プラモデル

ページ名:プラモデル

登録日:2011/07/16 Sat 10:09:57
更新日:2023/11/02 Thu 12:53:14NEW!
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模型 趣味 愛に溢れた項目 ガンプラ ミニ四駆 懐かしい プラモデル モデラー 戦車 戦艦 戦闘機 飛行機 接着剤 妹…だと… 天敵は地震 から まで 全ての起源 金のかかる趣味 ニッパー



プラモデルとは、プラスチック製の組み立て式キットのことを指す。
誕生したのは1936年のイギリスで、それ以前から存在した木や金属などを素材とする同種の模型は「ソリッドモデル」という分類がなされている。



概要

プラモデルとは、読んで字のごとくプラスチック製の組立式模型である。自動車やバイクなどの乗り物、戦車や戦闘機、戦艦などの兵器、戦国時代の城のような建造物、アニメや漫画に搭乗するロボット、果ては美少女など、千差万別様々なものが存在する。


パーツはバラバラの状態で「ランナー」という枠についた姿で射出成形されており、モデラー自らが切り離して組み立てていくものが一般的。このような形式のプラモデルは「インジェクションキット」とも呼ばれる。
他に、プラ板を真空成形でパーツの形にした「バキュームフォームキット」や、プラ板をレーザーカットでパーツの形に切り出したキット、3Dプリンターで成形されたキット、セットになったプラ材料を自分で加工してパーツにするキットなども存在するが、いわゆるプラモデルとは別枠の存在として扱われることも多い。


素材となるプラスチックの主な種類はポリスチレン(PS)。近年ではキャラクターものを中心に、一部パーツにABSやポリエチレン(PE)などが使われることも多い。


近年のキャラクターものでは、パーツを別々の色で細かく分割・成形することで、塗装をせずともパッケージ通りの配色を再現できる「半完成品の自分で作るアクションフィギュアトイ」のような形式が多い。
組み立てる側にとって都合が良かったのか、近年では非キャラクター製品(カーモデルなど)でも色分け・塗装済みの製品が現れつつある。


とはいえ、乗り物や兵器などの非キャラクター製品ではいまだ単色成形が主流。
カーモデルなどではパッケージのような美麗な完成品を求めて購入するも、いざ箱を開けたら単一色で成形されたパーツ類が出てくることはザラ。形があるだけで満足ならともかく、こうした形でガッカリしたり途方に暮れた方も多いのではないだろうか。


広義には「個人で組み立てるプラスチックキット」は全てプラモデルといえる。
但し「プラモデル」という名称自体は「日本プラモデル工業協同組合」が商標登録している和製英語なので、海外のメーカーやこの組合に加盟していない日本の模型メーカーは別名称を使っている(「プラスチックモデルキット」など)。たまに無視されているけど。


日本では静岡県にプラモデルメーカーが集中しており、静岡市は「模型の世界首都」を名乗っている。昭和の昔は東京都との二極集中状態だったのだが、当時の東京のメーカーで2022年現在も現役なのは童友社くらい。


昭和の黄金時代から幾星霜、長き冬の時代を乗り越え、2010年代頃から沸き上がった第三次ミニ四駆ブーム、2020年代に入ってからのコロナ禍の中で家で出来る趣味というのもあって再到来したガンプラブームなど、近年は再び勢いを盛り返しつつある。
量販店のプラモコーナーは、かつて潤沢な在庫があったガンプラや美少女プラモデルなどを中心に歯抜け状態と化し、ものによっては予約ですら困難な場合もある。
スケールモデルの棚はほぼ無風状態だが。もっと流行ってほしい。



【概略】

国産プラモデルの第一号はマルサン商店が1958年に発売した「1/300 原子力潜水艦ノーチラス号」とされることが多い。
但し、日本プラスチックが1956年に発売を予告した、1/50スケールの飛行機2種類が第一号だとする異説もある。


誕生から既に50年以上が経過したプラモデルのメーカーは、各々が得意ジャンルを持っている。
大まかにはジャンルごとに棲み分けているが、他ジャンルのプラモデルを作っていたメーカーが新たにロボットや美少女に参入するなど、流動することも少なくない。
そのジャンルは以下のように色々。


  • 飛行機(旅客機戦闘機など)
  • バイク
  • 艦船
  • 陸戦兵器(戦車や装甲車など)
  • ロボット
  • ガンダムシリーズ(通称「ガンプラ」。厳密にはロボットの一部だが、もはや独立ジャンルと化している)
  • SFメカ(ロボット以外の空中戦艦宇宙戦艦、架空戦車・戦闘機など)
  • 美少女
  • 建造物(城やランドマークなど有名な建造物、鉄道模型用の情景など)
  • フィギュア(兵士やモンスターなど)

また題材が実在のものなら「''スケールモデル」、架空のものなら「キャラクターモデル''」と呼んで区別することもある。
例えばガンプラはキャラクターモデルの一種となる。


ロボットなどのキャラクターモデルは「誰でも一定の出来を得ることができる」ことが重視される傾向にある。パーツのダボ穴にピンを差し込んで組み合わせる「スナップフィット方式」が主流であり、基本的には接着剤が不要。しかしジャンルによってはそれも当てはまらず、作り手自身によって塗装や接着組み立てを施さなくてはならないものも多い。


先にあげたジャンルの他にも、とにかく多種多様なプラモデルが存在する。生物や食品などのどこに需要があるのか想像しにくいようなマイナーなキットも存在する。


近年ではキャラ物のアクションフィギュアや美少女プラモデルの興隆に伴い、「ゲーム機」「ロッカー」「学校の椅子と机」など、フィギュアと合わせる目的の小物プラモも登場している。
食玩やカプセルトイの商品など、意外な所で珍しい題材のプラモデル玩具が顔を見せることもある。


