登録日:2021/08/09 Mon 15:41:38
更新日:2024/06/03 Mon 13:33:32NEW!
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▽タグ一覧
scp scp foundation scp財団 scip scpオブジェクト keter scp-3000コンテスト 塔 擬態 捕食 建造物 異次元 アメリカ おまけが本編 所要時間30分以上の項目 jekeled scp-3333 tower
真の暗闇と恐怖を前に、人は逆戻りさえ許されない。
SCP-3333 - 塔
SCP-3333とは、SCP Foundationが確保しているオブジェクトである。
項目名は「Tower/塔」。
オブジェクトクラスはSafe→Keter。
まずはじめに、このオブジェクトは本部のSCP-3000コンテストの応募作の一つである。
SCP-3000コンテストのお題は「ホラー」という、言うならば怪奇創作コミュニティという原点に立ち返ったというべきものである。
その分、応募作も色々とエグいものだらけである。
3000ナンバーを勝ち取った人の記憶を喰らい、そこから記憶処理剤を作り出す大ウツボを筆頭に、財団の秘密兵器の裏にあるスクラントン博士の壮絶な最期、仕留めそこなった人類を探すべく何処からか送られてくる知ってはいけないメッセージ、終末が訪れる前に自殺しようとなる凶悪なミーム災害…。
もちろんこのSCP-3333もこれらに負けず劣らずのエグいオブジェクトである。
いや、むしろ百戦錬磨のアニオタ支部職員であれば、
- 「3000コンテスト」
- 「3333番というキリのいい数字」
- 「SafeからいきなりKeterに格上げされたオブジェクトクラス」
- 「Tower/塔というシンプルなタイトル」
- 「オブジェクトクラスの割に異様に簡潔な特別収容プロトコル」(後述)
- いわゆる[[「おまけが本編」のタイプ>SCP-5000]](後述)
…と清々しいまでに一式揃っている時点で、もはや「嫌な予感しかしない、という言葉がそのままオブジェクトになったような代物」だと察する方も少なくないだろう。
その期待を裏切らないオブジェクトである、とは保証しておこう。
特別収容プロトコル
SCP-3333につながる跳ね上げ扉はいかなる場合でも施錠されることとなっている。
また、扉のダメージの兆候は毎日確認されている。
出入りを防ぐために最低一人のスタッフが、SCP-3333の下に駐在している。
機動部隊ラムダ-1「マクスウェルの悪魔」が、SCP-3333の収容を補助するために創設された。
どうだろうか。
「入口らしいドアは絶対に鍵かけといてね。あと、ぶっ壊されてないか毎日チェックしてね」
「最低一人の警備員を配置してね」
「このオブジェクトを収容するためにスペシャルチームを結成したよ」という、財団職員であれば嫌な予感しかしないと言わんばかりの内容である。
説明
SCP-3333はアメリカ・ワシントン州のベーカー山、スノコルミー国立公園にあるサントップ監視所からアクセスできる空間異常。財団世界の国立公園の管理所ってのはこんなのばかりか。
ベーカー山はカスケード山脈を構成する火山の一つ。某コーヒーでおなじみのレーニア山(マウントレーニア)も、カスケード山脈を構成する山の一つである。
SCP-3333は、サントップ監視所の天井にある跳ね上げ扉から入ることができる。
で、跳ね上げ扉の先がどうなってるのかというと。
さっきいたサントップ監視所のコピー、つまりまたサントップ監視所に出てくる。
「あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
『俺は アメリカの国立公園にある監視所の屋根裏に上ったと思ったら そこもさっきの監視所だった』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが 俺にもわからねえ
頭が変になりそうだった
吹き抜けた階段とか 逆行階段とか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいSCPの片鱗を味わった気分だ…」
もちろん、この「監視所」の天井にも跳ね上げ扉があり、そこを入るとまた監視所(のコピー)に出てくる。
無限ループって怖くね?いや、このオブジェクトの本質は無限ループなんかよりも恐ろしい代物なのだが…
監視所のコピー、つまりSCP-3333周囲の環境はオリジナルの監視所の周辺環境と「ほぼ」そっくりだが、
人間を始めとした動物、植物といった生物は存在していない。
SCP-3333を登るごとに、物理的な高度も上がることが確認されている。
SCP-3333はレーニア山近辺の火山活動の後に行われた、サントップ監視所の修復の後に発見された。
起源?そんなものわかるわけないじゃん。修復を担当した公園職員も、「こんなのあったのか?」と首をひねっていたらしいし。
当初、SCP-3333の入り口である跳ね上げ扉は南京錠でロックされていたため、財団は扉を無理やり開ける必要があったようだ。
ちなみに、南京錠の鍵は発見されていない。
探索ログ
さて、ここからが問題の探索ログである。
このオブジェクトはSCP-5000と同じく、「おまけが本編」のタイプである。
こういったオブジェクトは、ときに怪奇創作の範囲を超えたようなものも少なくないため、人によって好みが分かれるタイプと言えそうだが、
SCP-3333は要注意団体や背景設定、カノンハブなどは一切登場せずストレートに「怪奇創作」「ホラー」で殴りかかってくるタイプであるため、ログの長ささえ乗り切れるならばそこそこ誰にでも勧めやすいかもしれない。
(そもそもタグからして「3000」*1、「Keter」、「建造物」、「異次元」と非常に少ない、そういう点からしてもシンプルなオブジェクトの部類である)
では。
探索Ⅰ
探索Ⅰは、定番のDクラス職員を用いた初期探索。
担当するのはD-4f68a。(以下、基本的にDクラスと表記)
Dクラスは標準仕様の探索用の録画、録音装置を装備している。
探索はサントップ監視所内に暫定的に設置されたベースキャンプに駐在するウィリアムズ博士と補佐チームにより監督されている。
ウィリアムズ博士: テスト、テスト、異常はない?
