登録日:2012/06/14 Thu 06:46:59
更新日:2024/03/01 Fri 16:04:44NEW!
所要時間:約 9 分で読めます
▽タグ一覧
金田一少年の事件簿 犯人たちの事件簿 金田一少年シリーズエピソード項目 オペラ座館3部作 オペラ座の怪人 オペラ座館 歌島 館もの ファントム tvsp 孤島 シャンデリア 劇団 洋館 ホテル 劇場 静岡県 伊豆 クローズドサークル 嵐 演劇 アリバイトリック 密室殺人 衝撃のラスト 金田一恒例のクズ被害者 裁くべき被害者 鬼畜な被害者 鬼畜すぎる被害者 女の執念 パンチラ スカートめくり コメント欄ログ化項目 三部作完結編 オペラ座館・第三の殺人 オペラ座館・ファントムの殺人 オペラ座館・最後の殺人 道枝版金田一 ファントムの花嫁 遊民蜂起 アニメ版ではカットの嵐 地下迷宮 剣持のピンチ
俺は三度オペラ座館にやって来た
恐ろしく そして悲しい殺人事件の舞台になったこの荘厳な洋館は――
何も語らず俺たちを見下ろしていた……
「オペラ座館・第三の殺人」とは、『金田一少年の事件簿』にて、かつて金田一少年が解決した事件のうちの一件。
コミックスでは上下巻で収録。全15話。
テレビアニメでは2007年スペシャル第1弾として2007年11月12日に放送、テレビドラマでは第5シリーズFile.7として2022年6月26日から7月3日にかけて放送された。
「オペラ座館殺人事件」、「オペラ座館・新たなる殺人」に続く、オペラ座館3部作最後の事件。
登場する怪人は「ファントム」。
【あらすじ】
2度にわたって凄惨な殺人事件が起きた、伊豆沖の歌島に建つ洋館「オペラ座館」。
忌まわしきその館に金田一達は三度目の来訪をはたすことになる。
かつてのオーナー・黒沢和馬の逝去に伴い、彼の教え子達による偲ぶための公演に招待されたのだ。
だが、やはり殺人事件は起きてしまう…ファントムの手によって。
【以下ネタバレにご注意下さい】
【登場人物】
- 霧生鋭治
CV:古谷徹/演:古川雄大
元劇団員。
黒沢和馬の弟子であり演技の天才と呼ばれた人物。
昔劇団の所有する軽井沢の合宿所で起きた火事に巻き込まれて顔に大火傷を負い、「ファントム」の役を最後に表舞台から姿を消した。
その後、仮面を被りながら湖月レオナのストーカーになり彼女の舞台には欠かさず現れていた。
そして彼女を誘拐したが、彼女が助け出されるのと同時に行方をくらませる。
今回の殺人事件の有力な容疑者だが…
- 湖月レオナ
CV:折笠富美子/演:山本舞香
劇団「遊民蜂起」団員。20歳。
優れた容姿と高い演技力を兼ね備えた劇団内外にファンが
多い舞台女優。
合宿所の火事に巻き込まれた事から火がトラウマになっており、ろうそくの小さな火にも怯える。
昔、霧生によって誘拐・監禁されていたらしいが…
原作ではおしとやかに振る舞っていたが、ドラマ版では若干気の強い性格になっている。ちょっと前まで家政婦をやっていた模様。
- 白神海人
演:戸塚純貴
ミステリールポライター。28歳。喫煙者。
昔、オペラ座館を所有していた華族白神家の一族(白蛇酒造の一族とは無関係)。そのため、館の来歴や逸話にも詳しい。海人の祖父の代に館の設計者から購入したらしい。
オペラ座館を手に入れてから白神家はろくな事がなかったようで、現在は没落してしまっている。海人の父は早くにオペラ座館を手放さなかった事を後悔していたという。
彼も招待状を貰ってやってきたが、静歌は海人を呼んだ覚えがないという。
白神が見せた招待状を確認した所、その招待状には他の招待客とは異なり、ファントムの仮面があしらわれており、誰かの悪質ないたずらだろうと思われた。
本来であれば招待客ではないが、静歌は快く館に招き入れられる。
一のようにいくつかの殺人事件を解き明かした事があるらしく、今回の事件でも独自の推理を展開する。
