Batman: City of Bane

ページ名:Batman_ City of Bane

登録日:2021/03/14 Sun 18:18:37
更新日:2024/05/27 Mon 09:25:18NEW!
所要時間:約 12 分で読めます



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『Batman: City of Bane』は2019年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。


+ 作品情報-

『Batman Vol.3』#75~#85
発売 2019年7月から
脚本 トム・キング
作画 トニー・S・ダニエル(#75~#77)、ミッチ・ゲラッズ(#75、#81)、ミケル・ハニン(#77、#82~#83、#85)、クレイ・マン(#78~#79)、
   ジョン・ロミータ・ジュニア(#80~#81)、ホルヘ・フォルネス(#84)、ヒューゴ・ペトルス(#85)


『Batman Annual Vol.3』#4
発売 2019年10月
脚本 トム・キング
作画 ホルヘ・フォルネス、マイク・ノートン


日本では未邦訳。


トム・キングによるバットマン・サーガ最終巻。
ゴッサムを支配したべインと『フラッシュポイント』のトーマス・ウェインに挑むバットマンの戦いを描いた作品。
謎に包まれるトーマスとの決着や『バットファミリー』の変化が描かれる他、キャットウーマンとの関係にも答えが出される。
また前巻と合わせて『ダークナイト ライジング』の影響が垣間見られ、同作の立ち上がり続けるヒーロー像が受け継がれている。


前半はベインが支配する混沌としたゴッサムの様子とバットマンとキャットウーマンのリゾート地での修行が描かれる。
ヴィランが跋扈し『バットファミリー』の悲劇も描かれるゴッサムと美しく時にセクシーなリゾート地の対比が印象的。
『バットファミリー』の悲劇は多くの読者に衝撃を与え、修行を通じて描かれたバットマンの決意は本作のハイライトと言える。


後半は『バットファミリー』とキャットウーマンそしてバットマンによる最終決戦が描かれる。
ヴィランたちを制圧する華麗な作戦とベインを倒すなりふり構わない戦い方の二通りのバットマンの戦闘スタイルが楽しめる。
そしてトーマス・ウェインとの親子対決はアメコミらしい『語り』で描かれるものの、
明かされるトーマスのこれまでともう1人の父親アルフレッドの言葉によって、最終決戦に相応しい内容になっている。


同時に収録された『Annual』はアルフレッドの日記という形式でバットマンの活躍を振り返っていく。
トム・キングの物語ではなくバットマンというアイコンを掘り下げる内容になっており、
探偵物、ホラー、人情噺、冒険譚などバットマンの様々な活躍を通じて、共通して存在する彼の本質を語っている。


本来は#100まで担当する予定だったが早めに後任に譲ることになり、ジェームス・タイニンⅣが引き継いだ。
しかしトム・キングのバットマン・サーガは終わることなく、いくつか短編が発表された他、
本作の直接的な続編である『Batman/Catwoman』が発表されている。




『Batman Vol.3』#75~#79
『Batman Vol.3』#80~#85、『Batman Annual Vol.3』#4




『Batman Vol.3』#75~#79



【物語】

バットマンがベインと父トーマスとの戦いに敗れたことで、ゴッサムは悪の支配下に置かれていた。
住民と偽りの平和を盾にされ政府は手出しが出来ず、救出に向かったヒーローも返り討ちにあっていた。
キャットウーマンに救出されたバットマンは反撃のプランを胸にゴッサム解放へ動こうとしたが、
勘が鈍っていることをキャットウーマンに指摘され、ある作戦と修行のためにリゾート地に向かった。



【登場人物】

ゴッサムを守る闇の騎士。自分を打ちのめしたベインへの反撃の手段を求めある雪山に向かったが、
そこにもベインの手の者が待っており、身ぐるみを剥がされ捨てられた所をキャットウーマンに助けられた。
彼女の看病で回復するとすぐにでもゴッサムに戻ろうとしたが、彼女のアドバイスでまず修行に向かうことにした。
そして修行の日々の中でキャットウーマンと互いの胸の内を明かし合い……。


