登録日:2018/12/10 (月) 18:40:31
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『Wonder Woman: Earth One』はDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Wonder Woman: Earth One』#1
発売 2016年4月
脚本 グラント・モリソン
作画 ヤニック・パケット
『Wonder Woman: Earth One』#2
発売 2018年10月
脚本 グラント・モリソン
作画 ヤニック・パケット
日本では2017年に小学館集英社プロダクションから#1の邦訳本が発売されている。
ヒーローたちを現代的に再構築して描く『Earth One』シリーズのワンダーウーマン編。
その美しさや知性、力強さ、優しさから多くの人に受け入れられる存在として描かれてきたワンダーウーマンを、
まったく別の文化からやって来た異質の存在として設定し、互いのギャップをどう理解しあうかが描かれている。
映画『ワンダーウーマン』のヒットの要因となった女性の権利にも触れながら、
同作では描かれなかったアマゾン族の高度なテクノロジーにもスポットを当てている。
またワンダーウーマンの纏う様々なコスチュームも見どころの1つ。
『Wonder Woman: Earth One』#1
『Wonder Woman: Earth One』#2
『Wonder Woman: Earth One』#1
【物語】
女だけのアマゾン族の暮らすパラダイス島で、女王ヒッポリタの娘ダイアナの審理が始まろうとしていた。
男人禁制の島に男を招き入れ勝手に外の世界に飛び出した罪を裁くため、様々な証人からダイアナの行動を問いただす。
そしてダイアナが外の世界に飛び出すきっかけとなったスティーブ・トレバーの話を聞き終え審理は終わるかに見えたが、
ダイアナの求めた最後の証人によって重要な真実が語られる。
【登場人物】
アマゾン族の女王ヒッポリタの娘。ヒッポリタと神の力で粘土から生まれたとされ、その出自ゆえか他のアマゾン族より力や知性に優れている。
しかしその才能が原因で力を競うダイアナ祭には参加させてもらえず、ハーキュリーズに扮し盛り上げ役を行っている。
そして好奇心旺盛な性格もあってヒッポリタに不満を募らせていると、ダイアナ祭の日に不時着したトレバーを発見する。
彼の命を救おうとするがアマゾン族の技術では不可能だったため、ダイアナ祭の大会に優勝し『白鳥号』を手に入れ外の世界に向かう。
トレバーを病院に届けるも外の世界に幻滅しパラダイス島に戻ろうとしたところ、ベス・キャンディたちの乗るバスを発見しピンチを救う。
そして彼女たちの影響を受け外の世界をアマゾン族の力でより良くしようと思いトレバーの元を訪れる。
しかし自分を追って現れたアマゾン族がトレバーをはじめとする軍人を石に変えたため、投降し審理を受けることに同意する。
審理が進み治療したトレバーの話を聞き終えると、最後の証人にヒッポリタを指名しアマゾン族を変えるきっかけとなるであろう自らの出自を尋ねる。
≪外の世界の人物≫
- スティーブ・トレバー
パラダイス島に不時着したアフリカ系のアメリカ空軍大尉。ダイアナに発見され彼女が外の世界に出るきっかけとなった。
ダイアナの尽力で病院にたどり着き治療を受けていると、外の世界にアマゾン族を介入させようとするダイアナが現れる。
上層部からパラダイス島の位置を聞くよう言われダイアナとホテルで過ごすこととなったが、彼女の特異な行動に困惑する。
その後、ダイアナを探しに現れたゴーゴンに石に変えられてしまい、パラダイス島で治療を受け4番目の証人として話をする。
彼が不時着したのは軍の命令で第二次大戦中のナチスに存在したパラダイス島に関する噂を確かめるためだった。
しかし、彼は祖先の経験や権力者への不信感からダイアナに会った以外のことは上層部に報告せずにいた。
- ベス・キャンディ
女子学生クラブ『ホリデイ・ガールズ』の一員でリーダー格のふくよかな女性。陽気で物怖じしない性格。