また、過去にレオナのストーカー事件についても取材したことがあるらしい。
合気道三段で、掴みかかってきた城を軽くかわしている。
ドラマ版ではアクが強い喋り方で、原作よりも嫌味さが強調される。
- 絵門いずみ
CV:山崎和佳奈/演:石川萌香
劇団「遊民蜂起」団員。25歳。
レオナの取り巻きの1人で彼女と親しいがゆえに準主役レベルの役をもらっていた。
第1の被害者で『オペラ座の怪人』の練習中という衆人環視の中、今まで起きた殺人事件のようにシャンデリアに押し潰され圧死した。
しかもシャンデリアが落ちてくるシーンの練習で本当にシャンデリアを落とされるという、冗談にならないような殺され方だった。
アニメ版の中の人は雪夜叉別の推理漫画のヒロイン。
ドラマ版ではセリフが少なくほぼ空気。
- 三鬼谷巧
演:六角慎司
劇団「遊民蜂起」団員。22歳。
レオナの取り巻きの1人で手首に彼女の名前を彫ったり、他の男と話しているだけで不愉快そうにするほど惚れ込んでおり、特に氷森に対しては何かと掴みかかる。
火を見ていると落ち着くらしい。剣持捜索時足をくじいてしまい、一人離れの塔に残される。
第2の被害者。全員にアリバイが成立する状況で、レオナの名が彫り込まれた手首だけが発見される。後に別の場所で毒殺体が見つかる。
「オペラ座の怪人」には手首を切り取るような話がないことに一は引っかかりを覚える。
ドラマ版の演者は城の演者よりも年齢が上。
- 城龍也
CV:三木眞一郎/演:増田昇太
劇団「遊民蜂起」団員。28歳。
レオナの取り巻きの1人で普段は好青年を装っているが、すぐに地を出し霧生に対して並々ならぬ敵意を抱いている。
また、三鬼谷ほどではないが、レオナと仲の良い氷森に対しても突っかかることが多い。
昔、美土里と付き合っていたらしいが、その「昔」が何年前かに関係無く、今28歳の彼が今17歳の彼女と付き合っていたというのは、相当ヤバイことである。
白神によって犯人の嫌疑をかけられたためそれを晴らすべく鍵をかけた劇場に閉じ籠る。
しかし完璧な密室状態だったその劇場内にて刺殺され、第3の被害者となった。
- 氷森冬彦
CV:阪口大助/演:七瀬公
元劇団員。20歳。
レオナとは同期であったが、現在は役者を辞めている。しかし現在もレオナに好意を寄せている様子。
2年前までは役者として活躍しており、美雪も彼の舞台を見たことがあるらしい。
三鬼谷、城からは異常とも言える敵意を向けられているが…
また、絵門の事もあまり良く思ったなかったらしく、レオナが絵門の事を「あたしに一番良くしてくれた姉みたいな存在」と言ったのに対して、
「君につきまとっていたのは、君が放っているスターのオーラを利用するため」と否定した。
- 響静歌
CV:藤田淑子/演:霧島れいか
黒沢の後を継いでオペラ座館のオーナーとなったミステリアスな女性。50歳。
かつては高名な舞台作曲家で黒沢とも懇意の仲だった。
ドラマ版ではなかなかの美人。
- 響美土里
響静歌の娘。17歳。
母親の静歌をオバサン呼ばわりし、つっけんどんに応じる。会うのも半年ぶりらしい。
演技には一家言あるらしく、絵門や三鬼谷について「それほどいい役者じゃなかった」と言い切る。
昔、城と交際していたらしく、レオナに対して露骨すぎる敵意を向けている。また、自分を振った城に対しても含むものがあるのか、平手打ちを食らわせるシーンがある。
一方、霧生とは親しかったらしく、他の面々と異なり、彼が犯人だとは思っていないようだ。
顔も性格もキツいが、巨大なクモを前にした時は、怯えて美雪とともに一の後ろに隠れるという、可愛い一面も。
アニメ版・ドラマ版ともに未登場。
- 影島十三
CV:山路和弘/演:コング桑田
劇団「遊民蜂起」演出家。45歳。
黒沢和馬の一番弟子でミステリー演劇の演出に関しては第一人者。黒沢亡き後は劇団を引き継ぐ。
顔に火傷を負った霧生鋭治をファントム役として舞台に立たせた。
