aklib_story_暴風眺望_9-5_臨界点_戦闘前

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暴風眺望_9-5_臨界点_戦闘前

ホルンがロンディニウムに連絡を取るも、返事はない。そんな時、親友からターラー人の集会の情報を入手したジェーンが、それをバグパイプに伝えてきた。そうして、バグパイプとホルンはその集会へ行くこととなる。


p.m. 4:23 天気/曇天

マクマーティンブラザーズ・フライドポテト 2階

[ホルン] 返事はまだ来ないの?

[マクマーティン] それがさっぱりで……昨日今日と、ロンディニウムからの連絡は何一つ来てません。

[ホルン] でも、私がメッセージを送ってから二十時間以上は経ってるのよ。普通に考えたら、向こうにはもう届いているはずよね。

[ホルン] 秘匿回線に問題でもあるのかしら?

[マクマーティン] 何とも言えませんね。実は俺、卒業してすぐこのヒロック郡に派遣されてるんですけど、それから十年、通信用秘匿回線を起動したこと自体正直ほとんどないんですよ。

[マクマーティン] 一昨年の年末なんて、チームリーダーに連絡したら「子供が生まれたこと以外に報告事項はないのか、もしなければこれ以降は定期報告もしなくていい」って言われたほどですし。

[バグパイプ] なるほど~、だからこのポテト屋さんを開いたんだ! うちもまさか「コック」さんが本当にコックをやってるなんて思わなかったから、最初は驚いたよ。

[マクマーティン] いいアイディアでしょう? 実際に「コック」をやってれば、それがコードネームだなんて誰も思いませんし。仮に部外者が連絡所を探そうとしても、隣の書店辺りを疑うだけでしょうからね。

[バグパイプ] うんうん。しかもここのポテト、めっちゃ美味しいべ!

[マクマーティン] ははっ、そうでしょう? ヒロック郡のジャガイモは高品質ですからね。さあ、遠慮せずどんどん食べてください。

[マクマーティン] ここだけの話、うちのフライドポテト、地元の人からも大評判なんですよ。「ランプライター」としての自覚をなくしちまってたら、今頃とっくに五つか六つは支店を開いてただろう、ってくらいで!

[マクマーティン] まあ、そういうわけでね、昨日皆さんが合い言葉を伝えてきたときには、また訓練生時代の夢でも見てるのかと思いましたけどね。

[ホルン] ……となると、この回線はもう廃棄されてるのかもしれないわね。

[ホルン] あるいは、メッセージを受け取った誰かが、敢えてそれを無視しているって可能性もあるけど……

[バグパイプ] えっ? じゃあ、うちらの情報をもみ消してる人がいるってこと?

[ホルン] それこそ、何とも言えないわね。

[ホルン] ともあれ、次のメッセージはいつも通り送ることにしましょう。――そうだ、トライアングルの報告のほかに、私とハミルトン大佐の対話内容も加えておかないと。

[ホルン] 大佐には、一部の住民に対して度を超した措置を取っている疑いがあるわ。だから、万が一に備えて、私たち小隊がより多くの裁量を得られるようにしたいの。

[マクマーティン] ……ってことは……駐屯軍のトランスポーターを使った方がいいですよ、なんてアドバイスは必要なさそうですね。

[バグパイプ] はぁ、隊長。こんなこと言いたくないけど、うちらだけじゃ人手不足だよ。

[ホルン] らしくないこと言わないの。まあ、安心して。駐屯軍との衝突なんて誰も望んでないんだから。

[ホルン] ……とはいえ、この都市の状況は、到着前に想定していたものよりもずっと複雑なようね。

[ホルン] ねえ、コック。あなたは長年ヒロック郡で暮らしてきたのよね。ここの人のこと、どう思う?

[マクマーティン] 変わったところなんて一つもない、普通の人たちですよ。私から見れば、ターラー人はほかのヴィクトリア人と何も変わりません。

[マクマーティン] 実際問題ね、まともな生活さえ送れたら、騒ぎを起こそうだなんて考える人はいないでしょう?

