SCP-2846

ページ名:SCP-2846

登録日: 2020/02/06 Tue 00:34:13
更新日:2024/05/16 Thu 12:36:33NEW!
所要時間:約 20 分で読めます



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荒波を、迫り来る脅威を共に越えていけ。

来る日の神話、その先を勝ち取る為に。




SCP-2846はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスはKeter。
項目名は『大イカと船乗り』である。



解説

コイツが何かというと、大西洋湾岸部で発生する異常存在の総称である。


まず一つ目は、頭足類に似た、巨大かつ人間に敵対的な怪物である。これをSCP-2846-Aと呼称する。体長955-990mと推測され、湾岸部で暴風雨が起こっている際に深海から出現し、民間船舶、特に巡航定期船や商船を攻撃しては人を補食。


さらに出現のパターンが完全にランダムであり、財団は海軍の深海レーダー等でSCP-2846-Aを捕捉しようと尽力をあげているものの、最低でも5分は掛かってしまう。その間にSCP-2846は姿を眩ますことが多い。



2つ目は、ペンシルバニア級超弩級戦艦*1によく似た大型の船である。これをSCP-2846-Bと呼称する。コイツはSCP-2846-Aが出現した際に深海から浮上しこのタコの怪物と交戦、どちらかが戦闘不能になるまで争い続ける。


どちらか一方が戦闘不能になると互いに深海に潜航し、次の出現まで姿を消す。この際、ビデオや写真といった機器はもやがかかったように不鮮明になり、目撃者も『蒸気のように見える』と表現する。この時、SCP-2846-Bの武装から放出される発射炎は、全て緑がかっている模様。


また、SCP-2846-B内には乗組員と見られる存在も確認されており、これはSCP-2846-B1-915と分類される。




発見経緯

SCP-2846-Aにおける最も古い記録は、古代アイスランドのサガ"Örvar-Oddr"に記載されており、どうやらhafgufaという名の巨大な怪物と同一視されていた。
財団による最初の記録では、1905年にレギナルド・フォン・アレン提督 (Admiral Reginald Von Allen) なる人物によるものである。以下がその抜粋である。


以下はアレン提督の供述である。



私はこの日とんでもないものを目撃した。怪物だ。我々の船の3倍は大きく、海の深い所から浮かんできた時にはその長い触手に1頭の鯨を絡みとっていた……。


その向こうに別の船が見える。黒い旗を掲げ、その航跡に煙が渦巻く1隻の戦列艦だ。我々はその乗組員に信号を送ったが、我々が交信できるようになる前に波の下へと消えていった。



この圧倒的すぎる怪物とそれに執拗に攻撃を加える謎の戦艦。一体彼らは何の目的を持って争いあっているのだろうか........。
財団の研究者らが研究及び推測を行っている内にそれは起こった........。





補遺2846.2: SCP-2846-B1との交信

1935年5月7日、SCP-2846-Bが何の前触れもなく付近を巡回していたSCPSヒルデガルドの付近に浮上し、財団側にコンタクトを試みてきたのである。


すぐさまヒルデガルド艦長のレヴィ・ハンソンはこれを承諾し、ヒルデガルドのデッキに降り立ったSCP-2846-B1とレヴィ・ハンソン (Captain Levi Hanson) との会話が行われた。


以下、抜粋である。

  • SCP-2846-B1とレヴィ・ハンソン艦長の会話(抜粋)

会話記録 日付: 1935/5/7


質問者: SCPSヒルデガルド艦長、レヴィ・ハンソン


回答者: SCP-2846-B1


ハンソン艦長: では、記録の始めによろしければ名前をいただけないか。


SCP-2846-B1: はい。デヴィッド・トマス・ジョーンズ、ロイヤル・ネイビー所属であります。


(略)


SCP-2846-B1: 本官と本艦は女王陛下よりアメリカ沿岸部に出現し商船を攻撃する怪物を追跡し撃破した後、イングランドへ帰還せよと指令を受けています。現在、これが標的について本官の知る限りです。我々は1685年にハバナを出港し、秋にこの海域に到着しました。怪物を狩るに適した時期を過ごし、その時は、あの怪物と交戦するまでは鯨のようなものを狩るのだと考えていました。


ハンソン艦長: 貴官は SCP-2846-Aという個体のことを言っているのか?


