登録日:2016/03/03 (木) 23:44:59
更新日:2024/01/19 Fri 13:55:52NEW!
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概要
ヨーウィは、オーストラリアに棲息するとされている未確認生物。
猿とヒトの特徴を併せ持った所謂「獣人」タイプのUMAであり、
近年になってから目撃報告が頻発していることから研究者たちの間で注目を集めている。
しかしその目撃の歴史はきわめて古く、オーストラリアに白人が入植する前から先住民アボリジニの間でヨーウィの存在は盛んに言い伝えられてきた。
アメリカのビッグフット、チベットのイエティ(雪男)、中国のイエレン(野人)達と肩を並べる獣人の代表格である。
形態
獣人系UMAの例に漏れず人間と同じく直立2足歩行が可能でありながらその全身は長い毛におおわれている。
身長は1.5~2.4m、時折3mを超す巨人が目撃されることもある。
体格は肩幅が広く筋骨隆々としていて、手足は非常に長く頑丈。
また、ヨーウィ独特の特徴として首が異様に短く、真正面から見ると頭が肩にめりこんだように見えるというものがある。
額から眉にかけて隆起があり、目玉は巨大。
手は人間と同じく親指が他の指と向かい合っているが足は人間よりも遥かに大きく幅広い。
獣人UMAにしては珍しく、オスとメスの区別がある程度判別できるというのもヨーウィの大きな特徴である。
多くの場合、オスはより毛深く、メスは胸が膨らんでいるのだという。
アボリジニの伝説によれば、オーストラリアには大小種類のヨーウィがいて、お互いに干渉せずに共存しているそうである。
小柄なタイプは人間よりもサルに近く、草食・肉食両方の食性を持つが、道具や火を扱うことは無い。
そしてもう一方の大柄なタイプは見た目は人間に近く、間違いなく火を起こす技術を身に着けているのだという。
現在まで集められたヨーウィに関するデータの数は極めて多数に昇る。驚くなかれ、その数なんと3200件以上。
もちろんその中には漠然としたものも含まれているであろうが、多数の目撃証言に加え、足跡の石膏型も頻繁に採取されている。
目撃が最も多発した時期は、第1次世界大戦最中の1914~1920年代と、オーストラリア国内で本格的な移民法が制定された1970年代。
これら2つの全盛期に比べると多少衰えたとはいえ、いま現在でも数多くの目撃報告がある。
ヨーウィの目撃はオーストラリア全土で記録されているが、
特に多発しているのはニューサウスウェールズ州のブルーマウンテン国立公園に分布する山中や森林地帯。
これら一帯のどこかにヨーウィの巣があるのではないかと考えられている。
ヨーウィは獣人ではない?
ヨーウィ=獣人の方程式は、未確認生物が好きな方ならすぐにご理解いただけるであろう。
しかし、実はアボリジニ達が伝えてきたヨーウィと我々が思い浮かべるヨーウィは姿かたちがまるで違う可能性があるのだ。
一説によれば、アボリジニ達の伝説に登場する本来のヨーウィは、
トカゲのような胴体を持ち、昆虫のような細く鋭い脚が3対・6本生えた異形の怪物だという。
性格もその見た目に違わず狂暴で、家畜のみならず人間も餌食になることがある。
そもそも「ヨーウィ」という名前は、19世紀の入植時代に獣人の姿を見た白人たちが、
「ガリバー旅行記」に登場する醜い人型の怪物「ヤフー」になぞらえ、
「ヤフーのような生き物」と呼んでいたのが転じてヨーウィになったという説が有力視されている。
だが、これはアボリジニの描く姿と白人の解釈で認識の食い違いが起きただけであり、
アボリジニの伝説に人ともサルともつかない毛むくじゃらの怪物も含まれていたのは紛れも無い事実である。
現に彼らが作り上げた壁画の中には明らかに獣人を描いたであろう生物の絵が確認されており、
1895年にはブルーマウンテン一帯に住んでいたアボリジニ集団の末裔が、
カトーンドのナローネック近くの「悪魔の穴」と呼ばれる場所に謎の生き物が棲んでいると告白した。