[マクマーティン] 世の中、理想を口にする人は大勢いますが、それを本気で心に抱いている人なんてのは一握りです。大抵の連中は腹を満たしたいだけで、それが済んだら次は財布を満たしたいと考えるものですから。

[バグパイプ] 隊長、コックさんの言う通りだよ! うちも、やっぱりダミアン・バリーさんが亡霊部隊の関係者だとは思えないもの。

[バグパイプ] うちが見たバリーさんと、あの街に住んでる人たちはみーんな普通の人だった。捕まったら怖くなって、助けてくれって言うし、身内を亡くしたらみんなで集まって泣いてた。

[バグパイプ] とてもじゃないけど、訓練された兵士には見えなかったよ。

[ホルン] それこそまさに、私が心配していることなの。――ハミルトン大佐の話も、全部が全部大げさなものではないのかもしれないわ。

[ホルン] 彼ら自身の意志にしろ、そうでないものの意図にしろ、普通の人たちが武器を手にする時がきてしまえば――我々は、ヴィクトリアが長年目にしてこなかった災いに直面することになるのだから。

[ジェニー] あっ。こんにちは、シアーシャ! ちょうどよかった! 実は、あなたに会いに新聞社へ行こうと思ってたところで……

[シアーシャ] ……

[ジェニー] ええと……どうしたの? もしかして、泣いてた……?

[シアーシャ] ……こんにちは、ジェニー。……なんでもないわ、大丈夫。

[ジェニー] 大丈夫には見えないよ。目が腫れてるし、顔は真っ青だし……普段のあなたなら、そんな状態じゃ出歩かないでしょ。……ねえ、何かあったんだよね?

[ジェニー] またこの前の兵士に嫌がらせされたの? だったら安心して、あたしが何とかするから。

[シアーシャ] ううん、その必要はないわ。……あの人はもう、つきまとってこないから。

[シアーシャ] その……なんて言ったらいいのかしらね……

[ジェニー] シアーシャ、深呼吸してみて――ね、大丈夫。今あなたの目の前にいるのは、あなたの親友ジェニーだよ。あなたの安全はあたしが保証するよ。

[シアーシャ] ――

[シアーシャ] ああ、ジェニー……どうして、あなたはあの人たちの仲間なの?

[ジェニー] えっ……? どうして、って……

[シアーシャ] 私、あなたに傷ついてほしくない。あなたは私の一番の親友で……その上、良い人なんだもの。ねえ。私もそうよね? 私のお母さんや、お父さんや、いとこも……皆、良い人だったはずよね?

[ジェニー] いとこっていうと……バリーのこと? ……あっ……そう、だよね……ごめん。

[シアーシャ] いいえ、あなたのせいじゃないわ。私たちどちらのせいでもない。私は平穏に暮らしたいだけなのよ。なのに何で……大切な人が死ぬところなんて、これ以上見たくないのに。

[ジェニー] ……泣いてもいいよ、シアーシャ。あたしが一緒にいるから。そもそも、家族が亡くなったばかりなのに、仕事まで忙しいなんてあんまりだよ……そうだ、肩でも貸そうか? 少しは楽になれるかも。

[シアーシャ] ……ううん、大丈夫。……ありがとう、ジェニー。あなたに会えたお陰で、だいぶ落ち着いたわ。それに、この先どうするべきかも見えてきたし……

[シアーシャ] ――これを、あなたに渡しておくわ。

[ジェニー] これは……どこかの住所?

[シアーシャ] そうよ。それに加えて、何人かの名前を伝えてもいいけど、でも、その必要はないと思うの。あなたをもっと危ないことに巻き込みたくないから。

[シアーシャ] この住所だけで十分でしょう。それを信頼できる人に……渡して。曹長か、ほかの上官、たとえば、ルイスおじさんとか。

[シアーシャ] 私たちの計画を探るために、ダミアンのことを聞き回ってる人がいるのは知ってるの。そういう人に見てもらえたら。

[ジェニー] 計画、って――まさか、あなたも関わってるの……!?