D-4f68a: はい?ハロー?? [少しの間] 博士?
ウィリアムズ: 問題ないわ。SCP-3333へ進行してちょうだい。
機器のテストを行った後、SCP-3333に侵入するDクラス。
…この際、Dクラスはウィリアムズ博士を「博士」と呼んでいる、この点を覚えておいて欲しい。
約1時間ほどSCP-3333を登った後、ウィリアムズ博士から「ドアを開けて外に出てくれないか?」と頼まれる。
ウィリアムズ: オーライ、ちょっとテストをしましょう。D-4f68a、もしよかったら、ドアを開けて外へ出てくれるかしら?
D-4f68a: OK、博士。
ドアを開けるとDクラスを吹っ飛ばす程の強風が室内に吹き込み、Dクラスは反対側の壁に叩きつけられる。
Dクラス、何とか部屋を横切りドアを閉める。
ウィリアムズ: [咳] 今は外に出ないほうがよさそうね。
Dクラス、SCP-3333を登るのを再開。
3時間ほど登ったがSCP-3333、つまり「サントップ監視所のコピー」の内装に変化はない。
SCP-3333を10個登るごとに、Dクラスは掛け算を用いた認識テストを行う。ベースラインからの変化は見られない。
さらに数時間後、Dクラスは休憩し、レーションを摂る。ちなみにこの時点で、映像によれば184個ものSCP-3333を登ったようだ。お疲れ様です。
この時点でDクラスは再び認識テストを行う。
尚、この時点で計算上の高度は673mに達している…はずである。
日本人的に言えば東京スカイツリーよりさらに39m、あべのハルカス2本分+さらに73m高い場所のはずだ。
はずなのだが…
若干高度が上がった様子は確認できているものの、Dクラスの現在位置の高度はその「計算上の高度である673m」より遥かに低い場所となっている。
Dクラス、さらに4時間登る。
この時点で日が暮れてしまったので、キャンプを立てて眠った。
翌朝、DクラスはSCP-3333を登るのを再開。
そこでDクラスは何かを目撃する。
D-4f68a: 博士!あれが見えますか?
ウィリアムズ: 何?
D-4f68a: あそこ — あの頂上に — 人がいませんか?
SCP-3333から南西の尾根に2つの小さな人影を目撃したDクラス。
彼らは動かず立っているように見える、そうだ。
Dクラス、双眼鏡を取り出し、またウィリアムズ博士からの指示でカメラをズームする。が、解像度が低すぎてよくわからなかったようだ。
そうこうしているうちに人影は振り向いて尾根の方に行ってしまう。
Dクラス曰く「双眼鏡の反射を見られた」らしい。
DクラスがSCP-3333を登るのを再開した後、ベースキャンプで「あの人影は何だったのか?」という議論がなされたが、合意には至らなかった。
Dクラス、345個登ったところで二日目のキャンプに入る。
が…。
翌日、D-468aはカメラとマイクを起動するのをしばらく忘れていた。その後少しして、D-4f68aは不安と落ち着かなさを感じると証言した。
D-4f68a: ドク、引き返させてくれませんか?ここは何かがおかしいです。
ウィリアムズ: それは確かなの?
D-4f68a: わかりません、でも — でも何かがおかしい。この壁に書かれているもの、それと —
ウィリアムズ: 壁には何も書かれてないわ。
D-4f68a: ええと、何かが見えるんです、ドク。なんて書いてあるかはわかりませんが、確かにあります。
ウィリアムズ: 了解。ここまで来たんだから、進んでちょうだい。
急に不安を訴え始め、「引き返したい」と言い始めるDクラス。
壁に何かが書かれていると訴えた辺り、何らかのミーム効果のあるものに遭遇したのだろうか?
…ウィリアムズ博士に対する呼び方が「博士」から「ドク」に変わっているのは、気の所為だろうか。
その後もDクラスは時折ベースキャンプに引き返す許可を求めるが、ここまで来たのだからとことん行ってもらおうということで、申請は却下された。
ちなみに、ビデオ映像で見つかった壁の文字などについて分析を行ったが、何も見つからない。
そして527個目。
SCP-3333の周辺環境は突然変わった。
サントップ監視所のコピーが格子状、つまり東西南北に無数に広がっているのだ。
当然、外光は一切入らない暗闇である。次の「サントップ監視所」に行くための跳ね上げ扉が無いあたり、どうやら「頂上」にたどり着いたらしい。
D-4f68a: これは — これは変です、ドク!降りさせてください!何も見えません!
ウィリアムズ: 落ち着いて、頼むから。非常用のヘッドランプと懐中電灯がバックパックにあるわ。それを使って。
Dクラス、ライトの電源を入れようとするが点灯しない。
バッテリーケースを確認するよう指示されたが、バッテリーケースは空である。
バックパック内にある予備バッテリーを使うよう指示されるが、Dクラスはそれを見つけられない。
D-4f68a: 何もない!何もかもおかしい!引き返させてくれ、頼む!
ウィリアムズ: だめ!前進して!
D-4f68a: 待て — 何かが — 何かが見える!何かが見えます、ドク!
