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青く燃ゆる心_OF-EX3_MCタイム_戦闘後
エンペラーの突然の登場は観衆たちの熱狂に拍車をかける。だが彼を歓迎しない者もいた。 エンペラーは目の前の危機を気にも留めなかった。なぜなら、ペンギン急便が既にこの時を待っていたからだ。
[観光客の女性] いま地面が揺れなかった?
[観光客の男性] そりゃそうさ!!
[観光客の男性] そりゃ、ステージからこんなに近いんだぜ! 見てみろよ!? アレだよ、D.D.D.のあの表情!! あれはいったいどうやってるんだ!?
[観光客の女性] えっもう引っ込んだじゃない、いつまでもそんなに……待って、また地震?
[観光客の男性] うわっ、ウーファーが響いてるのかな……いや待て。
[観光客の女性] わっ……わわっ? あなたも感じた?
[観光客の男性] ……行くぞ!
[観光客の女性] な、何よ?
[観光客の男性] いいから付いてこい!
[観客] 押すな! 離れろ!
[観客] 足を踏んでる!! どけっ!!
[観客] 人が倒れてるぞ! 気をつけろ!
[観光客の女性] ど、どうして急に騒々しくなったの、もしかして……。
[観光客の男性] ……マジかよ。
[観光客の男性] ……エンペラーだ。
[エンペラー] へぇー、悪くねぇ天気だ。
(歓声)
[観光客の男性] エンペラー! 本物だ!! うわあああああ!
[観光客の女性] ……。
[観光客の男性] 何ボーッとしてんだよ! こんなときにまだ地震なんか気にしてんのか!?
[観光客の女性] ちが……ただ、本物のエンペラーを見て、待って、少し、興奮して息が……。
[護衛] エンペラーさん、こちらへ。
[護衛] 観客の皆様! どうかお下がりください! 線の内側までお下がりください!
[エンペラー] おい、そこのサヴラの若者。
[エンペラー] 大丈夫さ、近づけていい。
[護衛] ですがエンペラーさん、この後ステージもありますし、万が一のことがあれば……。
[エンペラー] 万が一?
[エンペラー] 銃撃に刺殺、拉致、自殺脅迫、万が一ってそんなところか?
[エンペラー] そんなもんで何を止めるつもりだ? 俺をか?
[エンペラー] いいや、そんなもんは俺のパフォーマンスの一部になるだけさ。言葉の意味がメロディーでかき消されるみたいにな。わかるか?
[護衛] わ、わかりません……。
[エンペラー] 簡単に言えば演出の一つってことさ。安心しな。どうなってもMSRはお前たちに責任を問うたりしないさ。
(歓声)
[観客] エンペラー!! エンペラー!! エンペラー!!
[怪しげな表情の観光客] ……。
[エンペラー] よーし、来たな。さあ早く、緊張するな、リラックス、大胆に、自分を信じて。
[怪しげな表情の観光客] 何が西クルビアが誇るラップの神だ。お、お前はただのチンピラだろう、運が良かっただけの……。
[エンペラー] 大きな声で、カモン、もっと大きな声で! おい、サヴラの君、そいつにマイクを渡しな。追い払わなくていい。慌てるな、俺の言う通りにすればいい。
[怪しげな表情の観光客] 俺たちの生活をめちゃくちゃにしといて、お前は大成功してふんぞり返りやがって、し……死ね!!
[観光客の女性] ぎゃああ――ボウガンだ! 早く逃げて!
[怪しげな表情の観光客] 俺は悪くねぇ、そうだ、全部お前が悪いんだ。お前の作った「ラップ帝国」のせいでどれだけの歌手が犠牲になったと思ってやがる――
[怪しげな表情の観光客] 何がエンペラーだ、クソ食らえだ、卑怯者のペンギン風情が!
[エンペラー] フハハハ、卑怯者か。コイツはいい。卑怯な手段を使っているのは一体誰かな? メディア買収に世論操作、誹謗中傷、そして最後は射殺か、なぁ、ブラザー?