[シアーシャ] 私にもわからない。信じるかは任せるけど、私は情報の伝達係でしかなかったの。本に挟んだ付箋や、「夕刊ヒロック」の雑報欄にいくらかの暗号を載せていたわ。

[シアーシャ] 全部、皆の安全のためにやってるんだと思ってたのよ。ついさっき編集長の通話を聞いてしまうまでは、ね。……あの人たちがこんな恐ろしいことを計画していたなんて、私は全然知らなかった……

[シアーシャ] ……ううん。もう言い訳は終わりにしましょう。そんなことより、あの人たちを一刻も早く止めなくちゃ。

[ジェニー] わかった、協力する。誰に渡すかだってもう決めたよ。ほかの人よりもずっと、あなたたちを公平に扱ってくれる人に託してくるよ。きっと上手くいくから、安心してシアーシャ。

[シアーシャ] ええ。信じてるわ、ジェニー。

[シアーシャ] ――忘れないで、夜八時よ。そこに書いた住所に――

[ジェニー] 第十地区の彫像の東側……左から、一、二、三つ目の路地。ここに本屋さんがあって、入り口の鉢植えに黄色いバラが……見つけた。

[ジェニー] ええと、バ、グ、パ、イ、プ、さ、ん、へ――

[ジェニー] (これを、植木鉢の下に置くんだよね……? あっ、本当に緩んだレンガがある。朝言ってた通りだ!)

[ジェニー] (こんなふうに手紙をやり取りするなんて、変わってるなぁ。)

[ジェニー] (ロンディニウムから来たあなたへ……どうかシアーシャの……そして、あたしたちみんなの力になってください。)

[従業員] オーナー、誰かが黄色いバラの下にメモを置いて行きました。

[マクマーティン] ありがとう、見せてくれ。

[バグパイプ] あれ? 黄色いバラって、うち宛てだべ? もう来たの?

[ホルン] さっき言ってた情報提供者から?

[バグパイプ] そうそう。実は駐屯軍の兵士なんだけど……でも、安心して。あの子は本当に親切だし、良い人だから!

[ホルン] ……あなたに、人を見る目があることを願うばかりね。

[バグパイプ] 見る目? うち、昔っから視力はいいから大丈夫だべ!

[ホルン] はいはい。それで、メモにはなんて書いてあるの?

[バグパイプ] んーと、「ダムストリート109番、今夜八時」――だって。

[マクマーティン] ダムストリート……第十地区と十一地区のちょうど境目ですね。そこならわかりますよ。ボルトン男爵が持ってるお屋敷だったはずです。

[ホルン] どうやら今夜はその場所で、重要な集会があるみたいね。――バグパイプ、行くわよ。

[シュレッダー] ……ここにいらしたんですか。

[Outcast] ああ。熱いお茶を啜り、新聞をめくる……そうした、年寄りの義務を果たしていたところさ。

[Outcast] ううむ、やれやれ、風が強くなってきたな。

[シュレッダー] ……お探しのものは見つかりましたか?

[Outcast] (ターラー語)――明日を探している時ほど、むしろ昨日に出会うものだ。

[シュレッダー] ……ターラー語を話せるんですか!?

[Outcast] いやいや、話せるというほどではないよ。聞いての通り、学びたての言葉をそらんじてみただけでね。

[シュレッダー] ……とても信じられません。オリバーの言う通り、あなたは本当にすごい人ですね。

[Outcast] ははっ。最初に驚かれた時は少々鼻が高かったものだが、二、三回目になってくるといささか飽きてくるな。

[シュレッダー] ……この事務所には、ターラー語を話す者がほとんどいないので。

[Outcast] まあ、そうは言っても、君たちの経歴を考えれば、それは当然のことだろう?

[Outcast] 例を挙げると、オリバーの一族はガリアにルーツを持つものの、彼自身はロンディニウム北部の中流家庭で育っている。今は事務所の上階に住み、毎年妻子に会うために休暇を取っていることだろう。

[Outcast] フレッドは大方、ペニンシュラ郡出身の見習いだな。彼には兄弟が数名と妹が一人いる。家族関係は非常に良好と言えそうだ。

[Outcast] そしてウィル。彼は地元民だが、先祖代々ここの出身というわけではなく……数十年前、付近の固定村落からヒロックに移住してきた一家の生まれだろう。彼に流れるターラーの血は祖母由来と見た。

[シュレッダー] ……我々の資料をご覧になったのですか?

