動ですから、その、私……やっぱりちょっと心配です。

[アーミヤ] ドローンがあれば索敵範囲が広くなりますね。

[アーミヤ] ロンディニウムでは、クロージャさんとドローンが重要な役割を担うかもしれません。

[アーミヤ] 都市内……中の状況は多くのオペレーターにとっては完全に未知ですから、私たちにはより多くの目が必要になるはずです。

[アーミヤ] ところで、ドクターもクロージャさんの様子が気になっているんですか? なんだか気を張っているように見えますよね。

[アーミヤ] ……クロージャさんが本艦を離れたことはほとんどありませんし、今回はいつ戻れるかもわかりません。緊張するのも当然です。

[アーミヤ] でも、きっと大丈夫ですよ。私はクロージャさんも、共に行動するみなさんのことも信じています。

[アーミヤ] 私たちについてきてくれた十数名のオペレーター、それに先行しているMiseryさんとLogosさんの小隊は……

[アーミヤ] みなさん任務の目標を明確に理解したうえで、志願して今回の作戦に参加してくれました。

[アーミヤ] 今のところ計画の第一段階および第二段階は成功していて、次の第三段階は――

[アーミヤ] ――都市に入ることです。

[ドクター選択肢1] どうやってロンディニウムに潜入する?

[ドクター選択肢2] 今回もやはり下のインフラ層から入るのか?

[ドクター選択肢3] また無理やり乗り込むのであれば、心の準備が必要だ。

[アーミヤ] チェルノボーグの中枢区画に入ったのと同じ方法でロンディニウムに乗り込むことはできません。

[アーミヤ] ドクター、実はロンディニウムはもう目の前にあります。あの高い壁を見てください、あれがロンディニウムです。

[アーミヤ] 未だかつてロンディニウムの防御が突破されたことはありません。ウルサスの高速軍艦でも無理なんです。

[アーミヤ] ロンディニウムがかつてテラの経済の中心だったのは誰だって知っています。ですが実際に見てはじめて、この都市が決して陥落することのない要塞であると実感できるんです。

[アーミヤ] ほとんどの移動都市にとって、排水構造は外部から侵入されやすい弱点なのですが、ロンディニウムを建築した人たちはその部分すらも利用したんです。

[アーミヤ] 彼らは地下のインフラ内に自動化された工業の生産ラインを建てたと言われています――

[アーミヤ] ロンディニウムの全盛期には、これらの設備が昼も夜も稼働して、一時代続いたヴィクトリアの栄光を生み出しました。

[アーミヤ] そして戦時には、これらの生産ラインが城壁の上に建設された都市防衛システムに絶えず武器や弾薬を供給します。

[アーミヤ] このようにロンディニウムの地下構造は非常に精密で、たとえ設計図を持っていたとしても外部からの攻略は不可能だそうです。

[アーミヤ] そもそもロンディニウムのインフラ層の設計図なんて、そうそう手に入りませんが……

[ドクター選択肢1] ではLogosとMiseryはどうやって入ったんだ?

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] ケルシーなら可能だと思っていたが。

[アーミヤ] ドクター、エリートオペレーターの力を侮らないでくださいね。

[アーミヤ] ブレイズさんが機動戦、ロスモンティスさんが殲滅戦の第一人者であるなら、LogosさんとMiseryさんは間違いなく、全エリートオペレーターの中で最も潜入任務に適した方々です。

[アーミヤ] Miseryさんのアーツを一度見れば、なぜ私がこう言ってるかわかりますよ。

[アーミヤ] もしかしたら、ラヴァさんから空間アーツというものについて聞いたことがあるかもしれません……Miseryさんのアーツが持つ謎の一部はそれで説明ができます。

[アーミヤ] ロドスに加入する前、Miseryさんはサルゴンの古代王朝の地下陵墓に潜入したこともあるんです。

[アーミヤ] そしてLogosさんは……彼には独自の方法があります。これも訓練経験のない術師に応用することはできません。

[アーミヤ] ……物理的な壁の高さは彼らに関係ありません。理論上の可能性がゼロじゃない限り、お二人はどのような都市にも潜入することができると思います。

[アーミヤ] ただ私たちが真似するのは厳しいと思います。他にも、ロンディニウム内でのちほど合流するオペレーターの方が採った方法などもありますが、こちらも私たちが使うのは難しいでしょう。