SCP-2846-B1: はっ、そのイカであります。あの怪物に対して我々の準備は貧弱でした。45門の砲と20門の捕鯨砲、200人近い乗組員がいましたが、一夜にしてあの悪魔に打ちのめされました。あの化け物の腕のひとふりで、我々は皆、海に投げ出されました。


どうやらデヴィッド氏を始めとしたSCP-2846-B1は、元々SCP-2846-Aを討伐する任務を受けていたのだが、その圧倒的な力に歯が立たなかったらしい。
そこでハンソン艦長は、なぜデヴィッド氏らが今の異常な性質を持つに至ったのかということを質問することにした。


ハンソン艦長: どのようにして現在の状況に至ったのか?


SCP-2846-B1: 我々が海に沈んだとき、私の体が冷たくなり、まるで海の底から冷たい手が伸びてきて私を包み込むようでした。私は……、1時間なのか、数分なのか、それとも1年なのか、どれほどのあいだそうしていたのか分かりませんが、気がついたら暗い岸辺にいたことを覚えています。はじめは我々は海岸に漂着したのだと思いました……、しかし、私の傷はいっさい消えていました



SCP-2846-B1の言葉が止まる



SCP-2846-B1: どれほどの時間、その海岸を歩き回っていたか分かりません。海に囚えられてしまった船乗りたちの魂が行き着く、海の底の金庫の中がそういうところであるという話を私は聞いていました。私は数千年はさまよっていたにちがいありません。毎日が昨日より長く感じられました。ある日浜辺で一人の女性と出会うまでは。


ハンソン艦長: その女性について詳しく話せないか?


SCP-2846-B1: はい。彼女は小麦色の肌で、その黒髪は地面の足元に届くまで伸びていました。私は彼女に名前を尋ね、水をくれないかと頼みました。彼女は自分をカリプソだと名乗り、喉の渇きを癒してやると言いました。彼女が水に入ると、手桶一杯の真水を持って戻ってきました。あの時ほど水を飲むのに熱中したことはありませんでした。その間、女神は私に語りかけました。


ハンソン艦長: 女神?


SCP-2846-B1: はい。「カリプソ」は自らが海の女神、深海の庇護者にして波の母であると私に言いました。はるか太古、彼女はネプチューン神と、大海獣 (レヴィアタン) どもが自らの王国としている大洋の底へと潜り、奴らをかつて2人の父ウラノスが這い出してきたタルタロスの深淵へとたたき落としたと言いました。またネプチューンは去りましたが、彼女だけは残って深淵を見張り続け、その封印が弱まり始めているとも言いました。



SCP-2846-B1の言葉が止まる



SCP-2846-B1: 1体の巨人がずっと昔に逃げ出したと言いました。イアペタスというのがその巨人の名で、そいつはすさまじい怒りを発し、自らを最も邪悪な海の怪物の姿へと変えました。それがあなた方がSCP-2846-Aと呼んでいる怪物です。



ここで登場した「カリプソ」なる女性、ギリシャ神話に登場する古の神々、ティターン族の一人である巨人アトラスの娘である。最も有名な逸話は、トロイア戦争の英雄オデュッセウスとの悲恋の物語であるが、どうやらその人本人であったらしい。


一方でこの逃げ出したとされるイアペタスなる巨人、恐らくコイツもティターン族の一人であるイアペタス本人なのだろう。コイツはウラノスとガイアの息子であり、ティタノマキアの際には、他のティターン族と共に最高神ゼウスと争うも敗北し、深淵タルタロスに幽閉されたとされる。
どうやらそのイアペタス本人がタルタロスから抜け出し、巨体な怪物となって暴れまわっている。その怪物こそが財団がSCP-2846-Aと呼称する存在の正体であるとカリプソは語った。



SCP-2846-B1: そしてカリプソはこの逃げ出した巨人が力を蓄えた後にタルタロスに戻り、封印の礎をこじ開けて巨人の同胞たちを解放しようとすることを恐れていると言いました。「起こってはならないことです」と彼女は言いました。「この古き神々が解き放たれることは、人類の終焉を意味します」と。私は彼女が人々に対してどのような責任を負っているのかを訊ねました。神々と巨人たちの間の問題は決して人間を巻き込んではならないことになっているが、傲慢な巨人たちは地上にタルタロスを築こうとしており、地上のあらゆる人間が危機に陥ると彼女は言いました。


