登録日:2012/10/18 Thu 21:51:37
更新日:2023/08/31 Thu 13:08:12NEW!
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韓国 軍事 兵器 ネタ ポンコツ 戦車 どうしてこうなった 戦車? k2
もしかして→K2(医療漫画)
K2は大韓民国がM48パットンなどの後継として開発し、2014年より実戦配備中の第3.5世代主力戦車である。
2022年6月末の時点で第1次量産100両、第2次量産106両、第3次量産54両の合計260両が採用されている。
K2
性能諸元
・乗員 3名
・全長 10m
・車体長 7.50m
・全幅 3.60m
・全高 2.50 m
・重量 55.0t
・懸架方式 油気圧式
・速度 70km/h(整地),50km/h(不整地)
・行動距離 430km
・最高出力 1500馬力
・エンジン
試製)独MTU MB-883ka50012気筒ターボチャージド・ディーゼル
第1次量産)独MTU MB-883ka50012気筒ターボチャージド・ディーゼル
第2次、第3次量産)斗山インフラコアMB-883 4サイクル12気筒水冷式ディーゼル
兵装
・55口径120mm滑腔砲 1門
・K6 12.7mm重機関銃 1挺
・M60 7.62mm機関銃 1挺
装甲
・複合装甲(砲塔正面及び車体正面)
・爆発反応装甲(砲搭・車体の上面及び側面)
【開発経緯】
韓国軍はそれまでアメリカ製兵器が主体だったが、1980年代より兵器の国産化を推進しており、海外企業の技術協力の下、国産戦車としてK1を開発した。
K1は韓国の主敵である北朝鮮が配備するT-55、T-62を相手にするには十分な性能を有しており、加えて国産のK200装甲兵員輸送車の開発・配備に成功するなど、装甲戦闘車両の開発ノウハウが蓄積されつつあった。
しかし1990年代に入ると、K1と共に韓国陸軍主力戦車の任を担っていたM48A3K/A5Kパットンの老朽化が著しいものとなり、約900両に及ぶパットンの更新が急務となる。
加えて、北朝鮮がT-72の大量調達を実施した情報を入手した事から*1、先述した国産ノウハウを生かした120mm砲搭載戦車を一から設計・開発すべきと結論付けた。
韓国は文字通りこの戦車に国の威信をかけており、結構な額の税金と熱意を向けている。*2
K2はK1戦車から得たノウハウを基に設計・開発された戦車であり、世界的区分でみると第3.5世代に相当する。
愛称は「黒豹」(くろひょう、フックピョ、海外向け呼称はBlack Panther)。
【特徴】
K2では55口径120mm滑空砲を採用。
これは独ラインメタル社で開発されたRh120-L55を参考としつつ、ヒュンダイWIAとADD (国防科学研究所)が独自開発したヒュンダイWIA社製CN08 55口径120mm55口径滑腔砲を1門を装備
長砲身化されたことによって44口径モデルに比べ、貫通力が大幅に向上した。
その一方、取り回し、砲身寿命、命中率等は低下したといわれる。
自動装填装置を採用したことにより、乗組員を3人に減らすことに成功。
装甲はモジュール式の複合装甲で、損傷した場合でも容易に新しい装甲と交換できる。
複合装甲の具体的な内容は不明。また砲塔上部など、一部に爆発反応装甲が装着されているほか、探知した敵対戦車ミサイルの擲弾迎撃を行う『アクティブ防御システム』を開発したが、予算的な理由で量産車には未実装である。
現代戦で重要なC4Iシステムもしっかり装備しており、敵味方識別装置や戦術データリンク、GPSとINSを併用した位置情報システム及び車両間情報システムを装備している。
エンジンは試作車及び第1次量産車に最高出力1500馬力の独MTU社製MB-883 12気筒ディーゼル・エンジンが、第2次、第3次量産型には斗山インフラコア社が独自開発した斗山インフラコア製DV27Kディーゼルエンジンを装備する
生産数は680輌を予定していたものの、2022年6月末現在では第1次~第3次量産で合計260両となっている。
国内生産率はプロトタイプでは77%程度、量産段階では98%まで高める意向であったが、パワーパックの開発難航によりそこまでには至っていない
K2の評価について、各国の主力戦車を上回る高性能戦車であると評価されている。
【問題点】
開発中に各種の問題点が発生した事で知られている。
