aklib_story_快刀乱麻_5-10_長夜の黎明_戦闘後

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快刀乱麻_5-10_長夜の黎明_戦闘後

ロドスのエリートオペレーター・ブレイズの登場で、戦場に勝利の光が差しこむ。もう勝機はないと判断したファウストはメフィストを連れて戦場から撤退した。 今回の事件は一段落したようだ。


[チェン] もう逃げ場はないぞ。

[メフィスト] ……お、お前ら!

[ブレイズ] あら? どこへ逃げるつもり?

[ファウスト] くっ。

[ブレイズ] 武器を下ろしなさい。

[ブレイズ] もうあんたの手の内は分かってるから、ウロコの坊や。

[ブレイズ] 言ったでしょ、手の内は分かってるって。

[アーミヤ] ブレイズさん!

[ブレイズ] フンッ、なんてことないわ。こんなの爆竹と変わらないんだから!

[ファウスト] 防御姿勢が早くて的確……。

[ファウスト] まさか、彼らの位置を知っている?

[ブレイズ] もちろん。とっくに全員見つけてる。

[ブレイズ] アーミヤ、下がって。アレをやるわよ!

[アーミヤ] わかりました! もう一度あの護衛隊の動きを止めます。タイミングは任せます!

[ブレイズ] この血は君たちへ贈るお別れのプレゼントってところかな、レユニオンの「迷彩狙撃兵」たち!

[ブレイズ] 燃え上がれ、敵を炙り出せ!

[ファウスト] ――!

[ファウスト] 振りまいた血が燃えた? 術師にしては珍しいアーツ……。

[ブレイズ] 私のなりが術師に見える? あなたたちの言う術師って、そこら中に放火して回る自意識過剰のチンピラたちでしょ。

[ブレイズ] 残念だけど、これは私の戦闘技術の一つってだけ。さあ狙撃兵さんたち、もう隠れられないよ!

[迷彩狙撃兵] ……。

[迷彩狙撃兵] ファウスト、迷彩が破られた。

[ファウスト] 命令、撤退。

[近衛局員] あれは……どういうことだ! レユニオンの狙撃兵がいつの間にあんなところに?

[迷彩狙撃兵] 今すぐにか?

[ファウスト] 今すぐに。

[近衛局員] 狙撃兵と思われる敵が突如姿を現しました、主に近衛局東ブロックの二階、南ブロックの三階に分布しています!

[アーミヤ] くれぐれも気をつけてください! 他にも低層階で待ち伏せしている敵がいるかもしれません!

[近衛局員] ビル内部の怪奇現象も、奴らが起こしたのか?

[ブレイズ] 光の屈折を利用した、一種の光学迷彩ってところかな。確かに悪くない戦術だけど……。

[ブレイズ] でも君は自分自身を隠せない、そして君が激しく動けば、そのアーツも無効化されてしまう。

[ブレイズ] それで合ってるんでしょう?

[ファウスト] ……勘がいい。

[ブレイズ] ロドスの情報網がすごいってだけ。もう君に望みはないよ、投降しなさい。

[ブレイズ] もしそれでもまだやるっていうなら、君の命でAceとScoutの命を償ってもらうからね。坊や。

[迷彩狙撃兵] ファウスト、まだ弾は残ってる。

[ファウスト] 撤退。もう迷彩は剥がされた。俺が奴らを食い止める、すぐに撤収が必要。

[迷彩狙撃兵] 了解。

[メフィスト] どうしてその女を撃たないんだ? ファウスト!

[メフィスト] 衛兵たち、早く行け! 行くんだ! 敵は四人、四人だけだ……しかも戦闘能力があるのは三人だけなんだぞ!

[メフィスト] 戦え! 今すぐにこの罪人たちを引き裂け!

[アーミヤ] Dr.{@nickname}の指揮があれば、私たち三人で十分です。あなたたちはもう敵ではありません!

[アーミヤ] あなたに理性を奪われ、操られている感染者たちは、もうあなたが植え付けた残留思念が残っているだけ、もう生きた人には戻れません……!