[Outcast] まさか。私はものぐさなんだ、予習なんて滅多にやらないよ。

[シュレッダー] それなら……一体どうやって?

[Outcast] ――「言語」さ。

[Outcast] 名前、なまり、言葉遣い、口調、そして言葉を止めるタイミング――言語には、君の想像よりずっとたくさんの情報が含まれているんだ。

[シュレッダー] ……私も、サンクタの特殊性については聞いたことがありますが……まさかここまでのものだったとは……

[Outcast] あっはは! まあ、これは私個人のちょっとした趣味によるものだがね。

[Outcast] とはいえ、ほかの人々からしても、言語には特別な意味があるものだ――でなければ、ターラー人だって、わざわざ古い書籍や資料の山を漁ってまで自らの言語を取り戻すことにこだわらないだろう?

[シュレッダー] ……ええ、仰る通りです。四、五年前までは、ターラー語を普段から話すターラー人はあまり見かけなかったものです。

[Outcast] そう言う君はどうなんだ?

[シュレッダー] ……聞いておわかりの通り、私はターラー人ではありません。妻はそうでしたが、生前に教えてくれたのは一言二言の簡単な言葉だけでした。

[Outcast] ふむ……けれども、消えかけていたはずのその言語は、今や新聞の至る所に見受けられる。

[Outcast] それと、先ほど、窓の外から誰かの声が聞こえてね。その人物は子供たちに、互いをターラー語で呼び合うようにと教えていた。

[シュレッダー] ……言われてみれば、確かに。

[Outcast] 言語がもたらす繋がりは、得てしてほかより強固なものだ。何しろ血縁のように時の流れで薄まるわけでもなければ、利益のように天秤で量り続ける必要もないのだからな。

[Outcast] どうやら、この繋がりを利用して、時と共に離れていくはずであった人々を、再び結集させたい誰かがいるようだ。しかし、もしそうなれば既存の地域集団は安定感を失ってしまうだろう。

[Outcast] 無論、それが目の前で起きようものなら、ヴィクトリアも放ってはおくまい。しかし、無理な力を加えれば、その分反動も大きくなるものだ。

[Outcast] ともあれ……私がここへ来た理由はわかるだろう?

[シュレッダー] ……実のところ、はっきりとはわかっていません。本当に資料を取りに来るだけなら、エリートオペレーターがわざわざ足を運ぶ必要はないだろうとは思いましたが。

[Outcast] 紙面のデータを追うよりも、自らの目で確かめた方が参考になるからね。資料を取りに来る、というのもあながち嘘ではないさ。

[Outcast] そうそう、もう一つ聞いておきたいことがある。この半年で、我々とのパートナーシップを打ち切った地元企業は何社になった?

[シュレッダー] ……七社です。

[Outcast] 先月の報告より三社増えたか。……昨今のヴィクトリアでは、どんな僅かな異変でもそれを真っ先に察知するのは商人たちだからな。

[Outcast] 私も外へ繰り出して、自らの目で確かめるとしよう――この街が、汚れた雨に降り籠められる前にね。

[バグパイプ] 隊長ったら、朝からずっと眉間にしわを寄せてるべ。

[ホルン] ……残された時間は、多くはないもの。

[ホルン] 今回の亡霊部隊の行動は、過去の事件とは明らかに異なっている。

[ホルン] 以前の彼らは、迅速に、そして秘密裏に、事を運ぶことに長けていたわ。私たちが追いついた時には、既に証拠は隠滅された後というのが常だった。

[ホルン] だけど、今回は……

[バグパイプ] うーん……セーターを編んだ後、余った糸切れをそこら中にばらまいたみたいだべ。しかも、糸切れ同士には何の繋がりもない。

[ホルン] ……その上、そうした手がかりたちは、どれもヒロック郡で途切れてる。

[バグパイプ] うちもなんだかモヤモヤするよ、隊長。

[バグパイプ] 今のこの都市って、蒸気が抜けない圧力鍋みたいだべ。住んでる人も駐屯軍も、みーんなイライラしてて、いっつもどこかで誰かが喧嘩しててさ……

[ホルン] ……誰もが皆、きっかけを待っているのよ。

[ホルン] だけど、本当にそれが訪れてしまったら、この都市は……ヴィクトリアは、一体どうなってしまうのかしら……

[バグパイプ] ――! (小声)……隊長……!