この怪物はしばしば奇妙な金切り声をあげ、アボリジニ達からは「ガバ」と呼ばれていたという。
カメラに収められた謎の獣人
先住民アボリジニの古くからの言い伝えにも登場する歴史的UMA・ヨーウィだが、
時代が進むにつれてより具体性のある証言が増え、より強力な物的証拠ー「写真」や「映像」が記録されるようになっていく。
1980年8月3日、コックス・バーバーで謎の毛むくじゃらの生物が写真撮影されるという事件が起きた。
ヨーウィが写真に撮られるのはこれが初めてである。
午後8時過ぎ、自宅で友人とくつろいでいたクラリン・ブリューワは、不審な物音を聞いてドア越しに外を見た。
すると、庭を全身人間とも猿ともつかない怪物がゆっくりと歩いていたのである。
これが噂に聞くヨーウィかと直感した彼は、カメラを持ちだして背中を向けたヨーウィに迫り、1度だけシャッターを切ることに成功した。
現像された写真には、森の奥に去っていくヨーウィの後ろ姿が克明に捉えられていた。
2006年6月24日には、ブルーマウンテンの麓のバンガローにいた若者3人が木立に寄り添うように立つ獣人を目撃。
窓越しながらビデオカメラで撮影することに成功した。
周辺に映った木々の高さなどから、獣人の身長はおよそ1.8mということが分かった。
2014年3月29日には赤外線監視カメラにヨーウィが映るという事件も発生し、YouTubeに投稿され大反響を呼んだ。
動画の投稿者によると、リンゴを餌に仕掛けたところ、午前3時頃にヨーウィと思しき謎の動物が木々をかき分けながら出現。
両眼をギラつかせながら辺りを散策している様子がハッキリ捉えられていた。
目撃の歴史
- 1795年
シドニー湾の近くでヨーロッパからの移民が遭遇。
これが記録に残る最初のヨーウィ目撃事例となった。
- 1875年
坑夫のJ.H.キャンベルがインド・キャッスルの西側を採掘中に、
100mあまりの前方からサルとも人ともつかない謎の生物が向かってくるのに遭遇。
驚いたキャンベルが手にしていたツルハシを振り上げて脅すと、怪物は逃げて行ったという。
- 1953年
ブルーマウンテン地区のブラックヘスに住むロバート・オースチンが、
体長180㎝あまり、全身を長い毛におおわれた人間のような怪物に遭遇。
怪物が奇声を上げながら傍にあった石を掴んで投げつけてきたので身の危険を感じたオースチンは逃走したという。
- 1970年8月7日
未確認生物研究の第一人者と名高いレックス・ギルロイがブルーマウンテンの一角にあるソリタリー山中でヨーウィと遭遇。
全身を茶褐色の体毛で覆われ、体長は約1.5mと小柄だった。
レックスに気づいたヨーウィは甲高い鳴き声をあげながら姿を消したという。
- 1974年5月
カトゥーンバの近くで、頭と背中を食われたポニーの死骸が発見された。
付近で霊長類のものらしき大きな足跡が見つかったため、これはヨーウィの仕業だとされている。
- 1976年8月10日
リズモンド地区の民家にヨーウィが出現。
ゲーリー・ブッチャマンが自宅の庭先に現われた巨大な猿が飼い犬を追いかけているのを目撃した。
- 1976年9月18日
午後11時過ぎ、ソリタリー山でキャンプをしていたイアン・マックとドナルド・ハストンが
何かを引っ掻くような奇妙な物音で目を覚ました。
外に出ると、サルに似た獣が4頭いて、キャンプの周囲をうろついていた。
仰天した2人はテントの予備の支柱を持って振り回すと、獣たちは茂みに逃げた。
- 1976年12月29日
ケン・リンドセイが友人数人と、ビクトリア山とヨーク山の間をバイクで走行中、
切り株の上に真っすぐに立っているヨーウィを目撃。
身長は約1.8mで、全身が茶色の毛で覆われていた。
ヨーウィは彼らに気づくとバイクの音に驚いたのか逃げ去っていったという。
- 1977年
ニュー・サウス・ウェールズ州パンブラ付近で、
息子と野ウサギを狩りにきたコス・ギーンが峡谷の茂みから現れたヨーウィと遭遇。
身長は低く小柄な人間を彷彿とさせたが肩幅が異常に広かった。
首が無く、両肩のすぐ上に頭が乗っているような感じだったという。