[アーミヤ] そこのウロコの男の子だって、あなたと同じ感情を持っているとは限りません。彼の心は混乱と悲しみで溢れています……。

[アーミヤ] メフィスト、もうあなたはこの戦場でひとりぼっちです。

[メフィスト] ……。

[ファウスト] 俺の心を読んだ?

[アーミヤ] 感じただけです。

[ファウスト] つまりお前にも俺が何をするつもりかまではわからない。

[アーミヤ] ――!

[ブレイズ] アーミヤちゃん!

[アーミヤ] 大丈夫です。私でもなんとか防御できます……! ですがあの衛兵たちが……。

[メフィストの護衛] 【乱雑な音】

[アーミヤ] ダメです。もうあまり長くは保てません!

[ファウスト] メフィスト、潮時だ。

[ファウスト] 敵の援軍がこちらの残存部隊を掃討している。

[ファウスト] その中には見たことのない部隊もある。計画が変わった。俺たちは敵にはめられた。

[メフィスト] ……レユニオンの二十個小隊、二個本隊はどうしてまだ来ない?

[メフィスト] クラウンスレイヤーたちはどうしたんだ?

[ファウスト] 今回はチェルノボーグとは違う。敵の連絡手段を全て断ったわけではない。敵には大量の援軍も、組織的な連携もある。

[ファウスト] メフィスト……。

[メフィスト] どうしてあいつらはまだここに現れないんだ!

[ファウスト] どうしてか知りたければ後でその目で確かめればいい。まずはここを離れろ。

[アーミヤ] ブレイズさん、もう限界です、そちらはどうですか?

[ブレイズ] 大丈夫、私とあのチェンとかいうヤツでなんとかなる!

[ファウスト] 早く!

[チェン] 行っていいと誰が言った?

[メフィスト] お前……衛兵たち! こいつを殺せ! 殺せ!

[メフィストの護衛] ぐ……ぐおおお!!!

[ブレイズ] クッ、十何体も一気に来られると、ちょっと面倒よね。

[メフィストの護衛] 【咆哮】!!!

[ブレイズ] 来るよ、チェン!

[チェン] 感謝する、ロドスのオペレーター。あとは任せろ。

[ブレイズ] えっ?

[チェン] (くっ、やはりダメなのか? こいつを完全に抜刀することは……いや、今はこれで十分なはずだ。)

[チェン] (赤霄、少なくとも今は……。)

[チェン] 「赤く染まる――」

[メフィストの護衛] ……ぐわああ!

[ブレイズ] ウソでしょ……。

[メフィストの護衛] ぐ、ぐう……ああ……。

[メフィストの護衛] (ウルサス語)あり……がとう……。

[メフィスト] ……。

[ブレイズ] 今のは剣を抜いたの? まさか一太刀で十数人が全滅?

[アーミヤ] その剣は……。

[ブレイズ] アーミヤちゃん、アレは首を突っ込まないほうがいい類のやつね。

[チェン] フンッ。

[メフィスト] な……いったい……何を……。

[ファウスト] 避けろ!

[チェン] お前も逃さん!

[ファウスト] ぐっ……!

[メフィスト] ファウスト、ファウスト! きっ、傷が! だ、ダメだ、ダメだよ……ファウスト!

[ファウスト] ……。

[チェン] ここまでだ。

[ファウスト] まだ終わりではない。

[チェン] 貴様っ!?

[チェン] ぐっ、私を近くにおびき寄せて撃つ狙いだったのか。

[ブレイズ] でも防御は間に合ってるでしょ。

[チェン] 違う、この爆発に乗じて逃げるつもりだったんだ!

[ブレイズ] うわっ、爆発が連鎖してる?

