aklib_story_孤島激震_MB-2_別の視点から_戦闘後

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孤島激震_MB-2_別の視点から_戦闘後

ロビンは監獄内の雰囲気や、これから行うことに抵抗があった。しかし父親の治療費のため、彼女もどうにかアンソニーと接触する方法を見つけ出した。


[Aエリア囚人A] 痛てて……

[ロビン] 我慢して、もうちょっとだから。

[Aエリア囚人A] ぎゃあああああああ!

[看守] なに叫んでやがる! うるせえぞ!

[看守] 怪我したんなら霊安室に行け、ここで騒ぐな。

[ロビン] ごめんなさい、あそこはたくさん人が並んでるから、先に応急処置をしていたの。すぐに終わるから。

[看守] ケッ。

[ロビン] ……霊安室? 医務室のことだよね、なんでそんな呼び方を?

[Aエリア囚人A] あぁ、そりゃあここの医務室と霊安室が繋がってるからだ。それに医者が納棺師も兼ねてるからな。

[Aエリア囚人A] そもそもここの医者は不気味なオーラを放っててな。何も用事がなけりゃ、看守も囚人たちも、あまり近づきたがらない。

[Aエリア囚人A] 乱闘とかで怪我をした時に、仕方なく治療を受けに行くくらいだ。

[Aエリア囚人A] そのうちだんだんと霊安室って呼ぶようになったってわけだ。

[???] 何か手伝うことはある?

[Aエリア囚人A] ひぃっ! ドゥーマさん、な、なんでこんなとこに?

[Aエリア囚人A] あっ、今言ってたのは全部噂っていうか、えっと……

[ドゥーマ] 大丈夫よ、別に気にしてないから。

[ドゥーマ] それより、医務室に来る?

[Aエリア囚人A] いや、いい。この嬢ちゃんが手当てしてくれてる。

[ロビン] うん、私に任せといて。

[ドゥーマ] ……よく処置できてる。じゃ、あなたに任せるわ。

[ロビン] うん。

[Aエリア囚人A] ふぅ……

[ロビン] 彼女が怖いの?

[Aエリア囚人A] 怖い……ってわけじゃない。ドゥーマさんには、みんな怪我や病気の治療で世話になってるからな。だが、不気味なのは確かだから、ただ単純にあまり近づきたくないだけだな。

[ロビン] そうなんだ。

[ロビン] はい、腕動かしてみて。

[Aエリア囚人A] ……お、だいぶ良くなった。

[Aエリア囚人A] この処置、すごい効くな……ロビンお前、外で何やってたんだ?

[ロビン] 私は……民間の警備会社で働いてた。

[Aエリア囚人A] 民間の警備会社? それって結構儲かるんだろ?

[Aエリア囚人A] しかもお前はなかなかいい奴だ。俺にはお前が罪を犯して監獄に入るような奴にゃ見えねえんだがな。

[ロビン] ……父さんが失業したんだ。それから落ちぶれて、飲んだくれて、肝臓に大きな持病を抱えることになった……医療費や薬にかなりのお金が必要で、それで……

[Aエリア囚人A] ……そうだったのか。お前も苦労したみたいだな。

[ロビン] そっちは?

[Aエリア囚人A] 俺か? へっ、俺も商売をしてたんだがな。女房が浮気相手と結託して財産目的で俺を殺そうとしやがったんだ。最後は逆に俺に殺されたがな。そういうこった。

[ロビン] ……

[Aエリア囚人A] とにかく、お前に借りができたな。

[Aエリア囚人A] 俺はもう何年もここにいるんだ。ここのことなら大概は知ってる。わからないことがあれば何でも聞いてくれ。

[ロビン] 時々、AエリアやBエリアの人が、Cエリアの塔に入って行くのを見かけることがあるけど、彼らはどうしてあそこに行くの?

[Aエリア囚人A] ん? あぁ、あいつらか。

[Aエリア囚人A] Cエリアの偉いもんたちのために、部屋の掃除に行かされるんだ。

[ロビン] 部屋の掃除?