鉄道に関しては、純粋な「プラモデル」こそ少ないものの、動力走行を前提とした鉄道模型(NゲージHOゲージ等)の中には、車体をプラモデルのように組み立てる物がかなりの数存在する。鉄道模型のレイアウトに組み込む建物などの情景(ストラクチャー)のプラキットも数多く、西欧にはそれを専門とするメーカーも存在する。
モデルガンやRCカー、建築模型用の情景部品やドールといった他の模型ジャンルにおいても、プラキット形式を採用した「プラモデルとの接点」と言える品は存在する。
また、タミヤやウェーブといったプラモデルとツール双方を手がけているメーカーの場合、ツールもプラモデルとして組み立てる形式にしてしまうことがある。


その他、ビーダマンベイブレードカブトボーグクラッシュギアのような対戦型のホビーでも、プラパーツをランナーから切り離して組み立てるプラモデル方式の仕様を採用している場合がある。
また、モーターや各種電池などの機能を学べるような科学教材にもプラモデルのような形式のものは少なくない。中には小学校中~高学年の理科の授業のために作られたものもある。



【モデラー】

プラモデルの組み立てを趣味としている人をモデラー、それを生業としている人をプロモデラーと呼ぶ。


説明書通りに組み立てるだけの「素組み*1」を楽しむ人々もいる反面、趣味が高じ、様々なツールを用いてパッケージと同等、もしくはそれ以上の仕上がりを求める人々も多い。


完成度の高いものとなると非常に時間と手間が掛かる。


基本的な作り方の流れは


1. ランナーと呼ばれる枠からパーツを切り離す。
2. パーツ同士の接着、もしくははめ込み。
3. 組み上げたパーツの最終的な合体。
4. 塗装とその為の下地作りの成形処置。


しっかり作り込もうとすると手間がかかる。ハッキリ言って面倒である。


だが、プラモデルを趣味とする人種は数々の手間を乗り越えた先に待つ完成した姿を見ることが最高の楽しみである。現在行っている作業によって己の求める作品に近づくことができると信じるからこそ、ちまちまと地味な作業を続けることができる。
モデラーとは一種のマゾヒストといえるかもしれない。


知識や技術を応用することで市販フィギュアやトイの修繕や改修もできる(壊してしまったら自己責任)。


ホビー雑誌などに掲載されている完成品は、単なる『好き』に留まらず愛して止まない方々によって作られている。
一目見て頂ければ「並の物ではないな」と感じられる。


モデラー達は可愛い可愛いキットちゃんを誰よりも美しく仕上げんと、嬉々として作業にのめり込む


例えばパーツを切り離した時に生まれる『ゲート跡』段差
ミリ単位のパーツにまで綺麗に整形するために使う紙ヤスリから出る削りカスはお世辞にも体に良いとは言えず作業場を汚す。
気に入らなければパーツそのものを自作することもある。
この時用いるパテなどの削りカスもまた同様に害であるし、塗装も健康にいいとは言えないし、大規模な工作作業は怪我のリスクを格段にあげる。


しかし彼等は寝る間を惜しんで、いろんな意味で毒性のある作業にあたるのだ。


もちろん時間はあっという間に削れていくだろうが、こだわってひたすら表面処理を行ったパーツの接着や塗装作業に用いる有機溶剤の有毒性などなんのその。


キットそのままでは自分の思い描く完成品にならない、となれば、サードパーティ(元キットを出しているのとは別のメーカー)が手がけたディティールアップ用などのアフターパーツを買い揃える、はては同じモデルを製品化した2社のキットをニコイチにするなんて例もある。


それでお財布からはキット本体以上のお金が消えていく。


極まりきった一握りのモデラーに至っては、ガレージキットの延長線上として自ら金型を作り起こし、一から自分だけのプラモデルを作り上げる、という域に達することすらある。
同人サークルとして活動するか、あるいは模型メーカーとして起業するかはそれぞれだが、そこまで行った人間が揃って伝説クラスであることは疑い無い。




……我々は、プラモデルが好きで好きで仕方なく、それゆえにプラスチックの隷属となるのである。


いや、違う。


我々は『お兄ちゃん』なのだ。


一人ではまだ服をうまく脱げない妹。一人ではまだ髪の毛を洗えない妹。一人ではまだ寝るときも一緒でないと不安になっちゃう妹。


我々は可愛い可愛い妹のために頑張っているのだ。
何一つ苦ではない。それどころか……。




【プラモデルメーカー】

世界各国にプラモデルを開発・製造するメーカーは存在している。
1940~50年代の黎明期からプラモデル産業が活発だった西欧、北米、日本や、1990年代頃から躍進が著しい中国や東欧などにはプラモデルメーカーが特に多い。
一方で南米には数えるほどしかなく、アフリカに至っては一切のプラモデルメーカーが存在しない。


スケールモデルのメーカーは世界中に普遍的に存在している一方で、日本を中心に普及しているガンプラのようなアクションフィギュア的なキャラクターモデルや、欧米を中心にファンの多いウォーハンマーシリーズのような「ミニチュアゲームの駒としてのプラモデル」など、地域ごとに発展したローカルなジャンルを手がけるメーカーもある。


一口にメーカーと言っても、必要な作業すべてを自社で賄うメーカーから、企画設計販売などは行うが実際の金型の製作は外注するメーカー、他のメーカーが作った製品の金型を引き継いで使うメーカー、メーカーとは名ばかりで他社からのOEM品の販売をメインとしているメーカーなど、製品開発において担う作業の割合は様々。
また、プラモデルメーカーから依頼を受けて金型製作を請け負う「金型屋」と呼ばれる企業もある。プラモデル開発における縁の下の力持ちだが、基本的には表に名前は出ず「プラモデルメーカー」とは別枠扱いされている*2


そして、多くのメーカーが変態企業である。


各メーカーの詳細は「プラモデルメーカーの一覧」を参照。


【工具メーカー】

プラモデルも手がけているメーカー(タミヤ等)に関しては、上記「プラモデルメーカーの一覧」の方に掲載されているのでそちらを参照。


・GSIクレオス

模型に限らず自然繊維・化学繊維を中心に取り扱う大手素材メーカー。模型分野では「Mr.HOBBY」というブランドを用いている。旧名グンゼ産業。
1973年から模型業界でメーカーとして活動している古参で、工具・マテリアルといえばタミヤかここ。特に塗料に関しては最大手で、自社で塗料を出しているタミヤとボークス以外のメーカーのプラモデルはここの塗料を指定することが多い。
ガンダムマーカーやガンダムカラーを出してるのもここ。
また、海外キットの輸入代理店も務めている他、過去にはスケールモデルを中心にプラモデルも自前で開発していた。