ギーンはヨーウィの背中に向かって散弾銃を発砲したが逃げられた。
- 1986年
ブルーマウンテン地区のワラガレイクに住むアボリジニの女性が、
体長約2.3mのゴリラのような黒褐色の怪物と遭遇。
驚いた女性が悲鳴を上げると怪物もそれに驚いたのか、林の中に逃げ去っていった。
- 1993年2月
ブルーマウンテン地区に住む学校教師が深夜、裏庭で用を足しているところに、
原生林から身長2m以上、体重は目測で300㎏はあろうかという毛むくじゃらの怪物が出現した。
仰天して逃げ出したが追いかけてくるような気配が無かったため、怪物も驚いて反対の方向に逃げ出したのではないかとされる。
- 1995年1月22日
ニューサウスウェールズ州ケンプシ―にあるバレンガーラ州立森林公園で、少年二人が道路脇を歩くヨーウィを目撃。
身長およそ2.4m~2.7m。どっしりとした頑丈な身体つきで、「半分人間、半分ゴリラのような姿だった」と語っている。
2週間後、同地で長さ30cm,幅15cmの足跡が16個発見された。このヨーウィが残したものと見て間違いないという。
- 2006年9月3日
午前11時30分過ぎ、ビクトリア州ヤーランで山道を車で走行中のジェレミー・ギルがヨーウィを目撃。
全身を茶褐色の体毛で覆われ、体格は筋骨隆々としていた。
ジェレミーは咄嗟に持参していたカメラを出し、ヨーウィを撮影することに成功したが、
もっとよく見ようと接近したところ林の中に逃げられてしまったという。
- 2009年8月26日
ニューサウスウェールズ州ピリガ地区の山道を2台のスクールバスが走行中、森から現れたヨーウィと遭遇。
バスには大勢の高校生が乗っており、突然の邂逅にパニックを起こしてしまったという。
正体の考察について
オーストラリアで長年ヨーウィを研究しており、1970年に自身もヨーウィと遭遇した経験を持つレックス・ギルロイ博士は、
ヨーウィの正体を化石人類メガントロプスの生き残りだと提唱している。
今からおよそ200万年~1万年前にインドネシア、ジャワ島に棲息していた大型原人で、
単純な道具を扱ったり、火を起こしたりする程度の知能は持っていたと考えられている。
ギルロイ博士はこのメガントロプスが氷河期にジャワ島からオーストラリア大陸まで移住してきて、
進化せずに現代まで生存してきた結果がヨーウィなのではないかと主張している。
この説を後押しする根拠は大きく2つある。
1つ目はオーストラリアにゴリラやクマといった獣人誤認説の定番といえる動物が棲息していないこと。
イェティの正体はチベットヒグマ、モノスの写真はテナガザルを撮影した物…など、
獣人系UMAの実在を考察する際には必ずと言って良いほど既存の動物を誤認したという主張が付いて回る。
しかし、オーストラリアには大型の霊長類やクマ類といった生物は棲息していないのだ。
棲息していなければ獣人と見間違えるような生き物が存在するはずがなく、
ヨーウィの正体は今なお生態が発表されていない新種の生物である可能性が極めて高い。
2つ目はオーストラリア固有の動物がいずれも生物学的に原始的な姿を残したまま現在まで生き残っていることである。
カンガルーやコアラに代表される有袋類は、およそ1000万年以上前の地層から今と殆ど変わらない姿の化石が発見されている。
何より、オーストラリア先住民のアボリジニは現在でも石器時代の人類とそれほど変わらない生活を送り続けている。
他には毛皮や植物で仮装したアボリジニを見間違えたという説が度々挙げられる。
かつてはカンガルーを誤認したという説もかなり有力視されていたが、長い尻尾や耳は獣人と誤認するのに余りに無理があるのではないだろうか。
このヨーウィ、オーストラリアの人々からの知名度は高く、
「ヤウイ」という名でキャラクター化され、チョコエッグのような食玩として地元のスーパーでも普通に売られている
(因みに中に入っているオマケはオーストラリアの豊かな自然が育んだ生き物のフィギュア)。
そのグッズ展開は食玩だけに留まらず絵本やおもちゃにも登場している。