[Aエリア囚人A] ああ、実はここには、看守以外の従業員があまりいない。

[Aエリア囚人A] 州立だし、待遇もそう悪くないようだが、誰も監獄なんてとこで働きたくないだろ? しかも一日中荒野を彷徨ってるこんな移動監獄じゃあな。なおさらだ。

[Aエリア囚人A] だから、何か特別な作業が必要な場合は、都市に立ち寄ってる間に人を雇ってきて、離れる前に作業を終わらせる。

[Aエリア囚人A] もし都市を離れるまでに作業が終わらなければ、そいつらを連れて行くしかない。終わったら送り帰すか、いっそう次の都市までここにいてもらう。

[Aエリア囚人A] 前回サンソフィーシティに立ち寄った時は、リフォームのために何人か雇ってたな。あそこを離れてもう半月経ってるが、今もまだ作業をしてる。

[ロビン] あぁ、あの作業員たちは監獄の人じゃなかったんだね。

[Aエリア囚人A] そうだ。ちょうどいい、あそこを見てみろ。

[カフカ] (ひそひそ)

[???] (ひそひそ)

[看守] ミナさん、どうしてこんなとこにいるんですか?

[???] あっ、すみません。お手洗いを探してたんですけど、なんだか道を間違えちゃったみたいで……すぐ戻ります!

[看守] あぁ、お気になさらず。立入禁止区域でさえなければ、あなたたちはどこに行っても構わないと、隊長が言ってましたから。

[看守] おい、そこのお前! 用がないならそんなとこにいるんじゃない、自分の宿舎に戻れ!

[カフカ] はーい――

[Aエリア囚人A] ほらな……あいつらは監獄の職員じゃないが、それなりの待遇だ。獄長も、丁寧に扱うように命令している。

[Aエリア囚人A] 普段偉そうにしてる看守も、あいつらに対しては強く出られねぇ。それを見るとスカッとするぜ、へへっ。

[看守A] チッ、お前らそんなところで何を話してるんだ?

[Aエリア囚人A] へへっ、看守さん、新人を案内してるんすよ、あとちょっとくらいはいいじゃないっすか。

[看守A] フンッ、あと五分だけだぞ。

[ロビン] ……どうしてそんなもの持ってるの?

[Aエリア囚人A] へっ、ここに長くいれば、何かしら手に入るもんだからな。

[Aエリア囚人A] お前も欲しけりゃ、少し分けてやってもいいぜ。

[ロビン] いらないよ。それよりも、Cエリアに入る囚人の話。

[Aエリア囚人A] おっと、そうだったな……つまり、ここには職員があまりいない。だが衛生面の管理は、誰かがやらないとダメだからな。

[Aエリア囚人A] あの看守どもが自分たちでやるとは思えないだろ?

[ロビン] だから清掃員代わりとして連れてかれるの?

[Aエリア囚人A] そうだ。

[Aエリア囚人A] Cエリアだけじゃない、ほかのエリアも同じだ。監獄全体の清掃は実は俺たち囚人がやらされている。

[Aエリア囚人A] だがよ、こいつは結構いい役回りなんだぜ。

[Aエリア囚人A] 工場で重労働しなくて済むし、色んなところをブラつけるしな。

[Aエリア囚人A] 場合によっちゃ看守しか通れない廊下から、ちょっと特別なもんを見ることもできる。

[ロビン] 廊下?

[Aエリア囚人A] へっ、お前は知らないだろ。二階に廊下があって、囚人は通れないんだが、そこからは外の風景が一望できるんだぜ。

[Aエリア囚人A] 俺は一回だけ行ったことがあるが、あれは最高だった……

[Aエリア囚人A] だけどな、ここの看守は本当に嫌な奴らだよ。

[Aエリア囚人A] その時、俺を監視してた看守が外の石碑を指してこう言ったんだ。あれは、ある囚人たちのためにわざわざ建てたものだ、ってな。

[Aエリア囚人A] そんで俺は、聞かなきゃいいことを聞いちまった。「ある囚人たちとは誰のことだ?」とな。するとそいつはこう言った。「脱獄した囚人たちだよ」って。

[Aエリア囚人A] ここから脱獄した囚人の中には、自分で計画立てて逃げ出した奴もいれば、看守がわざと外に逃した奴もいるんだ。

[ロビン] どうして?

