aklib_story_OPOD_OD-2_防衛範囲拡大_戦闘前

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OP:OD_OD-2_防衛範囲拡大_戦闘前

レインボー小隊のメンバーが事故によってテラの大地にトリップしてから、すでに半年の時が過ぎようとしていた。驚きと戸惑いから持ち直した彼らは、テラでの生活に次第に慣れていった。


[Ash] 任務記録 184日目。

[Ash] 現在まで、あたしたちはこのボロ屋を堅く守り続けている。

[Ash] 任務について184日目、前述のボロ屋に到着してからだと、27日目。

[Ash] この地で184日も生活しているなんて誰が信じてくれるかしら。

[Ash] 依然としてこの世界に関しては、何もわからないまま。

[Ash] 二週間前、現地人の話に従い、あたしたちはボロ屋を後にして、別の町へと向かった。

[Ash] 出発前に「もっと発達した場所」と町の人に言われたので、その話を丸まる信じ込んだのだ。発達という言葉の定義が、同じものなのか確認しなかったのは手落ちだったかもしれない。

[Ash] 結果としては、そこは悪党の巣窟だった。

[Ash] あたしたちにとって必要なバッテリーや価値ある情報などはなく、さらには正常にコミュニケーションを取れる人すら見当たらなかった。

[Ash] ただし、まるきり何もなしということはなく、少しだけ収穫らしきものがあった。ティナが車を「調達」してきた。

[Ash] 困ったことに、その後も何もかもうまくいかず、元々多くなかった弾薬すら消費してしまった。

[Ash] さらには争いの中で車もひどく損傷し、ボロ屋に帰ってきた直後、車は動かなくなっていた。

[Ash] アレクサンドルが修理を試みたのだけど、この車にはガソリンタンクが見つけられず、エンジンの構造も全くわからなかった。

[Ash] 最後には、それが本当にエンジンかどうかすらわからなくなってしまった。

[Ash] 唯一の良い知らせは、左ハンドルだってことだ。

[Ash] この世界に来て約半年。ここは地球ではないと確信し始めている。

[Ash] あたしたちは車を奪い、銃撃戦を行い、まるで黙示録後の世界を舞台にしたSF映画に出てくる命知らずの主人公たちみたい。

[Ash] 銃撃戦というのもちょっと違うね……トカゲみたいなあいつらは銃すら使う必要ないから。

[Ash] 10キロはある槍を十数メートルも精確に投げつけ、空中に巨大な火の玉を作り出す。まるで手榴弾とロケット弾みたいにね。

[Ash] この世界は我々の常識とはかけ離れてる。異常過ぎてもう何が起きても驚きようがない。

[Ash] 人間の適応力は往々にして自らの予想を越える。あたしたちはまだここで生き延びるつもりだ。

[Ash] 今日が最後の録音となる。もう記録できない。

[Ash] レコーダーのメモリーがもうすぐいっぱいで、その上、電池ももう持ちそうにない。

[Ash] この世界でもティナのソーラーチャージャーが問題なく使えることに感謝だ。この世界の太陽が我々の世界のものと似通っていることにも感謝する。

[Ash] だけど、もしソーラーチャージャーが壊れたら? 弾薬を使い切ったら?

[Ash] どうすればいいか、正直言ってあたしにはまだわからない。

[Ash] ここは何もかも異常で、未だに現実感がない。あまりにもおかしなことが、この世界では常識として成立しているようだ。

[Ash] 帰り道はどこにあるの?

[Tachanka] ほーら、ウーマニ。これを見ろよ。

[Tachanka] 野菜は食べないのか?

[Tachanka] あとは何が残ってるかな……

[Ash] あんた、何やってるの?

[Tachanka] おっと、紹介しよう。ウーマニ、俺の小さな相棒だ。

[Ash] ペットにしたの? その……それ、何だったかしら?

[Tachanka] オリジムシだ。現地の奴らはそう呼んでいた。

[Ash] ……

[Ash] それ、飼うの?

[Tachanka] ああ、毎日、屋根の上に座り込んで機関銃とおしゃべりするのには飽きてきたところだ。何か違うことがしたい。

[Ash] あんたの仕事は周囲の警戒よ。変種したカタツムリで遊ぶことじゃない。

[Tachanka] だが何を警戒する? よろよろ歩く病人たちか? 1キロ以上離れた場所に住んで一切近付いてこない町民たちか?

[Tachanka] この間唯一このボロ屋に近づいてくるのは、あのおやつになった空飛ぶトカゲくらいだ。

[Ash] ……ティナとケッツは?

