登録日:2015/01/22 Thu 04:08:21
更新日:2024/01/12 Fri 10:24:46NEW!
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幾原邦彦 森島明子 百合 熊 人食い熊 アニメ 15年冬アニメ 深夜アニメ 三毛別羆事件 ユリ熊嵐 イクニゴマキナコ ユリ承認 透明な嵐 熊嵐 あなたのスキは本物? クマショック
「その透明な嵐に混じらず、見つけ出すんだ」
◆概要
少女革命ウテナ・輪るピングドラムを手がけた幾原邦彦監督作品。
「透明な嵐」「ユリ」「熊」「断絶の壁」などをキーワードに、少女たちの「スキ」を巡るストーリーが展開される。
漫画版は月刊コミックバーズにて連載中。原作:イクニゴマキナコ 作画:森島明子
アニメ版は劇場版ウテナを彷彿とさせる前衛的な美術や世界観が特徴的。
なお漫画版とアニメ版の二つがあるが、単なるコミカライズではなく全くの別の作品となっている。
外伝や前日談というわけではなく、設定からストーリーまで全くの別物。
TV版ウテナと劇場版ウテナのようなものと表現すればわかりやすいか。
しかし両者ともイクニゴマキナコ=幾原監督が原作を務めており、同じテーマを主題に描かれている。
漫画版にはアニメ版の登場人物がちょくちょくモブで登場している。
◆あらすじ
- 漫画版
「万物のアルケーはクマである。テロスを変革するのはユリである」
椿輝紅羽は、クラスで存在感のない「透明な女子高生」。
そんな彼女に唯一話しかけてくれるのは、最近転校してきたばかりの美少女・百合城銀子。
しかし紅羽は、転校して来た時から銀子に対してある違和感を覚えていた。
その違和感とは、銀子が本当は人間ではなく熊なのではないか、というもので…!?
- アニメ版
「私はスキをあきらめない」
あるとき、宇宙のかなたで『小惑星クマリア』が爆発した。
こなごなになったクマリアが流星群になって地球に降り注ぐと、何故か地球上の『クマ(熊)』が一斉に決起し、人類に襲いかかった!
『ヒトVS クマ』クマはヒトを食べ、ヒトはクマを撃ち、果てのない戦いと憎しみの連鎖。
やがて、ヒトとクマの間には巨大な『断絶の壁』が築かれ、互いに不可侵な状態となった…。
ヒトの世界。
ある朝、嵐が丘学園の生徒、椿輝紅羽(つばき くれは)と 泉乃純花(いずみの すみか)は二人きりで花壇に咲いた「百合の花」を見ていた。
二人は『友だち』であり【 恋人 】。花壇は二人にとって大切な場所なのだ。見つめ合う二人。
そのとき【クマ警報】がけたたましく鳴る! クマがヒトの世界に侵入し、ヒトが襲われたのだ!
OP「あの森で待ってる」
作詞・作曲・編曲・歌 - ボンジュール鈴木
ED「TERRITORY」作詞 - はいのことん
作曲 - 八王子P
編曲 - DJ'TENIKA//SOMTHING
歌 - 百合城銀子(荒川美穂)、百合ヶ咲るる(生田善子)、椿輝紅羽(山根希美)
(両者とも公式サイトより抜粋)
◆登場人物
○百合城銀子
- 漫画版
紅羽の通う高校に編入してきた美少女転校生。
明朗快活な性格であっという間に学校の人気者となったが、ひょんなことから呟いていた「私は熊」「人間だ」という言葉を紅羽に聞かれ、そのまま親しくなった。
母親の呪縛で、自分を含めた世界の全てが醜い『熊』に見える幻覚に憑かれており、
明るい性格の裏では全てを嫌悪し煩わしく感じている。
そんな世界で、初めて『人間』に見えた紅羽を『運命の人』と考えており、強い独占欲を抱いている。
好物は鮭マヨネーズ
- アニメ版
「匂う、匂うよ。デリシャスメル」
(CV:荒川美穂)
『断絶の壁』を越えてやってきた人間に化けた熊。
かつて紅羽から貰った『スキ』を返し届けるため、ユリ裁判で承認を受け紅羽に害をなす人間を食べている。
椿輝紅羽の思い人である泉乃純花が熊に食べられるとき見殺しにし、過去に一度紅羽の「スキ」を手放した『罪熊』。
○百合ヶ咲るる
- 漫画版
銀子・紅羽の前に突如現れた謎の転校生。銀子を「運命のひと」と言い、猛アタックをかける。
銀子は面識がないが、何故か銀子の『熊』の妄想を知っており、幼い頃一緒に撮った写真等を持つ。
銀子とはお城のお姫様とメイドの関係で、身分違いの恋人だったと言っている。
好物はハチミツ
- アニメ版
「るる、かしこーい!」