ウィリアムズ: 何?何が?
D-4f68aのカメラには何も見えない。
D-4f68a: わ — わからない!おかしい!
D-4f68aはパニックしはじめる。
D-4f68a: 降ろさせてくれ、ドク!ここから出なくては!
ウィリアムズ: 帰ってきたら撃たれます!何が見えるのか報告して。
D-4f68aのカメラとマイクが同時に切断される。
ウィリアムズ: 何?D-4f68a?D-4f68a!何が起きたの?録画を切ったの?何が起きたの?
Dクラスからのビデオ映像の分析からは、通信が切れた理由はわからなかった。
装備の故障とは考えづらい、としか言えなかったようだ。
Dクラス消失の状況と、そこからSCP-3333の「頂上」に未知の異常存在が潜む可能性が浮上したため、さらなる探索が承認された。
探索Ⅱ
二回目の探索はDクラスではなく、機動部隊Mod-0「特徴的固有空間」により実施される。
ミッション内容は前回のDクラスの消失の原因の探索、そしてDクラスにより発見された異常現象の捜索及びSCP-3333に潜む異常存在の同定である。
特殊な装備は不要と考えられたため、Mod-0のメンバーは全員、標準仕様のサバイバル装備と記録機器を装備している。
すべてのバッテリーとバックアップは3回チェックされた。
監督は今回もウィリアムズ博士。
Mod-1隊員、装備をチェックしSCP-3333に侵入する。
先行2名、中間に1名、後衛2名といった隊列である。
前回の探索でDクラスが強風に遭遇した部屋に出るMod-0。
Mod-2: 何もないぞ。博士?
Mod-2がロープを身体に結び、SCP-3333の外に出てみる…が、どういうわけか今回は無風であった。
いや、風だけでなく生物自体が一切見当たらないのだが。
もちろんDクラスが報告したであろう、人型存在も。
Mod-0隊員、数時間周囲を探索した後SCP-3333で再集合する。
4日掛けて問題の「頂上」にたどり着いたMod-0チーム。
灯りを確認し点灯するが、装備を確認する以外の音や光は確認できなかった。
再び2-1-2の隊列を組み、探索を始めるMod-0。
目印として反射マーカーを設置する。
頂上はSCP-3333のコピー、つまり「サントップ監視所」が通路を介して水平に連なっていた。
先程上がってきた「入り口」以外では、通路の板の下は漆黒の空間。Mod-2はサイリウム*2を穴に落とすが、底は見えない。
天井にある跳ね上げ扉の先も漆黒の空間。Mod-3が信号弾を打ち上げるが、その先は見えない。
ウィリアムズ博士、なにかおかしなものは無いかと聞くが、そういったものは全く無い。
Dクラスの死体すら見当たらなかった。
このままでは埒が明かないと思ったのか、Mod-0チームは四方に散らばっての探索を始めた。
一時間ほど探索した後、Mod-3が「なにか」を発見する。
…前回のDクラスが持っていたバックパックである。
裂けたりはしていないものの、中身は無くなっていた。争った形跡すらないようだ。
ここでMod-1が、Mod-5ことグラハムがいないことに気づく。
点呼を取るが、やはりMod-5=グラハムはいない。
ウィリアムズ博士もMod-5からの映像は受信できていないようだ。
Mod-5を捜索するため、2人チームを組むMod-0チーム。
Mod-1はMod-3ことホレスと組む。
ウィリアムズ博士、グラハムの応答途絶前のカメラ映像を再生するが、異常なものは見られない。
カメラ自体の通信は途切れていないが、暗闇しか映っていないようだ。
ここでMod-2とMod-4が転倒。
彼らが床に倒れ込んだときのものであろう音の後、何かが微かに滴るような音がする。
その後、Mod-2とMod-4のカメラとマイクがほぼ同時に通信が切れ、
さらにMod-5=グラハムのカメラとマイクも通信が途絶。
ウィリアムズ: ハロー?ハロー!Mod-2とMod-4からの中継が途絶したわ!
もう1つのドシンという音がする。Mod-3のマイクとカメラが切断される。
ウィリアムズ: ハロー?Mod-1?
Mod-1: 何が - 何が起きた -
ウィリアムズ:わからない - Mod-3はどこ?
Mod-1: ほんの少し向こうを見てる間に、今は - あいつは -
Mod-1のヘッドランプが周辺を素早く見回す。他のMod-0のメンバーの兆候は見えない。
Mod-1: [闇に向かって] ハロー? [間] [囁き] な - 何かが俺の - 側に -
ウィリアムズ: 何?何が見えるの?言葉?
Mod-1: いや、何も見えません -
その後、Mod-2~5のカメラとマイクの通信が復活。
同時でない辺り、手動で再起動させたようだが。
Mod-5: ハロー?ハロー?
ウィリアムズ: 装備が起動した - 何が起きたの?
Mod-3: わかりません、ドク。何かが床にあって、躓きました、それで -
ここでMod-1、確認のために全員の点呼を取った……のだが。
Mod-1: 全員どこにいる?点呼!