SCP-2846-B1: 私がイアペタスを追跡し、かの悪魔を押し留めているうちに、自分は他の神々に応援を求めることを彼女は私に提案しました。代償として、私は不死を得ると彼女は言いました。その提案については深く考えず、暗い海岸を歩きまわることばかりで頭が一杯だったので私はうなずきました。次に記憶に気づいたときには、私は乗組員たちとともにこの「フライング・ダッチマン号」に乗っていたのです。



イアペタスが目論む、深淵タルタロスの解放。それはかつて天や地上を制してしたティターン族を復活させることに他ならない。それは即ち、人の世界の崩壊を意味する。
故にカリプソは死に面していたデヴィッド氏らを呼び寄せ、死と引き換えにイアペタス改めSCP-2846-Aに対抗するための戦士になることを要求したのだった。


こうしてデヴィッド氏らはSCP-2846-Aを倒すための戦士、SCP-2846-B1として、かつて乗船していた戦艦は、伝説の船「フライング・ダッチマン号」(SCP-2846-B)として甦り、長い年月の中で神が化けた怪物と戦い続けてきたのである。



ハンソン艦長: よく分かった。しかし、まだわからないのは、なぜ今日はこちらに応えてくれたかだ。


SCP-2846-B1: 艦長どの、私は長年あの怪獣を狩ってきました。あの悪魔を追い、世界の果てへ行き、彼岸を越え、あの岸辺をさまよいうろつき歩きました。しかしあの巨大イカはただただより大きく、より強力に、より乱暴になるばかりです。私も部下たちも死ぬことはありませんが、できることが多ければそれに越したことはありません。我々が行動を起こさなければ、イアペタスは我々を圧倒し、打ち負かすでしょう。女神カリプソと話してから長いこと経ちましたが、ずっと言葉をいただいていません。そこで、今度はあなたがたに話かけたということです。



しかし彼らは気づいていた。長い年月のなかでSCP-2846-Aが強大に成りつつあることに。デヴィッド氏らは命を落とすことは無くなったものの、結果的にそれは被害拡大という現実を回避することには繋がらない。
故に彼らは、人の世を人知れず守護し続けている財団に協力を申し出てきたのであった。
そんな彼らの最初の要請とは........



ハンソン艦長: 何を要求するのか?


SCP-2846-B1: 艦長どの、大きな船を1ついただきたい。






特別収容プロトコル

SCPSプリスティン SCPSニコライに乗艦している機動部隊タウ-11〈缶切り〉の隊員は活性化しているSCP-2846の活動エリアの境界を維持してください。SCP-2846-Aが出現する事態となった場合、機動部隊タウ-11はケンジントン=ベリーマン型高出力送信装置を使用してSCP-2846-Bと通信を行い、SCP-2846-Bが交戦状態に入るまでコンタクトを取り続けてください。


機動部隊タウ-11の第一目標はSCP-2846-AおよびSCP-2846-Bの民間人との接触を最小限とすることです。両方の個体のいずれに接触しようとする航海中の船舶は-SCPSプリスティン— SCPSニコライによって拿捕し、エリア外へ移動させなければなりません。機動部隊タウ-11隊員は接触した船舶の乗組員すべてに対し、SCP-2846-AおよびBの知識の程度に関係なく、 Cクラス記憶処理を実施しなければなりません。


任務中のSCPSプリスティン SCPSニコライの艦長はSCP-2846-Bの要求に応じてSCP-2846-Aに対して砲撃を行うこと、およびSCP-2846-Aが民間船舶に接近することを防ぐための完全な権限が与えられます。加えて、SCP-2846-Bが民間船舶または財団艦艇に対する攻撃的行動をとった場合、戦術核爆弾を起爆させてください。



財団はSCP-2846-B1らの要請に応え、新造のペンシルバニア級超弩級戦艦をSCP-2846-B1に提供することとなった。勿論、近代化改修によって武装もより強力なものに改装され、より大型化・重武装化している。