[Tachanka] 物資を交換しに、病人たちの所へと行った。

[Tachanka] ティナが昨日また何かハントしていたな。あいつはどんどん上達している。

[Ash] ティナはまた一人で?

[Tachanka] そう、色々としかけて楽しんでるようだ。最近は「野生の駄獣」を捕まえようとしているらしい。

[Tachanka] ついでに、ケッツは町へ行ってみるそうだ。

[Tachanka] 俺が車から取り外したあの部品を覚えてるか。ケッツが言うには、町のメカニックと知り合ったから、話を聞きに行くそうだ。

[Ash] ……そう。

[Tachanka] お前は焦り過ぎだ、コーエン。

[Tachanka] もっとどっしり構えろ。どうせすぐには帰れないんだ。

[Tachanka] ケッツを見習わないとな。積極的に話をして、ここの人たちと友好的な関係を築いている。

[Tachanka] 俺はまだ現地の言葉だってわからないのに、ケッツの野郎は大したもんだ。

[Ash] あたしはそれを心配してるの。

[Tachanka] どういうことだ?

[Ash] ケッツはこの世界の人々と親しくなり過ぎてる。この異常な世界においては、良いこととは言えない。

[Ash] この町は矛盾だらけよ。ここに来てもう一ヶ月になるし、わかってるでしょう?

[Ash] 屋敷に閉じこもって一歩も外に出てこない地元政府の責任者……ここでは「領主」だったわね。それと完全武装した領主の衛兵たち。

[Ash] それにこの「病人地区」。

[Ash] この区域全体が同じ領主により管理されている。でも病人は町に住めず、ほかの町民はここに近付こうともしない。

[Ash] つまり、彼らはここに追い立てられて来たってことよ。

[Tachanka] それはここの奴らが「奇病を患った」からだろ。

[Tachanka] 疫病が猛威を振るって病人が閉じ込められるのは、俺たちの世界の歴史を見ても事例がないわけではない。少なくともこの地の領主はそうした病人たちを牢屋にぶち込んでいるわけではない。

[Ash] 源石……鉱石病? 正確な名前は忘れたけど。

[Ash] あたしの理解は、不思議な石が感染源で不治の病であり、人間同士でも感染するってことだけ。

[Ash] どうやって感染して、どんな症状が出るのかは不明。

[Ash] 誰もいちいちそんなこと説明してくれないし、聞いたら不思議な顔をされる。

[Ash] この病はこの町か、あるいはこの世界では珍しいものではないってことね。

[Ash] 単純に源石、鉱石に直接触れたことが原因なら、隔離措置をとる必要があるとは思えない。

[Ash] それに、あたしたちと病人との接触頻度と距離に関して、感染のリスクはないと先生は言っていた。

[Ash] 病人地区は囲いのない監獄なのよ。集団同士で憎しみ合うのが普通になってる。

[Ash] 排斥とか差別などではなくて、人々の言動の根底に憎しみがあって、それが文化の一部になっている。

[Ash] 憎しみ。あたしの言ってる意味がわかる? これは未知の病だけの問題ではないわ。あたしたちはここの人たちの対立に関わるべきではない。

[Ash] 仮にこの町の人たちが、たいまつやピッチフォークを掲げてここの病人たちの家を襲いに来たら、あんたはどうする? 彼らに向けて発砲する?

[Tachanka] それは……どうだろうな。

[Tachanka] ここ数ヶ月、俺たちの食料や飲み水、薬はすべて彼らに依存している状態だ。感謝しているからな。

[Tachanka] もっと前の話をするなら、俺たちがさまよい、荒野の中で何かからの攻撃を受けていた時は、文明の痕跡など、どこを探しても見当たらなかった……彼らの助けを得られるまではな。

[Tachanka] コーエンは「我関せず」の態度でいいと思うのか?

[Tachanka] もし彼らが武器を持ってミアロ先生の診療所を襲ったら、お前はそばで突っ立ってただ見ているだけか?

[Ash] ……

[Tachanka] さっき言ってた問題だが、感染力に関しては看過できない。

[Tachanka] この世界のすべての人が化学戦争の知識を有しているかのようだ。老若男女問わず鼻と口を覆うことを知っていて、気道の保護に敏感だ。

[Tachanka] これに関して以前から繰り返し話している。俺たちにも同様の防護措置が必要だ……

[Tachanka] 先生も距離を保つやり方を認めてくれた。幸い病人たちも何も言わないしな、それが普通ってことなんだろう。

[Ash] 感染に関して、先生は何て言ってるの?

[Tachanka] 俺も含め、誰も先生に聞けてない。

[Tachanka] この話題になると、彼はいつも詳しく話そうとしないのでな。俺たちの防護措置に問題がないと先生が言うなら、俺だってそれ以上聞こうとは思わない。

[Ash] シーッ!