猫のようなコスチュームに身を包んだ女盗賊。雪山に向かったバットマンを追い、彼のピンチを救った。
パリで盗みを働いてでも彼を介抱し、回復するとゴッサムに戻ろうとする彼のためにリゾート地での修行を提案した。
そして過去に幸せな日々を手にするチャンスがありながらバットマンのために手放したことを明かし、
それを後悔しながらもバットマン復活のために今回も彼を突き放そうとするが……。



≪バットファミリー≫

  • アルフレッド・ペニーワース

ウェイン家に仕える執事。『バットファミリー』への人質としてウェイン邸に軟禁されている。
ゴッサムに侵入したロビン(ダミアン)が敗北したことで、宣言通りダミアンの目の前で殺された。


バットマンの3代目サイドキック。ゴッサム侵入に失敗したキャプテン・アトムからゴッサムの状況を知り、ダミアンと今後について話し合った。


バットマンの息子であり現サイドキック。ティムから人質のアルフレッドやゴッサムガールの脅威を知るも、ゴッサムに侵入した。
魔法を使った攻撃でゴッサムガールを倒し別世界の祖父トーマスに挑むも敗北、
そしてウェイン邸に連れて行かれると目の前でアルフレッドを殺され、彼に代わる新たな人質にされてしまう。



≪ヴィラン≫

力と知性を兼ね備え強化薬『ヴェノム』も使う大男。バットマンを倒しさらにヴィランを洗脳しゴッサムの支配者となった。
アメリカの汚点ゴッサムを浄化したことで政府からその存在を黙認され、干渉した者は罰せられる状況を作り上げた。
その力は世界だけでなく宇宙すら支配できるほどだが、それらは常に内外にリスクが存在するため手を出す気は無い。
またゴッサムに平和をもたらすことはあらゆる場所で活躍するバットマンが成しえなかったことだったため満足している。


  • バットマン(トーマス・ウェイン)

消滅したはずの『フラッシュポイント』のバットマンにしてブルースの父。
ブルースに代わり真のバットマンとして活動している。ブルースと異なり銃を使い、相手に致命傷を与えることも厭わない。


  • ゴッサムガール(クレア・クローバー)

バットマン(トーマス・ウェイン)のサイドキック。コスチュームを紫色のロビン風に変更し、髪を伸ばしている。
バットマンが対処できない強敵を担当する他、外部からの干渉を物理的に防ぐ役割を担っている。


  • サイコ・パイレート(ロジャー・ヘイデン)

魔力を込められた『メデューサ・マスク』の力で他人の感情を操る力を得たヴィラン。
その力でゴッサム中のヴィランを操りベインに仕えさせている。


  • ベントリロクイスト(アーノルド・ウェスカー)

腹話術の人形スカーフェイスと共に犯罪を繰り返した腹話術師。アルフレッドに代わりトーマスの執事役を担っている。


  • ヒューゴ・ストレンジ

バットマンに執着する精神科医。ジェームズ・ゴードンに代わりゴッサム市警本部長の役を担っている。


  • ジョーカー、リドラー(エドワード・ニグマ)、ピッグ教授(ラズロ・バレンティン)、ミスター・ザーズ(ビクター・ザーズ)、ファイアバグ(ジョセフ・リガー)、ファイヤーフライ(テッド・カーソン)、ハッシュ(トーマス・エリオット)、ドクター・フォスフォラス(アレクサンダー・サートリアス)、マッドハッター(ジャービス・テッチ)、キラークロック(ウェイロン・ジョーンズ)

サイコ・パイレートの洗脳でベインの手下となったヴィランたち。警察や消防の役目を任され街の平和を彼らなりに守っている。


  • トゥーフェイス(ハービー・デント)、アミグダラ(アーロン・ヘルジンガー)、ソロモン・グランディ(サイラス・ゴールド)

顔の半分を酸で焼かれ精神が歪んだゴッサムの元地方検事と巨漢ヴィランコンビ。
ベインの手を逃れ活動していたが、ドクター・ダブルエックス殺害によって隠れ家がバレ捕まり洗脳された。


  • カイトマン(チャールズ・ブラウン)、スケアクロウ(ジョナサン・クレイン)、トゥイードルダム(ダムフリー・トゥイード)、トゥイードルディー(ディーバー・トゥイード)