即ち、財団はオブジェクトと手を結びより強大な敵に立ち向かうこととなったのである



無論、オブジェクトの言うことをホイホイ聞くことが危険なことには変わりないため、
サイト-23責任者 J.カルヴィン・クーリッジ(Calvin Coolidge) 監視の元、SCP-2586-B1らの同意の元、SCP-2846-Bの機関部内に大型爆弾が、後に核爆弾が搭載された。
これは、もしもSCP-2586-Bが民間船を襲った場合に備えてという名目こそあったものの、結局そのような事案は起こらなかった。






































補遺2846.4: SCP-2846-C [レベル4/2846クリアランスが要求されます]





権限コード承認]










ウィリアムからのメッセージを君がもう見たかはしらないが、我々はあれを発見した。27.438374、-56.173477 の窪地に、巨大な金属製の物体が蓋をしている。数トンの岩塊に埋もれていたため、これまで我々は所在を突き止めることができなかったのだ。


最後にあの大イカが浮上したとき、我々はプリスティンに強力な発信機をやつに埋め込ませた。潜水艦1隻に可能な限り追跡させたところ、発信機が停止した。およそ5回の発信を行ったが、そこでソナーは停止状態になった。


いずれにせよ、あの大イカはここに戻って岩をどけようとするだろう。周辺エリアの映像から、ここ100年かそこらでほとんどの岩を動かせるようになる。あまり時間は残されていないということだ。


そのほか知っていてほしいこととして、この下部に何か非常に巨大で、高温の物体がある。4500K以上の温度のようだ。どうしてこの蓋を溶かせないのかは分からないが、そこに降りていけば水温は劇的に上昇し、金属板は赤熱している。


もしこれが彼らの言っているものならば、より強い手を打つ必要があるだろう。これはXKレベルの状況下であるかもしれないとは言いたくないが、おそらくそうなのだ。


どっちにしろ、きみの部署には周知させておいてくれ。それとどうすると決めたかも。


  • レイ


SCP-2846-Aに発信器を植え付け、追跡したところ、どうやら一定の海域で留まっていることが判明。さらに、その下には金属と思われる蓋のようなものが一帯を覆っている。
恐らくは、これこそが深淵タルタロスの出入口であり、SCP-2586-A(イアペタス)はこれを長い年月をかけてずらしてしたという真実は明らかとなった。そしてその蓋の解放には、もう100年を切ってしまっているという解析結果までオマケつきである。


財団は急遽この海域を2846-Cと認定し、より入念に探査を開始したのであった。そんな最中にそれは起こった。








  • 事件ログ: 2846.67 - 2014/09/17

SCPSプリスティン


艦長: エリオット・マクネア



1756: SCPSプリスティン、ナッソー方面へ移動中の水面下の巨大生物を追跡開始。進路は真西175度。


1759: SCP-2846-Bと無線交信。信号は受信され返信あり。


1805: SCP-2846-Bプリスティン付近に浮上。2隻ともに追跡状態に。



長年の戦闘経験によって、SCP-2846-Aは、ある程度抑え込みが効くようになっていた。
しかし、ここで注目して頂きたいのは上のログ。SCP-2846-Aではなく、巨体生物と呼称されている。基本オブジェクトはナンバーで呼ぶが…。



1808: SCPSプリスティンに観測不能の先制攻撃が命中。船体が反時計方向に25度旋回。


1809: SCPSプリスティンクルーが船体の下に無数の眼が現れすぐに見えなくなったと報告。被害を調査し、プリスティン元の進路へ戻る。


1810: SCP-2846-Bから標的が我々の速力より勝ると無線報告。


(略)


1821: SCPSプリスティン再度攻撃を受ける。クルーより右舷船体軸に被害報告。


1824: SCPSプリスティン浸水始まる。クルーが艦の下に漂う「無数の眼」を観測したと報告。

(略)


1825: 船体への重大なダメージが報告される。


1829: 退艦命令発令。救命艇投下される。


1845: 財団司令部とSCPSプリスティンの接続がロスト。


1845: 搭載された核爆弾の起爆が承認される。


1846: SCPSプリスティン、ロスト確認。


記録終了



SCPSプリスティン、轟沈。


全くの反撃すら出来ずにプリスティンは沈められてしまった。
もしやSCP-2846-Aがさらに力を蓄えたのか。
しかし、もし仮にそうだとしてもあまりに突然すぎやしないだろうか。



