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急転直下_4-1_フリーハグ_戦闘前
ロドスに戻ったアーミヤは、疲労と戸惑いの中にいた。しかし、事態は今も進み続けている。 暫しの休息の後、ケルシーが伝えたのは、チェルノボーグ事変の際に離脱したもののなれの果てらしき廃都市を探索する、という新たな任務のことだった。
p.m.8:36 / 雨天 / 視界:12km
ロドス本艦
[ケルシー] 戻ったか。
[アーミヤ] ……はい。
[ケルシー] ……
[ケルシー] 偵察チームから詳細は聞いている。
[ケルシー] アーミヤ、手を診せてくれ。
[アーミヤ] いえ、大丈夫ですから……
[ケルシー] ……アーミヤ。
[アーミヤ] ……
[アーミヤ] ……わかりました。
[ケルシー] …………
[ケルシー] 幸い、指輪に亀裂や変色などはないようだな。
[ケルシー] だが、次もこう上手くいくとは限らない。
[ケルシー] 改めて言っておくが――
[ケルシー] くれぐれも、気をつけるように。
[アーミヤ] はい。……あの、先生……
[アーミヤ] ……少し、休んでもいいでしょうか。
[ケルシー] ああ、行きなさい。
[アーミヤ] ありがとうございます……
[ケルシー] ――
[ケルシー] この件は、君にも責任がある。
[ケルシー] 二度と、彼女をこうした危険な目には遭わせないようにしてもらいたいものだ。
[ケルシー] 加えて、アーミヤのあの様子は、陰鬱な感情に囚われているように見受けられる。
[ケルシー] これは思わしくない傾向だ。
[ケルシー] 恐らく、君がロドスへ戻ってきた際にも、彼女は今と同様の表情をしていたことだろうが……
[ケルシー] ……ともあれ、Dr.{@nickname}。今は、彼女のそばにいてやってくれ。
[ケルシー] ただし、下手な真似はしないように。
[ドクター選択肢1] (ノックをする)
[アーミヤ] 開いていますよ、どうぞ。
[アーミヤ] ……
[アーミヤ] ……ドクター……?
[アーミヤ] 悩みごと……? 私が、ですか?
[アーミヤ] ……あはは……お見通しでしたか。
[アーミヤ] ちゃんと隠せてるつもりだったんですけど……
[アーミヤ] 確かに、少し……ほんの少しだけ、悩んでいることがあるんです。
[アーミヤ] でも、それを我慢するのにも慣れてきてしまって。
[アーミヤ] やっぱり、みなさんの負担を増やすわけにはいきませんし……
[アーミヤ] ドクターも、そう思いますよね?
[アーミヤ] …………
[アーミヤ] ……私、わからないんです。
[アーミヤ] 一体、どうしたらいいのか……
[ドクター選択肢1] …………
[アーミヤ] ……もちろん、自分たちのしていることは理解していますし、その過程で犠牲は避けられないということもわかっているつもりです。
[アーミヤ] それでも……どうしても、わからないんです。
[アーミヤ] 私たちは、なぜ……本当は救えたはずの人たちが、目の前から消えていくのを見過ごすことしかできないんでしょうか?
[アーミヤ] あと少し、手を伸ばせたら……きっと、届くはずなのに。
[アーミヤ] ……自分が負うべき責任のことは、理解しています。……ですから私は、これからもこの歩みを止めはしません。
[アーミヤ] けれど、今は……どうにも、疲れてしまいました。
[アーミヤ] ……
[ドクター選択肢1] ……
[ドクター選択肢2] アーミヤ……
[アーミヤ] ……ドクター。気にかけてくれたこと、ありがとうございます。
[アーミヤ] しばらく、一人にしてもらってもいいですか?
[アーミヤ] おはようございます、Dr.{@nickname}。
[アーミヤ] あっ、ケルシー先生もいらしたんですね。
[ケルシー] ああ。……少し、話があってな。
[ケルシー] 急を要する仕事で、いくらか人手が必要になった。
[ケルシー] ――龍門郊外に、廃墟となった移動都市が発見されたんだ。
[ケルシー] 私の推測が正しければ、チェルノボーグ事変の際に離脱した都市の一つだろう。
[ケルシー] ついては、市街地を探索して情報収集を行うと共に、生存者の有無を確かめる必要がある。
[ケルシー] 仮に、レユニオンの潜伏が確認されるなど、より深刻な状況が発覚した場合には、我々の今後の動きにも大きく影響を及ぼすことになるだろうしな。
[ケルシー] 具体的な作戦内容はここにまとめてある。時間のある時に目を通してくれ。
[アーミヤ] わかりました。
[ケルシー] ああ、それと……
[ケルシー] フランカから受け取った報告書によると、彼女たちはBSWに帰還する必要があるそうだ。
[ケルシー] 加えて、ペンギン急便からは、龍門のスラム街の状況について、現地で君と意見交換を行いたいと連絡を受けている。
[ケルシー] 実際に見ておくべき細かな事情が存在する、ということだろう。
[アーミヤ] でしたら、今から行ってきます。
[アーミヤ] ドクターも一緒に――
[ケルシー] いや。Dr.{@nickname}には、まだ話しておきたいことがある。
[アーミヤ] ――ええと……
[アーミヤ] 私も同席していいですか?
[ケルシー] 駄目だ。
[アーミヤ] ちゃんと耳を塞いでおきますから――
[ケルシー] 駄目だと言っただろう。
[アーミヤ] う~……
[アーミヤ] ケルシー先生、あまりドクターを困らせないでくださいね。
[ケルシー] わかっている。
[ケルシー] ……さて。
[ケルシー] 彼女に寄り添うことすら、まともにこなせないとはな。
[ケルシー] まあいい。この結果は予想していた。
[ケルシー] ――アーミヤは、本当に強い子だ。
[ケルシー] しかし、どんなに堅い殻で己を守っていたとしても、強い圧力を受け続ければ、いずれは押し潰されてしまうもの……
[ケルシー] 君には、そうした事態が訪れないようにしてもらいたい。
[ケルシー] ゆえに、次に同様の事象が発生することがあれば、もう少し良い働きを期待したいものだ。
[ケルシー] ――?
[ケルシー] その表情は何だ。
[ドクター選択肢1] 一つ聞かせてほしい。アーミヤの指輪は何なんだ?
[ドクター選択肢2] ……
[ケルシー] あれは、彼女の身体状況に関係している物だ。
[ケルシー] それ以上のことは、まだ教えられない。ただ、一点だけ注意すべきことを伝えるとするなら……
[ケルシー] この先、仮にアーミヤが激しい戦闘に巻き込まれることがあれば――
[ケルシー] ――状況が落ち着き次第、すぐに指輪の状態を確認するよう心がけてくれ。
[ケルシー] なお、その際指輪に少しでも変化が見られた場合には、必ず私に報告するように。
[ケルシー] ……ああ、それと。別件だが、二日後に検査センターで、君の身体検査を行う予定がある。忘れてくれるなよ。
[ケルシー] ――用件は以上だ。すでに、リスカムが君の護衛のため廊下で待機している。行ってやると良い。
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