左門清正

ページ名:左門清正

登録日:2022/11/09 Wed 23:08:07
更新日:2024/06/27 Thu 11:21:42NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



タグ一覧
タフシリーズ 高校鉄拳伝タフ 格闘家 凶獣 メガネ 悲しい結末 完全無欠 寡黙 水虫 立木文彦 野獣 闘争本能の塊 序盤の強敵 左門清正 地獄落し 壊し屋オニ平 現代のフランケンシュタイン





完全無欠の“超”格闘家




左門清正は超人気マンガ『高校鉄拳伝タフ』の登場人物。
CV:立木文彦(OVA版)




【人物】

ワールド・プロレスの“壊し屋オニ平”こと鬼川平蔵によって鍛えられ、“最強”の男として生み出された格闘家。
アメリカでの闇試合などにも出場し、数多くの戦績を残したことから“超格闘家”、“凶獣”などの異名で恐れられている。


命のやり取りを生き延びてきた故に驚異的な戦闘能力を誇るが、師であるオニ平からもケモノと称されるほどの獰猛な闘争心を持ち、対戦相手を必要以上に破壊してしまうことも少なくない。
闘争本能のままに敵を倒す様はまさに野獣であり、オニ平からは格闘家に必要な心・技・体の心が欠けていたと言われている。


普段は寡黙で無表情な男だが、格闘家としてのプライドは高く、倒したと思った相手が実はわざと負けたふりをしていただけだったと知ったときには憤怒の表情を浮かべていた。



【戦闘力】

野獣の肉体と闘争本能に加えて頭脳的な技術も兼ね備えた完全無欠とも称されるファイター。立ち技・寝技を問わずあらゆる局面での戦いに優れている。
打撃はヘビー級の威力を持ち、寝技も関節技の達人であるオニ平に師事したこともあり一級品。彼に鍛えられたおかげで組み技の対処法までほぼ完璧に身に付けている。
技と体を兼ね備えたオールラウンダーで欠点らしい欠点はないが、唯一水虫という弱点がある


劇中では、高校鉄拳伝序盤で最強格であるアイアン木場静虎の二人と手合わせをし、どちらも互角以上に立ち回っている。
…といっても彼らは二人とも本気で左門と戦っておらず、ガチンコで闘ったらどこまでやれるかは不明。



使用技

  • 地獄落し

相手と向かい合った状態から片腕ずつそれぞれ肘関節を極め、ネックハンキングツリーの体勢で両手で首を絞める。そしてそのまま後方へブリッジを効かせてスープレックスを敢行する。
受け身もガードも一切できない状態で脳天から地面に叩きつけられる上に、テコの原理で両肘も破壊されてしまうため、完全に決まれば日常生活に支障をきたすレベルの後遺症が残ってしまう超危険な技。
あまりに危険なため、マフィアが開催するバーリ・トゥードなんでもありの闇試合ですら使用を禁止されるほど。



【活躍】

ワールド・プロレス

ワールド・プロレスにオニ平の始末のために大金で雇われ、キー坊との戦いの後カミさんの煙草を買いに出かけたところを襲撃。
かつての師でありニコッと愛想よく対応するオニ平を無視し、彼の背後にあった煙草の自販機ごと貫く勢いで右ストレートを顔面に叩き込む。
キー坊との戦いを経てすっかり丸くなった彼を見て「歳はとりたくねぇな 鬼にも仏心が芽生えてくる…」と言い残し、続けざまに左腕と右脚を同時に折りつつ絞め落として病院送りにした。


その後ワールド・プロレス所属のプロレスラー・天州から報酬を受け取る際に「リングの上にあがればいくらでも稼げる」とスカウトされるが、「お前のようなフヌケ相手に道化を演じろというのか?」と見下しながら煽って拒否。
プロレス界で最も権威あるWFF王者としてのプライドを傷つけられた天州はブチギレてラリアットを食らわせたものの、全くのノー・ダメージであり、逆に頭突きと万力のようなヘッド・ロックを掛けられてあっさり降参した。