その疑問は次のログで明らかとなってしまった。







  • 事件ログ: 2846.68 - 09/17/2014

SCPSニコライ


艦長: セバスティアン・A・ハマースミス



1830: SCPSニコライ、SCPSプリスティンの退艦命令を傍受する。待機命令下る。


1839: 長距離望遠鏡によりSCP-2846-Bの接近確認。SCPSニコライおよびSCPSフェルディナンド、フレア発射。


1840: 財団職員、ナッソーにて退避運動を確認。


(略)



時系列的にはプリスティンが沈む少し前、このすぐ後にプリスティンが沈められた。
同時に驚愕の真実が明らかとなる。



1847: SCPSニコライ、接近する水面下の存在に対し主砲塔群指向。


1849: 対象破壊。SCPSニコライ、確認のためSCPSフェルディナンドへ無線連絡。


1850: SCPSフェルディナンド、対象がSCP-2846-Aでないことを確認。


(略)


謎の対象を撃破し、それを観察した際に判明したこと。
プリスティンを沈めたのはSCP-2846-Aではなかった。全く別の敵対的な異常存在が新たに発生した。そいつこそがプリスティンを沈めた真の敵であった。
さらに................




1854: 新たな存在が射程範囲内に出現。速度、大きさ、進路より判断し財団司令部、SCPSニコライおよびフェルディナンドに砲撃命令。SCPSギャリソン (Garrison) が接近中であることを確認。


2体目の謎の巨大な敵、出現



1855: SCPSニコライおよびフェルディナンド、対象に砲撃開始。


1900: SCPSニコライ、対象の撃破を確認。


1903: 財団司令部、SCPSニコライ、フェルディナンド、およびギャリソンに対し 27.438374、-56.173477 への移動とSCP-2846-Bとの合流を指示。


(略)



辛くもニコライは、2体目の謎の敵を撃破することに成功した。
しかし怒涛をかけるかのように........



1913: SCP-2846-BよりSCP-2846-Aの出現確認の無線。対象は[データ削除]の撃退を試みる。SCP-2846-Bより応援要請。


1914: SCPSニコライ、進路確認し予想到着時刻を報告。財団司令部、確認し命令をSCPSフォン・ヒンデンバーグにSCPS-2846-Bの支援命令。


1916: SCPSニコライ、SCPSプリスティンのロスト地点へ進路変更の新たな命令受ける。SCPSフェルディナンド、随伴する。


1952: SCPSニコライ、SCPSプリスティンの破壊を確認。奇妙な色の水面を報告。


1955: SCPSニコライ、生存者捜索命令を受ける。


記録終了



その後、生き残ったSCPSニコライとSCPSフェルディナンド、SCPSフォン・ヒンデンバーグの3隻が連携してSCP-2846-Bを支援、SCP-2846-Aを撃破することに成功した。


かくして、プリスティンという貴重な戦力を失うという手痛い損失こそあったものの、財団とSCP-2846-Bの合同チームは勝利をおさめることが出来たのであった。





  • 指揮官の覚え書き(抜粋)

SCPSプリスティンが破壊した正体不明の存在の起源も、SCPSニコライおよびSCPSフェルディナンドの破壊したものも不明である。これらすべてが海の底から現れたことを除けば、SCP-2846-Aとほとんど似ても似つかない姿で、明らかにより小さいということに気がついた。


これまでで知られているように、SCP-2846-Aは民間船を攻撃しており、おそらく、現在SCP-2846-Cと呼ばれる地域から排除し続けるのに必要な強さを得るためにこのようなことをしている。SCP-2846-Aはそれ自体が危険だが、SCP-2846-Bの支援のもとでそのまま対処できる。しかし、複数の存在は複数の標的、複数の船を意味し、SCP-2846-Bは常にSCP-2846-Aを監視し続けなければならない。


SCPSプリスティンの喪失により、また1隻の戦艦がだめになった。これについてはジョーンズ艦長と話したが、感傷的なことばばかりを繰り返している。これらすべての状況のエスカレートは1つの頂点へ向かって高まっているようであり、もしここでなにも用意をしないなら、その時が来たとき我々は圧倒されるだろう。そのためにも、サイト責任者会議へ出席し我々自身のやり方をエスカレートさせる方法を議論することを要求する。これが財団大西洋艦隊の最優先目標である。