[アーミヤ] ドクター、心配しなくても大丈夫ですよ。

[アーミヤ] ご存じの通り、計画はすでに立てていますから、うまくいけばみなさんの安全は確保できます。

[アーミヤ] それに万が一計画が失敗しても、私たちにはまだ第二第三の予備プランがあります。

[アーミヤ] ドクター……冗談を言っているだけだってわかっていますよ。

[アーミヤ] この一年あまり、私たちは数百回に及ぶ情報分析会議と、千近くの戦術シミュレーションを行いました。今回の作戦に対してケルシー先生がどれほど力を注いできたかは、みなさんが理解しています。

[アーミヤ] ですが先生にしろ、ロドスにしろ、あるいは特殊なスキルを身につけているエリートオペレーターたちにしろ……私たちには全力を尽くしてもできないことがたくさんあるんです。

[ドクター選択肢1] だからアーミヤは案内人を探したんだな。

[ドクター選択肢2] すぐに戦闘が始まることはなさそうで良かった。

[アーミヤ] はい……まずは安全な方法を試したいんです。

[アーミヤ] ドクター、出発前の会議の時、そこは全員の意見がぴたりと一致しましたよね。

[アーミヤ] ――たとえロドス本艦を動員したとしても、ロンディニウムの都市防衛力を相手にするのは、無謀と言わざるを得ませんから。

[アーミヤ] 本当の敵と対峙するまでは、力をたくわえた方がいいです。

[アーミヤ] ドクター、ロンディニウムに近付くにつれて、みなさんが徐々に張り詰めていくのを感じています……

[アーミヤ] ですが、これから何が起ころうとも、私たちには戦う準備ができています。

[ドクター選択肢1] アーミヤ、君は?

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] アーミヤのことも心配だ。

[アーミヤ] ドクター……

[アーミヤ] ドクターはわかっているはずですよね。もし誰かここに立つ者が必要なら、それはクロージャさんでも、ましてや各々の信念によって私たちについてきてくれた方々でもありません。

[アーミヤ] 立つべき者は私なんです……あるいは、あちらにいらっしゃるシージさんも、ですかね。

[シージ] ……インドラ。

[モーガン] ヴィーナ、もう起きたの〜? あんた丸一日寝てないんだから、都市に戻る前に仮眠を取った方がいいって言ったでしょ~。

[シージ] 眠れなくてな。

[シージ] インドラとダグザはそろそろ戻ってくる頃か?

[モーガン] あ~あ、あの二人を羨ましがるべきかなぁ〜。ヴィーナに休んでもらうために任務を買って出たっていうのに、むしろそんなに心配してもらっちゃってさぁ。

[シージ] ……私も一緒に行くべきだった。ここに戻ってきてから、目を閉じるといつも私たちが逃げ出した時のことが目に浮かぶ。

[シージ] もし危険があるのなら、私もあいつらと共にいるべきだ……いや、あいつらの前に立つべきなんだ。

[モーガン] あんたねぇ……いっつも過保護だって~。家に帰る前のウォーミングアップごときに、危険なんてあるはずないよ~。

[モーガン] ダグザちゃんはともかく、ハンナちゃんのあのうずうずした様子ときたら……フフッ。

[モーガン] 少しくらい発散させてあげないと、都市に入った頃には我慢できなくなって、敵を見た瞬間殴り掛かっちゃいそうでさ~。

[シージ] ……あいつはこれでも随分落ち着いた。

[モーガン] フンッ、もし本当に落ち着いたなら、ダグザちゃんと口喧嘩ばっかりしないでしょ~。あんたが休めてないの知ってるのに、やめないくらいだし。

[モーガン] ヴィーナ、いっそあの二人がいないうちに、吾輩たちだけでこっそり帰っちゃわない?

