登録日:2014/08/31 Sun 23:48:06
更新日:2023/12/21 Thu 10:49:45NEW!
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“お前は何も覚えていないのよ―――阿良々木。自分が何でできているかを知らないの”
青春の、終わりを告げる影がさす。
『終物語(上)』は講談社BOXから発売されている、もう一度、100%趣味で書いた小説。
物語シリーズのファイナルシーズン第3弾にあたる。
著者:西尾維新
イラスト:VOFAN
阿良々木暦を語り手とし、セカンドシーズンから登場し謎めいた振る舞いを見せたキャラ、忍野扇との初めての出会いを軸に、『傷物語』以前の彼の過去に迫る。
一部を除いた物語シリーズの中でも、怪異が登場せず過去の謎解きを中心とした異色の作品。
第一話「おうぎフォーミュラ」は『別冊少年マガジン』に先行公開され、西尾維新による「読者への挑戦状」が封入された。
第一話 おうぎフォーミュラ
十月下旬、阿良々木暦は、神原駿河から忍野メメの姪を名乗る転校生の後輩、忍野扇を紹介される。
そこで彼女から校舎の見取り図にあるはずのない空き教室があると相談を受け、その教室に赴いた二人は謎めいた部屋に閉じ込められてしまう。
だが、その教室はかつて暦が在籍していた1年3組の、二年前の7月15日の学級会と同じだった。
そこで彼は思い出さされる。正義感に溢れた暦が正しさに絶望したあの事件を。
第二話 そだちリドル
二年前の事件を思い出した翌日、その当事者である老倉育が再び登校してきた。
彼女は暦に猛烈な敵意と憎悪をぶつける。
そこで彼女から「中学一年の下駄箱の中身を覚えていないのか」と詰め寄られた暦は、なぜか扇とともに母校を訪れ、三通の手紙を見つけた。
またしても彼は思い出さされた。彼のアイデンティティの一つたる、数学好きの由縁を。
第三話 そだちロスト
再び引き籠ってしまった育をもう一度学校に来るよう説得するため、暦は羽川翼と協力して彼女の自宅を訪ねることに。
そこへまたしても扇が介入をしようとし、翼は彼女と激しく対立。
改めて育と対面した暦は、彼女に対する罪悪感から真摯に接する。
そこで、育は密室から失踪した母親を探してくれと二人に依頼するが、そこで彼は最後の救いがたい事実に向き合う。
◆登場人物
「―――そんな幸せな僕を、僕は少し、嫌いになってしまったよ」
本シリーズの主人公で作中一の突っ込み役…なのだが本作では扇の曖昧な態度に振り回され、言動がブレまくり彼女に行動を掌握されてしまう。
扇によって自分が忘れていた、『化物語』までの彼を形作った過去を遡るように「思い出さされ」ていき、
結果自分が見て見ぬふりをしていた「自分の愚かな在り方」に影を落とすことに。
今回は終始シリアス強め…かと思いきややっぱり変態でした。
- 忍野扇
「いえいえお慕い申し上げておりますよ―――私は簡単に騙される愚か者のことを」
セカンドシーズンの裏で暗躍していた忍野メメの姪を名乗る謎の少女だが、作中時系列的には今回が初登場となる。
暦を尊敬する振る舞いの上で辛辣な言葉を吐きながら、彼の忘れていた、自分を形作る出来事をえぐるような形で過去の謎を解いていく。
暦の慕う翼の巨乳を侮辱する形で毛嫌いしている。
- 老倉育
「私はお前が嫌いだ」
阿良々木暦の人となりを形作ったともいえる、物語シリーズヒロインズの原点とも言うべき少女。
1年3組の委員長を務め、数学好きを自負しており「オイラー」の称号を得たがっている(実際の仇名は「ハウマッチ」)。
入学当初から暦に猛烈な敵意をぶつけ、彼に投げかけるのは辛辣な言葉ばかり。
期末の数学テストに生じた疑惑から開いた学級会が原因で不登校となったが、「あること」を機に再び登校するようになった。
「おっぱいを触らせてあげる」
暦が敬愛してならない委員長の中の委員長。自身のトラウマを克服し、母性と貫録も出てきた。
暦と険悪な仲の育の身を案じ、彼と共に育と向き合おうとする。
「忍野の姪」を名乗り、暦を翻弄する扇に危機感を覚え、彼女と真っ向に対立する。
「ぶっ殺す」
もと1年3組の、暦の愛する彼女。
当時は「深窓の令嬢」ぶっていたため育からよくお世話になっていたが、愛するダーリンを文房具で傷つけた育に、更生したのがチャラになるくらいの敵意を炸裂させる。
その一方で、電報調のデレデレのラブメールを暦に送っている。
「ちゃんと下着は外させてある」
暦を尊敬してやまない後輩。自分のファンという扇を暦に紹介した。
後輩と尊敬する先輩が一線を越えるようなアドバイス(嘘)をした。それでいいのか。
今回は育の過去について暦に伝えるという役割で文中に登場する程度。
しかし、この時点で扇に目を付けられていたと判明。
- 元1年3組のメンバー
2年前、期末テストで生じたカンニング疑惑の犯人当てのため、育に放課後招集された生徒達。
全員に名前と簡単な性格設定が用意されている。アニメ化の時が心配。
互いが互いを疑い、庇いあい、また話を脱線させたりといった不毛な、醜い言い争いをした。
そして育がとった最悪の手段「多数決」により、彼女と暦に無意識下の悪意と絶望を叩きつけてしまう。
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▷ コメント欄
- 初期の西尾作品みたいな、陰鬱な真相を暴くミステリー。 -- 名無しさん (2014-09-01 01:11:42)
- この巻で西尾もまだミステリかけるんだなと思ったっけな -- 名無しさん (2014-12-27 05:42:11)
- じょしらくの件については、物語シリーズのメディアミックス展開が広く行われていたという事情があったから、仕方のない部分もあるんじゃないかと…。 -- 名無しさん (2015-07-05 18:52:22)
- というより、終物語の記事なんだからじょしらくの話題を重要視するのは記事違いだろ。 -- 名無しさん (2015-07-09 11:54:03)
- じょしらくについて削除しました。 -- 名無しさん (2015-10-02 21:49:13)
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