・ガイアノーツ

前述クレオスに次ぐ素材メーカー。2004年設立。
隠蔽力と速乾性に優れるラッカー系塗料「ガイアカラー」が有名で、キットによってはクレオス製塗料と色指定が併記してある場合がある。
人気モデラー監修カラーや、エヴァボトムズなどの機体色をイメージしたカラー、コトブキヤ製キット対応カラーなど、他ではなかなか見られない色の塗料が豊富なのが特徴。


・ゴッドハンド

新潟県の工具メーカー。2010年創業。
高価だが最高峰の切れ味を誇る「アルティメットニッパー」とその擬人化キャラクター「ニパ子」で知られる。
スポンジヤスリ「神ヤス」など、細かいところに手が届くアイテムも多い。中でもアルティメットニッパーは高い人気を誇り、再販されるたびに争奪戦が起こる。
ニパ子は2013年の誕生から長らくゴッドハンドの看板娘として愛されてきたが、2020年8月31日に活動を終了。以降はフリー版権のキャラクターとなっている。


・HIQ PARTS(ハイキューパーツ)

工具やパーツを取り扱うメーカー。2007年創業。
ヤスリやスジボリ用工具、塗装用具などのツール系も取り扱っているが、それ以上にオリジナルデザインのデカールが強い。
国内外のデカール専門メーカーの多くが「◯◯軍の××隊仕様」などを厳密に再現するためのスケールモデル用のデカールを手がけているのに対し、こちらは数字やアルファベット、コーションマークやオリジナルロゴといった、様々なキャラクターモデルに使える汎用性の高いものを送り出している。
攻めたところだと、美少女プラモデルの改造に用いる「にうりんデカール」なるものも。
また、メタル製のディテールアップパーツなども手がけている。


【プラモデルの主な構成】

実際にプラモデルを作っている人には当たり前の話ではあるが、プラモデルに一切触れたことのない人のためにプラモデルの主な構成について説明しよう。


・パーツ・ランナー

文字通りプラモデルを構成する1つ1つの部品。
プラスチックの樹脂を金型から射出成型することで製造される。


プラモデルはバラバラのパーツの状態でランナーと呼ばれる枠部分に繋がれている*3。ランナーから切り離したパーツを組み合わせ、形にしていくというのがプラモデルの基本形である。
プラモデル誕生当初はランナーから切り離し済みのパーツが箱に収められていたが、その後間もなくランナーについたままのプラモデルが一般化した。この時点のランナーには「パーツを繋ぎ止める棒」としての機能しか無かったが、続いてパーツを保護する外枠部分が追加されるようになり、今日までその形式が続いている。


パーツをランナーから切り出すのにはそれなりの道具が求められ、主に模型用のニッパーが用いられる。爪切りやハサミでも切れないことはないが、使い勝手が悪かったり、刃を痛めることになってしまうため推奨されない。
手でもぎ取るのもできないことはないが、パーツにゲート跡がバリとして残りやすい。見た目が非常に悪くなったりパーツ同士がうまくはめられないという状況が多発する。さらに小さなパーツが破損してしまう原因となる。そのため後述のタッチゲート以外のキットでは言語道断の方法である。
近年ではタッチゲートと呼ばれる、ゲートとパーツの繋ぎ目を極細にすることで手だけで問題なく取り外せるようにしたキットも存在する。主に低年齢層向けのキットに採用される方式であり、ガンプラではエントリーグレードの製品に見られる。
また、海外メーカーの低年齢層向けプラモデルなどには、ランナーからパーツを切り離し終わった状態で販売しているものも散見される。


パーツは接着剤を利用して組む必要がある。但し、近年ではパーツ同士をはめ込むだけでくっつくスナップフィット式のキットが広まっており、接着剤不要を実現している物も珍しくない。
材質は基本的にポリスチレン(PS)が主流であるが、ABS樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)などのパーツも存在し、素材によって必要な接着剤や塗料・塗装方法が変わる。
一応ポリスチレンが圧倒的な割合を占めているので、多くの場合はプラモデル用と明記されているものを使えば問題はない。
但し、PS用のマテリアルをそのままABSやPE製のパーツに使うと効果を発揮しなかったり、化学的に変質・破損してしまうこともあるので注意が必要。


基本的にはプラスチックの単色で、より作例や箱絵に近づけるには模型用の塗料で塗装する必要がある。塗装済みだったり、成形色ごとにランナーを分割してそのまま組んでも塗装したように色分けされる多色成形のキットなども存在する。
上述のスナップフィットと合わせて、ニッパーで切り出すだけだったり、物によってはタッチゲート方式でニッパーすら不要のイージーキットも増えており、技術の進歩は続いている。


また、ランナーを火で炙って伸ばしてプラ棒などの代わりに用いる「伸ばしランナー」や、ランナーを接着剤で溶かしてパテ代わりにする「ランナーパテ」など、モデラー側もランナーを活用した様々な技法を生み出している。


切り出し終わったランナーはゴミとなるが、模型店やメーカーによっては再利用のため回収を行っている所もある。特にバンダイスピリッツはリサイクル事業に力を入れており、回収した廃ランナーを材料として再びキットに再利用したエコプラも販売されている。


・クリアパーツ・ゴムパーツ

ガラス窓や飛行機のキャノピーなど、透明感が必須の部分にはクリアパーツが用いられることがある。但し、クリアパーツはプラモデル用接着剤のはみ出しが目立ちやすく、瞬間接着剤を使うと素材と反応して「白い曇り」がパーツに浮かんでしてしまうため注意が必要。
それらの難点を解消したクリアパーツ向けの接着剤もセメダインが開発していたりする。