[Ash] ……

[Ash] 「ピザは頼んでない」

[???] 合言葉は必要ありませんよ、コーエンさん。

[???] 僕です……ミアロです。

[Tachanka] 噂をすれば何とやら、だ。

[Ash] 今開けるわ。

[Ash] おはよう、先生。

[ミアロ] おはようございます、コーエンさん。

[ミアロ] おはようございます、アレクサンドルさんも。

[Tachanka] ちょうど今、先生の話をしてたとこだ。

[ミアロ] オリジムシを飼ったんですか、アレクサンドルさん。

[Tachanka] ああ、結構面白い。前にティナが一緒に捕まえてきたんだ、こいつはすごく小さいからな、飼ってみることにした。

[Tachanka] ティナに用事か?

[ミアロ] いえ、お届け物です。

[ミアロ] 医療品です。今回は結構余りました。

[Ash] 感謝するよ、先生。いつもすまない。

[ミアロ] 礼を言うのは僕の方ですよ。ティナさんがオリジムシを捕まえてくれるおかげで、ここ数ヶ月、患者の皆さんが使うだけの鎮痛剤が用意できてるんですから。

[Tachanka] つまりこの「オリジムシ」で病気を治療できてるってことか?

[ミアロ] なんと言いましょうか……

[ミアロ] 鉱石病は治らない病です……オリジムシの体液を発酵させたこの薬はただ痛みを和らげるだけで、ほんとに治療できているわけではないんです。

[ミアロ] でも感染者にとっては、痛みを和らげるだけでもとてもありがたいものなんです。体表の結晶による痛みが日常生活に影響を与え、痛みで地面に足をつけることすらできない人も多いんですよ。

[Ash] 役に立てているなら、それはよかった。

[ミアロ] こちらが前回頼まれていた本です。ウルサス語のものを探してきましたよ。

[Tachanka] それはいい。見せてくれ。

[Tachanka] うーむ……

[Tachanka] ……うーん……

[Ash] 読める?

[Tachanka] ……難しいな。

[Tachanka] ぱっと見はロシア語のようだが……

[Tachanka] ちゃんと見ると、相違点も多い。

[Ash] でもやることができたんじゃない? 外国語のお勉強よ。

[Ash] カタツムリで遊ぶよりはよほど有意義よ。

[Tachanka] 言語といえば、俺たちが今使っている言葉を、そっちでは何と呼ぶんだ?

[ミアロ] 私が知っているものと比較すると、あなたたちの発音や単語は少し異なりますが……

[ミアロ] 恐らくヴィクトリア語かそれに類するものだと思われます。

[Ash] ヴィクトリア……

[Tachanka] ならここの住民が話しているのは、何て呼ぶんだ?

[ミアロ] ここの人たちが話しているのはサルゴン語ですね。でもサルゴン語にもたくさんの方言があるんですよ。

[ミアロ] 例えばサルゴン東の雨林に住む集落の人々が使う言葉は、我々ではほとんどわかりません。

[Ash] それは大変ね。

[Tachanka] ウルサス……ウルサス。

[Tachanka] ウルサスとはどんな所だ?

[ミアロ] んー……

[ミアロ] それは僕もあまりよくわからないんです……

[ミアロ] 以前、学校で聞いた話では、ウルサスははるか遠くの北方にある土地の名前で、年中雪に覆われていて、皇帝により統治されている、だそうですが……

[ミアロ] でも僕の周りにウルサスに行ったことのある人がいませんのでね。本当のところはどうだか……、ハハハ。

[Tachanka] 皇帝? チッ……

[Ash] どうしたの? 少しがっかりした様子だけど。

[Tachanka] 少しな。

[Tachanka] 機会さえあれば、そのウルサスとかいう場所に行ってみたいもんだがな。

[ミアロ] 遠い異国への旅ですか……いいですね。

[ミアロ] きっとあなたたちみたいなすごい人だけができることですよね。

[ミアロ] もしできるなら、僕はクルビアへ行って、ちゃんと自分の学業を終わらせて、本当の医者になりたいものです。

[ミアロ] でも僕にはそんなお金ありませんし、ここの人に必要としてもらっていますからね。

[Ash] あんたはまだ若い。これからいくらでもチャンスはあるさ。

[ミアロ] ……

[ミアロ] ……そうだと嬉しいのですが。

[ミアロ] あ、そうだ。もう一つお伝えしたいことが……

[ミアロ] ここしばらくの間は外出を控えてください。あの車も隠しておいた方がいいです。

[Ash] どうしたの?