すると車の中から姿を現したのはプロレス界の帝王アイアン木場。たぎる血を鎮められず、“最強”という「幻想」に取りつかれた左門は木場に戦いを挑む。



VS.アイアン木場

木場のジャブを紙一重でかわしカウンターを仕掛けるが、コンクリートの壁を破壊するほどの強烈なタックルをお見舞いされる。
続けて地面に押し倒されて追撃を打ち込まれるが、機転を利かせて回避。冷や汗をかく木場に対して「顔が青ざめてるぜ…」と余裕の笑みを浮かべる。


木場の打撃の連撃を容易くいなし、右腕を捕らえて破壊しようとした瞬間、「社長は怪我をしていてとても戦える状態じゃない」と天州が割って入る。
木場のズボンを破いて右ひざを確認すると、そこにはサポーターが巻かれており、木場から長年の戦いによる膝関節靱帯と半月板の複合損傷だと明かされる。
それを知って万全でない木場に興味を無くした左門はその場を去ろうとするが、左目を潰した灘神影流の話を聞かされ、木場が調子を整えるまでの新たな獲物として宮沢親子を標的にする。


その後、部下が運転する車中で膝に巻いたサポーターを投げ捨てた木場は…


「オレの膝はそんなにヤワじゃない」
「鍛え抜かれたオレの身体に欠陥などあるわけがない…」


「全て思惑通り…凶獣・左門が灘神影流を断つのだ!!」


なにっ さっきまでの一連の流れは左門を灘神影流にぶつけるための木場の策略だった。
つまり、天州が青ざめた顔で戦いを止めたり、「だまれ天州!!勝負に水を差すなっ」と声を荒げたりしたのも、全てただの演技だったのだ。
やっぱしゲスいスねこの頃の木場は



凶獣伝説

一方その頃、キー坊はオニ平の病室で一本のビデオを見ていた。それは1989年6月25日午前2時にニューヨークで行われたバーリ・トゥードの闇試合を記録したものだった。*1


左門の対戦相手は現役キックボクサーのヘビー級チャンピオン バリー・スミス。ヘビー級のキックをものともせずパンチ一発で顎を外し、そのまま“地獄落し”でスミスを完全に破壊してしまった。
主催者であるマフィアのドンであるパウロ・パゾリーニは銭の取れるスミスを破壊した左門にブチ切れ、部下に射殺するように命じる。
しかし二人の部下が銃の引き金を引く前に左門によって壊され、圧倒的な強さを見せつけたことで裏社会でもその名を広めていく。
なお、左門もスミスも何故か終始フルチンで試合をしていたが、特に突っ込まれることはなかった



VS.宮沢親子

買い物帰りのおとんを襲撃し、ストリート・ファイトが勃発。両者ともに高速の打撃を繰り出し、互角に渡り合う静虎に感心して「こいつは楽しめそうだ…」と呟く。
そして静虎の一撃を防ぎ、もう片方の手で鼻に指を突っ込んでチョーク・スリーパーの体勢に移り、そのまま静虎を失神させた。


偶然そばを通りかかったキー坊はおとんが落ちる瞬間を目撃してしまい、激昂して左門に飛び掛かる。
不意を突かれて飛び蹴りを喰らった左門だったが、真正面からの打ち合いは終始優勢を保ち、キー坊の腕を捕らえて地獄落しの体勢に入る。


だがキー坊がオニ平から情報を得ていることを知って彼を解放。「もう一度冷静に考えて恐怖心がなかったら相手をしてやる」と言い残して去っていった。


ちなみに静虎は命のやりとりになることを避けるため、芝居を打って落ちたフリをしていただけだった。
左門のせいでおとんが買うた弁当が無駄になった話はするな ワシは今メチャクチャ機嫌が悪いんや


後日ジムでトレーニングをしていた際に、トイレで血尿が出る。タイミングを計ったように現れた木場は灘神影流の技で腎臓を損傷していると見抜き、別室に招いて密かに隠し撮りしていたビデオを見せる。
そのビデオを見て、先日の戦いでは静虎がその場を収めるためにわざと負けたと知り、木場からも「お前はナメられている」と煽られたことで怒り心頭。
静虎が大切にしているキー坊を地獄落しで破壊し、屈辱を晴らすことを誓う。