原作では終始冷静だったが、アニメ版では嫌味な面も見せていた。
ただし中の人は憎まれ役が大好きなので、キャスティングと配役の相性は良い。
なお、アニメ版とドラマ版共に演者が俳優兼声優だったりする。
【その他の人物】
毎度お馴染み主人公。
旅に出ていたが黒沢の訃報と偲ぶ公演への招待を受けオペラ座館に3度目の来訪。
剣持警部が序盤で行方不明になり随分と気を揉むことに。
食事のシーンではナイフとフォークを逆に持っていた。レストランの事件で偽の店主に置き方が逆だと指摘していたはずなのに…。
毎度お馴染みヒロイン。
一と共に招待を受け三度オペラ座館での殺人に巻き込まれる。
冒頭で一にスカートを捲られパンティを剣持と運転手のオッサンに見られるはめになり、強烈な反撃をお見舞いした。まあ、もっと大勢人がいたら、いくら一でもそんな悪ふざけはしなかったろうが。
彼女も一同様、剣持が行方不明になったことで気を揉んでいた様子で、三鬼谷の死体発見時、顔を背けながら一に「剣持警部じゃないよね?」と確かめていた。
この三部作では、総じて目立った活躍が無い。
毎度お馴染み剣持警部。今回は初のピンチ役。
第1の殺人が起きた後、犯人にとって都合の悪い「ある行動」をとったために襲われ、オペラ座館地下にある迷宮に閉じ込められていた。
ちなみに、ドラマ版で一が金田一耕助の孫だと知るのは今回が初めてとなる。とっくに知ってたと思っていたが。
前の事件で「はじめのジッちゃんの名にかけて」と言ってたのに…。
- 黒沢和馬
かつてオペラ座館で起きた2つの殺人事件に登場したオペラ座館元オーナー。
車で崖から海に転落し死亡してしまったらしい…。(未だ遺体は見つかっていないが、生存は絶望的として事故死とされた。こちらの番外編でも死亡扱いとなっている。借金取りから逃げるための偽装かもしれないが)
服役中の能条はさぞかし悲しんだ事だろう。
彼の死が今回金田一達がオペラ座館に呼ばれるきっかけとなる。
なお、本編ではカットされたが、初期プロットでは加奈井理央も一緒に死んでいることになっていたらしい。
今回はエピローグのみの登場。剣持にある事を連絡しようとするが、一もその場にいると知って…
【以下事件の核心】
「物語のクリスティーヌはラウルを選んでハッピーエンドだけどあたしは違う――」
「だってあたしは自分から」
「『ファントムの花嫁』であることを選んだんだもの!」
- 湖月レオナ
この事件の真犯人「ファントム(の花嫁)」。
実はストーカー扱いされていたファントム霧生鋭治は彼女の恋人で命の恩人だった。
劇団の合宿所の火事の際、顔に火傷を負いながらも自分を助けてくれた霧生によって、彼の最後の舞台『オペラ座の怪人』のヒロインに抜擢されたレオナは、
その舞台を通じて霧生へ好意を抱き、役者を引退した彼を自分の舞台へと度々招いていた。
そして公には湖月レオナが霧生鋭治に誘拐された事になっているその日、レオナは霧生に告白し彼を連れてどこか遠くへ逃げる事を決意する。
誘拐事件の真相はレオナ主導による駆け落ちだったのだ。
劇団から逃げ出した後、レオナは小さな町に身を寄せ霧生と共に暮らしていた。
幼い頃親戚中をたらい回しにされた経験のあるレオナにとってそれは人生で一番幸せな時間…霧生に連れられオペラ座館の地下迷宮に広がる幻想的な光景を見た時に、
彼女は改めて霧生と共に生きていきたいと強く願うようになる。
しかしその幸せな時間は長くは続かなかった…
ある日霧生が手紙を残して失踪。直後にやって来た城、三鬼谷、絵門によってレオナは劇団に連れ戻されてしまったのだ。
守ると言う口実で3人から監視され続けるなか、霧生の連絡を待っていたレオナだったが彼から連絡が来ることは一切なかった。
そして時は流れ…ある日ローカル番組のレポーターをする事になり、富士の樹海を訪れたレオナは、
なんとそこで自分が霧生にプレゼントした手編みのマフラーと彼の手帳を見つける。