[モーガン] どうせあのコンビは殴ることしか頭にないんだし、賢い賢い吾輩だけの方が、頼りになるってもんでしょ~。

[インドラ] お前また俺の悪口言いやがったな!?

[モーガン] ほら見なよヴィーナ、行く前よりもっと元気いっぱいだよ?

[シージ] フフッ。

[インドラ] ヴィーナ、お前今笑ったか?

[インドラ] ここに来るまでずっと、眉間にしわ寄せて考え事してたってのに……

[モーガン] ハンナちゃんのおバカ。なんでわざわざ言うかな~? 吾輩がやっと頑張って――

[シージ] モーガン、ありがとう。

[シージ] ただ、少し休んだらどうだ。もし私の気分についてもあれこれ気を回させているなら、私は頭として失格と言わざるを得ない。

[モーガン] はいはい、じゃそうさせてもらうよ~。

[シージ] ダグザ。

[ダグザ] ここに。

[シージ] 体に血がついてるが?

[ダグザ] 私は平気。返り血だから。

[シージ] ならいい。

[シージ] 敵は……ダブリン、だっけか? そいつらはどうだった?

[ダグザ] 正規軍に近い実力だった。それと、私とインドラがぶちのめしたあの小隊長の戦い方は、明らかにヴィクトリア軍の訓練を受けてた。

[シージ] つまり……

[ダグザ] あいつらは本当に反乱軍である可能性が高い。

[シージ] そいつらはサルカズと手を組んでいるのか?

[ダグザ] どうかな。サルカズを見下してたが、利害が一致すれば一時的に肩を並べることも厭わないだろう。

[シージ] ……あいつらはロンディニウムを山分けしようとしている。いや、ロンディニウムだけではないかもしれない。

[シージ] あの公爵たち……ダブリンを支持しているのはどれくらいいる? サルカズを支持しているのは……?

[ダグザ] 恥知らずどもめ! あいつらは外敵の旗がロンディニウムにはためくかどうかより、己の利益が大事なんだ。この期に及んでも、足を引っ張り合うことしか考えてない。

[ダグザ] ヴィクトリアを今の危機に追い込んだのは、公爵連中とあいつらの軍のせいだってのに!

[ダグザ] 我々が来たからには、この混乱も終わりだ。

[ダグザ] 何度も言ってきたように、塔楼騎士の一員として、私と私の剣はすでに準備ができている。

[ダグザ] シージが我らを率いてロンディニウムへと帰り、あんたのために戦う志士たちが集結すれば……

[モーガン] ダグザちゃん!

[モーガン] 言ったでしょ、戻るまでその話はしないって。

[ダグザ] だが、我々はもうロンディニウムの入り口に立っているんだ。

[インドラ] 言っただろモーガン、最近の喧嘩は俺の問題じゃないってな。こいつは近頃ちょっとおかしいんだ。耳障りな話し方をよくしやがる。

[インドラ] おい、ダグザ、なんでまた剣だの騎士だの言ってんだよ。お前が今手に持ってんのがどんな武器で、誰と一緒にいるのか忘れんな。

[ダグザ] 私は……

[シージ] ……

[シージ] モーガン、インドラ、ダグザを責めてやるな。

[シージ] 私たちは……誰しも忘れられない過去がある。過去に追走されたからこそ、私たちは肩を並べて今日まで歩いてこれたんだ。

[シージ] ダグザ、言ったはずだ。私はここにいる誰一人として失望させたくない。

[ダグザ] シージ……

[ダグザ] ……すまない。信頼すると誓ったはずなのに……あんたが最善の決定をすると信じるって……今日は自分を抑えられなかった。

[シージ] 自分を責める必要はない。

[シージ] 私たちの当面の目標は依然としてロドスと共に、ロンディニウムに入ることだ。

[シージ] アーミヤの前にいるのが先ほど貴様らが助け出した者か?

