aklib_story_ドッソレスホリデー_DH-3_銃を手に_戦闘後

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ドッソレスホリデー_DH-3_銃を手に_戦闘後

助けてもらったお礼として、ミヅキはチェンに自分の金塊を譲り渡した。 その後、チェンとユーシャは引き続き手がかりを探すものの、成果は得られずじまいだ。しかし、最終的に二人は順調に試合を通過するのだった。


[D.D.D.] これは驚きの展開だーっ! なんとチェン選手、囲まれたミヅキ選手を救うべく路地へと現れ、そのままほかの選手たちと直接対峙し始めたぞ!

[D.D.D.] 相手のチームたちも『龍威鼠心』を脅威と見なして、自然と協力関係を結んだみたいだ!

[D.D.D.] しかーし! チェン選手は恐れる様子をまったく見せないっ! 彼女は応戦するみたいだよ!

[D.D.D.] くう~っ、なんてエキサイティングなバトルなんだ!

[D.D.D.] だけどエブリバディ、お忘れなく! なんとこの路地の反対側ではリン選手も戦ってるんだよ!

[D.D.D.] おっとこれは! チェン選手の繰り広げる激しいバトルとは打って変わって、リン選手は少ない手数でスマートに、向かってくる選手たちを威圧しているぞ!

[D.D.D.] 強い! 強い! 彼女たちに勝てるチームなんて、この大会に存在するのかーっ!?

[ホシグマ] ははっ。あの二人、やっぱり別々に戦った方がいいみたいですね。

[ホシグマ] どうでしょう、お嬢様。例えばの話ですが、チェンとリンお嬢さんがやり合ったら、どちらが勝つと思いますか?

[スワイヤー] そんなこと聞いてどうするのよ?

[ホシグマ] ただの興味ですよ。実力のある二人が並んでいたら、どちらの方が優れているのか知りたくなるのは普通のことだと思いますが。

[スワイヤー] そんなのアンタだけでしょ。

[スワイヤー] はぁ、どの道、アタシにはわかんないわ。あの女がちゃんと戦ってるところなんて、ここ数年で初めて見たくらいだし。

[ホシグマ] えっ? リンお嬢さんとは仲良しじゃないですか。それなのに、見たことがないのですか?

[スワイヤー] 誰が仲良しよ誰が。アイツって何かと謎に満ちてるっていうか、いくら電話しても全然繋がらない時だってあるくらいよ。

[スワイヤー] 大体いくら仲が良かったとしても、戦ってるところを見たことがあるとは限らないでしょ。

[ホシグマ] ああ、確かにそうですね。どうやら私はチェンに慣れすぎたみたいです。何せ今じゃ、チェンが私に勝とうと思うなら、剣術だけでは足りませんから。

[スワイヤー] まったく、皆が皆アンタたちと同じだとは思わないでよ。

[スワイヤー] それにアタシの場合、見ずに済むならそれに越したことはないわ。アイツ何をしてるか分かりゃしないんだから、戦ってる姿をみる時が、アイツを捕縛に行く時になるかもしれないし。

[ホシグマ] 結局のところ、あの鼠王の娘ですからね。

[ホシグマ] とはいえ、そうとも限りませんよ。あの人だって、悪い人じゃありませんし。

[ホシグマ] 昔、私が龍門での渡世を始めた頃のことですが……

[スワイヤー] はいはい。アタシだって鼠王に会ったことがないわけじゃないんだから、そうやって語ってくれなくても結構よ。

[ホシグマ] ふふ、お分かりいただけているならいいんです。

[スワイヤー] ……それよりアンタ、今「渡世」とか言ったわね。

[ホシグマ] おっと、お嬢様の前でやくざ言葉を使ってしまうとは。大変失礼いたしました、小官の口にはよく言って聞かせておきます。

[スワイヤー] ふんっ。ちゃんとしなさいよ、まったく。

[スワイヤー] ……ところで、アンタとチェンはユーシャが戦ってるところ、見たことあるの?

[ホシグマ] ないから訊いたんじゃないですか。きっとチェンの方も、見たことはないと思いますよ。

[ホシグマ] とはいえ、さっきお嬢様が言っていた通り、彼女の戦う姿を見たことがないというのは、我々の立場からすればいいことです。仲の良い相手だろうと、すべきことはしないといけませんから。

[スワイヤー] でしょ? わかればいいのよ。

[ホシグマ] ええ。ですから私も、まさかチェンと彼女が共闘する日が来るなんて思ってもみませんでした。

[ホシグマ] 人生というのは、色々なことがあるものですね。

[ホシグマ] さて。話は戻りますが、お嬢様はどちらが勝つとお思いですか?

