シニカル・ヒステリー・アワー

ページ名:シニカル_ヒステリー_アワー

登録日:2018/08/27 Mon 03:54:28
更新日:2024/03/21 Thu 13:44:31NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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少女漫画 漫画 白泉社 キリコ 日常系 シニカル 皮肉 クール 群像劇 小学生 主人公交代 lala 女版ジャイアン ツネ子 久保キリコ シニカル・ヒステリー・アワー




『シニカル・ヒステリー・アワー』とは、久保キリコの漫画
月刊「LaLa」にて1982年から1995年まで連載されていたかなりの長期連載漫画である。


概要

一言でいうなら「女版ジャイアンが主人公のちびまる子ちゃん」。
本来の主人公は、作者と同名のキリコだったはずなのだがあっという間に強烈なキャラクターを持つツネ子に漫画が乗っ取られた。


大人ぶりたい年頃の小学生たちの独特の感性を描いており、今なお読むとどことなく懐かしい気分に浸れるだろう。
この手の漫画にしては珍しく、「小学生が主人公」というよりは「小学生を見つめるシニカルな視点が主人公」といった感じで、どことなく第三者的。
流石にバブル期の漫画なので、流行り物は今見ると古臭い感じだが……。
時々か現かわからないようなファンタジー系のエピソードが挿入されることもある。


作中時間はサザエさん時空……というよりもゆっくりと時間が進んでいるようであるが、ツネ子たちの正確な年齢はハッキリとは示されていない。
連載当初は上級生がいたので恐らく3~4年生程度で、最終巻では6年生になっていることぐらいしかわかっていない。



登場人物

  • ツネ子

まさにジャイアンの女版のような性格の釣り目の女の子。
とにかく、見栄っ張りで意地汚くすぐに嘘を吐く上に暴力に訴える……といいところはまるでない。
それなのにどこか憎めないお得な性格をしている。
感性自体はキラキラのお姫様やアイドルに憧れるごく普通の年頃の女の子であり、キリコとはまるで趣味が合わない。
体育以外の成績はよろしくないが、芸術関連には時折鋭い感性を示すことがある。


母親はツネ子を厳しく叱りつけるが、あまり効果は出ていない。
父親は単身赴任しており、滅多に出てこない。


  • 小久保キリコ

作者と同じ名前をした少女。本来はツネ子を始めとした個性的なクラスメイトをクールに観察する彼女の物語になるはずであった。ツンツンヘアー。
基本的に物静かで「イン」な性格をしており、「アウト」なツネ子を内心小馬鹿にしている。
クールで誰とでもそれなりに距離を取って付き合えるタイプ。
ツネ子はキリコを親友と呼んで憚らないが、キリコの方はほとほとあきれ果てている。それでもそれなりに付き合ってはいるが。
趣味は音楽鑑賞。この歳にして海外アーティストを中心に聞いており、その方面の知識は深い。ツン太とは趣味が合いそうだが、向こうが隠しているのでその関連の話題になったことはない(まぁツン太はパンク派なので微妙に噛み合っていない部分もあるが)。


黒髪の「コキリちゃん」といういとこがいる。


  • ののちゃん

眼が「のの」の形をしたクラスのアイドル。
あらゆる面でツネ子と正反対のキャラクター。穏やかで心優しく引っ込み思案なお姫様。
そのため、ツネ子からはちょくちょくいじめの対象になっているが、実は当の本人はそのツネ子に憧れに近い感情を抱いている。
まるで夢物語のようなキャラクターだが、それだけに物語後半で彼女が直面したシビアな現実とのギャップには驚いた人も多いだろう。


  • 森山しずか(シーちゃん)

ふくよかで穏やかな性格をしたクラスのおふくろさん。委員長を務めている。
他の女生徒にまともにクラスを引っ張れる人がいないため、必然的にイベントなどの際は学と共に裏方として活躍している。
表に出る性格ではないため、他人に明かしたことはないが本当の夢は歌手になること。実際歌唱力は高いが、諸事情あってなかなかその道は厳しそうな感じ。
またドッジボールの際は「円盤投げ」による鋭いシュートを得意とするなど、意外とアクティブな面もある。