コミカルでカラフルな外見から子供達からは愉快なキャラクターとして親しまれているが、
フィギュアの完成度の高さから、大人にも食玩を熱心に収集するコレクターが少なくない。
追記・修正はヨーウィを捕まえてからお願いします。
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▷ コメント欄
- 書籍やウェブサイトに載っている情報がそれ一つだけしかないというものが多く、目撃例を並べるのにかなり苦心しました。また、オーストラリアの風土がよく分からず、地名が間違っているかもしれません。もし詳しい方がいらっしゃれば直していただけると非常にありがたいです。 -- 名無しさん (2016-03-04 00:26:35)
- この手の話で古代生物の生き残りって言われるとすげぇ眉唾にしか感じなくなっちゃうんだよなあ 遺伝子的な多様性を維持するには極稀に目撃されるくらいの小さな個体群じゃ足りないんだよ… -- 名無しさん (2016-03-04 01:44:57)
- 何かの見間違い……と言い切るには無理がある姿だな。しかしこんなデカいヤツの巣なら目立ちそうなモノだが(ましてやオーストラリアの土地の状態を考えたら) -- 名無しさん (2016-03-04 11:34:29)
- ↑2 眉唾は単純に生き残りと考えるからだ。素直にゴリラ的存在と見た方が良い。乱獲以前から数が極めて少なく、存在自体が疑問視されていたガチUMAだぞ。棲息テリトリーと思わしき場所で大量の骨とか見つかってれば、発見前に絶滅しようとしてる希少種だと主張できるんだが -- 名無しさん (2016-03-04 11:42:46)
- 追記、発見直後絶滅した新種生物はいるからな。有名なものが、猫に殺されて発見された新種がそれっきり発見されず絶滅認定されたケース。知らぬ間に消えて永遠にUMAになった生物は多いだろうな -- 名無しさん (2016-03-04 11:46:24)
- ヨーウィを探す用意はできたか!? -- 名無しさん (2016-03-04 12:57:01)
- ↑山田君、座布団と身包み全部持ってっちゃって -- 名無しさん (2016-03-04 13:04:44)
- 去年オーストラリアへホームステイした時、ホームステイ先のおばあちゃんは「ヨーウィはいるよ。こんなに広い大陸なんだから、知らない動物が一匹二匹いたっておかしくないだろう?」って言ってた -- (2016-03-04 15:40:15)
- ↑7 既知の古代生物そのままの生き残りではなく、近縁種というのもあり得る。ともかく、人里離れた場所に住む生物なのだから、たまにしか目撃されない=種を維持できないほど個体数が少ないとは限らないだろう。 -- 名無しさん (2016-03-04 17:43:42)
- ↑というかまだ未発見の種がいるかもしれないし、第一人類側の視点だけでいないと断言するのはいささか先入観気味な気もする。未確認生物は何よりロマンだが -- 名無しさん (2016-03-04 23:13:55)
- そもそもブルーマウンテン国立公園だけでも26万ヘクタール(佐賀県並)で、ブルーマウンテンズ地域(世界自然遺産範囲)なら100万haにもなる。それなりの規模の個体群でも隠せるんじゃないだろうか。 -- 名無しさん (2016-11-07 07:58:30)
- 宇宙人やこの手の未確認生物もそうだが、結局は悪魔の証明に陥りがちなんだよなー。解消する方法は地球の表面を総ざらいするしかない -- 名無しさん (2017-08-15 02:55:38)
- ヨーウィって『怪獣は世界中にいる!?』って本でカンガルーを殺す獣人の化け物として紹介されていたなあ・・・ -- 名無しさん (2020-10-31 01:47:36)
- デビルサマナーに出てきた「昆虫の足をもつトカゲ」のイメージが強い -- 名無しさん (2020-10-31 07:06:57)
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