また、カーモデルのタイヤや戦車の履帯などにはゴム製のパーツが使われることもあるが、プラではない材質ゆえに劣化が進むと状態が悪くなり、カチカチになったり千切れたりして使用できなくなることもある。製造から暫く経った古いキットを購入する際には注意。
他にも、関節やターレットなどの駆動可能な部分にPE製のキャップ「ポリキャップ」が使われる場合があり、ガンプラなどロボットやフィギュア系のキットでは特に多用されている。


・説明書

プラモデルを作る上で必要不可欠なのが説明書。
バラバラの状態のパーツを正しい手順で組み合わせるために存在する。


プラモデル自体はいわば「立体的なパズル」のような製品であり、よほどシンプルな構成でなければ、それを説明書無しで初見で組み立てるのは熟練モデラーでも難しい。まず、箱を開けたら熟読したい重要箇所である。説明書には塗装指示も併せて記載されることも多く、より箱絵に近づけたい場合には参照が必須となる。


海外での販売を見越して、多言語で書かれている説明書もあり、日本国外のメーカーでも日本語で説明が記載されている物もあったりする。また、言語を使わずピクトグラムで指示を表記して、どの国の人でも理解できるようにしている説明書もある。
一方で、零細メーカーのキットでは説明書が図無し文字のみなこともあり、舶来品の場合は辞書や翻訳サイトとにらめっこすることになる場合も。
説明書の入っていないキットもあるが、その場合はキットの箱に記載されている事が多い。説明書を紛失した場合に備えて、プラモデルメーカーの公式HPに説明書がPDFや画像形式で載っている事もある。


パーツを紛失した際の取り寄せの際も、説明書の注文票を切り取って使うことが多い。パーツごとに注文できるメーカーもあれば、ランナー単位の注文しか受け付けていないメーカーもある。同じキットをもう1個買った方が安上がりで早いケースもあるけど。
注文に際しては、現在ではマイナーになった定額小為替が未だ現役であり、学生や社会人モデラーを非常に悩ませている。バンダイスピリッツなどインターネットで申し込みが可能なメーカーも増えてきているが、この敷居の高さはパーツ取り目的で大量に買い占められることへの抑止にもなっているため、一概には悪とはいえない。


また、プラモ自体が作品のグッズとして機能しているケースもある。製品に対して熱の入ったメーカーなどは、説明書に詳細な解説やイラスト、写真を多用することもあり、説明書自体が読み物として楽しめるという嬉しいキットもあったりする。
さらに気合いが入ったメーカーだと、説明書とは別に解説書が付属していることもある。


・エッチングパーツ

金属製のディティールアップパーツ。プラスチックで表現できない細かなモールドやパーツを、可能な限り精密に再現するために用いられる。
それ自体はキットとは別に販売されていることが多いが、高級なキットではあらかじめキットに同梱されていることもある。また、メーカー純正品の他に、社外メーカーから「〇〇社のキットに対応」と謳った品が発売されるケースも多く、それを専業とするメーカーもある。
なお、対応する社外エッチングパーツをすべて購入するとキット本体の倍以上の価格になることもザラである。艦船模型では特に顕著。
真鍮やステンレスなどの金属板を加工して製造されるため、造形は平面的になるのが基本だが、ペーパークラフトのように折り曲げ組み立てることで立体を再現できるものも多い。


「プラモデル用ニッパーではゲートを切断できない」「塗装するにはプライマーで下地を塗装する必要がある」「接着も瞬間接着剤などが必要」「接着面が小さいものが多く接着そのものが困難」と、取り扱いの難易度は高く手間を要求されるが、キットに取りつけることで細部を緻密に表現したより細かな仕上がりを実現できることから、中級~上級モデラーに好まれる。


また、同じくディテールアップのためにホワイトメタルやレジン製のパーツを組み込む必要があるキットや、重量感を演出するためにダイキャストパーツを使用するキット、飾る時にバランスを取るために中に重りを入れるキットなどもある。


・デカール・シール

塗装では再現できない細かい模様や文字、マークなどはデカールやシールなどで再現される。
多くの場合はキットに同梱されている。また、特定の機体やバージョンを再現するためにプラモに貼るデカールやシールが別売り販売されていたり、最近ではプリンターで好きなデザインを出力できる無地のデカールなどもあったりと、キットの表現の幅を広げる選択肢をもたらしてくれるアフターパーツ的な商品も多い。


特に、低年齢層向けのキットにはシールが同梱されることが多く、そのまま台紙から剥がして貼るだけで済む。
ホイルシールや紙シールが一般的な他、デカールに近い質感のテトロンシールを採用したキットもある。
一方でシールを多用すると剥がれや浮き、厚みの問題で仕上がりがちゃちく見えてしまうことから、モデラーからは嫌われがちなマテリアルでもある。そのため、「どれだけシールを使わずに色分け再現できているか」がキャラクターキットの評価基準の一つにもなっている。


デカールはシールよりも薄いものが多く、自然にマーキングを再現できるメリットがある。
一方で、裏面についた糊でキットに貼り付けるという点ではデカールもシールと同様と言えるが、貼り付け方のコツやテクニックがあるためシールよりも難易度は高く、慣れない内は注意が必要。皺が出来たり、デカールが破れたり、そもそも経年劣化で使えなくなることがあったりと困難は多い。


台紙をぬるま湯に浸して、浮かんできた薄いマークを麺棒などでパーツの上に移動させて貼り付ける「水転写式デカール」が一般的。スケールモデルではこの形式が主流となっている。
その他、シートをパーツに押し付けた上で擦り付けて図柄をパーツに転写する「ドライデカール」という形式もあり、一部のガンプラで採用されている他、鉄道模型でも「インレタ」という名前で多用されている。


また、あらかじめ模様などがタンポ印刷されているケースも、美少女プラモデルのフェイスパーツなどでしばしば見られる。


・動力ギミック

文字通り、なんらかの動力でもって作動するギミックを構成するパーツたち。
モーターやゼンマイ、輪ゴムやバネなどの動力源、ギアや金属シャフトといった動力伝達機構、導線やターミナルのような電気の導体、電飾用のムギ球やLEDなど、その種別は様々。金属をはじめプラ以外のパーツも多い。