(CV:生田善子)
銀子と共に「断絶の壁」を越えてやってきた人間に化けた熊。
銀子に好意を抱いており、共に紅羽に害をなす人間を食べている。
かつては熊の世界のお姫さまで、弟のみるん王子への嫉妬で彼の「スキ」を受け入れずにそのまま死に別れてしまった過去を持つ。
○椿輝紅羽
- 漫画版
「透明」な高校生。対人恐怖症気味だったが、銀子と親友になり周囲と打ち解けるようになる。
異常に勘が鋭く、ちょっとした仕草や表情で相手の感情を読み取れる。
先祖代々マタギの家系で、ライフル射撃部に所属している。
好物は塩辛と熊肉。得意料理は熊鍋。
- アニメ版
「私は熊を許さない。私は熊を破壊する」
(CV:山根希美)
自分の『スキ』を諦めない高校生。
泉乃純花とは両思いであり、スキを諦めず『透明』にならなかったために純花と共に『透明な嵐』にさらされている。
母と最愛の人である純花を熊に殺され、熊を強く憎んでいる。
好物は塩辛とナポリタン
罪人
○ライフ・セクシー
- 漫画版
紅羽たちの通う嵐が丘学園の生徒会長。
女ったらしで複数の彼女と付き合っているスケコマシ。
銀子とも親しく、生徒会室でちょくちょく囲碁を打つ囲碁仲間。
結構本気で銀子にモーションをかけているが、体だけなら付き合うが紅羽には手を出すな、と言われ、逆に釘を刺されている。
- アニメ版
「それがセクシー。シャバダドゥ」
(CV:諏訪部順一)
「断絶のコート」で開廷されるユリ裁判を預かるジャッジメンズの一人。
裁判では裁判長を務める。
検事と弁護士・被告の意見を聞き、ユリ承認の判決を行う。
○ライフ・クール
- 漫画版
生徒会のメンバー。
読書が趣味でセクシーには鋭い突っ込みを入れる。
- アニメ版
「明らかに食べすぎです、有罪、ギルティーです!」
(CV:斎賀みつき)
ユリ裁判を開くジャッジメンズの一人。
裁判では検事を勤める。
○ライフ・ビューティー
- 漫画版
生徒会のメンバー。
チェスが趣味で駒をいつもいじくっている
ちなみにジャッジメンズの三人はアニメ版と同じく「ライフ・セクシー」「ライフ・クール」「ライフ・ビューティ」が本名となっている。
- アニメ版
「ラブモーメント!!過度にユリを敵視しています、キラキラァ~」
(CV:山本和臣)
ユリ裁判を開くジャッジメンズの一人。
○椿輝澪愛
- 漫画版
紅羽の母親。幼い頃に死別。
何故か死因は娘の紅羽にも伝えられていない。
- アニメ版
(CV:遠藤綾)
同じく母親で、熊に殺されて死別している。ユリーカ曰く、「唯一の友だち」だった女性。
○箱仲ユリーカ
- 漫画版
銀子の父方の叔母。一人暮らしをしている銀子の後見人。
母親と同じく自分達は熊だと言うことを銀子に教えている。
銀子の母親とは肉体関係。
紅羽の母親である澪愛のことを知っているらしいが…
- アニメ版
(CV:井上喜久子)
紅羽たちの通う嵐が丘学園の教師。
紅羽の母親・澪愛とはかつて唯一の友だちで同じく学園に通っていた。
学園長であった「彼」にしまわれた、学園という「箱」の「中」の花嫁。過去の出来事から自身を空っぽの箱と考えており、その中に大切なものをしまおうとしている熊。
澪愛を自身の箱にしまったものの、既に彼女のスキは娘の紅羽にすべて注がれており満たされることはなかった。
そのため彼女が成長し、大輪の「スキ」の花を咲かせるを待ってしまおうとしていた。
○みるん
- 漫画版
るるの肌身離さず持っている小さなクマのぬいぐるみ。るる曰く「ぬいぐるみじゃなくて弟」。
何か過去にあったらしく、これを持っていないと眠れないらしい。
るるの弟の形見。かつてるると一緒に両親からネグレクトを受けていたが、彼女と共に懸命に生きていた。が、ある日、るるの不注意で事故にあい死んでしまう。それからるるは自分の罪の罰として、人形を持ち続けている。
- アニメ版
「大丈夫。ぼく何度でも見つけてくるから」
(CV:釘宮理恵)
るるの弟の王子様。
るるのことが大好きだったが、るる本人からは自分から国中の愛情を奪ったため疎ましく思われていた。
○「彼」
- 漫画版
銀子の母親で本名・百合城カレ
芸術家で現在外国で療養している。
るるによると、銀子を自身の作ったクマの世界に閉じ込めた張本人。
死んだ紅羽の母親のことを知っている。
昔、大スキだった人間の女の子を食べたらしい。