そして静虎と木場の裏取引もあり、木場がわざわざチャーターした大型客船での特設リングでキー坊と対決することが決定。
それまでに木場が用意した若手レスラー二名をボコボコにして準備運動をしていた。



VS.キー坊(前半)

決戦の日、沖合6キロに停泊している船内のリングでキー坊と対峙し、闘気だけでキー坊を威圧する。
キー坊は前日にトレーニング中の事故で右手の中手骨を骨折していたが、全く容赦せずに打撃の連続攻撃でじわじわと彼を追い詰めていく。
木場の煽りを受けて真正面から突っ込んでくるキー坊に重い一撃を放ったものの、冷静に回避され、その流れでオニ平直伝の“飛翔閻魔固め”を受ける。


首・両膝・足首・左手の四点を同時に極める複合関節技は左門といえども簡単には破れず、苦痛で表情を歪めていく。
勝負は決したと思われたのも束の間、顔色も変えず背筋でジャンプして体勢をひっくり返すという芸当をやってのけて飛翔閻魔固めのロックを解除することに成功。
切り札を破られて精神的に追い詰めていくキー坊に更なる追撃を加え、ハンマーを振り下ろすような強烈なパンチを直撃させた。


しかし、キー坊はまだ諦めておらず、完全に破壊しようとした左門の拘束を解いて首から上の部位を集中的に攻撃。
左門もキー坊の連続攻撃を受けながらも反撃のチャンスを窺い、膝蹴りをガードした瞬間にすかさず頭突きで怯ませ、地獄落しの体勢に移行する。
そのタイミングで、手漕ぎボートで6キロ沖合までやってきた静虎がリングのある船内に乱入、一瞬静虎に気を取られた瞬間にキー坊に地獄落しの拘束を解かれ、逆に地獄落しのロックを掛けられてしまう。


見よう見まねの地獄落しを仕掛けるキー坊だったが、とっさに左門が腰を落として重心を安定させたため不発に終わる。
キー坊が動けなくなったと見るや、ロックを掛けられた状態で後方に投げ、静虎に見せつけるようにパンチの連打で痛めつけていく。



VS.キー坊(後半)

ボコボコに殴られながらもキー坊は灘神影流の継承者としての使命のために立ち上がり、「五臓は五色に表れる」という静虎のアドバイスを耳にしてロー・キックを繰り出す。
何の変哲もないロー・キックにもかかわらず左門は悶絶し、脚の内側を徹底的に攻め込まれる。
静虎との戦いで腎臓に受けたダメージがまだ残っており、それが顔色に表れていたため、キー坊は腎臓から伸びる経絡と繋がっている脚の内側を攻めたのだ。
動きが鈍ったところで腎臓を直接狙ったパンチとこめかみへの肘打ちを喰らう。


しかし左門も簡単には倒れず、中手骨が折れている右手を踏み潰してサッカーボール・キックを食らわせ、続けて地獄落しの体勢に入る。


「お前みたいに強いヤツがおんのやったら地獄も楽しいやろな…」


「お望み通り…地獄に送ってやるっ」


地獄落しが決まり、勝負を確信した左門だったが…
振り向いた瞬間、視界に飛び込んできたのはキー坊の飛び蹴りだった。


「誰が潰れたんじゃいっ
ワシはチンポの先までピンピンしとるわっ」


実は投げられる瞬間にキー坊が自分でジャンプしていたため着地点が微妙にずれ、地面に激突した際の衝撃が脳天には完全に伝わっていなかったのだ。
数々の攻撃を受けても立ち上がり、地獄落しまで攻略したキー坊を本物の格闘家として認め、凄まじい打撃の攻防を繰り広げる。
その最中でキー坊は、武道はただ人を傷つけるのではなく人間として成長するためのものだという静虎の教えと、人を殺すことができるから活かすこともできることを左門にも説く。


そして、寝技の掛け合いの中、キー坊がとっさに編み出したオリジナル技“逆さ閻魔固め”が炸裂。
背中を下向きにされた閻魔固めは背筋でジャンプしての脱出もできず、「壊せーーっ」と叫んで敗北を認める。
しかしキー坊は逆さ閻魔固めを解いて瞬時に胴締めチョーク・スリーパーへと移行、最も相手を傷つけない技で左門を落とす。ついに“凶獣”は倒れ、眠りについたのであった。