Mod-2: Mod-3。
Mod-3: Mod-5。
Mod-4: Mod-2。
Mod-5: Mod-4。
Mod-1: お -
おわかりいただけただろうか。
Mod-1の点呼に対し、Mod-2~5は自分のナンバーと違う番号を返しているのである。
さすがに変だと感じたのか、Mod-1は声をあげようとするが――
直後、今度はMod-1のマイクとカメラが突然切れる。
Mod-1のカメラとマイクが再起動した後、Mod-1は「俺にも見えた」と証言する。
ウィリアムズ博士、何を見たのかと聞くが「わからない」としか帰ってこない。
その後、Mod-0のメンバーは口を揃えて「ここはおかしい」「撤退しよう」と言い出す。
Mod-1、息を荒げてその「何か」が見えると報告。
カメラ映像には何も映っていないが…。
Mod-1: これはその - ええ -
Mod-3: 城みたいに見えます - いや違う!山だ!
Mod-4: 山だ!幽霊みたいな山!でも - これは違う -
Mod-5: これは - 燃えている山だ、煙を吹いて。煙と灰の塔 -
Mod-3: 見えた!
Mod-1: 俺にも見えたぞ!
Mod-5: 行かなくては!全員撤退!
All: 了解。
機動部隊Mod-0はSCP-3333の「頂上」から撤退し、素早くSCP-3333を下る。
数日後、ベースキャンプに到着しデブリーフィングを行う。
彼らはSCP-3333の頂上に関しては混乱を示した上で、再侵入を強く拒んでいた。
やはりミーム効果を持つ何かが存在するのか…
「何、財団職員、ミーム効果を持つ異常存在のお陰で入ったらやられる?
逆に考えるんだ、ミームなんて知覚しなけりゃいいんだって」
…というわけで、Mod-0チームの反対を押し切り、財団保有の秘密兵器・特殊抗ミーム工作員が投入されることとなる。
探索Ⅲ
三回目の探索ミッションの内容は、SCP-3333頂上を探索し、内部に潜むミーム的異常存在、或いは媒体を発見、無力化すること。
担当するのは財団の切り札、ミーム対抗スペシャリスト0「無を歩くもの」。
(以下スペシャリストと表記)
スペシャリストは盲目かつ聾唖、つまり目が見えないし耳も聞こえないという、「ミーム災害には知覚でやられるなら知覚がなければいい」とばかりの特殊工作員。まさに対ミームのスペシャリストである。
コミュニケーションは手に埋め込まれたシグナルシステムを用いて行う。
どうやらウィリアムズ博士の知人らしく、博士は彼女のことを「アネット」と呼んでいるようだ。
0: キチ ヲ ハナレル
ウィリアムズ: 何か必要があったら言ってね。
0: リョウカイ
スペシャリスト、出動。
その傍らで相変わらず「登るのはやめとけ」と抵抗するMod-0メンバー。
だが、機動部隊すら撤退を選ぶほどの化け物が本当に潜んでいるというのが本当なら、アネットことスペシャリストを呼び出す価値はあるのだ。
数時間登った後、「外から誰かに見られている」と報告するスペシャリスト。
ウィリアムズ博士、恐らく最初の探索でDクラスが見た「二人組の人影」ではないかと判断するが、スペシャリスト曰く「それらとは違うようだ」とのこと。
12時間以上登った後、スペシャリストはアンフェタミンを使用し、再び登り続ける。
アンフェタミンを摂取している最中も、先程の「何者か」の気配を感じていたようだが…。
スペシャリスト、「外に何か見えるか?」とウィリアムズ博士に聞く。
ウィリアムズ博士、最初は見えないと言ったものの、カメラ映像の端に何か動くものを見つける。
何かが窓越しにスペシャリストを見ていたが、カメラがそちらの方向を向くと隠れてしまう。
風は強く、外に出れそうもない。
スペシャリスト曰く「奴らは(自分の存在に)気づいている」とのこと。
スペシャリスト、登る速度を上げる。
時折カメラ映像の端に、チラリと何かが映る。
それに加え、「サラサラ」をいう小さな音が風音に混じり時折聞こえてくる。
Mod-5、スペシャリストに「撤退しろ」というが、スペシャリストは「だめだ」と一蹴。
およそ一時間後、スペシャリストはSCP-3333の頂上に到達する。
…スペシャリストを追っている「何か」も同じく。
0: ケツエキ。ヒカリ ナイ。
スペシャリストは歩き始める。
彼を追う「何か」もライトは付けないようであり、カメラには何も映らずスペシャリストの足音だけがマイクに拾われている。
大きな「バタリ」という音が遠くに聞こえる。
スペシャリストは歩く速度を上げ、突然止まる。
先程からの「サラサラ」という音が聞こえるが、それらは素早く消える。
スペシャリスト、何かを発見する。
件のサラサラ音がより大きく、近くで再び聞こえるようになる。
Mod-5、スペシャリストに「逃げろ!」と叫ぶ。
何かを潰すような音が幾つか聞こえてくる。
0: カラダ。ケツエキ。 [間] ナイゾウ。キンニク。ナメラカ。ヤワラカ スギル。[間] カタイ キンゾク。
金属物を所持した死体と思われるものを発見したスペシャリスト。
サラサラ音はより大きくなり、近づいてくる。
その音の主はスペシャリストを取り囲んだようだ。
その音は…虫の羽音のようにも聞こえる。
Mod-5、「それは放っておけ」とスペシャリストに向けて叫ぶ。
スペシャリストは「金属物」に何らかの文字が刻まれているのに気づくが…
ドシンという音。
0: TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTッテッテT エT エッテT エ ウンWホア JFSLFパFJ 13R9 アJ SLFジョWイウR;KZ
ウィリアムズ: アネット?アネット?
0: ライト ライト キエタ ライト ドコ
ウィリアムズ: アネット!