  • 一郎&みちこ

双子の兄妹。一応一郎が兄。
二卵性でありながら、まるで鏡写しのようにそっくり。一郎の好きな物&嫌いな物は「みちこと同じ」。みちこの好きな物&嫌いな物は「一郎と同じ」。
非常に独特の感性を持った不思議なコンビであり、常に笑顔を崩さない。
桜小路家ほどではないが、母親はデザイナーであり比較的裕福。そのためか「貧乏ごっこ」という不思議な遊びを好む。
母親はツネ子の母親に次いで登場頻度が高い。あまりにもハイセンスな感性を持つ双子の言動に度々頭を悩ませている。
また、「みちろう」というを飼っている。


単独での主役回が多く、その場合は「ラジカル・アレルギー・アワー」というタイトルになる。


  • ツン太

いがぐり頭にグルグルほっぺのぬぼーっとした少年。
しかし、その実態はパンクミュージックに強い憧れを抱くパンクボーイ。
教室ではほとんど自己主張できない性格なので、隣町のそろばん教室「カムデンパレス」にパンクな恰好をして通っている。
そちらではそろばんのたびにド派手なパフォーマンスをしている。が、そろばんの成績はイマイチ(まぁサングラスをしたままそろばんをしているのもあるのだが)。


  • 桜小路花子

世界に名だたる大財閥桜小路家の一人娘。なぜ公立小学校に通っているのかはよくわかっていない。
スネ夫か花輪君のような金持ちキャラだが、金持ちであることを鼻にかけることは意外となく、クラスメイトとも普通に交流している。
その代わりプライドが非常に高く、ツネ子と同じく将来はアイドルになると言ってはばからない。
ツネ子と張り合う辺り精神レベルは似たようなものだが、流石にちゃんとしたレッスンを受けているだけあり、ダンスなどの教養のレベルはツネ子よりもかなり高い。


彼女と家庭教師が主人公になるエピソードは「マジカル・ミステリー・アワー」となる。


  • 学くん

眼鏡をかけた優等生キャラ。もちろん成績は非常にいい。
真面目なのでシーちゃんと同じく委員長を務めている。
また、がり勉ではなく体育も得意。だが、微妙に体が硬いので体操が少し苦手。
裏方系キャラなのを逆手に取った主役回が作られるなど意外と扱いはいい。
将来の夢は総理大臣。しかも漠然とした夢ではなくこの歳にして総理大臣になるためにどのようなコースを歩めばいいかしっかりと考えている。


  • 高木くん

腕白ないたずらっ子キャラ。数少ない男キャラとして登場頻度自体は多いのだが、あまり目立った活躍はない。ツネ子とキャラ被っているしね。
ただ、不条理な理屈に走るツネ子に比べると義理人情に篤いガキ大将タイプで比較的良識的。
ひそかにツネ子に恋をしていたが、気付かれることはなかった。


  • 沢の井くん

臆病ないじめられっ子。「ドラえもんのいないのび太」と言ったところ。
主にいじめるのはツネ子で、ののちゃんと同じくツネ子には内心憧れめいた感情を持っている。
物語を通して少しずつ成長していった。


  • スネ夫

ドラえもんのキャラと名前が被っているが、直接関係はない。ツネ子の弟で、すぐすねるひねくれもの。
ツネ子と異なり真面目で親の手伝いを良くするいい子だが、かなり打算込み。姉のことは心底馬鹿にしている。
ツネ子の最も身近な存在なのでツネ子の横暴の被害に遭う確率が非常に高い。


  • 桜餅あん吉

カムデンパレスに通うパックマンみたいな目をした少年。
ツン太の正体を知らず、その姿を「カッコイイ」と思って憧れている。好物は和菓子。
「ツンタ」というレース鳩を飼っており、ツンタを日本一にするのが夢。
諸事情あってののちゃんとツネ子の間でややこしい三角関係もどきを構築したことがある。


  • ナニワちゃん

最終巻の主人公。「関西弁」「父親しかいない」「母親は世界的スター」「映画の子役にスカウトされる」とやたらめったら強烈なキャラクターを持ち、最終巻でのツネ子とキリコの出番を激減させた張本人。
今までの「シニカル」とあまりに雰囲気が違うため、賛否両論分かれるキャラクター。



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  • オサレな名前のタルト菓子をギョギョームという名で広めちゃった話大好き そのインパクトで元の名を忘れるくらいだし -- 名無しさん (2018-08-27 22:01:09)

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