特に知られているのがパワーパックであり、2022年6月現在、韓国本国向けK2には斗山インフラコア製DV27Kディーゼルエンジンは採用されているものの、SNTダイナミクス製EST15Kトランスミッションについては採用されていない
K2開発時におけるパワーパックの仕様要求は以下の通り。
- 1500馬力相当の出力
- 7秒以内(のちに8秒以内に緩和)に停止状態から32km/hまで加速できること
- エンジンも変速機も一度も整備を行うこと無く9600kmを走破すること
このうち、出力については斗山インフラコア製DV27Kディーゼルエンジンが達成し、第2次量産車から採用されている。
ただ、0 to 32km/hについてはドイツ製パワーパックが達成した一方、韓国国産パワーパックは達成が出来なかった(試験では8.7秒)。
ただしこれについては0 to 32km/hが10秒を超過する列国主力戦車も存在するので、この要求が必須かどうかには疑問が生まれる。
無整備での9600㎞走行試験については、韓国国産パワーパックは7000㎞ちょっとでドイツ製ボルトの破断により未達成となった。しかしこの要求仕様の必然性がそもそも不明である。
ドイツ製パワーパックに要求されたのが「整備・修理有りで9600㎞走行する事」であった事からも、この要求仕様は世界で始めたの前人未到の要求だった
そのような要求の中、7000㎞以上を無整備で走行した韓国製パワーパックの性能は極めて良好であり、このパワーパックはトルコのアルタイ戦車用パワーパックとして選定され、2022年6月現在マッチングテストの最中である。
【余談】
当初は140mm砲を搭載予定だった。
トルコの次期主力戦車として、コレをベースにした戦車「アルタイ」をトルコと韓国で共同開発中。
- 試作車はドイツMTU社製エンジン、Renk社製トランスミッションからなるパワーパックを搭載。
量産車の初期ロットは斗山インフラコア製DV27Kディーゼルエンジン、SNTダイナミクス製EST15Kトランスミッションの韓国製パワーパックを採用した
- サスペンションや主砲などの技術を韓国の企業から移転。
- 複合装甲、火器管制装置など重要部品の一部はトルコが自前で開発。
- 贅沢品(自動装填など)は省いて安く仕上げる。
現在2年以内の量産開始を目標に試験中である。
【採用国】
韓国以外ではポーランドが2022年6月、次期主力戦車プログラムとしてK2をベースとした「K2PL」を採用する事を発表。
ポーランド国産のセンサーや通信・戦闘システムの搭載、装甲の強化といった改良が施されている。
しかし何といっても驚きなのがその調達数。なんとざっと800両以上で、加えて初期バッジとして韓国からK2を180両輸入する。
加えて技術及び生産能力のポーランドへの移転も実施され、将来的にはポーランドでのK2生産も実施される。
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▷ コメント欄
- ポーランドは殆ど新品のレオ2を2.3億で買えると言うし、国産にこだわらず素直にドイツに謝ってレオ2を購入した方がいいかとか思われ -- 名無しさん (2013-11-27 15:25:23)
- 各国のライセンス技術の寄せ集めの為、技術のマッチングに難があると言われる。また、その複合装甲は輸出仕様のモンキーモデルと言われており、防護力に一抹の不安がある。 そして、 90式貫通 というのは、輸出されないものをどうやって検証したのか全く分からない。本家で本文中に書かれていた差分はこんなものか -- 名無しさん (2013-11-27 17:51:12)
- 90式のくだりは「貫通した」ではなく「貫通できる」じゃないか?それにしても大戦中のプロパガンダかよ -- 名無しさん (2014-01-21 00:09:41)
- なお、トルコはエンジンを日本と共同開発すると発表。K2に積む気か? -- 名無しさん (2014-01-23 02:48:45)
- 厳密にはまだ未完成なのでXK-2 -- 名無しさん (2014-03-08 12:17:09)
- アクティブアーマーで随伴歩兵殺しなんだっけ?w -- 名無しさん (2014-04-04 15:14:35)
- 本家Wikiによれば、九月までに初期ロットの性能試験をして戦力化するかどうかの結論を出すらしい。…ギネス級の予算をかけて進めた計画を止めることができるのか? -- 名無しさん (2014-04-04 16:37:30)
