aklib_story_怒号光明_R8-4_一触即滅の火種_戦闘前

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怒号光明_R8-4_一触即滅の「火種」_戦闘前

限界まで追い詰められていた感染者たちの村を訪れていたタルラ。しかし、まさにそのタイミングで監視隊が現れ、双方は一触即発という状況に。


フェイゼへ:

私の頼りない記憶が確かなら、あの爺さんは「イヴァン・イジャスラフ」という名前だったはずだ。

よくある名前の、どこにでもいる農民だった。

だが彼は自分を犠牲にした。色々なもののために、彼は自分の命を犠牲にしたんだ。

私は他人が命を犠牲にするほどの価値がある人間だろうか、そんなことをふと考える時がある。

アリーナは常に私と一緒に行動していた。普段は優しい彼女だが、時折見せるとげとげしい一面に、私は戸惑いを感じることもある。

計画は順調に進んでいる。

このままいけば、ここら一帯の感染者はいずれ団結するだろう。

上手くいってほしい。

そして、爺さんに安らかに眠ってほしい。婆さん以外で、あれほど私に優しくしてくれた人はいなかった……

2月7日

黒蛇の手から逃れて三年と二ヶ月目

[タルラ] すまない。少しいいか?

[感染者] なんだお前? その服、どこかの役人か?

[感染者] 帰れ! ここにはもう何もないぞ。お前らが奪うだけ奪って、残りは燃やしちまったんだろうが!

[感染者] まさか、俺を殺しにきたのか? 殺るなら殺れ! 人の皮を被った悪魔め!

[タルラ] いや、違うんだ。感染者監視隊が、今日ここに来る予定だと伝えに来ただけだ。

[感染者] 来るなら来い! 俺らを全員皆殺しにしてみろ!

[感染者] こんな、人もろくに住めないような辺鄙な場所に村を作って細々と暮らしているのに、まだ来やがるのか! いい加減にしろ!

[タルラ] どうか隠れていてくれないか。私が奴らと話をする。もしくは私が隠れて……

[感染者] それよりお前は誰だ? 言っただろ、お前らみたいな役人や貴族はどんな格好をしようが、みんな俺たちの命を――

[感染者] ……ふん、もしかしたらお前はあいつらとは違うのかもな。俺と話そうとするなんて変わってやがる。あいつらは俺たちを鞭打つことすら忌み嫌うんだ!

[感染者] ってあれ? どこ行った?

[感染者] 消えた……?

[感染者] こりゃまた何の小細工だ? はぁ……しかし今の話が本当なら――

[感染者] 俺らの命はここまでってわけか。

[感染者監視隊] 自分の運命を正しく認識しているのは良いことだな。

[感染者] あっ……監視隊の……

[感染者監視隊] ……貧相でボロボロ。体格も悪い。軍の鉱山に送っても大した金にならんだろう。

[感染者監視隊] さぁ、どうやって死にたい? 一息か? それともじっくりとか?

[感染者] ……どうか! この情けない姿に免じてご容赦ください! 放っておいてもどのみち短い命です!

[感染者監視隊] 武器を手に取っていながら、今さら何を言う?

[感染者] ……も、申し訳ありません! これはさっきの女に向けたものでなんです! いつの間にか消えてしまいましたが……

[感染者監視隊] 荷運びの駄獣よりも役立たずな奴らめ。お前ら感染者は生きているだけで、陛下の資源を浪費しているんだぞ!

[タルラ] なぜそう言える?

[感染者監視隊] ――――!?

[感染者監視隊] 何だ? お前どこから来た?

[タルラ] 遥か遠く、東の方から。

[感染者監視隊] 何を言っている……お前、お前も感染者か?

[タルラ] そうだ。

[タルラ] だが考えることも、話すこともできる。

[タルラ] 感染者にも命はある。その生死をなぜお前たちに決められなければならない?

[感染者監視隊] 何だと!

[タルラ] 静かに天寿を全うして死ねる場所さえ与えてくれれば、感染者たちもこれほど怒りを覚えることはないというのに……

[タルラ] 感染者の同志よ、顔を上げろ! そしてこいつの目元、口元、下卑た笑い顔を見るがいい!

[タルラ] 私たちの行動、生死を意のままにしようとしている顔だ。確かに感染者の命は大した金にならないかもしれない。だがお前の命は、一枚の金貨に値するほどのものか?

[感染者監視隊] 貴様!

[タルラ] 同志よ、思い出してみろ。奴らが仕出かした蛮行の中で、態度や行儀の良さを理由に許してもらったためしがあるか?

[タルラ] ないだろう! 単にまだ搾り取れるものがあったから、お前たちを生かしておいたまでだ!

[タルラ] 金や土地がなくなれば、即刻用済みと切り捨てるのが奴らだ。なぜなら感染者は、都市では生きていくことすらできないからな!

[タルラ] 我ら感染者がどう生きどう死ぬか、それを決めるのは我ら自身であるべきだろう!

[感染者] ……!

[感染者] お前は……一体何者なんだ?

[感染者監視隊] おい、クソアマ! 名を名乗れ!

[感染者監視隊] 歪んだ理論で民を惑わすなど言語道断! 皇帝の名の下に処刑してやる!

[タルラ] 名前……か。名乗るほどの名前はない。同志たちであればどう呼ぼうと構わないが、もし必要なら、タルラと呼べばいい。

[タルラ] だが敵に、そんなものは一切必要ない。

[タルラ] 私の炎で燃やし尽くすのみ!!

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