ユリーカの兄と結婚しており、彼女とは世間では義理の妹の関係だが、裏では肉体関係を結んでいる。
- アニメ版
(CV:能登麻美子)
嵐が丘学園の学園長。学園を自身が作り上げた箱と考えており、そこに綺麗なものを「汚れない」ように仕舞いこんでいる。
○泉乃純花
- 漫画版
紅羽の隣のクラスの生徒。紅羽のことが気になっていたらしく、ふとしたきっかけで彼女と友達になる。
祖母が自然療法士をしており、長い間そばで治療法を見ていたため、自然とカウンセリングやセラピーを行える才能がある。
「クマの館の魔女」という不穏な噂が流れており、中学時代は何人もの生徒が彼女の家に行ったきり戻らなかったらしいが…
ちなみに「ライフ・セクシー」たちの従妹で、妹のように溺愛されている。
- アニメ版
「紅羽ちゃん。私も『スキ』をあきらめないよ」
(CV:小倉唯)
紅羽の親友。
紅羽と共に『スキ』を諦めず、『透明な嵐』にさらされていた。
互いに深い想いでつながっていたが、熊に食べられ死亡してしまう。
好物はちくわの磯辺揚げ
○百合園蜜子
- 漫画版
紅羽のクラスのクラス委員長。
泉乃純花とは中学時代の同級生で、暗い噂が付きまとう彼女に対して不信感を抱いている。
彼女の噂を流していた張本人。
中学時代、カーストのトップとしてクラスの支配しており、純花に対して嫌がらせをしていたのが事の真相。
が、彼女と接触したクラスメイトが次々に自分の支配から解けて離れていったため逆恨みしており、同時に彼女の人心掌握術に興味を抱いている。
- アニメ版
(CV:悠木碧)
紅羽たちのクラスメイト。クラス委員長を務めている。
紅羽たちが『透明な嵐』にさらされていることに目を逸らしていたことを恥じ、共に立ち向かおうと手を差しのべる。
「『スキ』をあきらめない娘の肉だけが、石榴と花の蜜の味がする」
銀子たちが転校してくる以前から学園で人を食い荒らしていた熊。泉乃純花を食べた犯人。
透明でない人間を食べることに喜びを感じており、様々な策略を巡らせ紅羽たちを孤立させた悪女。
純花を食べた後は紅羽に狙いを定め、百合川このみや鬼山江梨子を使って美味しく食べるための計画を実行する。
肥大化した欲望のメタファー
○百合川このみ
- 漫画版
蜜子の中学時代のクラスメイト。純花と接触した次に日に、学校から姿を消したらしいが…。
- アニメ版
(CV:小清水亜美)
蜜子の友だち。蜜子に深い感情を抱いている。
蜜子と同じく学園で人を食い荒らしていた熊。
蜜子に感情を見抜かれており、いいように使われている。
最後は蜜子が紅羽に近づくための道具として利用され、熊の姿で射殺された。
○赤江カチューシャ
- 漫画版
ユリーカの学園での仕事を手伝っている生徒。結構働き者らしい。
- アニメ版
(CV:伊藤美来)
紅羽のクラスメイト。そのまま赤いカチューシャが特徴。
銀子たちに食べられて死亡。
以前に『排除の儀』を取り仕切っており、紅羽の排除にも加担していた。
○鬼山江梨子
- アニメ版
(CV:伊瀬茉莉也)
紅羽たちのクラスメイト。
このみがいなくなった後の『排除の儀』を取りしきり、蜜子にそそのかされて紅羽を次の『透明な嵐』の対象に決める。
三話ラストで銀子たちに食べられて死亡。
○針島薫
- アニメ版
(CV:日笠陽子)
紅羽のクラスメイト。
熊の犠牲者が増え続ける中、それまでの自分たちの行いが間違いだったと気が付き、クラスを代表して謝りに来る。
その償いにクラス全員で紅羽の誕生日を祝おうと奔走するのだが…。
鬼山江梨子に続く『排除の儀』の次の主催者。
クラス全員と結託し、紅羽から『スキ』を奪うために行動を始める。
○大木蝶子
- アニメ版
(CV:村川梨衣)
紅羽のクラスメイト。
口癖は「チョー〇〇」
最後の『排除の儀』の主催者。
人に化けたクマの存在を察知し、クマ狩りを始める。
◆キーワード
○熊
- 漫画版
百合城銀子の妄想の一つ。
この世のあらゆるモノの正体で薄汚い本性。
- アニメ版
以前は普通の生き物だったが、宇宙のどこかで爆発した惑星クマリアの影響で一斉決起をし、人間を食べ始めた。
人間を食べるのが普通の生き物。
○透明な嵐
- 漫画版
百合城銀子の妄想の一つ。
世界中で吹き荒れており醜い熊の本性を隠しているもの。
本当の姿が熊であることを言うと、この嵐によって排除されてしまう。
- アニメ版