0: ヤマ アル。テッタイ シナクテハ。ライト ドコ?
ウィリアムズ: アネット…
消えていたスペシャリストのライトが点灯する。
スペシャリストは地面に横たわっている。
ライトが照らし出したのは、積み上げられ、腐敗の進んだ筋肉、臓器、骨。
そして、スペシャリストが報告した金属物-ドッグタグが、スペシャリストの手に掴まれているのも見える。
「機動部隊Mod-5 グラハム・パーセル」と書かれたドッグタグが。
…ちょっと待て。
では、この探索ミッションでずっとウィリアムズ博士の傍らにいる「Mod-5 グラハム・パーセル」は一体何者なのだ?
SCP-3333の頂上を探索した方は追記修正をお願いします。
CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-3333 - Tower
by Jekeled
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-3333
http://ja.scp-wiki.net/scp-3333
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メッセージ:2039/04/02受信
補遺Ⅰ
探索Ⅲのイベント群に続き、SCP-3333内に潜んでいた、SCP-3333-1と指定された実体群がベースキャンプに出現、その場に居合わせた全人員を殺害、そして彼らに擬態した。
SOSは発信されず、探索Ⅲに関するデータも事後レポートが完成するまで送信はされなかった。
ベースキャンプにいた人員に擬態したSCP-3333-1達はSCP-3333内の観察と探索を実施しているフリをし、よりにもよって一ヶ月に渡り人員と装備を財団本部に要求し続けていた。
だが、一人の差し入れ担当者がSCP-3333-1の毒牙にかかる前に非常メッセージを送ることに成功し、ようやくSCP-3333の本性が明らかになった。
再収容チームがSCP-3333に到着した際は、施設は完全に放棄されていた模様。
…ここまでに、50人以上の職員が失われていた。
SCP-3333内にいた「何か」=SCP-3333-1が基底世界のベースキャンプを襲撃し、人員を殺害・擬態。
さらに一ヶ月に渡って「援軍」を要請し続けた。
これが何を意味するかはもはや嫌でもわかるだろう。
SCP-3333-1が、基底世界に解き放たれてしまった可能性が濃厚なのだ。
財団職員に擬態していないものも含め、多数のSCP-3333-1が開放されたと想定されたため、
これらを調査・捜索、そして無力化するためだけのスペシャルチーム・ラムダ-1「持つもの/持たざるもの」が組織された。
ラムダ-1という名前からすると、おそらくは特別収容プロトコルにある「マクスウェルの悪魔」を改組した組織なのだろう。
補遺Ⅱ
2039/04/02、ウィリアムズ博士の携帯電話から、暗号化されたメッセージが受信された。
正確な場所は特定されてはいないものの、内容からするとSCP-3333内部から送信されたという可能性は高い。
メッセージには以下に記す、ウィリアムズ博士のログが含まれており、彼女が機動部隊Mod-0から逃走していたことはほぼ確実と思われる。補足として、このメッセージを添付する。読者は思慮されたし。
アードマン博士
探索Ⅳ
以下はSCP-3333内部において、ウィリアムズ博士により携帯電話に録音されたものである。
ウィリアムズ博士の「探索のログ」は探索Ⅲの少し後から始まる。
博士はカメラを装着して、SCP-3333を登り続けている。
…いや、探索というよりも、なにかから逃げているようだ。
下方からは銃声が聞こえる。
ウィリアムズ博士はおよそ10分間登った後、休憩を取ろうとする。
博士、携帯電話のカメラをテーブルに立て掛け、椅子で下の跳ね上げ扉を封鎖する。
座り込むウィリアムズ博士。
ウィリアムズ博士は血で覆われ、パニック状態にあるように見える。
手には拳銃を持っている。
博士はカメラを見て喋り始め、そして泣き始める。
およそ一分間泣いた後、泣き止み、これまでの「経緯」を語り始める。
ウィリアムズ: やられたわ。完璧に。訓練された機動部隊が撤退を決定したのを、ちょっとした曖昧さを根拠に咎める人なんていないでしょう?あと勿論私は彼らを親しく知っていたわけじゃない。何かがおかしいなんて、誰に言えばよかったの…
何者かが跳ね上げ扉と開けようとしているらしい。
扉からガタガタという音がする。
ウィリアムズ博士、銃を手に取り扉に向ける。
声: ウィリアムズ博士?ウィリアムズ博士!こちらは機動部隊アルファ-3!我々はこの駐留地から救難信号を受信しました!我々はここの職員から攻撃されました!何が起きているのですか博士?[打撃音] 入れてください博士!
ウィリアムズ: [パニックする]さが - [咳] 下がって! - 騙されないわ!
Alpha-3: ウィリアムズ博士!お願いです!入れなければあなたを敵として扱います!
ウィリアムズ: [叫ぶ] 下がって!