クラブの旅行中にバスが崖に落ちかけたところをダイアナに救われ、彼女を気に入って行動を共にするようになる。
ダイアナとトレバーが過ごすホテルで他のメンバーと共に軍の尋問を待ちながら、暇つぶしにダイアナのコスチュームをバトンガール風に変えた。
その後ゴーゴンやアマゾン族が現れると他のメンバーや軍人と共に立ち向かい、パラダイス島で3番目の証人として話をする。
≪アマゾン族≫
パラダイス島で暮らす高い戦闘技術を持つ女性だけの種族。美女ばかりで自分たちを『ワンダーウーマン』と評す。
ハーキュリーズとギリシア軍に凌辱された経験から、男の世界から逃れるため女神アフロディテの力を借りパラダイス島で隠れ生きてきた。
『若さの泉』によって永遠の命を得て3000年の歴史を築き、紫の光を用いた技術は現代のものを凌駕する。
年に一回ダイアナ祭というアマゾン族の実力を競う祭りを行っており、外の世界に暮らすアマゾン族も招いている。
外の世界に飛び出したダイアナを触れたものに真実を喋らせる『真実の投げ縄』による審理にかける。
- ヒッポリタ
アマゾン族の女王。女神の力を借りてダイアナを作り上げた彼女の母親。腰帯によって超人的力を持ち、鏡の力で外の世界を見ることが出来る。
好奇心旺盛な娘に手を焼きながらも見守っていたが、ダイアナ祭に勝手に参加し優勝したダイアナが男を匿っていることに気付く。
そのことを追及するもダイアナは外の世界に向かってしまい、アマゾン族とゴーゴンを追手として差し向ける。
そして投降したダイアナを審理にかけ証人の話を聞いていくが、ダイアナに最後の証人に指名されてしまう。
トレバーやナチスがパラダイス島に気づいたのは彼女の鏡の信号が原因とダイアナは推測している。
- アルシア
ダイアナの教師。独特なゴーグルをつけている。紫の光線機を使いこなすダイアナは自分を超えていると感じている。
審理では1番目の証人として話をし、ダイアナが光線機を持ち出したことやダイアナ祭での出来事を話す。
- マーラ
ダイアナの次に強いアマゾン族。ダイアナの彼女でダイアナ祭の王座を1000年間守って来た。
しかしトレバーのために外の世界に向かうダイアナに敗れ、自身の持つ透明飛行機『白鳥号』を奪われてしまう。
審理では2番目の証人として話をし、ダイアナへの恨み交じりに外の世界での出来事を話す。
- ヌビア
ヒッポリタの従者。常に彼女に付き従う。
- アトロポス、クロト、ラケシス
運命の三女神。ダイアナの審理を糸を紡ぎながら見守る。
≪その他≫
- ハーキュリーズ
ギリシャ神話の英雄。12の功業の1つとしてヒッポリタの腰帯を狙い、そのついでにアマゾン族を虜囚とした。
ヒッポリタを痛めつけていたが、女神アフロディテの力を借りた彼女の反撃を受け命を落としギリシア軍も全滅した。
- ゴーゴン
パラダイス島の地下で生きる魔物。見たものを石に変える力を持つ。ダイアナの追手として外の世界に向かい、トレバーや他の軍人を石に変えた。
『Wonder Woman: Earth One』#2
【物語】
アマゾン族の平和大使として女性たちの力になるべく様々な活動を行うワンダーウーマンだったが、
未だ多くの問題が解決できていない現実を前に悩むことが多くなっていた。
そんなある日、紛争地帯で交渉人Leon Zeikoの命を救ったワンダーウーマンは彼との交流で安らぎを得ていく。
その一方、ワンダーウーマンとアマゾン族に危機感を覚えた男たちは密かにある計画を進めていた。
【登場人物】
- ワンダーウーマン(ダイアナ)
超人的力を持つアマゾン族の平和大使。弱い立場にいる女性を助けるため講演や取材、チャリティを通じてアマゾン族の愛の教えを広めている。
また暴力や人身売買の標的となった女性たちの救出や『真実の投げ縄』を用いて政治家の嘘を暴くなど直接的な行動も取っている。
それでも多くの問題を抱える世界の現実に苦しんでおり、より世界に関与すべきかを悩み続けている。
またアマゾン族の高い技術力や彼女の女性への影響力を脅威に思い対策を取り始める動きも出ている。