巨大なグライダーで窃盗を行うB級ヴィランと逃亡者たち。トゥイードル兄弟は洗脳無しでベインに協力していたが逃げ出した。
しかしトーマスの襲撃でトゥイードルダムが、グライダーの重量オーバーでトゥイードルディーが脱落した。
残った2人はカイトマンの隠れ家にたどり着き、カイトマンは本物のバットマンのために何かしようと考えたが捕まった。



≪その他≫

  • キャプテン・アトム(ナザニエル・アダム)

実験で特殊な合金が肌と一体化し強力なパワーを操れるようになった軍人。
政府の方針を無視してゴッサムに向かったがゴッサムガールに返り討ちにされ、病院で逮捕を待つことになってしまった。


  • ハービー・ブロック

ゴッサム市警の刑事で本部長ジェームズ・ゴードンの腹心の部下。職を奪われ、警察署内でダーツの的にされている。




『Batman Vol.3』#80~#85、『Batman Annual Vol.3』#4



【物語】

キャットウーマンと心を通わせ完全復活したバットマンは、ベインを倒しゴッサムを取り戻すため街に帰還した。
『バットファミリー』との連携と練られた作戦で次々とヴィランを打ち破り、バットマンは宿敵ベインと対峙する。
キャットウーマンを交えバットマンとベインは激しい戦いを繰り広げたが、決着の瞬間にトーマス・ウェインが割って入った。



【登場人物】

ゴッサムを守る闇の騎士。ゴッサムを取り戻すため『バットファミリー』そしてキャットウーマンと共に戦いを挑む。
立ちふさがるヴィランたちを倒しベインの元にたどり着くと、ゴッサムを賭けた最後の戦いに臨む。
不意打ちなどあらゆる手を尽くしてベインを追い詰め、最後に彼の背骨を折ろうとしたが父トーマスの銃撃を受け倒れてしまう。


目を覚ますとアルフレッドの死体が目に飛び込み、彼の遺言のメッセージを聞いて泣きながら暴れ回るが、
アルフレッドの遺言で決意を新たにし、バットマンを辞めるよう求めるトーマスに笑みを浮かべて戦いを挑む。


実は悪夢から目覚め不自然な『アーカム・アサイラム』を見た時点でベインの作戦に気づき対策を練り始めていた。
まず肉体言語で『ファミリー』に待機を命じ、わざとベインに敗北することで自分が動ける状況を作り上げた。
そして最大の障壁となるゴッサムガール攻略のため、雪山に隠した彼女の力の源である薬の回収に向かった。


しかしベインと父トーマスからのダメージで作戦は失敗し、キャットウーマンと回復するまで共に過ごすことになった。
この日々の中で2人の関係性を新たにし、2人で協力してゴッサムに輸出される薬を回収しゴッサム奪還にも向かうことにした。
最後にアルフレッドと『バットファミリー』と連絡を取り、彼らにトーマスを任せる予定だった。



≪バットファミリー≫

猫のようなコスチュームに身を包んだ女盗賊。新たな思いを胸にバットマンと共にゴッサム奪還に挑む。
バットマンとの連携で次々とヴィランを倒し、ベインとの戦いにも一騎打ちと見せかけた不意打ちで援護した。


『フラッシュポイント』の世界ではトーマスと親子のような関係になるも、ジョーカーに撃たれ下半身不随になっている。


  • アルフレッド・ペニーワース

ウェイン家に仕える執事。ベインの手で殺され、トーマスに息子を追い詰める道具として利用されてしまう。
しかし痛ましい彼の姿と息子同然のブルースを思った遺言がバットマンを奮い立たせた。


本来の計画ではバットマンの連絡を受けて無事脱出し、侵入したダミアンが彼の代わりに人質になる予定だった。
しかし脱出は困難だと自身で判断し、バットマンの勝利のために自らの命が犠牲にすることを選んでいた。