[ダグザ] そうだ。バリンが、アーミヤとドクターの所へ彼を連れて行った。

[シージ] 見た目はごく一般的なロンディニウム市民だな。

[ダグザ] ……偽装してる可能性もある。

[ダグザ] ダブリン兵が言うには、以前サルカズのために働いていたが逃げ出してきたらしい。

[ダグザ] あのサルカズたちは……私もやり合ったことがある。あいつらがほかの塔楼騎士を殺したんだ……

[シージ] ……ダグザ。

[ダグザ] 私は平気。ただ、あいつらも手強いから、監視から逃れてここまで逃げ出したなら、こいつも恐らく見た目ほど普通じゃない。

[シージ] そうだな。もし何の変哲もない一般人なら、ダブリンが捕らえることも、ロドスが探そうとすることもないだろう?

[シージ] 私たちも行ってみよう。

[シージ] そいつが――本当に私たちをロンディニウムに連れて行くことができるか確かめるんだ。

[ロドスオペレーター] アーミヤさん、BSWから通信要請だ。

[アーミヤ] はい、繋いでください。

[ジェシカ] アーミヤさん!

[アーミヤ] はい、こちらアーミヤです。ジェシカさん、先ほど送った通信の話ですよね? すみません、私たちが駆けつけた頃には、BSWに雇われていたパイロットの方はすでに殺害されていました。

[ジェシカ] どうしてこんなことに……

[ジェシカ] ソープさん、可哀想に……他の隊員には知らせておきます。

[アーミヤ] それと、飛行ユニットを持ち帰ることもできませんでした。あの飛行ユニットは……えっと、戦闘中に破壊されてしまって。

[ジェシカ] ううっ、あの飛行ユニットはレンタルだったのですが……まぁ問題は……それほどではないです。予備の乗り物があるので、この後の作戦には影響ありません。

[ジェシカ] トーマスさんはアーミヤさんたちと一緒ですか?

[アーミヤ] はい、特に怪我はなさそうです。ただとても怯えているので、医療オペレーターが彼の面倒を見てくれています。

[アーミヤ] 彼がジェシカさんがおっしゃっていた、ロンディニウムへの潜入を手伝ってくれる協力者で間違いありませんか?

[ジェシカ] そうです。

[ジェシカ] トーマスさんは、以前ロンディニウムのサディアン区でキャンディ工場を開いていたんです。彼の叔父さんがクルビアに長く住んでいて、彼ら一家はBSWと長期のパートナー関係にありました。

[ジェシカ] その叔父さんからトーマスさんをクルビアに連れ戻してほしいと依頼がありました。前回連絡を取り合った時に約束したんです。何とかして抜け出してくるので、わたしたちは迎えを送り込むと。

[ジェシカ] ただまさか……

[アーミヤ] ダブリンがあなたたちの飛行ユニットをジャックしたのは予想外でしたね。そうだ、ダブリンはトーマスさんに対しても興味を持っている様子でした。

[ジェシカ] えっ、そうなんですか?

[ジェシカ] 恐らく……トーマスさんは、アーミヤさんたちの現在地から最も近いサディアン区――ロンディニウムのゲート口があるエリアに非常に詳しいからだと思います。

[ジェシカ] 彼ならきっと適切な侵入方法を見つけてくれると思います。そうすると似たような目的から、他の勢力が彼を探している可能性もありますね。

[アーミヤ] はい、彼が落ち着いたら、私たちに協力してくれるかどうか考えを聞いてみます。

[ジェシカ] ……はい。えっ、今なんて? 大使館との交渉に送り込んだ隊員が音信不通に? わ、わかりました……すみません、アーミヤさん、こちらも色々と立て込んでいて……

[アーミヤ] 大丈夫ですよ、対応に当たってください。私たちの方でトーマスさんと話してみます。

[ジェシカ] が、頑張ってください……えーっと、頑張ってはちょっとおかしいですかね? 言い換えましょう……

[ジェシカ] アーミヤさん……それとドクター、幸運を祈ります。

[ロンディニウム市民] ……

[アーミヤ] トーマスさん?

[ロンディニウム市民] 君が……あの人か。

[アーミヤ] ……あの人?

[ロンディニウム市民] まさか君たちがこんなに早く来るなんて僕たちは思ってもみなかったよ。ふーん……これは思いがけないサプライズだ。

[アーミヤ] こんなに早く……?