どういう事なのかとこっそり手帳を持ち出し中身を読んだレオナはそこで驚くべき真実を知った。
霧生の役者人生を絶ち、何人もの死者を出した合宿所の火事の原因は、オーディションに落ちた城、三鬼谷、絵門が酔っ払って部屋で行った花火である事、
そして自首を勧めていた霧生を、レオナの傍にいることで成功していた3人が口封じのため富士の樹海に捨て殺害したという事を。
真実を知り、更に3人が記者に対して合宿所の火事は霧生が起こしたものであるかのように語っているのを聞いた時、レオナは誓った。
3人に復讐する事を…
可憐な湖月レオナの仮面を被り、醜いファントムの素顔を隠しながら自分の愛する者の何もかもを滅茶苦茶にした者達を自らの手で抹殺する事を。
か弱い被害者を演じながら衆人環視で絵門、全員にアリバイが成立している状態で三鬼谷、完全な密室状態で城を殺害するという3つの不可能犯罪をやってのけた。
さらに、不意打ちとはいえ、現役の刑事である剣持を気絶させ、餓死しない程度の食料を残して地下迷宮に監禁する(あとで発見させるつもりだった)。これについては、刑事である剣持が責任者として鍵を所持してしまい、それを取り返すための予定外の作業だった(あの大柄なオッサンを、か弱い女性1人で運ぶのは相当大変な作業だったろうが)。
しかし、火がトラウマになっていた事から暗い地下迷宮に落としたあるものを探すことが出来ず、それに付いていた指紋が決定的な証拠となり犯行の露見に至った。
最後はオペラ座館の劇場に火を放ち焼身自殺を図る(仮に犯行がばれなかったとしても最後には富士の樹海で死ぬつもりだったらしい)が、
霧生鋭治の霊と自身を助けた金田一、そして霧生の母親だった響の言葉を受け、生きて罪を償う事を決めて逮捕された。
4年間憎まれ役を演じた「オペラ座館・新たなる殺人」の能条ほどではないが、周りを欺き続けたその演技は卓逸した物であり、彼女もまた天性の才能を持った役者と言えるだろう。
彼女が復讐を誓った直後に見せた笑顔はどことなく痛々しく物悲しい印象を受けるかもしれない…
しかし、殺人事件を起こしただけでなく、自分の所有物でもない建物を燃やしたのは迷惑極まりない行為であり、如何とも擁護しがたい。
- 城龍也、三鬼谷巧、絵門いずみ
『金田一少年』のご多分に漏れず屑だった今回の被害者達。
一応、絵門は殺される直前怯えた表情を見せていた事、城は余裕がなくなり、感情的になっていた事からまだ罪悪感を抱いていた可能性はある。
が、三鬼谷に関しては3人も火事で死なせておきながら、火を見ていると落ち着くと言い放った事から反省などしておらず、罪悪感も持っていない事は明らかだろう。彼のレオナへの執着を考えると霧生に対する嫉妬もあったのかもしれない。ただ、レオナに殺人事件が起きた状況で「2人でこっそり会おう」と言われてほいほい行くのは無警戒すぎる気がする。
アニメ版では城が霧生に嫉妬し、絵門に彼を殺させるべく故意に火事を起こさせているため原作よりも外道になっている。
ドラマ版では火事は事故であることが仄めかされ彼らの過失ではないため一見原作よりもマシにみえるが、原作どおり霧生を騙して樹海に放置したことについて、絵門は原作と違い特に怯えておらず、城に至っては「あの火事は天の恵みだ」と言っていたことからまともな神経でないことが伺える。
なお、今回の事件は、「オペラ座館」3部作の中で唯一、第一のシャンデリア落とし以外の2つの殺人が「オペラ座の怪人」のストーリーの見立てどおりにならなかった事件である。
また、「金田一少年の事件簿」唯一の「事件解決前後で怪人の名前が変わる」事件でもある。
- 霧生鋭治
実は黒沢和馬と響静歌の息子(美歌の腹違いの兄)。
樹海に置き去りにされた直後は3人に復讐すると怒りを顕にしていたが、自殺を図ったレオナの前に現れた時はそんな憎しみを感じさせない穏やかな表情をしていた。
ちなみに金田一は城達が何もしなくてもいずれ霧生はレオナの傍から離れたのではないかと推測している。