若年層向けのホビーとしての色が強かった1960年代頃のプラモデルでは、単にタイヤやスクリューを回したりBB弾を発射したりするだけのものから、定められた複雑な動作を自動的に繰り返すようなものまで、趣向を凝らした様々なギミックが盛り込まれていた。
その後、スケールモデルではギミックを最低限に抑えたディスプレイモデルが主となったり、キャラクターモデルでは関節の可動範囲が重視されるようになったりと、動力付きのプラモデルは淘汰される傾向が強まった。


しかし、ミニ四駆ゾイドのような今日まで続く一大シリーズもいまだ存在する。その他、ハイエンドなガンプラに改めて駆動・電飾ギミックが盛り込まれるようになったり、科学工作として動力ギミックに主眼を置いたプラキットがひとつのジャンルを確立していたりと、2023年現在でも消え去ったわけではない。



なお、過去の動力付きキットが再販されることもあるが、そ5際は動力ギミックがオミットされてしまうことも多い。
専用設計の金属部品などを用いていた場合、そこの再生産ができないことがありうるためである。複雑なギミックを採用していたキットほどこの傾向は強まる。


・箱

プラモデルのランナーや説明書などを入れる外箱。多くのモデラーが大なり小なり部屋に積むことになるであろう存在。
箱本体と蓋が分かれた「フタミ式」か、箱の側面が蓋として機能する「キャラメル箱」が使われるケースが多い。キャラメル箱は積んでいると潰れがち。


購買意欲を高めるために、多くの場合は美麗、勇壮、あるいは可憐なイラストが描かれている。メーカーも箱絵に趣向を凝らしていることも多く、それ自体が「ボックスアート」という一つの芸術ジャンルとして昇華している。有名なイラストレーターだとそれ専門で画集が出るほど。物によっては処分をしてしまうのが惜しくなるような素晴らしい箱絵もあったりする。
また、長年にわたって展開されているシリーズだと箱絵にも時代ごとの個性が強く現れるため、それを見比べてみるのも一興。
タミヤのミリタリーミニチュアシリーズやバンダイのベストメカコレクション(ファーストガンダムの旧キット)など、有名なシリーズの場合はボックスアートをパロディしたイラストが各所で描かれていることも。


こうしたボックスアートは1960年代以降「箱に商品以外のものが描かれているのはおかしい」という無粋で無益な横槍クレームが入るようになり、欧米では「玩具の箱には実際の製品写真を載せるべし」という法律が制定されたこともあり一時姿を消した。
モデラーならば誰もが一度は見たことがあるだろう、白をバックに戦車や自動車のイラストを載せるタミヤのスタイルも、実はこの規制が普及に影響を与えていたりする。
最近はこの規制も緩まりつつあり、欧米でも再びボックスアートがプラモデルの箱を飾るようになった。中には、かつて写真箱で送り出されたキットに改めてボックスアートが用意されたケースもある。
一方で、箱絵と同じくらい魅力的なジオラマの作例写真が箱を飾っているケースもある。


また、組み終わった後にも箱自体を再利用できるものもある。例えば、完成品を収納するボックスとして活用できたり、箱を切り抜くことで飾り台や細かいアクセサリーなどのペーパークラフトを作れるように工夫されたキットもある。


「箱だけリニューアルされたが中のキットは(デカールなどを除き)そのまま」というケースもある。中から出てきたキットが箱の見た目に反して古めかしい、あるいは過去に組んだことがある、という経験をするモデラーも少なくない。


店頭に並んでいるキットの箱は、万引きやパーツの紛失防止のため多くの販売店ではシールやテープ、バンドで止められている。ただし、一部の専門店や個人経営店などでは箱を開けて買う前に中身を確かめられるケースがある。実際にやるのであれば、中身を見るのがOKか事前に店員さんに聞いてみよう。


箱以外では、ビニール袋に入れて販売されるキットも存在する。低価格帯のプラモデルや、ランナー1枚だけの小さなプラモデル(主にアフターパーツ)など、アウトレット品などで採用されることが多い。
余談だが、エントリーグレードの1/144ガンダムでは接着剤・ニッパー・塗装不要という仕様を逆手に取り「袋を未開封のままで組み立てる」というチャレンジが流行った事がある。


【主に使われる道具】

プラモデルを丁寧に作るならば道具はなるだけ質の良いものを選んだほうが良い。
蛇足感は否めないが、ここではキット製作に役立つツールを列挙していく。
ちなみに、これら道具は模型店や家電量販店、ホームセンターでよく販売されている。100円ショップにもあるが、質のいい商品は少ない。


・接着剤

タミヤやクレオス、セメダインなど、様々なメーカーから出ている。「セメント」とも呼ばれる。
黎明期から初期にかけてのプラモデルはキットに少量の接着剤*4が同梱されていたが、現在は別売りが基本。


基本的には「プラモデル用」として売られている物が望ましい。
これは接着面のプラスチックを溶かし、溶接に近い方法でパーツをくっつける仕組みで、瞬間接着剤などに比べて強度に優れる。
塗布して使うタイプもあれば、パーツの隙間や穴などにスッと入り込む流し込みタイプもある。前者は接着面が広いパーツや広範囲に接着したい時、後者は細かいパーツや狭い範囲の接着に役立つ。
また、パッケージングも瞬間接着剤のようなチューブ入りのものもあれば、ビンのフタにハケがついたものもある。
プラスチックを溶かして接着する性質上、塗装した後のパーツは接着することはできず、場合によっては塗膜を溶かしてしまうこともあるので注意が必要。


接着剤を使わないスナップキットを組み立てる場合でも、破損したパーツを修繕したりパーツの間の合わせ目を消したりするのに活用できるため、手元に用意しておいて損はない。


また、プラスチックを溶かすという性質を利用して、ランナーなどを溶かしてパテ代わりに使用する「プラパテ」という技法もある。
意外な所では、食パンの袋を留めるM字型のアレの中にも、この接着材が効くものがあったりする。


普通のプラモ用接着剤では歯が立たないABSには専用の接着剤を使う必要がある他、有機溶剤の悪臭の代わりに柑橘系の香りがするリモネン系接着剤などもある。これらの接着力は通常のプラモデル用接着剤と比べると弱い。