[アーミヤ] BSWの連絡を受けてから、あなたのことをすごく心配していたんですよ。

[アーミヤ] トーマスさん、どこか気分が悪いところはありませんか?

[アーミヤ] 少しその……先ほどと感情の動きが違うような。

[ロンディニウム市民] あっ……ハハ、ちょっと興奮しすぎちゃったからかな。

[ロンディニウム市民] まっとにかく、ありがとう。

[ロンディニウム市民] 君と君の部下が僕を助けてくれた。君たちはきっといい人なんだろうね。

[アーミヤ] 感謝の言葉はいりません。私たちはBSWの仲間ですから、あなたも私たちの味方のようなものです。

[アーミヤ] それと……トーマスさん、一つ、お尋ねしたいことがあります。

[アーミヤ] 仕事上の都合で、私たちはロンディニウムに入らないといけないんですが……ここまで来る途中で、都市内の状況について多少の噂は耳にしています。

[アーミヤ] ロンディニウムは現在、一部の許可を得た例外を除いて、いかなる人や団体も市内に入ることはできないそうですね。

[アーミヤ] 私たち外の者からしたら、目の前のこの分厚く高い壁はどうやっても通ることができないんです。

[アーミヤ] どうにかできないかと色々試してみたんですが、軍の封鎖を突破するのは、やっぱり私たちのような小さな企業には荷が重いんです。

[アーミヤ] ご覧の通り、私たちのメンバーには事務職員もたくさんいます。だからトーマスさん、ロンディニウムに……

[アーミヤ] 安全に入れる入り口を知りませんか?

[ロンディニウム市民] 君たち……なぜロンディニウムに入りたいんだ? 中の人はみんな死に物狂いで逃げようとしてるんだぞ……あのサルカズたちは……ほんとに恐ろしいんだ!

[アーミヤ] お気持ちはわかります。

[アーミヤ] ですから、無理強いはしません。

[アーミヤ] 私たちと行動することによるリスクも隠すつもりはありません。

[アーミヤ] もし道案内をしていただけるなら、事が終わった後で、あなたが無事にBSWの護送小隊と合流できるよう送り届けさせます。

[アーミヤ] もしあなたが戻りたくなくても、私たちがあなたを責めることは絶対にありません。ここで私たちと別れても大丈夫です。こちらで別の道を探して市内に入ります。

[ロンディニウム市民] 僕はもちろん……

[ドクター選択肢1] 別れたら、君はまたダブリンに遭遇するかもしれない。

[ドクター選択肢2] ここから外へ向かう道も安全ではないと聞いた。

[ロンディニウム市民] 僕はもちろん君たちと行動するよ!

[ドクター選択肢1] ありがとう。

[ドクター選択肢2] ご協力に感謝する。

[アーミヤ] ドクター……

[アーミヤ] (小声)この方を脅すつもりはありませんでした。もし協力してくれなくても、護衛を手配するつもりだったんです。

[ドクター選択肢1] (小声)わかっている。

[ドクター選択肢2] (小声)ただ事実を述べただけだ。

[シージ] どうやら案内人を見つけたようだな?

[ドクター選択肢1] そうだ、アーミヤの計画の第一歩は無事に成功した。

[ドクター選択肢2] 我々と共に行動することに彼は同意してくれた。

[シージ] ……

[シージ] 家に帰る時間だ。

[アーミヤ] クロージャさん、ドローンを呼び戻してください。

[クロージャ] うおー……やっと行動開始?

[アーミヤ] 外に長く留まり過ぎるのも安全ではありませんから。

[アーミヤ] Miseryさんの情報に頼って、ここまでできるだけダブリン部隊を避けてきました。

[アーミヤ] ですが先ほど予想外の衝突がありました。過去の交戦経験から判断すると、この部隊のリーダーは恐らく……相当に執念深いです。

[シージ] 奴らはまた追いかけてくるか?