[エンペラー] アンダーグラウンドのゴミ溜めに沈めば、お前が誰かわからなくなるとでも思ったか? あんな若者たちを手にかけて満足かな、「歌手」さん?
[怪しげな表情の観光客] テメェ――!
[エンペラー] もし俺がお前たちを見過ごしてたら、きっと気に入らない新星たちをどんどん「排除」していってたんだろうな。
[エンペラー] それで集まった金をぜーんぶ自分たちの取り分にして、クルビアの全部を踏み台にするんだろう?
[怪しげな表情の観光客] 黙れ! 死ね!
[護衛] エンペラーさんを守れ!
[護衛] しまった! エンペラーさんに命中したのか、早く……え?
[護衛] 撃ったのは……エンペラーさん? あいつのボウガンを撃ち抜いたのか?
[エンペラー] ダダダダダ、ダン! パーン! なーんてな。
[エンペラー] 変だなぁ。アレだけ饒舌にペラペラ喋っておいて、どうして俺の銃口が煙を上げてるんだ? なあ?
[エンペラー] お前が腰抜けだからか、それとも俺が眩しすぎて上手く狙えなかったか?
[怪しげな表情の観光客] グッ――うっ――銃を持ち歩いてんのか……。
[エンペラー] もし一日に何回も死ぬ経験をすれば、武器を持ち歩く習慣だって身につくもんさ。
[怪しげな表情の観光客] ぐっ――まさか俺一人だけだとでも思ってんのか? これまでどれだけ敵を作ってきたか数えてみるがいい! シエスタを生きて出られると思うなよ!
[エンペラー] 俺の過去はあんな虚構の海洋よりもずっと深くて広いんだ。お前の言う敵なんて、どこに沈んでるかわかんねぇなぁ?
[護衛] 大変です。エンペラーさん! 観客の中にヤツの仲間が大量に紛れているようです。こちらでは処理しきれません……。
[エンペラー] ああ、分かってるよ。まぁ慌てるな。君たちは現場の秩序を守ってくれればいい。後始末はその道のプロに任せておけ。
[エンペラー] 例えば俺の、ペンギン急便なんかにな。
[クロワッサン] ……なんや休暇に来たんとちゃうん? あんなー、念の為聞いときたいんやけど、超過勤務手当っちゅーのは出るん?
[テキサス] ホテルであれだけ休んだんだ。確かに少し体を動かしたほうが良さそうだ。
[ソラ] テキサ……「ソラ」はホテルでずっと本を読んでたからね……。
[テキサス] ……そうだった。そういう約束だったな。戦闘中も間違えないようにな。問題ないか、テキサス?
[ソラ] 大丈夫!
[エクシア] ヘイ! ボス、こっちが片付いたら、明日の最前列のチケットをよろしくぅ!
[護衛] エンペラーさん、こ、この人たちはいったい?
[テキサス] 私たちのことはボス…エンペラーさんの護衛だとでも思ってくれればいい。
[クロワッサン] まぁウチら、タダの物流会社なんやけどなぁ。
[エクシア] あたしたちの業務範囲って、もともと幅広いでしょ。こないだなんかジャズ・バーを買収してたし。
[ソラ] シラクーザの犯罪組織もちょいちょい懲らしめていたもんね。最近は不思議なくらい大人しかったけど。
[エンペラー] 俺たちに挑むのはいいが、いつも龍門でどれだけ喧嘩をしてきてると思ってるんだ?
[エンペラー] 喧嘩にかけちゃ俺たちはプロフェッショナルだ、それも最高ランクのな。だーれも相手にならない。
[興奮する観客] この瞬間を待ってたぜ! 西のペンギン! 堂々と姿を現すとはいい度胸だ、死ぬ準備は出来てんだろうな!
[エンペラー] ……自分たちのやってきたことを棚に上げて、よくも威勢のいいことだ……。まぁいい、敵がいくら増えても俺の描いていたシナリオと大して変わらない。
[エンペラー] テキサス、やれ。
[テキサス] 了解――あっ。
[ソラ] ――了解! いっくよー!
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