エッチングパーツやレジン、ホワイトメタルといったプラ以外のパーツを接着する時や、塗装後のパーツを接着する必要がある時などは瞬着やエポキシ系接着剤、ゴム系接着剤の出番となる。
硬化後に削りやすい高切削性のものや、通常のプラモデル用接着剤や瞬着では接着できないPEパーツを接着可能なものなど、プラモデル用として開発された瞬着もウェーブやセメダインが手がけている。
接着のほか、磨り減った関節軸を太らせてテンションを調節したり、パーツの隙間を埋めたりする用途に使われることも。


その他特殊な接着剤としては、クリアパーツの接着などに適した、接着力の低さ・硬化時間の長さと引き換えにプラに影響を与えない「セメダイン ハイグレード模型用」や、貼って剥がせる仮組み用接着剤などもある。


これら接着剤に使われる溶剤は揮発性が高く有毒なのでちゃんと換気して使おう


・ニッパー

パーツをランナーから切り離すための刃物。ペンチに似たX字の形をしている。


安物ニッパーではなく、ここではちゃんとした質のよい薄刃のプラモ用ニッパーを持つのが望ましい。
よいものを使えばゲートの跡をほとんど残さずキレイに切り出すことができる。
平刃ニッパーと呼ばれるタイプのだと、ゲートをギリギリの距離で切りやすい。


当然ながらプラスチック以外の物を切るのは厳禁。どんな高級品もあっという間にダメになってしまう。
上述のアルティメットニッパーに至っては、非常に優れた切れ味を誇る半面あまりにも刃が薄すぎることから「非透明パーツのゲート以外切断禁止」となっている*5
実際、メーカー自ら「他の物を切って刃が壊れてしまう動画」を公開している程。


最近では100円ショップでも取り扱うようになったが、切れ味が悪過ぎて論外である。
「プラモデルの制作に最適です!!」などという謳い文句で販売されている物もあるが……全然最適じゃねえ。安くても1,000円程のものを使おう。
切り出し終わったランナー枠を裁断する用途なら100円ショップのニッパーも使えなくはないが……。


無論、電気工事や針金細工用のニッパーだの爪切りだのを使うのは論外である。
これらは平刃ではないので、どうしてもゲートの近くを切りにくいのが難点。
どうしてもという場合はゲートではなく「ランナーの一部も含めて」切り離した上で、デザインナイフ(後述)などで改めてゲート部分を削り落とすという手も無くはないが、手間もかかるし、作業途中でゲートが折れる危険もある。やはりきちんとしたニッパーを用意しよう。


パーツの白化を最小限にするためにゲートをワザと少し残してパーツを切り離し、切れ味に優れたニッパーで残ったゲートをカットするテクニックもある。『どうせ塗装するから』『面倒くさいから』という向きには特にお勧めはしないが。


・デザインナイフ

カッターナイフの刃の角度と切れ味を更にシャープにした刃物。他の分野ではアートナイフとも呼ばれている。
パーツのバリを削ぎ取ったり、加工したりする時に使われる。


専門のメーカーとしてはオルファのものが有名で取り扱いも多い(反面、NT製品の熱心なファンも存在する)。
タミヤからOEM販売されているモデラーズナイフは柄のデザイン上転がりにくい上、大量の替え刃が付属しているのでオススメ。


様々な作業に使えるが、鋭い分、怪我のリスクも高い。扱いには注意を。また、切れ味が落ちたと感じたら早めに交換する方がむしろ安全。
100円ショップでも容易に入手可能。


・サンドペーパー

俗にいうペーパー。紙ヤスリや布ヤスリのこと。耐水性のあるものは耐水ペーパーと呼ばれる。
これを使ってゲート跡などを処理する。


目の粗さは番号が低いほど荒く、大きいほど細かくなる。基本は消耗品である。
基本的にプラスチック模型に使われるものは240番から2000番までだが、通常の組み立て作業の中で使われるのは400~1000番といった所である。320番以下は簡易インジェクションなど精度に問題があるパーツの整形に、2000番以上はクリアパーツや光沢塗装での研ぎ出しに使う。


塗装下地としては研磨はほどほどにしておかないと塗膜の定着性が悪くなるので、やりすぎは逆効果になることに留意(メタリック系は別)。
値段は100円ちょっとなので数を揃えてもそこまで重くはない。


平面に使う場合は当て木も用意しよう。なお、場面によっては棒ヤスリやスポンジヤスリなどを使い分けた方が良いこともあり、これらも模型用のものが各種市販されている。


・ピンバイス

手動で数ミリ径の小さな穴を開けることができる工具。
ドリル刃を先端に付け外しできる棒状の柄で、ドリル刃を交換することで開ける穴のサイズをある程度調節できる。但し、あまり太いドリルは付けられない。


ガンプラなどのキャラクターモデルの場合は、改造などに手をつけない限りなかなか出番はない。一方でスケールモデルの場合は、兵装搭載の有無やバリエーションなどを再現するため「ここは自分でダボ穴を開けるように」という組み立て指示がよくあったりする。


また、真鍮線や接着剤と組み合わせれば、破損したパーツなどを強固に接着する「軸打ち」という技を使うこともできる。


・塗料

プラモデルに色を付けるための模型用塗料。見栄えを良くするために色々とお世話になる。
素組みの状態だとプラスチック特有の質感がモロに出て安っぽくなってしまう。設定と同じカラーリングであっても塗装を行うと見た目の印象が大きく変わり迫力が増す。
パーツ色分けできていない箇所の部分塗装、あるいは自分好みの機体カラーに丸ごと変えるなど塗装の幅は広い。


特にスケールモデルなど、キット自体が色分けされていない物にはほぼ必須。
自分好みに塗装出来るのはとても楽しい。
しかし揮発性の溶剤を使う塗料が多く、閉め切った室内で塗装を行うと中毒を起こす可能性があるので換気はしっかりと!
塗装(プラモデル)」の記事にも詳しい解説がある。