[アーミヤ] どうでしょうか。彼らがこのままトーマスさんを諦めるかどうかはわかりません。

[アーミヤ] たとえ問題なく市内に入り込めたとしても、サルカズ軍とダブリン軍を同時に相手する局面が訪れる可能性があります。

[クロージャ] はぁ、あたしたちの体にもステルス塗料が使えたらよかったのに……

[アーミヤ] 大丈夫です。この日のために、できることはすべてやってきましたから。

[アーミヤ] ドクター、私のそばにいてくださいね。今までと同じように、敵が誰であろうと、私があなたを傷つけさせません。

[アーミヤ] では……行きましょう。

[アーミヤ] アーミヤ特別行動隊の全オペレーターに告ぎます――

[アーミヤ] これより、ロンディニウムサディアン区ゲートへと向かいます!

[ダブリン兵士] 上官、調べた結果、付近にあのロンディニウム人の痕跡は見当たりませんでした。

[マンドラゴラ] ……

[マンドラゴラ] つまり、あんたたちの小隊全員がかりで、たったの数人ぽっち止められなくて、あまつさえ重要なターゲットも奪われたってことね。

[ダブリン兵士] 上官……

[マンドラゴラ] このゴミ……ゴミクズッ!

[ダブリン兵士] その……

[マンドラゴラ] 口を閉じてなさい、これ以上イラつかせないで。心配しなくても、あたしが身内に手を出したことないでしょ。それに、あたしが怒ってんのはあんたじゃなくて、自分自身よ。

[マンドラゴラ] こんな簡単なことすら……ロンディニウムに来てから、何一つうまくいってない!

[マンドラゴラ] あの……しゃくに障るサルカズども……あのうざったい貴族たちも……

[マンドラゴラ] それとあの一番クソなヴィクトリア兵……ホルンとかいうあいつ……

[マンドラゴラ] 全っ部アルモニのせいよ。なにが「自分だったらあの兵士と引き換えに、立場を明らかにしてない貴族の支持を得る」よ! あいつが適当言って無理矢理ホルンをあたしに押し付けなければ……

[マンドラゴラ] ロンディニウムに連れてくることもなかった! 逃げ出してこんな邪魔してくることがわかってたら、あの時ヒロック郡でぶっ殺してたのに!

[ダブリン兵士] 上官、今回はお、恐らく……彼女ではないと思われます……

[マンドラゴラ] あいつじゃない?

[ダブリン兵士] 生き延びた者によると、今回手を出してきたのは今まで見たことない奴だそうです。しかも見た目からヴィクトリアの兵士でもないと思われます。

[マンドラゴラ] ……それってつまり、急に出てきた訳のわかんない奴らが、あたしたちから人を奪っていったってことでいいのね?

[ダブリン兵士] わ、我々の失態です! すぐに探しに行きます……

[マンドラゴラ] 待ちなさい! バカみたいに考えなしに動かないで。今すぐここを離れるわよ。

[ダブリン兵士] 離れるんですか……

[マンドラゴラ] ならなに、この道をずっと占領する気? まだサルカズと喧嘩するには早いわ。

[マンドラゴラ] アルモニとも約束したもの。外にいる伯爵やら何やらのメンツをつぶさないようにってね。

[マンドラゴラ] これも全部……ダブリンのため、リーダーのためよ。

[ダブリン兵士] わかりました、上官。

[マンドラゴラ] 口ではそう言ってるけど、ほんとは全く理解できてないでしょ。でなきゃあのロンディニウム人を逃がすわけないわよね? あいつの情報がどれだけ重要かわかってんの?

[ダブリン兵士] その……あいつはサルカズのために運転手をやっていただけですが……

[マンドラゴラ] ……運転手ね。

[マンドラゴラ] サルカズの運転手ができるってことは、つまり道を知ってるってことでしょうが!

[マンドラゴラ] あたしたちが探してる人のところまで案内できるのよ。今はまだサルカズに捕らわれてるけど……とっても重要な同胞なのよ!

[マンドラゴラ] あたしがロンディニウムで胸糞悪いの我慢してサルカズに付き合ってるのは何のためだと思ってんの? あいつらのあたしたちを見るあの目、石でしこたまぶっ刺してやっても足りないわ!