補遺にある通り、そもそも財団本部に向けてSOS自体が発信されていないのだ。
ということは、彼らは…
何本かの指が跳ね上げ扉から現れ、押し上げ始める。
ウィリアムズ博士は扉の上に乗り、それらの指を踏む。
何かが砕ける音がして、指は扉に挟まれたまま完全に平らになる。
…その「潰された指」が引き戻されるのに従い、何かが裂ける音が聞こえてくる。
恐らく扉の向こうで機動部隊を語る何者かの正体は…。
ウィリアムズ博士、ドアの上から二発射撃し、カメラ=携帯電話を掴み再度SCP-3333を登り始める。
博士は跳ね上げ扉を封鎖しながらおよそ一分半登り、立ち止まり嘔吐し、およそ10分間泣く。
その後、博士は20時間以上ノンストップで登り続けた後、崩折れる。約2時間ほど意識を失っていた後、叫びながら起きる。
ウィリアムズ: [叫び止む ]ゆ - 夢じゃない。[間] 喉が渇いた。[間] キットを持ってくればよかった。
ウィリアムズ博士、携帯電話を立て掛け、雨を飲むために外に出る。
が、この雨は塩辛い雨だったらしく、程なくして唾を吐きながらSCP-3333の内部に戻ってきた。
再びSCP-3333を登り始めるウィリアムズ博士。
一時間登った後、SCP-3333のドアからノック音が聞こえてきた。
博士、即座に立ち止まり銃を取り出す、呼吸は荒く、手は震えている。
もう一度ノック音が聞こえてくる。…今度は逆の方向から。
博士が振り向くと、探索ⅠでSCP-3333に乗り込んだDクラス、D-4f68aがドアのところに立っている。
彼は極度に痩せており、ドアにもたれている。皮膚は乾いてひび割れ、潰瘍ができ、所々で殆ど剥がれ落ちている。
D-4f68aはドアを開けようとする。ドアにある簡素なノブ鍵が、D-4f68aの姿をした「何か」の侵入を拒んでいるが…。
D-4f68a: [枯れた声で] 入れてください、ドク!
ウィリアムズ: 下がって!
ウィリアムズはドアから下がり、銃をD-4f68aに向ける。彼はドアを叩き続ける。
D-4f68a: お願いしますドク、入れてください!外には水がないんです!
ウィリアムズ: 違う - あなたじゃない - 彼は私をドクと呼んだことはない!一度も!
D-4f68aも、機動部隊Mod-0のメンバーも、当初はウィリアムズ博士のことを「博士」と呼んでいたはずである。
「ドク」と呼び始めたのは、探索の途中からのはずだ。
沈黙のあと、D-4f68aの顔が完全に弛緩する。
D-4f68a: 俺は実際に彼を見たことはない。でもお前が子供だった頃から、お前の目は可愛いと思っていた…
Dクラス、ドアの木板の一枚を拳で破壊する。血は出ない。
Dクラスはそこから手を差し込んでノブを回す。
ウィリアムズ博士、発砲し始める。
Dクラスはついにドアを開け、博士に向けて走り始める。
博士はDクラスに向けて5発の発砲を行う。そのうちの一発がDクラスの脚に当たり、Dクラスは崩折れる。
Dクラスは地面でのたうち回る。
Dクラスの皮膚は一部しか動きについていかない。まるで彼の内部で何かが動き回っているかのようだ…。
さらに5発発砲する博士。そのうちの一発がDクラスの腕に命中するが、血は出ない。Dクラスの腕は平たく見える。
Dクラスは裏返って這い去ろうとする。…Dクラスの腕はゴムのように後ろ側に揺らめいている。腕の中に「中身」は無いようだ。
Dクラスを見て叫ぶ博士。何故ならDクラスの胸部の中央で、なにか大きな物体がうごめいているのだ。
Dクラスの中で大きな羽ばたき音がする。博士は4発発砲する。銃弾が無くなったため、クリック音が虚しく響く。
大きな、乾いた「ドシン」という音がした。博士はカメラ=携帯電話を拾う。博士はショックを受けたように見える。
博士、携帯電話を置き嘔吐する。
再び携帯電話を拾い、Dクラスの「死体」に向ける。
壊れた窓に寄りかかった、何か大きな黒い塊がある。
その「何か」からは、透明なゼラチン状の"血液"がにじみ出ている。…おそらくはもう死んでいるのだろう。そして、こいつこそがSCP-3333-1実体なのだろう。
実体がどうなっているのかを見分けるのは難しいが、それは厚い半透明の羽を持っているように見える。
床に積み上がった皮膚があり、それらは引き裂かれている。
ウィリアムズ博士は再び嘔吐しようとするが、数秒えずいただけである。
ウィリアムズ: [素早く、静かに] 人間の奥底には悟りと高みについて、無知と深淵についての信仰がある。我々は、ここ天空の城、空に浮かぶ山、神の柱、繰り返し重なるものの上にいて、そしてここ頂上で我々は何も見えてない、死んだ世界、果たされない約束… [間] 私はただ - 家に帰りたい…
ウィリアムズ博士は跳ね上げ扉を封鎖しつつ数分間登っていく。
数秒立ち止まった後、彼女は笑い始める。
…もはや、博士の精神は限界に近いのだろう。
ウィリアムズ: 私はついにやったのに…アネット…
泣き始めるウィリアムズ博士。
その数分後、立ち直り上昇を開始する。
約30分後、博士はSCP-3333の「頂上」に到達した。
ライトを付けるウィリアムズ博士。
ウィリアムズ: ハロー? [間] [大声で] ハロー?