[Tachanka] 町で何かあったな?

[ミアロ] はい……

[Ash] 何か知ってるの?

[Tachanka] 昨晩、領主の兵士が壁の辺りを巡回していたからな、普段ならまずないことだ。

[ミアロ] 実は領主の衛兵隊が感染者エリアで夜の巡回を始めてから、すでに一週間が経ってるんです……

[ミアロ] 最近、町にモンスターが現れるようになって……そのモンスターがたくさんの人を襲っているんです。

[Ash] モンスター?

[Tachanka] おいおい、この世界の動物はどいつもあんな姿なんじゃないのか? モンスターって言われても、もうどんな様子か想像できないな。

[ミアロ] それで町の人が、みんな感染者を非難してるんです。数日の間だけでも診療所の2階に隠れるのはどうですか? 領主の衛兵隊は遅かれ早かれ、ここまで調査に来ると思いますので。

[Ash] いいの? かなりの迷惑をかけることになると思うけど。

[ミアロ] ここしばらくは皆さんにだいぶ助けていただきましたから、そのお礼と考えれば、大したことはありませんよ。

[Tachanka] 先生の意見に賛成だ。領主の衛兵隊と衝突するってことは、現地の治安事件に関わるってことだろ? 面倒事が増えるだけだ。

[Tachanka] 見た目はコボルトなのに、2メートルもあるような連中となんて戦いたくないしな。

[ミアロ] ……コボ……何です?

[Tachanka] あー、えーと……それは、いずれ機会があれば話すことにしよう。

[Ash] ……誰か来た。

[Tachanka] 「ピザは頼んでない」

[Frost] アレクサンドル! とにかく開けて!

[Tachanka] ティナだ。

[Ash] ちょっと待って。

[Ash] 落ち着いて? 何があったの?

[Frost] コーエン! まずいことになってる!!

[Frost] 町の連中が武器を持って病人地区の道を塞いでいる。病人たちが彼らとにらみ合っているの。

[Frost] すごい勢いで迫ってきてて、人を出せとずっと叫んでいる。

[Tachanka] ほら、俺の言った通りだ。

[Ash] ……悪い予想ほどよく当たるものね。

[ミアロ] 町の連中? 武器?

[ミアロ] どうして? 普通の人たちが感染者地区に近付くことは領主の衛兵隊が止めるはずです。

[Tachanka] 領主の衛兵隊は、遠くのことまで構ってる暇はないってことだろ。

[Ash] 待って! ケッツは? ケッツは朝、町に行ったはずでしょ?

[Frost] 朝、メカニックに会うと言ったきり、まだ戻ってきてない。

[Ash] しまった。

[Frost] どうする?

[Ash] 見に行きましょう。せめてケッツが巻き込まれてないことを確認しないと。

[Tachanka] 武器はいるか?

[Ash] ……そうね、万が一に備えて。ただし、やむを得ない場合を除いて手は出さないで。

[Tachanka] よし。

[ミアロ] いや! 待ってください。

[ミアロ] 焦らないで、ここは僕に任せてください。僕は町の人と比較的親しくしています、僕が彼らと交渉します。

[Ash] ……わかった、先生。それでも気を付けて。

[ミアロ] 安心してください、町の人は……話が通じる人たちですから。

[町民] 奴だ! 奴を出せ!

[町民] コソコソしてやがった、あの野郎を出せ! 俺たちは見ていたぞ!

[感染者の町民] 何をわけのわからないことを……

[町民] ごまかすんじゃねぇ! この感染源どもめ!! 最近のことは全部お前たちの仕業だってバレてんだぞ!

[町民] 恩知らずの害虫が! ご領主さまがお前らをここにとどめておく価値なんてねぇ!!

[町民] 頭まで隠した大男が町から出て行くのを見たぞ! コソコソと逃げてやがった、そいつを出せ!

[感染者の町民] 待ってくれ! 何を言われてるのか本当にわからないんだ!

[町民] あくまでもしらを切るんだな? それなら俺たちも容赦しねぇ。

[町民] おい! こいつらをボコボコにするぞ!

[感染者の町民] 俺たちがそう簡単にやられると思うなよ!

[感染者の町民] 誰か人を呼んでくれ! こいつら襲ってくるぞ!

[Blitz] おい、やめろ! お互いに手を出すな!! 話し合うんだ! 手を出すなよ。

[感染者の町民] あぁ、ケッツさん! どうして隠れてないんですか……

[Blitz] 大丈夫、心配するな。俺に話をさせてくれ。

[町民] その話し方! 地元の奴じゃないな!

[町民] お前は誰だ!