優れた才能を持つレオナをこのまま自分の傍にいて終わってほしくないと思っていたのではないか…
霧生鋭治という『ファントム』にとって湖月レオナという『クリスティーヌ』への愛は、抱き締める事ではなく突き放す事だったんじゃないか、と…
【事件とは関係のないネタバレ】
直接登場しないが、エピローグで脱獄。
- 金田一一
事件解決後、旅を続けるのをやめて地元に帰る事を決める。
その最中、高遠の脱獄を知って必ず自分が再び高遠を捕まえると決意を固めた。
かけるものが自分のプライドからジッチャンの名に戻ってるが気にするな。
- 剣持勇
地下迷宮で発見されるも、最初に遭遇した一を自分を閉じ込めた犯人と間違え、襲い掛かった。しかし、すぐ相手が一とわかって停止、一は彼が空腹で腹を盛大に鳴らしたことに大笑いしつつ、剣持が無事だったことに安堵した。
- 明智健悟
彼からの剣持警部への連絡は高遠の脱獄を知らせるため。
一が剣持と一緒にいると知って自身の口から直接その事を伝えた。
- 白神海人
結局推理は大外れで、一に一蹴されてしまった。
しかし一の推理が始まった後は冷静に聞いて筋が通っている事を認め、その推理を支持する。
事件解決後は、一に「何かあったら呼んでくれ」と言い残して去ったが、いつきさんとかぶるためか再登場はなかった。根はいい人らしい。
ドラマ版ではレオナが劇場に火を放った際、他の連中を押し退け真っ先に自分が逃げようとするといった自己中心な面を見せる。
- 五十嵐太郎(ドラマ版のみ)
一達の学校の先生で湖月レオナのファン。一はレオナからサインをもらうことで補習から逃れようとしたが、結局逃れることはできず補習を受けるハメになる。
描写はないがレオナが殺人犯と知った時は、さぞショックを受けたことだろう。
【謎解きについて】
連載時の真相当てクイズで「はっきり言って難問です!」と告知されたこの事件。
確かに、トリックが盛り沢山な上、一つ一つのトリックが結構ひねりが効いていて、犯人の絞り込みもそこから行う必要がある。
メイン扱いの密室トリックにしても、「金田一」にありがちな「ワンアイデア一発勝負」を「いくつも」重ねたようなトリックで、解き応えはあったのではないだろうか。
また、「漫画ならではのミステリー」という点でも本作は工夫されている。
例えば、怪人が窓を割るシーンを、解答編を読んだ後で見直した人も多いのではないだろうか。
更に、シャンデリア落下のトリックについては、金田一が現場を捜査する場面での回想で、
意図的にトリックを実行する犯人の姿が描かれていたりする。
時間を空けての連載再開なだけあって、色々と充実した内容となっているので、単行本で読む際もそのあたりを是非楽しんで頂きたい。
【原作との違い】
◇ドラマ版
- 一達がオペラ座館に来るのは今回が初となっていることもあり、オペラ座館3部作の最後の事件という設定は無い。そのため、タイトルが「オペラ座館・ファントムの殺人」に変更。
- ちなみに金田一少年シリーズにて、「○○の殺人」というタイトル(例:「金田一少年の殺人」、「怪盗紳士の殺人」)の事件では「○○」に入る人物は犯人ではないという法則があるが、この事件でもファントム(=霧生鋭治)は犯人ではなかったため、ある意味その法則に従ってることになる。
- 響美土里は登場しない。また、佐木が同行している。
- 一、美雪、佐木は一貫して学校の制服を着ている。
- オペラ座館は孤島ではなく山中にある。そのためオペラ座館までの移動手段を船からロープウェイに変更。ロープウェイを降りた後、響静歌が車で送迎する。
- 天候は嵐にはならず、ロープウェイの制御盤が壊されたため外部との交通が閉ざされる形となる。
- 剣持警部は黒沢の友人という設定。
- 一がレオナと2ショットを撮ったりサインを貰う場面が追加。
- 「黒沢和馬追悼公演」と銘打たれており、黒沢は死亡していることが明確にされている。また、黒沢の死因については特に言及されていない。