[ホルン] (小声)……どうしたの?

[バグパイプ] (小声)うちら、つけられてるよ!

[ホルン] (小声)……そのようね。――西側の路地を確認して。

[バグパイプ] (小声)了解。

[バグパイプ] ――止まれ!

[クレイグ] う、わっ――!?

[バグパイプ] ありゃ? なーんだ、子供か。……っていうかこの子、どこかで見たような気が……

[クレイグ] いっ、痛いよ……

[バグパイプ] うわわ、ごめんね! すぐ手を離すよ。悪者につけられてるとばっかり思ってたから、つい力んじゃってさ。

[クレイグ] ……ボールが……

[バグパイプ] あー、ボールが飛んでっちゃったから、拾いに来たんだね?

[バグパイプ] でも、早くおうちに帰った方がいいよ。この辺はちょっと危ないからね。あちこち歩き回ってると、お父ちゃんとお母ちゃんが心配しちゃうべ。

[ホルン] ……

[バグパイプ] あっ、隊長。ごめんごめん、大したことじゃなかったみたい。

[ホルン] ……子供が一人、だけ? いいえ、そんなはずない。

[ホルン] 追手は一人じゃなかった。そもそも、こちらに気付かれることなくいくつもの通りを辿ってくるなんて、尾行の経験があるとしか思えないわ。

[ホルン] さっき、一度高所に隠れた時……ほかに怪しい人物は見なかった?

[バグパイプ] うーん……強いて言うなら、近くの通りにとっても明るい輪っかがちらっと見えたような……

[ホルン] ……サンクタね。

[Outcast] ケーキを一つ。それと、このアップルパイに……そちらのビスケットも包んでもらえるかい?

[Outcast] ……いやはや、難しい選択だ。なんといっても、デザートの食べすぎはワルファリンに禁じられているからな……

[Outcast] やあ君、ちょっと教えてもらいたいんだが……ここのスイーツで一番甘いのはどれだろうか?

[焦っている青年] ……ッ……

[Outcast] まさか知らないってことはないだろう? 君はそれなりにヒロック郡にいるようだしな。私の予想では、兵役に就いて三年以上はここで――

[焦っている青年] なっ……あんた、一体……!?

[Outcast] まあそう焦るな、私にはわかるというだけの話だ。もちろん、君が後をつけている相手の方も、それは同じことだろうがね。

[Outcast] 何はともあれ、どうせ任務はご破算なんだ。私の奢りでアップルパイでも食べないか? これは実に美味いぞ。

[焦っている青年] お、おかしなサンクタめ……! いきなり出てきやがって、なぜ俺たちの邪魔をする!

[Outcast] 邪魔? 私が? 滅相もない。偶然通りがかっただけさ。

[焦っている青年] ……

[焦っている青年] ――第十二隊、ターゲットを見失った。だが、連中が消えた方向からして、行き先は恐らくダムストリートだ。

[焦っている青年] ……ああ、了解した。すぐに向かう……

[焦っている青年] しらみつぶしに調査するぞ。

[焦っている青年] おい、サンクタ! あんたに警告しておく。……無関係なことに首を突っ込むな。

[Outcast] ……「警告」だって?

[Outcast] 似たような言葉は散々聞いてきたが、「警告」されているのに、武器を向けられてもいないのは、いや、どうも慣れないな。

[焦っている青年] ……あんたのくだらんお喋りに付き合っている暇はないんだ。――行くぞ、お前ら。

[Outcast] さて……もう大丈夫だよ、ご店主。あの兵士たちは行ってしまったから。

[Outcast] 悪いが、残りのスイーツも全部包んでくれないか? ああ、私の分とは別で。同僚たちへのお土産にしたいんだ。

[Outcast] ……どうやら、仕事に出かけた子たちを呼び戻す時が来たようだからね。

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