一般的なのはタミヤ、GSIクレオス(旧グンゼ)やガイアノーツ、フィニッシャーズ、ガンダムマーカーなど。
大きく分けてラッカー系・水性アクリル系・エナメル系がある。*6ラッカー→水性アクリル→エナメルの重ね塗り順番を守らないと下の色と混ざってぐちゃぐちゃになる。


また、ABS素材のパーツにラッカー系・エナメル系塗料を直接塗るとケミカルクラック*7を発生させパーツが破損するおそれがある。逆にポリエチレンやポリプロピレンには塗料が食いつきにくい。これらの塗料を使う際には説明書を読んで何の素材が使われるか確認するのが安全だろう。


ファレホやシタデルカラーといった最近人気の海外製水性アクリル塗料は、塗膜下を侵食しないためABSパーツにもそのまま塗れる。但し、やや高額だったり販路が限定されていたりといった難点も……。


なお、GSIクレオス販売のアクリジョンという新顔もある。塗膜強い、毒性低いと一見いいことずくめだが、エアブラシが詰まりやすい、
乾燥が早すぎて筆ムラが出やすい、など扱いに癖が強すぎる難点がある。今後の改良に期待しよう。


・エアブラシ

精密な塗装作業で使われる道具。
送り出した空気によって霧状にした塗料を吹き付けて塗装を行う。
手に持つ部分であるハンドピースと空気を出すためのコンプレッサーによって構成される。


缶スプレーと違い、自ら調色した色を吹いたりとユーザーの好みに合わせて塗装できる。
筆塗りに比べるとムラができにくい。グラデーション塗装などエアブラシならではの技法もある。


空気を噴射するパワーソースには、簡易ガスボンベを使うものから電動コンプレッサーを使うものまで千差万別。
価格もピンキリであり、安いものでは5000円代以内でコンプレッサーとブラシが一体化しているものから、エアブラシ本体だけで万単位の値段が付く物もある。
とはいえ模型製作を頻繁に行わないのであれば、缶スプレーで構わない。


使用には塗料と、それを薄めるシンナー、クリーナーなどちょこちょこ費用が掛かる。使用後もこまめなメンテナンスを必要とするため、手間もかかる。また広範囲に塗料と溶剤のミストが拡散するため屋内で使用するのであれば塗装ブースも必要。
その辺りがめんどくさいのであれば、ガンダムマーカーとガス缶を使う簡易エアブラシがあるのでそれを使うと吉。但しガンダムマーカーが塗料ソースとなるため、色が限定されるのが難点。


・マスキングテープ

塗装時に塗りたくない所まで塗料がはみ出さないよう、あらかじめ塗装箇所の周りを覆っておく(マスキング)為のテープ。
接着力がそれほど強くなくテープの糊残りもほぼ起こらないので、貼ったり剥がしたりの用途に適しており、パーツの仮止めなどでも使う機会がある。
また、塗装する場合には非常に使用頻度が高いので、手で千切れるようになっているという特徴もある。
派生品として、塗料のように塗って乾いても後から剥がせる「マスキングゾル」や、最初から枠の形にカットされているマスキングシート(飛行機の窓枠などを塗り分ける際に使う)もある。


・トップコート

表面仕上げ用のクリア塗料。
塗膜やデカールを保護し、キットの質感(艶消し・半光沢・光沢)を統一する効果がある。
特にデカールを貼った場合はほぼ必須。ただしラッカー系コートを吹きすぎるとデカールが溶ける恐れがあるので要注意。
また、艶消しコートを使えば未塗装キットでもさながら塗装したような仕上げにすることが出来るが、クリアパーツに吹くと曇ってしまうので、吹く前にマスキングテープなどで覆っておこう。


・根気

つまり、愛。
どこまで1つのパーツに、キットにこだわれるかである。




【製作について】

情報を得る手段に溢れた現代では書籍や動画、インターネットを活用することで幅広い知識を得られる。
実際に手を動かすのももちろん大切だが、あらかじめ色々と調べておくと失敗を減らせるだろう。


ただし度が過ぎると「何事も調べないと不安でできない」となって本末転倒である。あくまで程々に。


始めたての頃は特に技術力と時間が求められる。いきなりプロモデラーの作例のような高度なものを目指すのではなく、自分の腕と相談しよう。


説明書通りの素組み未塗装だって十二分に楽しい。もちろん慣れてきて興味が出てきたら塗装に挑戦するなど、少しずつステップアップするのもいいだろう。サクッと作る素組みにも、手をかけて完成度を高める作り方にもそれぞれの楽しみがある。


ゲート跡やパーティングラインの処理、合わせ目消し、表面処理、肉抜き埋め、塗装など、プラモデル作りで必要とされる工程は無数に存在する。しかし、もっとも重視すべきは自分自身の満足である。自分が満足できるならば素組みだって構わないし、納得できるまでどれほど作り込むのかは本人の自由。力量、時間、予算など自分の状況に合わせて好きなように楽しんでいこう。


それとインターネットの模型関連の掲示板は非常に荒れる。
元々、突き詰めればプラモデルなんていうのは自己満足の分野。
相手を無下にこき下ろしたり、掲示板を荒らす行為は絶対にやめて欲しい。
何が一番かは本人が決めること。それを他人がとやかく言う資格はない。


楽しく、平穏にモデラーライフを送りましょう。


あと、ここまで読んできた人にはお気づきと思うが、当然ながら製作時は火気厳禁である
実際、1998年には直木賞作家でタレントとしても活躍していた景山民夫氏が「タバコを吸いながらプラモデルを作成していた途中、シンナーに引火して死亡」という悲惨な事故も起きている。
塗装時は筆、エアブラシのいずれを用いるにせよ周りに火関係のものが無いか再度確認しよう。
加工段階で熱源を用いる作業(ヒートプレス等)を行う際も同様に気を付けたい。





