登録日:2022/06/19 Sun 15:54:20
更新日:2024/06/20 Thu 10:31:33NEW!
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そして───
最悪が誕生する
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この項目には『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の重大なネタバレが含まれています。
記事を閲覧する際にはご注意ください。
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ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!
『セルマックス』とは映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の登場キャラクター。
今作における事実上のラスボスである。
CV:若本規夫
●目次
◆概要
かつて天才科学者のドクター・ゲロによって製造され、地球全土を震撼させた完全なる人造人間・セル。
当時のZ戦士たち、とりわけ孫悟飯の活躍により、セルは敗れ去ってその野望も打ち砕かれたが、
その設計図は、密かにドクター・ゲロを支援していたマゼンタ率いるレッドリボン軍残党の手へと渡っていた。
内容が難解すぎるため、設計図を手にした当初はセルの再現に至らなかったが、人造人間編の出来事から十数年後、
ドクター・ゲロの孫にしてゲロ以上の天才であるドクター・ヘドを味方に引き入れたレッドリボン軍は、
世界征服の障害となり得る孫悟空やベジータ、ピッコロ大魔王らに対抗するため、より強力な第二のセルを作ろうと画策した。
それこそがセルマックスであり、謂わばセルの後継機である。
レッドリボン軍としてはセルマックスを世界制圧計画の中心として考えていたが、
開発担当のヘドは人造人間ガンマの量産に注力していてあまり乗り気でなかったため、
折衷案として、量産ガンマ達による世界征服の後に恐怖と権力の象徴としてセルマックスを動員する事に。
『スーパーヒーロー』本編の時点では、半年の期間を経て肉体自体は完成していたものの、
精神面での制御が未だ不完全として調整が施されている最中であり、万が一起動すれば暴走して世界全てを破壊し尽くすとヘドから危惧されていた。
そのため、レッドリボン軍秘密基地の最深部にて巨大な培養ポッドの中で起動の時を待っていたのだが…。
◆容姿
同じ設計図を元に作られていながら、製作者が異なるためかその姿は元のセルと幾らか異なる。
巨大な体格や尻尾を持ち、黒い羽根を生やしていると、セル第二形態と完全体の特徴が混ざったようなデザインをしており、
また、オリジナルのセルとは異なり、セルマックスは胸部や脚、頭部などの一部の表皮が赤くなっている。
カラーリングはセルが緑、セルジュニアが水色なのでそれに対抗したのであろうか?
顔は第二形態特有のあまいマスク鼻がないタラコ唇であり、瞳はオレンジ色に光っている他、
完全体になるためには、自分と同じくゲロが造った人造人間である17号と18号の吸収が必要だったセルに対し、
セルマックスは最初から完成品として製造されたためか、オリジナルの第一・第二形態の尻尾にあった吸収能力が省略されており、
尻尾の先には針ではなくいくつか穴が開いたゴツゴツとした球体が形成されている。
他にも足底がブーツのような形状になっていたりと細かい部分が変化している。
そして、セルと決定的に異なる最大の特徴が大猿と同等かそれ以上の圧倒的な巨体。
基本的に等身大同士による戦闘が通常のドラゴンボールでは非常に珍しい属性であり、
しかもジャネンバのように途中で形態変化して小型化する事も無く終始巨大なままである。
劇場版の大ボスとしては過去作でもヒルデガーンくらいしか該当せず、なかなかに異色のキャラクターである。
◆戦闘力
マゼンタは、製造にかかる時間を度外視してでも*1とにかく強さを追求するようオーダーしており、
ヘドもそれに応えて圧倒的な戦闘力を持つように造形したため、神の領域を超えた悪魔的な強さに仕上がっている。
同じヘド製の人造人間であるガンマ1号・2号、そしてその二人と実力が伯仲する強さを潜在能力を解放して手に入れたピッコロ、
更には超サイヤ人化した悟飯や人造人間18号、悟天・トランクス達が協力してもまるで歯が立たないどころか、
極め付けに、ガンマ2号が手も足も出ず敗北したオレンジピッコロを完膚なきまでに圧倒して絶命寸前まで追い込んだ。
ガンマ達はピッコロから悟空やベジータに近い強さと推測される実力者であり、そんな彼らの猛攻が殆ど通じないばかりか、
二人よりワンランク上のオレンジピッコロでさえ劣勢を強いられたセルマックスの強さについて、
決着後に悟飯は「父さんやベジータさんがいても危なかったかもしれない」と評している。
このように、戦闘能力に関しては以前のセル(完全体)とは比較にならないほどの凄まじい強さを持っているが、
そのファイトスタイルについても、セルとは全く違うと言ってよいほど異なっている。