『排除の儀』によって選ばれた透明でないものに行なわれる仕打ち。
群れの空気を統一するため、透明でない者を透明にするために行なわれる熊への自衛手段。
熊によると透明な人間は味がせず、透明でない人間は非常に美味らしい。
○断絶の壁
- 漫画版
人間と熊を隔てる越えることのできない絶対的な壁。
これにより、百合城銀子のスキは椿輝紅羽と結ばれない。
そのため銀子の母親は、銀子に「食べて」一つになることを唆している。
- アニメ版
人間の世界と熊の世界を隔てる壁。
熊から身を守るために人間側が構築した。
それでも壁を越えて現れる熊がおり、街には熊に対する警戒が絶えず行われている。
追記・修正は透明な嵐に混じらない人のみお願いします
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▷ コメント欄
- アニメは人狼ゲームだよね -- 名無しさん (2015-01-22 07:38:10)
- ↑え、首都警特機隊!?(錯乱) 小倉唯目当てで見始めたから純花 が一話で死んじゃったのは痛いが悠木碧のイっちゃってる演技が見られるのはたいへんデリシャスメルでございます -- 名無しさん (2015-01-22 08:56:11)
- アニメと漫画全然違うのね -- 名無しさん (2015-01-22 08:58:12)
- びっくりするくらい、漫画とアニメ違うのな。記事読む限り漫画の方が分かりやすそう? -- 名無しさん (2015-01-22 09:20:44)
- 設定は違えどキャラクターの本質は変わらないっぽいんだよな。見比べると結構色んな発見あって面白い -- 名無しさん (2015-01-22 11:47:44)
- ショーック!クマショック! -- 名無しさん (2015-01-22 13:00:49)
- 「百合○○」姓が熊って感じだが。 -- 名無しさん (2015-01-22 16:02:53)
- ↑×4漫画版は今の所大分マイルド。銀子母のカニバリズム疑惑とかあるけど -- 名無しさん (2015-01-22 23:31:12)
- 漫画版はベースは普通の少女漫画風学園物だからすんなり読める。逆に困惑する人が多数いる模様 -- 名無しさん (2015-01-23 00:30:57)
- ウテナもアニメと漫画版じゃ結構差異があったな 谷口監督のように分けるタイプなんかね? -- 名無しさん (2015-01-23 02:34:45)
- 漫画とアニメの演出方法の強み弱みを巧く使い分けてると思う。バンクとか映像作品ならではの手法だし -- 名無しさん (2015-01-23 14:45:17)
- >漫画版 火の鳥復活編かな?(沙耶の唄の元ネタ) -- 名無しさん (2015-01-26 21:18:02)
- あれとはまた違った感じだな。 -- 名無しさん (2015-01-27 01:13:09)
- 進撃の熊 -- 名無しさん (2015-03-03 06:09:32)
- 意味深演出意味深専門用語連発で最初は面食らったけど、ストーリーはなんとなくつかめるので言うほど分けわからない作品でもない。・・・が、それがわかったところでいうほど面白くも感じないというか。 -- 名無しさん (2015-03-21 23:53:34)
- アニメ版は謎に対する回答が丁寧だよね。透明な嵐のエゲツなさも半端ないが。 -- 名無しさん (2015-03-24 01:56:02)
- アニメ版は謎謎謎謎謎回答謎謎謎回答回答謎謎回答回答回答回答謎回答な具合だよな。というか幾原作品はだいたいそんな感じ。それが面白い -- 名無しさん (2015-03-24 02:09:09)
- ウテナの「人間の憎悪に光る100万本の剣」「ベルゼブブカー」ピンドラの「こどもブロイラー」で触りだけだったものを主軸にしているような気がする→「透明な嵐」 -- 名無しさん (2015-03-24 03:02:09)
- アニメ版は悪役ポジが消えるたびに別のキャラに引き継がれていくけどどんどんキャラクター性が無個性化していって、無意識の同調圧力の擬人化みたいになっていくのも面白い所 -- 名無しさん (2023-12-28 23:22:41)
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