[Aエリア囚人A] そいつらはみんなどうせ荒野で野垂れ死ぬからだ。

[ロビン] ……都市に立ち寄ってる時に脱獄できないの?

[Aエリア囚人A] おいおい、お前でもすぐ思いつくようなことを、ほかの奴らが思いつかないわけないだろ? 都市に立ち寄る時は、看守全員が万全を期して警戒にあたるんだ。

[Aエリア囚人A] ここで一番腕が立つのはアンソニーだが、あいつみたいに強くて、しかもそこそこのバックグラウンドを持ってる奴だろうと、逃げることはできないんだよ。

[ロビン] アンソニーでも……

[Aエリア囚人A] そうだ。まあ、あいつはそもそも逃げ出す必要なんてないだろうけどな。

[ロビン] どうして?

[Aエリア囚人A] アンソニーは囚人だが、みんながあいつを尊敬してる。看守だってあいつに対しちゃ一目置いてて威張れねぇんだ。

[Aエリア囚人A] あいつはわざわざ自分から力を誇示したりしないが、実力があるのはみんなわかってるし、人望も厚い。

[Aエリア囚人A] 知ってるか? 地下にあるあの図書館は、あいつが獄長に提案して建てさせたんだぜ?

[ロビン] すごいね……

[Aエリア囚人A] へっ、この話はほかの奴にするなよ。でも実際、俺たちはみんなこう思ってる。もしアンソニーがこの先もずっとここにいるつもりなら――

[Aエリア囚人A] 獄長なんてもう必要ない。あいつこそ、この監獄の主だ。

[ロビン] ……

[Aエリア囚人A] けど、おかしな話だよな。アンソニーみたいな奴が、どうして投獄されたんだろうな。それにこんなに長い間いるってのに、あいつに関わる事件が何一つ起きないなんて。

[ロビン] ……

[看守] お前たち、しゃべり過ぎだ。もう自分の部屋に戻れ。

[Aエリア囚人A] はいはい、すぐ戻りますよ。

[看守] 傷は大丈夫か。

[Aエリア囚人A] え? ああ、大丈夫っすよ。ロビンが手当てしてくれたから、だいぶ良くなったよ。

[看守] ……

[看守] ならもたもたするな。

[ロビン] (今、あの人私のことを見た……)

[Aエリア囚人A] へっ、あの看守、俺の傷を気にしてたぜ。妙なこともあるもんだ。

[Aエリア囚人A] 今回はこの辺にしとくか……何かあればまた俺に聞きに来いよ。

[ロビン] わかった、ありがとう。

[ロビン] ……父さん、アンソニーは私が聞いてたよりも手強そうだよ。

[ロビン] 誰?

[???] 今日、まとめてお送りしたお金は受け取れましたか?

[ロビン] あなたが「ジェネラス・J」?

[???] ええ。そのお金で、あなたのお父様に充分な治療をして差しあげなさい。

[???] もちろん自分の生活の質を向上させるために使っても構いません。むしろ、個人的にはそちらをお勧めしますが。

[ロビン] ……どうして私にお金を?

[???] 私は「ジェネラス」ですから。

[???] しかし、もしお父様の治療のために使いたいというのであれば、そのお金では恐らく足りないでしょう。

[ロビン] ……私に何をさせたいの?

[???] 察しが良いですね、ミス・ロビン。私は賢い人とのやり取りが好きなんですよ。

[???] ですから包み隠さず言いましょう、私はあなたに――

[???] マンスフィールド監獄へ行き、ある人物を消してほしいのです。

[ロビン] マンスフィールド? あそこは脱出不可能な監獄って聞いたことがあるけど。

[???] その点についてのご心配は不要です。あなたが事を成し終えさえすれば、私にはあなたを脱出させる用意がございます。

[???] どうぞ存分にお考えください、ミス・ロビン。

[ロビン] これが危険なのはわかってる、良くないことだってのも。

[ロビン] でも……父さんの治療のためなら、私はやる。

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