追記・修正は積みプラを片付けてからお願いします。


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  • サルベージしてくれて本当にありがとう -- 名無しさん (2013-10-01 22:05:50)
  • 塗装派からすると成型色は下手に色分けされるより灰色のみとか白のみのがありがたい -- 名無しさん (2013-10-21 17:02:18)
  • ↑特にカーモデル!下手に赤とかやられるともう悲惨…。ボディ成型色白だけは譲れないな。 -- 名無しさん (2013-10-21 17:07:57)
  • 時折押し入れから聴こえる泣き声は積みプラたちの声だったのか。 -- 名無しさん (2013-11-12 21:23:07)
  • ↑怖すぎィ! -- 名無しさん (2014-02-20 02:23:49)
  • ふええ…(条件的に)追記修正できないよぉ… -- 名無しさん (2015-03-23 21:50:30)
  • ↑3今更だが、物理的に軋んでるんじゃね…?下から消化しようぜ -- 名無しさん (2015-10-24 15:38:43)
  • 大抵ガンプラの箱って上箱と下箱をテープでくっつけてないですよね?何でだと思いますか?僕は、カラーガイドが説明書にしかついてないからだと思うんですが、皆さんはどう思いますか? -- 名無しさん (2016-10-25 19:38:19)
  • ↑店によってはテープでこれでもかと言わんばかりにグルグル巻きに包装してる所もある。(主に家電量販店とか)しかし個人で経営してて、売り場が経営者の目に届く模型店などはまったく包装してなかったりする。多分、箱の中身を盗難される心配があるのかないかによるのでは。 -- 名無しさん (2016-12-04 14:35:12)
  • 海外のメーカーまでこの項目にのせようとすると泥沼になるのでこれだけに絞ったのは英断 -- 名無しさん (2016-12-04 15:11:57)
  • アオシマが美少女モデル業界に殴り込んでくるとは…しかもかわいい -- 名無しさん (2018-07-04 17:36:00)
  • フレームアームズ絡みの掲示板は荒れてる光景をほぼ見たことがない……といっても観測範囲はふたばと5ちゃんだけだが -- 名無しさん (2018-07-04 22:10:59)
  • ここ数年で充実しつつある美少女モノの走りになったのってやっぱりフレームアームズガール? -- 名無しさん (2020-04-26 22:50:54)
  • う~ん、ガキの頃さんざん大阪城やら姫路城やらの城郭モデルを組み立てまくった立場からすれば上記だけがメジャーだとは全然思わないんですがね。 -- 名無しさん (2020-04-27 00:10:56)
  • ↑そう、童友社も無視してはならんはずだ! -- 名無しさん (2020-08-18 11:55:43)
  • タミヤはミニ四駆が事実上のキャラクタープラモデルだな -- 名無しさん (2021-04-03 19:29:46)
  • いつか作るつもりで買いためていたら家族(特に鬼嫁)の断捨離の格好の標的になって悲憤慷慨するお父さん族は多いはず。もちろんその無念さは分かる。ただ、「あなたが作る時間も無いのに買いだめしているせいで、本当に作れる人が製品を入手できなくなる」ということは意識して欲しい(これって暴論なのかなあ)。 -- 名無しさん (2021-04-03 19:55:56)
  • ↑3童友社に金型が移る前、「ジュニア名城シリーズ」の大阪城の屋根瓦には黒っぽいプラが使用されていたのだが、最近のは現実の天守閣の銅製瓦の緑青を再現するためか、緑のプラを使用しているので違和感が…これだと大阪城よりは聚楽第に近いのでは? -- 名無しさん (2021-04-03 20:13:28)
  • ↑2無惨様曰く「お前たちは200年生きるつもりか?おまけに『ジオラマを作る』などとぬかして小物を大量に買いやがって」云々 -- 名無しさん (2021-04-03 20:30:56)
  • ゲート処理が中々うまくいかない。 -- 名無しさん (2022-03-23 19:20:08)
  • タミヤのキャラクター物はやらない発言のソースわかる人、追記して欲しい 調べても全く出てこない -- 名無しさん (2022-06-11 17:58:17)
  • タミヤのキャラもの発言について、ソースが見つけられなかったのでそれでも差し障りなさそうな表現に編集しました。 -- imijex (2022-09-11 18:26:05)
  • ↑6「今はサイズ合わないけどダイエットしたら着れるから」という理屈で買いためたヴィンテージ服をダイエットしないまま数年放置してたら…と置き換えると確かに同情心は薄れるな。未来の自分のモチベのために買うことは前向きで良いこととは思うし人生は計画通りに行くもんじゃないが、実現する目処が立たないまま買い足していくのはね。 -- 名無しさん (2022-09-12 06:40:45)
  • ブックオフとかのディスカウントショップでは店舗によっては組み立て済みのプラモも買取してくれるみたい -- 名無しさん (2022-09-12 10:42:29)
  • ゆっくり買えるならそうしたいんだけどな… -- 名無しさん (2022-10-24 04:39:48)
  • カーモデル(旧車)中心にやっている身からすると、最近の『プラモデル=ガンプラ』という認識は少々不満。 -- 名無し (2022-11-24 00:41:27)
  • 主な加筆者の自分が言うのもなんなのですが、肥大化してきたメーカー一覧の項目は独立記事化してしまったほうがよいでしょうか……? -- imijex (2022-11-25 13:36:32)
  • 項目が大きくなりすぎるので自分はいいと思う…現状読むのに65分なサイズですごく長くなってると思うし -- 名無しさん (2022-12-01 11:24:50)
  • 項目作成提案スレで分割提案をしてきました。問題がなければ1週間後に分割したいと思います。 -- imijex (2022-12-04 12:42:55)
  • メーカー関連を分割しました。 -- imijex (2022-12-11 19:08:10)

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*1 塗装までが素組み、組むだけがパチ組みという分類もある
*2 ただし、金型屋がプラモデルの自社開発に乗り出すケースも少なくない。
*3 ランナーとパーツを結ぶ小さな箇所はゲートと呼ばれる。
*4 ガラスアンプル、小袋、チューブなど、入れ物は時代やメーカーによって異なる。
*5 同じプラスチックであってもランナーの棒の部分もNG
*6 ウレタン系もあるが、溶剤の揮発ではなく化学反応で塗料が固まるため扱いが難しい。
*7 パーツの微細なヒビに溶剤が浸透することで生まれる亀裂のこと。関節部などパーツにストレスがかかる箇所で起こりやすい。

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