何も返答はない。静寂と暗闇に支配された、SCP-3333の頂上。
ウィリアムズ: ここには何もない。内もなかった。浮かぶ言葉も、山の幻影も…ハハッ。[間] でもまだ希望はある。と思う。
数分間、SCP-3333の頂上を歩き回るウィリアムズ博士。
何もない。
全く何もない。
座り込み、カメラをテーブルに立てかける博士。
足音が遠くに聞こえてくる。
近づいてくる足音。
乱れて荒く、一歩ごとに重い足が叩きつけられるような足音。
突然、足音が止まり、人が壁か何かにあたったような、湿った「ドシン」という音がする。
ウィリアムズ: [静かに] 嫌、嫌…
その足音の主は、スペシャリストことアネットだった。
スペシャリストだったものの身体がよろめき視界に入ってくる。
肉体は不揃いに引き伸ばされ、ずんぐりとして不格好になっている。
先程のDクラスだったものと同じく、ツギハギのような皮膚が剥がれ落ち、中にいる「モノ」=SCP-3333-1がのたうち回るのが見える。
頭部が垂れ下がり、ぶら下がっている。
体全体は方向も目的も定かでないような動きをしている。
ウィリアムズ博士は、明らかに臭いのためにえずく。
ウィリアムズ博士のいる「部屋」へと侵入した、スペシャリストだったもの。
何かが頭部に入って持ち上げ、発声しようとするが、ゴボゴボという音にしかならない。
アネットの名を叫び、すすり泣くウィリアムズ博士。
アネット=スペシャリストだったものは頭部から骨組みを抜き去る。
その内部構造は完全になくなり、頭部が後方に垂れる。
博士は銃を持ち、スペシャリストだったものを撃とうとする。
が、既に弾は撃ち尽くしている。それでも撃とうとする博士。
カチッ、カチッという音が虚しく暗闇に響く。
泣き続ける博士。
カチッ、カチッとしか言わない銃。
博士は崩折れて、銃を落とす。
スペシャリストだったものが博士に近づく。ぎこちない動きで近づく。鈍い。奇形的だ。
スペシャリストだったものの胴体はのたうっている。シートに絡まった何かが抜け出ようとしているかのように。
ウィリアムズ: ごめんなさい。
何かが裂ける音がする。
スペシャリストだったものの肉体が裂け、SCP-3333-1実体が飛び出そうとしている。
棘の生えた刺突起が裂け目から突き出し、ウィリアムズ博士の皮膚に穴をあける。
倒れる博士。恐らくこの「刺突起」には麻痺毒が含まれているのだろう。
スペシャリストの皮膚はさらに裂け、大きな黒い実体がスペシャリストの皮膚を脱ぎ去って現れた。
実体=SCP-3333-1は、大きな半透明の羽と、吸引管状の器官を胸部に持っているのが確認できる。
目はついているようには見えない。
その皮膚は極度に薄く、内部の「血液」を通して内臓が見えるが、骨は見当たらない。
SCP-3333-1実体は動くたびに、羽から衣擦れのようなサラサラという音を立てながらウィリアムズ博士に近づく。
ウィリアムズ博士にたどり着くと、SCP-3333-1実体は吸引管のような器官を博士の傷に突き刺す。
博士の「内容物」を吸い出し、滴る音。
SCP-3333-1の実体の背面から、半液化した博士の臓器と骨の塊が排出され、博士が皮膚だけになるまで吸い出される。
実体は博士だったものの皮膚に吸引管で触れたまま、身体を捻じ曲げ傷口に入り込む。
グニグニと曲がり、実体にフィットしていく皮膚。
皮膚は満たされ、ウィリアムズ博士の形になる。
ウィリアムズ博士だったものは立ち上がり、カメラを止める。
引用だらけであり、尚且冗長すぎるのは、作成者の文才の限界ということで見逃して欲しい。
機動部隊が、スペシャリストが、そしてウィリアムズ博士までも、
SCP-3333の内部に潜む「何か」=SCP-3333-1に喰われてしまった。
SCP-3333の本質は単なる空間異常ではない。その内部に潜む「何か」、すなわちSCP-3333-1だったのだ。
しかもこのSCP-3333は、単にそこにいる人間を喰らい、皮膚を奪って擬態するだけではない。
犠牲者の知識や記憶までも正確にコピーできることが、そして財団を騙し増援=餌を送らせるという知能すら有することが、補遺から読み取れるはずだ。
しかも、この実体は、既に基底世界に放たれている可能性が濃厚なのである。
とある動画でSCP-3333が紹介された際、「実はSCP-3333という空間異常の中に、危険な実体たるSCP-3333-1を封じ込めたがゆえに、当初は鍵がなかったのでは?」というコメントがあったが、
飽くまで本記事の作成者の勝手な想像でしかないと付け加えた上で書くならば、作成者個人としては逆の可能性もあり得ると思う。
説明の項目をよく見ると、そもそもSCP-3333への入り口=監視所の天井裏に行くはずの跳ね上げ扉が発見されたのは、監視所の修復のときだったが、当時の修復スタッフや公園のスタッフ曰く「起源はわからない」そうである。
これはもしかすると、「昔はなかったが、ある時突然出現した」のかもしれない、と想像することもできるだろう。
もしかしたら、この「入り口」は、SCP-3333-1が仕掛けた「罠」だったのかも知れない。
餌たちに自ら地獄への門を開かせるための。
そして、不覚にも財団が開いてしまった結果、内部に潜んでいたSCP-3333-1が基底世界に少なくない数解き放たれてしまったのだ。
類似するオブジェクト
◆SCP-093-JP「生還可能な廃トンネル」
日本版SCP-3333。
とある私鉄の廃トンネル。
過去に大事故が起こって以来、新線の供用開始もあって廃線となったが、反対側の出口が消失している。
かつては単に「内部で空間異常が発生しており、入ってもそのまま進むといつの間にか出口に戻されるトンネル」という、下手すればAnomalus扱いされてもおかしくないオブジェクトであったが、その実態は「トンネルに入った人間が、容姿も特徴もそっくりな別の何かに入れ替わって出てくる」というものである。
…そう、侵入者と入れ替わった「人型の何か」が、一般社会に少なくない数放たれているのだ。
あなたの知人、本当に昔のままですか?