まず、セルは超サイヤ人2となった悟飯にいいようにやられて頭に血が上るまでは(一応は)理知的であったが、
セルマックスはただただ叫び声を上げて暴れ回っているようにしか見えず、知性は全く感じられない。
さらに、セルは悟空のかめはめ波やフリーザのデスビームを使って見せたり、ナメック星人の生命力で欠損部位を再生したり、
サイヤ人の瀕死パワーアップの性質によって、瀕死状態から復活すると凄まじいパワーアップをしたりと、細胞元の特性や技を活かした戦い方が特徴的だが、
一方のセルマックスはそのような事は一切せず、ただただ闇雲に暴れ回るだけ。*2
それ以外にはトレードマークにもなっている全身の斑点から全方位に怪光線を照射するなど、まるで怪獣のような戦い方をする。
マゼンタは当初から只管強さを追求した最強の人造人間を求めていたため、多岐に渡る技は製造途中でオミットされたのだろうか。
強いて言うなら理性なき怪物が暴れ回る姿こそ大猿と化したサイヤ人の姿を模しているのかもしれない。
起動して早々に悟飯達の気を地下から感知するような様子が見られたり、巨大な気弾を展開して圧縮するシーンもあったりと、
ある程度は気を扱えるような描写も確認できるが、小技を使ったり、理性的な行動を取ることはない。
原作者の鳥山先生曰く「完成すれば、ブロリーだって勝てないような超人になる予定でしたが、無理矢理起動させられ、制御の利かない怪物になった。」との事で、
精神面も完成していれば、セルのように細胞元の特性をフル活用した恐るべき強敵として立ちはだかったかもしれない…。
このような常軌を逸した強さを持っているためか、万が一の事態に備えてヘドは意図的に弱点を設けており、
セルと同じく頭部が弱点となっているため、これを破壊すればセルマックスも機能を停止する。頭が弱点なんて普通だろとか言ってはいけない
ただし頭部は非常に頑丈極まりない上にこの方法で撃破すると、流石にセルのような地球ごと消し飛ぶ範囲では無いものの、
膨張した後に周囲を巻き込む大爆発を引き起こすため、倒したら道連れにされないようその場を即座に退避する必要がある。
◆主な使用技
- マキシマムブラスター
技名はドッカンバトルから。
相手を殴り付けて後方へと瞬時に先回りし、口から気弾を放って大ダメージを与える。
- マックス・スマッシャー
技名はヒーローズから。
尾の先端にある岩のような突起物で相手を叩き付ける。
- 怪光線
技名はサウンドトラックから。
斑点や尻尾の突起などのあらゆる部位から紫色のレーザーを照射し、全方位へ攻撃を撒き散らす。
その発射態勢から公開当時はシン・ゴジラのようだと言われたりした。
- セル玉
そのまんま過ぎる技名は公開された脚本から。
黒と緑で構成された禍々しい気を宇宙空間からでも視認できる程の超巨大な気弾として展開し、手元に圧縮して相手に放つ。
劇中では相手に恐怖した素振りを見せた直後に放ったため、恐らくはセルマックス最大の技と考えられる。
◆劇中での活躍
物語の中盤辺りでマゼンタとヘドの会話から計画の中枢としてセルマックスの存在が明かされており、
レッドリボン軍の基地へと密かに潜入していたピッコロはその光景を目の当たりにし、恐るべき脅威と認識して直ぐに対処のための行動に移す事となる。
その後、誘拐された愛娘のパンを取り返すために悟飯がレッドリボン軍基地に現れると、
超サイヤ人・潜在能力解放(アルティメット化)とかつての戦闘能力を怒りで徐々に取り戻す悟飯に、最初は優勢に戦っていたガンマ1号が押され始め、
更にはガンマ2号もオレンジピッコロの手で瞬殺されてしまったことで、焦ったマゼンタがコントロール不全の状態のセルマックスを起動しようとする。
その醜態を見て、騙されていた事に気付いたヘドはセルマックスのもとに向かうマゼンタを追いすがり、
起動まであと一歩の所でマゼンタはヘドの特製サイボーグ・ハチ丸に刺されて死亡し、セルマックスの起動は防がれたかに見えた。
しかし、毒に冒されたマゼンタが死ぬ間際の歌舞伎苦しみに喘ぐ動きから偶然にも最後の解除ボタンが強打され、
ヘドによる必死の中止作業も虚しく、セルマックスが起動してしまった。
ヘドの懸念通り、コントロール不能の暴走状態で覚醒したセルマックスは、地上へ飛翔すると巨大な気弾を展開して辺り一帯を破壊。
ガンマ二人が味方に付いた悟飯達による連携攻撃でもまるで堪えず、
おデブのゴテンクスによる頭突き攻撃で弱点の頭部がひび割れるというギャグ補正まさかの一撃以外は有効打を与えられずにいた。
ガンマ2号の全エネルギーを一気に消費した特攻すら左腕を代償に退け、
続けてクリリンからの助言を受け巨大化したオレンジピッコロと巨体同士の大乱闘に突入するも、
最大戦力*3のオレンジピッコロでさえ、隻腕となり少なからず弱っているはずのセルマックスには及ばず、
怪光線の連射を浴びせてグロッキー状態に追い込まれてしまう。
だが、気を溜めるべくピッコロの奮戦を見守るしかなかった悟飯が、この光景を見て「プツン」とキレたことにより、
アルティメット化を超越した未知なる形態・孫悟飯ビーストへと覚醒。
まさに怒髪天を衝くような姿に、さしものセルマックスもどこか慄くような仕草を見せ、
