aklib_story_起死回生_3-8_たそがれ_戦闘後

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起死回生_3-8_たそがれ_戦闘後

「スカルシュレッダー」を再び下した一行。しかし、それを喜ぶ者はいなかった。 言葉を失うアーミヤに、チェンが静かに言葉を掛ける。 そうして、一同はそれぞれの思いを胸に、帰路についた。


[チェン] アーミヤ。

[チェン] ――

[チェン] ……終わったぞ。

[アーミヤ] ……

[チェン] 本質的に、人の行動というものは予測しようがない。

[チェン] それが感染者であれば、なおのことだ。

[チェン] ――力は人を狂わせ、欲望は人を堕落させる。

[チェン] さながらガンのように、少しずつ、美しいすべてを食い潰していく……

[アーミヤ] ……

[チェン] ……そのマスクは、キミにとって意味のない物だ。

[アーミヤ] ですが……

[チェン] とはいえ、持ち帰りたいのならそうしてもいい。

[チェン] だが、それを続けていくうちに……キミの部屋は、そうした物で埋め尽くされることだろう。

[チェン] ――感染者であろうと、そうでなかろうと……人は皆、自らの選択がもたらす結果を背負わねばならないんだ。

[アーミヤ] ――――

[アーミヤ] ――ごめんなさい……

[アーミヤ] チェンさん……私……

[チェン] ……いいか、アーミヤ。

[チェン] レユニオンの連中が、キミの言葉に耳を貸すのなら、その時は助けてやるといい。

[チェン] だが、奴らが聞く耳を持たず、狂気の沙汰へと身を投じたら……ためらう必要はない。

[チェン] ――――

[チェン] 彼女は、悪事を為したわけではなかった。ゆえに、この結果は、罪への罰として下されたものではない。

[チェン] 単に、彼女自身がこうなることを選んだだけだ。

[チェン] 誰一人、それを止められはしないし、責められもしない。

[アーミヤ] ……でも……私には、わからないんです。

[アーミヤ] これまでずっと、私たちには、救うべきすべての人を助ける責任があると思っていました。

[アーミヤ] なのに……どうして、こんなことに? ……なぜ、彼女一人にこの結末を背負わせなければならなかったんでしょう……

[アーミヤ] ロドスのしていることは、本当に正しいことなんでしょうか……?

[チェン] ……

[チェン] 鉱石病に感染したその日から――彼らの運命はもはや、人の手に負えるものではなくなってしまった。

[チェン] ロドスの見解では、道を踏み外した人々にも、救える余地があるのかもしれないが――

[チェン] 私と近衛局からすれば、そうは思えない。だから、必要に迫られた場合には……

[アーミヤ] …………

[アーミヤ] 私はただ、終わりの見えないこの状況を変えていきたいだけなんです……

[アーミヤ] それがたとえ、ほんの少しの変化だとしても――

[アーミヤ] ですが……何をしたところで、こんな結末にしかならないのなら……

[チェン] ……

[チェン] ――アーミヤ。

[チェン] 気持ちに、揺らぎがあるのか?

[アーミヤ] ……

[アーミヤ] ……わかりません。

[アーミヤ] ――今の感染者たちは、敵意に溺れるか、自ら破滅へ向かっていくばかりで……

[アーミヤ] 次々と悲劇が繰り返されているのが現状です。

[アーミヤ] けれど、その連鎖の中でも、感染者に希望を与える方法が――鉱石病の根絶以外にも、あるはずだと思います。

[アーミヤ] ……そして、その方法というのが、人々の間の憎しみを取り除いていくことなんだと思うんです。

[チェン] ……アーミヤ、よく聞け。

[チェン] 慈悲を与えようとするならば、その代償を払うことになるものだ。

[チェン] ――ロドスは近衛局のような組織にはなれないし、近衛局のようなやり方もできんだろう。

[チェン] だが、キミたちは進んで感染者を受け入れ、そして無謀なことに、事を荒立てず人々を救おうとさえしている。――それは、ロドスにしかできないことだ。

[チェン] あるいは、ロドスだけが試みていること、と言ってもいいかもしれない。

[チェン] しかし、私には、そんなことはできん。

[チェン] 無論、近衛局もそれは同じことだ。

[アーミヤ] ……

[チェン] ……とはいえ、彼の仲間でなくても、そのマスクを残しておこうとする、キミのような人物もいる。

[チェン] ……キミが、そうしたマスクで自分の部屋を満たすことになっても構わないというのなら、そうすればいい。

[チェン] ただし、それが自分自身の選択であることを忘れるな。

[アーミヤ] ……

[チェン] ――ロドスの小さな「リーダー」よ。

[チェン] キミに、すべてを背負う覚悟が本当にあるのなら――

[チェン] 己の意志で決断し、その結果に責任を持つことだ。

[アーミヤ] ……

[アーミヤ] ……ありがとうございます。

[アーミヤ] チェン隊長……

[チェン] ……

[チェン] こちらで現場の片付けと、修復作業に当たる。その後、あの医者にも連絡を入れておこう。

[アーミヤ] わかりました。……ドクター、行きましょう。

[W] ふ~ん……人の運命って、絡み合うようにできてるものね。

[W] お互いに、干渉もすれば邪魔にもなる。どんなに優秀な指し手だろうと、裏をかかれてチェックメイト……な~んてこともあるもの。

[W] まあ、いいわ。それも悪くはないし……

[W] このあと起きることには……待つだけの価値があるでしょうしね。ふふっ。

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