『フラッシュポイント』の世界では生まれたばかりのジョーカーの手で殺されている。


  • バットガール(バーバラ・ゴードン)、ロビン(ティム・ドレイク)、ロビン(ダミアン・ウェイン)、バットウーマン(ケイト・ケイン)、オーファン(カサンドラ・ケイン)、ハントレス(ヘレナ・ベルティネリ)、シグナル(デューク・トーマス)

ゴッサム奪還に臨むファミリー。バットマンと仲違いしたと思わせ、人質となったダミアンの手引きで侵入した。
バットマンがベインに挑む間、トーマスを相手に時間稼ぎを任されたが、アルフレッドのためにトーマスを倒そうとする。
しかし欲張った結果、トーマスに反撃のチャンスを与え全滅してしまった。



≪ヴィラン≫

  • バットマン(トーマス・ウェイン)

消滅したはずの『フラッシュポイント』のバットマンにしてブルースの父。
息子の計画にはまりゴッサムガールを失い、さらに『バットファミリー』の侵入を許し彼らの手で痛めつけられてしまう。
しかし一瞬の隙をついて反撃し彼らを全滅させると、息子を称賛しながらお茶で一息つき息子が待つ『アーカム』に向かった。


そしてベインごとブルースを倒し、アルフレッドの死体と遺言で息子を追い詰め、バットマンを辞めさせようとする。
しかし家族、街、女性あらゆるものを奪い与えてもブルースが諦めようとしなかったため、自らの手でケリをつけようとする。


彼が生きていたのは、トーマスに息子がバットマンになった世界を見せようとするリバース・フラッシュの復讐だった。
息子を見守る中でベインの企みに気づいた彼は、バットマンを壊すという共通の目的の元で協力関係を結んでいた。
彼の行動理由は自分のバットマンとしての人生が不幸ばかりだったのと幼き日の息子に守り続けるという誓いを立てたためだった。


力と知性を兼ね備え強化薬『ヴェノム』も使う大男。ゴッサムの支配に成功したが、バットマンの計画の前に追い詰められていく。
そして『アーカム』の最奥でバットマンと戦いとなり、生身の一騎打ちを挑もうとしたが、嘘をつかれ不意打ちを食らってしまう。


ゴッサムガールの薬を使用されたオーバードースとキャットウーマンの援護に苦しむも、持ち前のパワーで反撃していくが、
最後はバットマンに背骨を折られかけたところをトーマスに銃撃され倒れた。


『フラッシュポイント』の世界ではトーマスの手で殺されている。


  • ゴッサムガール(クレア・クローバー)

バットマン(トーマス・ウェイン)のサイドキック。コスチュームを紫色のロビン風に変更し、髪を伸ばしている。
バットマン(ブルース・ウェイン)に力の源である薬の供給を止められた結果、ウェイン邸で絶対安静の状態になった。


  • サイコ・パイレート(ロジャー・ヘイデン)、ベントリロクイスト(アーノルド・ウェスカー)

魔力を込められた『メデューサ・マスク』の力で他人の感情を操る力を得たヴィランと彼に操られない腹話術師。
ベントリロクイストはアルフレッドに代わりトーマスの執事役を担っている。2人でバットマンとトーマスの対決を見守る。


  • ヒューゴ・ストレンジ

バットマンに執着する精神科医。ジェームズ・ゴードンに代わりゴッサム市警本部長の役を担っている。
トーマスにヴィランたちの異変を報告するも、バットマンの帰還に関しては疑いの目を向けていた。


  • ジョーカー/クレイフェイス(ベイジル・カルロ)、リドラー(エドワード・ニグマ)、トゥーフェイス(ハービー・デント)、ピッグ教授(ラズロ・バレンティン)、ハッシュ(トーマス・エリオット)、マッドハッター(ジャービス・テッチ)、カイトマン(チャールズ・ブラウン)、アミグダラ(アーロン・ヘルジンガー)、ソロモン・グランディ(サイラス・ゴールド)

サイコ・パイレートの洗脳でベインの手下となったヴィランたち。バットマンとキャットウーマンに次々に倒されていく。
ジョーカーの正体はクレイフェイスで、かつて協力した縁でバットマンのスパイとして動いていた。


『フラッシュポイント』の世界では多くのヴィランがトーマスの手で殺されている。




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