[ブレイズ] 展望デッキ全体が崩れそう。追いかけられそうにないか……。

[チェン] 半分は先程お前が切り裂いたのだがな。

[ブレイズ] それはしょうがないでしょ。

[ファウスト] 今のうちに早く。

[メフィスト] ダメだ、僕はここで援軍を待たないと……。

[ファウスト] 今回は失敗。もう引くしかない。

[メフィスト] 失敗……失敗? ありえない!

[メフィスト] 完璧な計画だったはずだ……レユニオンの援軍の召集はとっくの昔にかけてるだろう?

[メフィスト] 裏切り? 漏洩? いったい誰が? 近衛局がどうして僕たちの人員配置と計画を知ってたんだ?

[ファウスト] 早く!

[メフィスト] もし裏切り者はいないって言うなら、いったい誰がっ!

[メフィスト] タルラ姉さんはミスなんかしない、じゃあわざと……。

[メフィスト] ちっ、違う、ありえない、タルラ姉さんがどうしてそんな事をするんだ?

[メフィスト] ……ファウスト、僕たちの失敗だなんて認めたくない。信じられるものか。

[ファウスト] 飛べ! 引き寄せる!

[メフィスト] ……わかった。

[ブレイズ] あーあ、この惨状。しっかりビル直さないとね、隊長さん。

[ブレイズ] あと、あの二人に逃げられちゃったのも残念。

[ブレイズ] 残った能無したちは驚いた獣の群れみたいに湧いてきてる。全員を制圧するのはちょっと手間かかりそうだね。

[アーミヤ] ですが、少なくとも近衛局の奪還には成功しました。

[アーミヤ] 今のところ、私たちの勝利です。

[チェン] アーミヤ……。

[チェン] ――

[チェン] チェルノボーグの廃都市からはどうやって脱出を?

[アーミヤ] こちらのオペレーター、ブレイズさんが援軍として駆けつけてくれたのでなんとか。

[アーミヤ] それにもう一人、声の大きい龍門警官の方が廃都市の外で迎えてくれました……。

[ブレイズ] もし近衛局が初めから様子見なんてせずに助けてくれてれば、もっとスムーズに進んだとは思うけどね。

[ブレイズ] その表情、ロドスの助けなんていらなかった、共倒れになる覚悟があればあなた一人でもどうにかなってた…なんて考えてるんじゃないよね。

[ブレイズ] まぁ、そこまで腐ってるわけじゃないか。まだ何か言うことは?ないならさっさとロドスに戻るけど。

[チェン] ロドスにあんな航空装備があるとはな。

[ブレイズ] ロドスにはまだ他にもたくさんびっくりするモノがあるけどね。

[チェン] 我々も同じだ、全てのカードを一度に切るわけにはいかない。

[ブレイズ] ロドスも手札の一枚だと思ってるんじゃないの?

[チェン] ――

[近衛局員] チェン隊長、お話し中すいません。

[近衛局員] 龍門のホットラインから通信です。

[チェン] こちらチェンです。

[ウェイ] チェン君、よくやってくれた。

[ウェイ] スワイヤー君もチャンネルにいるな?

[スワイヤー] はい。長官。

[ウェイ] さて、私に進捗を報告してくれるかな。

[スワイヤー] ロドスの救出に成功し、各部隊の手配も済んでいます。調整から指揮までは、三日三晩寝ずの対応となりました。

[スワイヤー] では、チェン君は?

[チェン] こちらは近衛局の奪還に――

[チェン] ……

[チェン] ――ロドスの協力のもと、近衛局の奪還に成功しました。この情報はレユニオンの指揮官の口から、いずれレユニオン全体に伝わるはずです。

[チェン] 現在、龍門各地に潜伏していたレユニオンも全てこのエリアに集結しており、我々の封鎖と誘導を受け、付近のアジトに一旦身を潜めたようです。

[チェン] あとは彼らが飛び出してくるのを待つだけです。

[チェン] 以上です。私の任務は完了しております。

[ウェイ] 君たちの同僚からも一通り報告は受けている。前半の任務は皆無事に終えたようだ。ご苦労だった。

[ウェイ] では、後半の任務に移ろう。

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