- 白神の一族がオペラ座館の元所有者、合気道三段、過去に事件を幾つか解決した事があるという設定はカット。またタバコも吸わない。
- 三鬼谷はいずみを呼び捨てで呼んでおり、城にも敬語を使っていない。また、メガネをかけている
- リハーサルの際、三鬼谷といずみも役の衣装を着ている。
- 落ちたシャンデリアは原作ほど崩壊しておらずほぼ原型をとどめている。また、いずみはシャンデリアの串刺しになって死亡している。
- シャンデリアのワイヤーが鋭利な刃物で切断されていることに気づくのは一。
- いずみの遺体は原作ではシャンデリアの下敷きにされたまま白神がドライアイスで保存していたが、ドラマ版では城と三鬼谷が移動させてドライアイスで保存している。
- 氷森は原作同様劇団を辞めているが、別の事務所に移籍して役者を続けている。また、レオナを引き抜こうとしており城たちに警戒されている。
- 離れの塔まで一と美雪、佐木、剣持が走って向かっている。また、一と美雪、佐木が引き返す理由を佐木が膝を擦りむいたことに変更。
- 剣持の捜索に氷森は同行していない。また、人手の要請はなく静歌が最初から同行している。
- 離れの塔ではインターホンではなく黒電話が鳴る。
- 影島は靴が脱げた響を置いていかず行動を共にする。
- レオナは三鬼谷の手首を踏まず、落ちていた手首を発見する。またドラマでは左手首ではなく右手首が切断される。
- 三鬼谷の遺体は薄暗い林の中で発見される。また、発見場所につながる別のルートを美雪が見つけている。
- 一は三鬼谷の遺体を保存する際にドライアイスが使われていることを知る。
- ファントム事件について語るのは影島と城。
- 日記に鍵が掛かっていて、佐木が開錠する。また日記を読むのは美雪。
- 日記に書かれた地下迷宮に向かった時剣持を保護する。保護された剣持は一と歓喜し抱き合った後眠ってしまう。また、剣持が保護されるタイミングは城殺害前に変更。
- 城の部屋にファントムのマスクが見つかったことで、氷森が城に嫌疑をかける。また、鍵の見張りについては城自身が提案する。
- 地下迷宮に落ちていた乾電池をハンカチで受け取る人物を美雪に変更。
- 鍵のトリックに気づくきっかけが原作では2回目のクモ騒ぎだったが、ドラマ版ではゴキブリになっている。1回目のクモ騒ぎでクモがタランチュラだと指摘するのは佐木。また、オペラ座館には元々スリッパは備え付けられていない。
- レオナが霧生鋭治について、「昔はよくオペラ座館で演劇論について語り合っていた、その頃は優しい先輩だった。」と語る場面が追加。
- 第一の事件のトリックの再現で紐を切るのは佐木、舞台に立つのは美雪。
- 謎解きは舞台の下の地下で行われる。
- 原作では一は犯人を名指しする際仮面を投げつけていたが、ドラマ版では座席に置いていた名前の書かれた紙を広げている。
- レオナは原作ではトリックが暴かれる毎に、か弱い女性の仮面が剥がれ徐々に表情が変化していったが、ドラマ版では終始涼しい顔をしている。
- 三鬼谷が注射器で毒を注入された箇所を右腕から首の後ろに変更
- 城殺害時の密室トリックは口頭で説明するのみで、手品での再現はしない。
- レオナがろうそくに火をつけられるか試すシーンはカット。
- 霧生の火傷は顔の右半分。
- 霧生とレオナの駆け落ちを目撃するのは城、三鬼谷、いずみの3人。
- 樹海でのレポート、霧生が火事の件で城達に自首を促す場面、城達がレオナを連れ戻す場面はカットされ、霧生行方不明の経緯が省略・簡略化されている。
- 軽井沢の火事については城たちの過失が原因ではなく事故で起きたことが示唆され、城は「天の恵み」だと言っている。
- 記者会見のシーンはカットされ、レオナが霧生が行方不明になったことを知るきっかけが楽屋での密談に変更。