[Blitz] (はぁ……どうするかな)

[Blitz] コホンコホンッ。

[Blitz] 俺はゴミ拾いをして生計を立てている商人だ。

[町民] 商人? 商人ならなんで人前に出られないんだよ?

[町民] ローブの下がパンパンに膨れてるのは何だ? 見せてみろ!

[町民] こいつを捕まえろ! ご領主さまのとこに連れてけ!

[Blitz] わかったわかった。言うこと聞いてやるから。一緒に行けばいいんだろう?

[Blitz] だからお互い喧嘩はやめてくれよ。お前たちの「ご領主さま」には俺がちゃんと説明するから。

[感染者の町民] ケッツさん……

[町民] こいつらも捕まえろ! こいつらには共犯の疑いがある!

[感染者の町民] お前、調子に乗るなよ! お前に何の権利があって、俺たちを捕まえるなんて言うんだ?

[Blitz] おいおいおい……。ほら、そこ?

[Blitz] なぁ、おい……それはちょっと話が違うだろ?

[Blitz] この人たちは俺がハントしてきたオリジムシを買っただけだ。オリジムシを売ることは犯罪じゃないはずだろ。

[町民] お前たちがどんなことを企んでるかなんて、誰にもわからないだろうが!

[町民] 捕まえろ……こいつら全員を捕まえるんだ!

[ミアロ] 待ってください! トゥラ様の指示に逆らうつもりですか!

[感染者の町民] 先生! やっと来てくれましたか!

[Blitz] あぁ、ミアロ先生……申し訳ない。

[ミアロ] トゥラ様が定めたはずです。感染者を除いて、誰もこの地区に近づいてはならないと。

[ミアロ] どうなんです? あなたたちも感染者なんですか?

[ガタイの良い町民] ベラベラくっちゃべってんじゃねぇ! お前はこのよそ者とどんな関係だ? 言え!

[ガタイの良い町民] でなきゃお前も捕まえるぞ!

[ミアロ] 彼は僕の患者です。よそからやってきた病人を、僕の診療所で診てはいけないなんて、定めた人はいません。

[ガタイの良い町民] いいだろう……邪魔立てするつもりなら、試してみるか?

[ミアロ] ……何をする気ですか。

[奇妙な町民] こんなところで時間を無駄にするな、こいつだけでいいから連れて行け!

[ミアロ] ……

[ミアロ] ……待って! 待ってください!!

[ミアロ] あなたたちは……町の人ではありませんね?

[Tachanka] どうなってる?

[Frost] 先生が話してはいるけど、相手が聞き入れないみたい。

[Tachanka] 平和的解決はできそうか?

[Ash] 焦らないで、先生に任せましょう。

[Frost] ……

[Frost] コーエン? おかしい。

[Ash] ん?

[Frost] 後ろに隠れているデカい奴らを見て。

[Ash] ああ、あいつらね。見たけど?

[Ash] ……

[Ash] 何かを背負ってる? 布で包んであるけど。

[Ash] あの大きさからすると、農具ではなさそうね。

[Frost] 普通の農民が、あんな長物を背負う?

[Tachanka] ……いくらこの世界でも、農民が大剣背負って農作業することはないだろうな。

[Tachanka] あいつらは話し合いに来てるんじゃない。

[Ash] 軽率に動いてはダメ。

[Ash] ……二人はあたしの援護を。

[Tachanka] 了解。

[奇妙な町民] このクソガキが……死にたくなかったら黙ってろ!

[ミアロ] あなたたちは、地元の人ではありませんね?

[ミアロ] あなたたちの様な人は見たことがありません。一体誰なんですか!

[ミアロ] 目的は何ですか? 答えてください!

[感染者の町民] お前ら、よそ者がよそ者を捕まえようってことか!

[感染者の町民] 衛兵! 侵入者がいるぞ! 衛兵!

[感染者の町民] 誰か! 侵入者だ!!

[風変わりな町民] チッ。

[奇妙な町民] お前はやけに頭が回るようだな。

[サルカズ傭兵] そろそろ黙ってもらおうか。

[ミアロ] あっ……

[Blitz] 先生、伏せて!

[サルカズ傭兵] 銃器だと?

[サルカズ傭兵] 傭兵か!

[サルカズ傭兵] なぜ感染者地区に傭兵がいる?

[サルカズ傭兵] まぁそんなことはどうでもいい。生きてようが死んでようが、全員連れて帰る。

[サルカズ傭兵] やれ!

[Ash] させない!

[Ash] アレクサンドル! 援護を!

[Tachanka] 最初からこうしてりゃよかったんだ。

[Tachanka] くらえ!*ロシア語スラング*

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