[スワイヤー] そんなこと、考えるのも面倒だわ。

[ホシグマ] はぁ、それじゃ一人で予想してみるとしましょう。

[ホシグマ] 恐らく、チェンが剣を手にしていたら、リンお嬢さんは、チェンに近付くのは難しくなるでしょうね。

[ホシグマ] ですが、もし、リンお嬢さんがチェンの懐に潜り込み、剣術を封じることさえできたなら、チェンに勝ち目はないと思います。

[スワイヤー] あのチェンが、それだけでやられるかしら?

[ホシグマ] もちろん、本来ならば簡単な話ではありませんよ。チェンの格闘技術は確かなものですし、締め技や関節技に関しても、普段トレーニングで目にする限り、大層な腕前でした。

[ホシグマ] 先ほど彼女が見せた銃撃も精確ですしね。

[ホシグマ] しかし、結局のところチェンが最も得意とするのは剣術ですから。

[スワイヤー] それって……つまり、ユーシャの格闘技術はチェンの剣術に匹敵する腕前ってことよね?

[ホシグマ] ええ、結論としてはそんなところです。

[ユーシャ] チェン・フェイゼ、ヒーローごっこは楽しかったかしら?

[チェン] そう楽しいものでもない。そもそも、そんなことをお前が気にする必要がどこにある?

[エルネスト] ごめんチェンさん、俺……

[チェン] 言ったはずだ。キミはここで待っていろ、と。ゆえにキミの行動に問題などないさ。

[ミヅキ] 助けてくれてありがとう、お姉さん。

[チェン] いや、気にするな。

[ミヅキ] でも、どうしてこんなことしてくれたの?

[チェン] 理由などない。偶然見かけたから助けた。それだけのことだ。

[ミヅキ] そっか。じゃあ、お姉さんは良い人なんだね。

[ミヅキ] だったら……はい、これあげる。

[エルネスト] これって……競技用の金塊?

[ミヅキ] うん。さっきはこれを取ろうとして、あの人たちに囲まれちゃったんだよね。

[エルネスト] 本当にもらっちゃっていいの?

[ミヅキ] 大丈夫だよ。また探せばいいだけだし。

[ミヅキ] それに僕、元々試合にはそんなに興味がなくてね。だから、お姉さんみたいな良い人と出会えただけでも、満足なんだ。

[ユーシャ] 一応言っておくけど、この辺り、さっきの騒動でちょっと目立ちすぎたわ。おしゃべりするのは自由だけど、長居するのはやめた方がいいでしょうね。

[ミヅキ] そう? それなら僕、もう行こうかな。ばいばい、お姉さんたち。

[チェン] では、私たちもここを離れるか。

[ユーシャ] その前に聞かせてもらおうかしら。そっちはヒーローごっこを楽しむ以外に何か収穫はあったの?

[チェン] 金塊は収穫の内に入るだろう?

[ユーシャ] じゃ、それでいいわ。

[チェン] そう言うお前はどうだったんだ?

[ユーシャ] ……特に収穫なし、よ。

[ユーシャ] で、競技は続けるの? それとも、金塊を渡してゴールする?

[チェン] ひとまず続けるとしよう。

[ユーシャ] わかったわ、そうしましょ。

[D.D.D.] さーて、親愛なる視聴者の皆! 二十個の金塊がすべて提出されたという情報が入ってきたよ!

[D.D.D.] ってことはつまり、第一ラウンドはこれで無事終了だ。

[D.D.D.] それじゃあここからは、投票タイムに入るよ!

[D.D.D.] この投票は何時間か続くからね。それが終われば、メインステージで第一ラウンドの通過チームを発表するから、お見逃しなく!

[チェン] ……ひとまず、終わったな。

[エルネスト] これから観客投票があるけど、今の二人の人気だったら、まず問題はないと思うよ。

[ユーシャ] そうでしょうね。

[エルネスト] それでさ、リンさんの方も、危険分子に関する手がかりは見つからなかったんだよね?

[ユーシャ] ええ。こっちにはなかったわ。

[エルネスト] そっか。それなら、そもそも危険分子なんていないのかも……

[ユーシャ] そうかもしれないわね。

[ユーシャ] ところで、チェン・フェイゼ。このあと時間はある?

[チェン] どうかしたのか?

[ユーシャ] 別に。ただ、ちょっと用があるの。

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