ホワイトハウス前での大規模集会の日が近づく中、話の分かる新たな友人Zeikoにトレバーとベス以上の信頼を寄せかけるが、
彼自身やトレバーが政府のスパイであると告白され困惑と怒りから彼の元を飛び出してしまう。
その後冷静さを取り戻すとZeikoを許し彼の家で今後の行動を話し合おうとするが、
全てはZeikoの罠で彼にアマゾン族の弱点を知られ洗脳されてしまい、Zeikoにある指示を与えられ大規模集会の壇上に立つ。
≪ヴィラン≫
- Leon Zeiko
様々な事件で活躍する交渉人。テロリストに囚われていたところをワンダーウーマンに救われ、悩みを抱える彼女と話をして良き友人となった。
その正体はアマゾン族の存在を探ろうと思う者たちに依頼された心理学者。ライオンの飾りのついた杖を愛用している。
交渉人の他にも軍で心理戦のアドバイザーを務め、『ドクター・サイコ』を名乗りネットを通じて女性の口説き方の指南をしている。
役者を使い自らの監禁をでっち上げワンダーウーマンに接触し、心理学に基づく会話術で彼女の信頼を得てアマゾン族の弱点を聞き出して見せた。
さらにアマゾン族の存在を探ろうと思う者たちとは別の真の依頼主の願いを叶えるため、ワンダーウーマンにある指示を与える。
- パウラ・フォン・ガンサー
『Uberfraulein』の名を持つナチスの女超人兵士。腰帯によって強化されたヒッポリタと同等の力を持つ。
1942年に軍隊を率いてパラダイス島に攻め込むも敗北、アマゾン族の手で再教育を受けることになった。
現代ではアマゾン族の1人として生きていたが、ヒッポリタの鏡を通じて信号が送られナチスとしての意識が目覚め始めていた。
そして完全な覚醒を果たし、ナチスのためそして一目見て心奪われていたダイアナのために最悪の行動に移る。
- マックスウェル・ロード
アメリカ軍上層部が進める新たな兵器開発と対アマゾン族の計画『ARES』の責任者。
『ARES』とは『Armed Response Environment Suit』の略で、これまでの兵士に代わるロボットスーツのこと。
第三次大戦を始めようとしていると言われるほどの危険人物で、『ARES』の他にも計画を進めている。
≪アマゾン族≫
パラダイス島で暮らす高い戦闘技術を持つ女性だけの種族。ダイアナと異なり外の世界には関与していない。
1942年にナチスの攻撃を受け返り討ちにしており、この時のように敵が男だった場合には金星の女王Desiraに矯正を任せている。
アマゾン族共通の弱点としてどんな弾丸も跳ね返す『服従の腕輪』に『真実の投げ縄』をかけられると力と意思を失ってしまう。
ギリシャ神話の神々を信仰しており、神々は人間の思考に影響を与え人間の生み出した物体として現れると考えている。
- ヒッポリタ
アマゾン族の女王でダイアナの母。紫の光線を応用した通信機『メンタル・ラジオ』を使ってダイアナと連絡を取り合っている。
悩みを深めるダイアナの身を案じながらも、彼女の意思を尊重し活躍を願っている。
そんな中、運命の三女神から予言を授かりダイアナと最後となる会話を行う。
- ヌビア、マーラ
ヒッポリタの従者とダイアナに次ぐ戦士。2人でヒッポリタを支えている。
≪その他≫
- ベス・キャンディ
女子学生クラブ『ホリデイ・ガールズ』の一員でリーダー格のふくよかな女性。陽気で物怖じしない性格。
ワンダーウーマンのマネジャーのような活動を行っている。
- スティーブ・トレバー
ワンダーウーマンの友人でアフリカ系のアメリカ空軍大尉。彼女の活動を支持しつつも、脅威に感じている人々の存在を教え警告も送っている。
Zeikoのことを知っておりワンダーウーマンに助言するが聞き入れてもらえず、さらにZeikoの罠にはまり彼女に拒絶されてしまう。
- フィリップ・ダーネル
トレバーの上司。ワンダーウーマンの活動を受け入れているが、その関係性が原因で『ARES』に巻き込まれてしまう。
しかし『ARES』の危険性を目の当たりにしてトレバーに『ARES』とマックスウェル・ロードの存在を教える。
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