特に研究職の方、知人の中にあなたのことをある時からいきなり「ドク」と呼ぶようになった方がいたりしませんか?
なにより衣擦れのような、サラサラという音が聞こえてきたのなら…
ドク、SCP-3333の記事の追記・修正をしておきました。
CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-3333 - Tower
by Jekeled
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-3333
http://ja.scp-wiki.net/scp-3333
SCP-093-JP - 生還可能な廃トンネル
by Porsche466
http://ja.scp-wiki.net/scp-093-jp
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▷ コメント欄
- 待ってました。正に本格的なホラーとしかいえない。これも好きだけど、これより上のウツボや「例の空間」の絶望感もまたヤバい........ -- 名無し (2021-08-09 16:37:43)
- 銃で死ぬなら楽(感覚麻痺) -- 名無しさん (2021-08-09 16:52:53)
- 乗っ取り系は結構いるが、現実改変とか無しで全く違和感ないレベルで財団業務こなしてました、それも集団で。ってのがほんとヤバいわ。 -- 名無しさん (2021-08-09 18:27:09)
- ほんと3000コンテストは傑作揃いで嬉しい悲鳴がするよ。このオブジェクト大好き -- 名無しさん (2021-08-09 21:02:06)
- >> もしかしたら、この「入り口」は、SCP-3333-1が仕掛けた「罠」だったのかも知れない。 パンドラの箱を開かせるための。 パンドラの箱なら希望が残されてるけどこれは希望無くない?だからパンドラの箱っていいものかどうか -- 名無しさん (2021-08-09 21:19:43)
- パンドラの箱で最後に残ったものは「避け得ない破滅を予め知ってしまうこと」だという俗説があってな…ゆえに「希望は残った」とも -- 名無しさん (2021-08-09 22:11:10)
- 「パンドラの箱」→「地獄の釜の蓋」に変更されたけど、「地獄の釜の蓋もあく」は恐ろしいことが起こるという意味ではないので、やっぱり変えた方が良いと思う -- 上2とは別人 (2021-08-09 22:36:24)
- 財団でたまによくある、財団が収容しようとしなければ問題なかった系のオブジェクトだな -- 名無しさん (2021-08-09 22:50:12)
- 言うて罠ならわざわざ鍵のない南京錠なんて付ける必要ないんだよな…… かと言って南京錠ごときでこれを封じ込めてたとも考えづらいし -- 名無しさん (2021-08-09 23:36:46)
- ↑相手から入り口を開けてもらう=招待されないと対象の世界に入れない、とかかね。どちらにせよやぶ蛇なのはかわらんが -- 名無しさん (2021-08-10 00:01:26)
- 偽物を見分ける術さえ開発できれば収容はできそうな気がする -- 名無しさん (2021-08-10 01:23:11)
- 盲目のはずなのにライトが消えたことを認識してる、どこから入れ替わってたんだろうな -- 名無しさん (2021-08-10 05:32:50)
- 虫の羽音とサラサラ音がどうにも頭の中で結びつかない -- 名無しさん (2021-08-10 12:51:03)
- 乗っ取り系だとSCP-715「私であったかもしれない顔」SCP-849-JP「月並みな心霊スポット」もなかなか -- 名無しさん (2021-08-10 15:38:40)
- 同じ3000台にこんな蝉みたいなやつあったな -- 名無しさん (2021-08-10 17:42:53)
- 仮に罠だとすれば「天井にある封じられた扉をわざわざこじ開けて入ってくる奴」だけを待ってる?肉と皮が欲しいなら洞窟でも落とし穴でも作って動物食ってればいいのに。精神や知識も食いたい系なの? -- 名無しさん (2021-08-13 02:52:42)
- ついにきたか!この得体の知れない恐怖感がいいよなあ -- 名無しさん (2021-08-14 14:18:13)
- おおついにこれ来たのか!このホラー感良いわ〜 -- 名無しさん (2021-08-28 17:46:40)
- ↑6「サラサラ音」、原語では「rustlings」となっていて、これは「サラサラ」「ガサガサ」「バラバラ」といった擬音語が該当するようなので、「ガサガサ」だったら虫の羽音っぽい…かも? まぁ日本支部の記事が「サラサラ」になってる以上、ここでもそう書かざるを得ないけど -- 名無しさん (2021-12-12 08:17:11)
- これ見てるとどうしても脳内で「デッ!デデデ! -- 名無しさん (2023-01-22 22:37:23)
- ↑送信ミス -- 名無しさん (2023-01-22 22:37:44)
- これ見てるとどうしても脳内でNEXT LEVELが流れだす -- 名無しさん (2023-01-22 22:38:21)
- 最初は意味不明だったけど3つ目の創作でなんとなくスナッチャー的な物だと分かってからはすんなり読めた -- 名無しさん (2023-06-13 08:30:21)
- クレヨンしんちゃんに似たような話があったな 映画だったか -- 名無しさん (2024-05-25 15:37:45)
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*2 化学反応で光るライトの一種。アニオタ的にはライブ会場で振るあれとか、ディズニーランドの夜のパレードで観客席の前に張るロープにくっついているあれだと思えばいい。
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