オレンジピッコロを放り出すや否や渾身の拳を悟飯に叩き込むが、悟飯には防御態勢すら取らないまま平然と受け止められ、
直後に、悟飯の強烈な蹴りの一発で吹っ飛ばされてしまった。
追い詰められたセルマックスは、宇宙空間からでも視認できる程の超巨大な気弾を形成すると、
それを一気に圧縮して悟飯にぶつけようとするも、息を吹き返したピッコロの手で動きを縛られてしまう。
羽で飛行して拘束を逃れようとしながら特大圧縮気弾を放つが、最期はピッコロに頭部を固定されたところを悟飯の魔貫光殺砲に圧縮気弾ごと貫かれて敗北。
セルマックスはレッドリボン軍基地を巻き込んだ大爆発を引き起こして「最悪」の兵器は消滅した。
◆総評
一対多というシチュエーションにおいて、セルマックスの巨体は味方複数人の活躍が映える格好の題材であり、レイドボスとして相応しかったと好評を博している。
特にオレンジピッコロとの巨体VS巨体の激闘は、ドラゴンボールでは斬新ながらも大迫力の一戦である。
その一方で、セルマックスをセルとして見ると似通っているのはガワくらいで、
精神が未完成の段階で無理やり起動されたためにひたすら雄叫びを上げるだけで人格は無いも同然、
戦法も先述の通り全方位光線が主流で細胞元の力を一切活かさないなど、セルの面影が殆ど無いため、
「そもそもセルである必要があったのか」といった声もあり、やや賛否が分かれている。
これについては、セルマックスとしてキャラ立ちする(あるいは18号さんを吸収してイケメンになる)とオリジナルのセルの立場が無くなりかねない事、
セルマックスのキャラクター性まで書いていられる程の上映時間が無かったというメタ的な事情や、
「先程まで争っていた悟飯とガンマ達が共闘するための脅威」という舞台装置としての役回りが強かった事などが要因と思われる。
一応、作中では一貫してセルとは別物として扱われており、かつてセルを倒した悟飯もセルマックスを「あのセルの化け物」と呼んでいる他、
劇中で戦った面子も悟天・トランクス・クリリン・18号とブロリー三作目における味方の布陣と合致している事から、
製作がブロリーに対するバイオブロリーの関係性を意識して描いたと推測される。
◆余談
- 「レッドリボン軍が復活」「人造人間が敵」「悟飯がメイン格」という事もあり、
レッドリボン軍に由来する人造人間でかつ悟飯との因縁もあるセル、あるいはそれに準ずるキャラの登場が公開前から期待されていた。
しかし、予告PVの時点では冒頭の「最悪が誕生する」というフレーズと共に培養ポッドの内部に潜む謎の存在を仄めかすに留まっており、
オレンジピッコロや悟飯の新形態と共にパンフレットでも記載を省くなどして、公開前は徹底的に情報が秘匿されていた。
- 声優はセルと同じく若本規夫氏。
『改』での悪ノリに近い怪演もあって、近年では「まじめな演技が出来なくなっているのでは」とファンから危惧されていたが、
『スーパーヒーロー』本編では前作のブロリーばりにドスの利いた声で叫びっぱなしだった。規夫!おめぇ大丈夫か!
なお、セルマックス自体がサプライズ要素の塊だったため、残念ながら若本氏が舞台挨拶に登壇する事は叶わなかった。
映画を見た翌日にセルマックスの演技の感想を手紙にしたため、若本規夫氏に送ったとされるTwitterでのファンへのお返事によれば、
「劇場版でのセルマックスの収録は声を張るセリフばかりで精魂使い果たした感ありです」と書いている辺り、かなり疲れていたのであろう。
- 原作における第二形態セルは元々もっと活躍させる予定があったものの、編集の進言で出番が短くなったという裏事情がある。
セルマックスの顔が第二形態ベースである理由は、完全体の美形より怪物性を強調できる演出上の事情以外にも、
当時活躍させてあげられなかった鳥山先生のリベンジも籠もっているのかもしれない。
- 「左腕を失ったセルマックスに対する万全の悟飯ビースト」という構図は、
奇しくも「左腕を怪我した悟飯に対する万全のパーフェクトセル」という人造人間における状況と真逆になっている。
他にも、ピッコロに拘束されたセルマックスを悟飯が魔貫光殺砲で撃つ場面がラディッツの撃破シーンを想起させる等、原作の名シーンに対するオマージュが多数取り入れられている。
- 「セルの巨大形態」という要素は、過去にも『ドラゴンボールヒーローズ』に登場したセルXが該当する。
こちらは元を辿ると鳥山先生が設定などを監修していたオンラインゲーム『ドラゴンボールオンライン』の登場キャラクターであり、
名前も似ている事からセルマックスを考案するに当たって参照したのかもしれない。どっちも略したらセ○クスだし。
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*2 回復能力に関しては理性がない故に気付かなかったのか、ただ単に能力が無かったのかは不明。
*3 本人がかつて巨大化しても悟空に勝てず、以降全くと言っていいほど巨大化しなかったことからも明らかな通り、「体がでかくなってもさほど戦闘力は変わらん」との事
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