[マンドラゴラ] あれもこれも……苦労してここまで来たんだから、リーダーのために本当に役に立つことをしなきゃいけないの!

[ダブリン兵士] それは……申し訳ありませんでした、上官……

[マンドラゴラ] でも、運転手、運転手ねぇ……チッ、あんたのおかげで気付くなんてね。

[マンドラゴラ] あいつを奪った奴らも、どこかに道案内してほしいんじゃない?

[ダブリン兵士] それはつまり……

[マンドラゴラ] 今すぐ街に戻るわよ。

[マンドラゴラ] ゲートに着いたら、どんな見覚えのある顔と遭遇するか楽しみにしておきましょ。

[マンドラゴラ] 例えば……あのクソったれのヴィクトリア兵とかね。

[ダブリン兵士] ……全員おとなしくしろ。

[ヴィクトリア兵士] ……

[ダブリン兵士] 上官が戻り確かな情報を得られれば、お前たちはこの苦しみから解放されるだろう。

[ダブリン兵士] 正直、俺もお前たちに武器を向けたくはないんだ。お前たちはもはや兵士とは呼べないだろ。あれだけ長い間サルカズの奴隷をしてたんだからな。

[ダブリン兵士] だが仕方ない。有力な情報を何も絞り出せないんじゃ、上官はお前たちを生かしておきはしないだろう。

[ダブリン兵士] 俺だってお前たちを見逃すわけにはいかないんだ。万一またお前たちがサルカズの手に落ちて、俺たちの計画をバラされでもしたらどうする?

[ダブリン兵士] そうだ、いっそのこと……

[ダブリン兵士] ダブリンに加わるか?

[ヴィクトリア兵士] ……

[ダブリン兵士] いや、やめておこう。もしお前らがターラー人なら、上官はとっくに着替えさせてたはずだ。

[ダブリン兵士] 信じるかはお前らに任せるがよ。ここでお前らを痛めつけるより、俺は外へ行ってサルカズを殺したいんだ。

[ダブリン兵士] 見てみろよ、ロンディニウムが魔族の手に落ちたんだぜ。だがそれが誰のせいだっていうんだ? 聞いた話では、お前ら大して戦いもせずに、全員サルカズの捕虜になったらしいな。

[ダブリン兵士] かつて全テラを震え上がらせたヴィクトリア師兵団様を、一体誰がこんな弱くしたんだ?

[ダブリン兵士] お前らの上官はどこにいる? まだ将校の制服を着て、サルカズたちと仲良しこよし上手いことやってるんじゃないのか?

[ヴィクトリア兵士] ……くっ!

[ダブリン兵士] ウチの上官たちの言う通りだ。今のヴィクトリアは根っこから腐ってやがる。俺たちが火をつけなきゃ、この広大な土地は腐り切って何も育たなくなる。

[ダブリン兵士] 喜ぶんだな、兵士。最後はかつての同胞の手で死ねるんだから。

[ダブリン兵士] 魔族の薄汚い刃がお前のヴィクトリア兵としての栄誉を汚すことはない。

[???] ――ヴィクトリアを裏切ったやつが、どの口でヴィクトリアの栄誉を語るの!?

[ダブリン兵士] ……誰だ!?

[???] ヴィクトリアの兵士を傷つけさせやしないわ。

[???] 侵入者どもじゃ分不相応。あなたたちダブリンは、なおさら引っ込んでなさい。

[ダブリン兵士] き……貴様は……あの脱走した……

[ダブリン兵士] ぐはっ!!

[???] ......

[???] 第八拠点、壊滅確認。

[ヴィクトリア兵士] ……俺たちを助けに来たのか?

[???] そこの兵士、立ちなさい。

[???] まずはここを離れるわよ。

[ヴィクトリア兵士] ……兵士か?

[ヴィクトリア兵士] あなたは……中尉殿……? どの部隊の……?

[ヴィクトリア兵士] まだ味方がいたなんて……

[???] 私はリタ・スカマンドロス。第七前線歩兵大隊、第二テンペスト特攻隊の隊長よ。

[???] あるいは――

[ホルン] ホルンと呼んでくれて構わないわ。

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