  • リチャード・A.・グロスワルド提督


SCP-2846-Aは同胞達を解放し、世界に混乱を巻き起こそうとしているとカリプソは説明した。
しかし、現にSCP-2846-A以外の敵対的な存在が既に発生し、大きな犠牲を産み出した。これが何を意味するのか。


即ち、封じ込められた『何か』が、もうすでに我々の世界に解き放たれてしまっているのかもしれないということを意味するのではないだろうか。


























というように、どうあがいても絶望のような状況の中で、このSCPの解説は終了となる。





どちらにせよ、財団のやることに変わりはない。例え異常性を兼ね備えたものを利用してでも、決して少なくない犠牲を払うことになったとしても、財団は人類の未来を守る為ならば、使命を全うする為ならば、如何なる手段をとることも躊躇わない。


彼らの戦いに終止符が打たれる日は来るのであろうか。




















SCP-2846



大イカと船乗りThe Squid and the Sailor













財団の明日はどっちだ。





CC BY-SA 3.0に基づく表示


SCP-2846 - 大イカと船乗り
by djkaktus
http://www.scp-wiki.net/scp-2846
http://ja.scp-wiki.net/scp-2846(翻訳)


この項目の内容は『クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス』に従います。


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  • 先日SCP-1160を投稿した者です。初めての投稿を経てこの記事を新たに作成しました。至らぬ点が多々あるとは思いますが、どうか追記・修正よろしくお願いします -- 名無しさん (2020-02-06 00:38:32)
  • 乙。よくまとまってると思いますよ -- 名無しさん (2020-02-06 04:41:24)
  • テスト -- テスト (2020-02-06 06:39:50)
  • ^すみませんなんか書き込めなかったので。日本語記事由来の誤翻訳ですが「ここ100年かそこらでほとんどの岩を動かせる」のではなくて「ここ100年で岩をほとんどどかしてしまった」なのでもう他のが出てきてしまってるらしいのも納得ですね -- 名無しさん (2020-02-06 06:43:46)
  • 財明日の部分他記事と統一したほうが良いのでは? -- 名無しさん (2020-02-06 08:27:52)
  • 少し身勝手ですが、ネタバレ気味な箇所を変えておきました。 -- 名無しさん (2020-02-06 08:59:00)
  • タコなのかイカなのかどっちだ -- 名無しさん (2020-02-06 09:29:43)
  • 項目名を後ろに大文字で表記するなら冒頭でも項目名書くのはやや冗長な気がする。あと改行も開けすぎると間延び感が強いような -- 名無しさん (2020-02-06 12:03:42)
  • これはイカんですな -- 名無しさん (2020-02-06 15:00:13)
  • 絶望的だけどなかなか燃えるSCPだな -- 名無しさん (2020-02-06 15:17:42)
  • djkaktus氏の作にしてはシンプルだな、なんか -- 名無しさん (2020-02-06 15:22:35)
  • ↑3 おいおいお前はトマトで死にたいのかw? スクイド(squid)の無い奴だなぁwww ...あっしまっt -- 名無しさん (2020-02-09 20:39:54)
  • ↑4 ↑遺体袋が2つ必要になっちまったぜ。 -- 名無しさん (2020-03-10 02:29:22)
  • 作成乙です。伝説の船との共闘、海戦の浪漫、個人的に一番アツいオブジェクトだと思う -- 名無しさん (2020-09-17 11:12:31)
  • 無数の目、タルタロスから現れた、ということでギューゲス、コットス、ブリアレオスだろうか -- 名無しさん (2020-10-07 17:34:36)
  • これ設定から登場人物、船の名前までほぼパイレーツ・オブ・カリビアンそのまんまなんだがよく通ったな… -- 名無しさん (2021-08-20 18:21:14)
  • ↑フライングダッチマン自体はオペラの「さまよえるオランダ人」だからなあ… -- 名無しさん (2022-10-17 07:58:14)

#comment

*1 真珠湾攻撃で沈んだアリゾナの同型艦。日本で言えば扶桑型や伊勢型と同世代

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