その後

間もなくして目を覚ました左門は何故自分を壊してトドメを刺さなかったかを問う。
左門の問いに「アンタのおかげでまた強くなれたんやっ」「オニ平のオッサンが手塩にかけて作り上げた最高傑作を壊せるかいや…」と答えるキー坊。
彼の言葉を聞いて憑き物が落ちたように表情を緩め、オニ平に諭されて改心した。


後日、実力完全主義の「パンクラス」に入ってリアル・ファイトの世界で腕を磨くために再び渡米。
そしてかつての闇試合で再起不能にしてしまったニューヨークのスミスの元を尋ねる。
彼は左門に破壊されたことで職と家族を失い腕も不自由になってしまったが、左門のことを恨んではおらず、以前とは打って変わって左門が優しい目になったと話す。
最後には「もしもう一度戦えたら次は健闘をたたえ合えるような闘いをしよう」と握手を交わした。


その後、人気のないストリートを歩く左門の背後に何者かが迫り、二発の銃声が鳴り響く。


「50ドルしか持ってねェぞっ」
「ファック!日本人ジャップだからカネ持ってると思ったのに…」


頭と背中を撃たれた左門は即死した。彼を射殺したのはアメリカン・マフィアの刺客でも仇討ちをしにきたスミスの関係者でもなく、ただ強盗が目的の通りすがりのチンピラだった。


左門の死体の写真が堂々と掲載されている新聞でこのことを知ったキー坊は驚きを隠せないでいたが、静虎から左門の死を教訓にするように説かれる。
左門の訃報を聞き、もう命を奪うような潰し合いはごめんだと言うキー坊がルールとマナーのある戦いをするため、スポーツとしての空手に挑戦するのはまた別のお話。



【余談】

明確な悲しい過去が語られなかったことに加え、猿空間送りにならず死亡という形での退場と、タフ・シリーズでキー坊と手合わせした格闘家の中では珍しい存在である。






「お前みたいに強い項目がおんのやったら追記・修正も楽しいやろな…」


「お望み通り…追記・修正させてやるっ」




[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,2)

[#include(name=テンプレ3)]


  • 最序盤の敵としてはめちゃくちゃ強いんだ  -- 名無しさん (2022-11-09 23:27:44)
  • CV立木文彦なんだ  -- 名無しさん (2022-11-10 00:13:30)
  • 死亡する以外でのまともな退場が不可能なタフ・シリーズのキャラ・クターに哀しき現在… -- 名無しさん (2022-11-10 21:01:46)
  • ↑3 手の骨折なんて深刻なダメージを負った状態でキー坊が勝ったのは露骨な補正というかおとんの援護が効いたというか… -- 名無しさん (2022-11-11 00:58:10)
  • ↑2ギャルアッドを忘れちゃいけないんや。まあギャルちゃん以外にまともな退場できた奴いたっけ?ってレベルやけどなブヘヘヘヘ -- 名無しさん (2022-11-11 11:38:21)
  • やっぱ怖いっスね猿世界のメディアは -- 名無しさん (2022-11-11 14:57:21)
  • オトンも芝居で回避したけど絞め落とされるとこまでいってたのがな… -- 名無しさん (2022-11-13 23:15:17)
  • 猿空間に飛ばされなかっただけマシだと思われる -- 名無しさん (2023-06-24 17:12:47)
  • 左門が撃たれた新聞の記事に、治安に関する猿先生の私見や鉄拳伝第1巻の宣伝が載って(書かれて)いたりする。しかし後半のシリーズになるにしたがってこういうのは減っていったのは寂しい -- 名無しさん (2023-06-28 05:19:49)
  • 凶獣から人間に戻ったせいで銃に勝てなくなったって解釈は物悲しいけど好き -- 名無しさん (2024-06-09 16:52:52)

#comment

*1 ちなみに『高校鉄拳伝タフ』は後述の新聞の日付を見るに1994年が舞台

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