- 道枝版では明智健悟と高遠遙一がこの時点で未登場なので、ラストの高遠脱獄のシーンはカット。
- アニメ版同様霧生が黒沢の息子という設定はカット。
- オペラ座館は全焼していない。
- 一がレオナにかける言葉を「愛することは突き放すこと」から「愛することはそっと見守ること」に変更。
◇アニメ版
- タイトルが「オペラ座館・最後の殺人」に変更。
- 原作は全15話、上下巻構成の大長編だが、尺が正味50分(ファイル2相当)と非常に短く、かなり駆け足気味となっている。
参考までに同じく上下巻構成の「天草財宝伝説殺人事件」や「露西亜人形殺人事件」、「獄門塾殺人事件」、「薔薇十字館殺人事件」はファイル5まで放送された。 - アニメ版では一が旅に出ていないため、普通に招待されている。
- 城の初登場シーンで、原作ではファントムに扮し一を驚かしていたが、アニメ版ではいきなり後ろから現れたことで一がびっくりしている。
- シャンデリアが落ちるシーンで一瞬落雷による停電が起き、シャンデリアがぐらつく。またシャンデリアが落ちる時、いずみは原作では立ち位置を影島に確認していたが、アニメ版では演技をしている。
- ドラマ版同様シャンデリアのワイヤーが鋭利な刃物で切断されていること気付くのは一。
- 舞台の上に殺人予告が書かれたカードが落ちてくる場面が追加。カードには「オペラ座館最後の夜、今宵二つの死体で華々しいフィナーレを飾ろう。」と書いてあり、それを聞いた瞬間城が怯え始める。
- レオナの「火恐怖症」という設定はカット。
- 剣持は劇場の鍵を預らない。そのため監禁されるエピソードは丸々カット。
- 黒沢の事故死については一切語られず、霧生が彼の息子だと判明するシーンもカット。
- 三鬼谷、美土里、白神が登場せず、殺害される人数が3人から2人に減った。
- 入団テストでオーディションに合格したのは霧生、レオナ、氷森、いずみの4人だけ。また入団テストでは城が審査員をしている。
- 軽井沢の合宿所の火事で、死者は出ておらず逃げ遅れたのは霧生のみで顔に火傷を負う。また、火事についてはいずみが城の指示で霧生を殺すために意図的に起こしたものになっている。
- 影島が無愛想で嫌味な性格に変更。一部未登場の白神の代役も兼ねている。
- 城は原作では白神の提案で自分の嫌疑を晴らすために劇場に閉じこもることになったが、アニメ版では自分から劇場に閉じこもることを提案する。
- 袋に入れた鍵は劇場の鍵一本だけ。
- 城を呼びに行く時、全員が劇場に向かっている(原作では一、美雪、レオナ、美土里の4人だけ)。
- 氷森が劇団を辞めていない。
- 犯人を暴く物的証拠が「乾電池の指紋」から「煙突に行くため梯子を使用した際、それが原因で靴底に残った赤サビ」に変更。
- 霧生鋭治殺害の経緯が変更される。原作では飲み物に睡眠薬を入れ樹海に放置だったが、アニメ版では崖から突き落としている。
- レオナは霧生の死を知った瞬間、原作では城達に表向き笑顔だったが、アニメ版では一人で泣き崩れている。
- レオナはオペラ座館に火をつけるのに灯油をかけている。
- 霧生鋭治のレオナに向けたメッセージが地下迷宮に刻まれている。
- 犯人の連行シーンはカットされ、エピローグは焼け落ちたオペラ座館のシーンで終わる。高遠関連の描写もカット。
追記・修正はファントムを演じながらお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,36)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
#lsd()
#comment_num2(num=30)
コメント
最新を表示する
以前ブランチにレオナ容疑者出ていた
2023年9月30日のトレンドで久しぶりに登場
写真集の宣伝した
ドラマのエピローグは金田一が高校で勉強してるシーンに変更
NG表示方式
NGID一覧