- まあ来年から米軍撤退するのは承知なんだから、最低限お友達が来るまで北と陸戦出来る程度の準備はしてるでしょ。 -- 名無しさん (2014-04-08 12:03:23)
- なんで砲身長伸ばして命中率低下したんた? -- 名無しさん (2014-06-26 03:45:48)
- 長くすると一見精度がよくなるように思うやん?でも短砲身に比べると砲身が垂れるんだわ。 -- 名無しさん (2014-06-26 07:50:34)
- アルタイって転輪の数とか車体サイズとか砲身形状とか露骨に違うんだけど本当にK2ベースなんか? -- 名無しさん (2014-08-26 22:03:48)
- 時代遅れにならないように設計変更とかしてるんだろうか?完成したころには骨董品って事にならんだろうな -- 名無しさん (2014-08-26 22:08:23)
- 真の敵は自分自身というまことに哲学的な戦車 まあ本当の敵は設計者と製造者、そして仕事しない整備士なんだが -- 名無しさん (2014-08-26 22:22:30)
- そういえば最近自国産PP開発、耐久テストに成功したとか見た気が… -- 名無しさん (2014-09-08 12:27:24)
- ↑やればできるんだな韓国。少し見直したww -- 名無しさん (2014-09-08 12:36:13)
- ↑ただ、PPの実証段階で既に車体などを量産しててPP開発の雲行きが怪しくなり一時量産中止。それからPPの開発を続けてようやく試験が通り、再度製造ラインを稼働させるということもやらかしてる。さて一両あたり何億かかることやら… -- 名無しさん (2014-09-08 13:08:30)
- 北相手ならレオパルド2で十二分なんだが、あいつら90式と10式とか対象としてるからなぁw -- 名無しさん (2014-10-23 12:59:41)
- テストの合格基準を緩くしてクリアとか大丈夫かねー -- 名無しさん (2014-11-06 17:23:12)
- ↑ま、この戦車が味方陣営に来て、かつ共同戦線しない限りはそこんとこは心配しなくてもいいんじゃないかな。万が一味方にきたら兵站確保とか稼働率で死ねるだろうが・・・ -- 名無しさん (2014-11-17 19:38:37)
- こいつまだ完成してないからXナンバーじゃないの? -- 名無しさん (2014-11-17 22:36:52)
- PPだけは海外製にしときゃよかったのに。走ってなんぼなんだからさ。 -- 名無しさん (2014-11-17 22:43:42)
- ↑バカみたいに「国産」にこだわってるからしゃーない。まあ、国防産業の保護、育成を考えればあながち間違いではないが絶賛紛争中の国がやることかといわれると… -- 名無しさん (2014-12-02 12:18:06)
- >●韓国の新聞によると2輌並べた90式を貫通したという。 某重工友人いわく「装甲つげかえたパクりじゃねえの(笑)」とのこと -- 名無しさん (2014-12-02 13:25:10)
- 艦船の127mm砲とかに比べて戦車の主砲が垂れるのは薄いから自重に耐えられないから? -- 名無しさん (2014-12-12 08:24:28)
- ↑2薄いというか、 -- 名無しさん (2015-04-04 02:25:56)
- ↑誤爆しました。薄いというか、サスペンションが砲身の重さで沈んで車体ごと傾くってことなのでは -- 名無しさん (2015-04-04 02:28:00)
- 140mm砲積んだ戦車のノウハウなんか韓国に一切ないだろうに、何でそんな計画立てちゃったんだろう……そして一応使った経験があるはずの120mm砲も満足に使いこなせてないという -- 名無しさん (2015-05-04 23:25:01)
- 結局現時点で少しでも役に立つの?この戦車 -- 名無しさん (2016-04-15 16:07:38)
- なんだかんだ言って最新技術を投入した戦車なのは間違いないし、K1よりは戦力になるんじゃないかな。未だに戦争継続(休戦扱いだけど)してる北相手にオーバーキルできるくらいじゃないと首都防衛がキツいだろうし -- 名無しさん (2016-04-15 16:14:35)
- ↑2 現時点では特に問題なさそう(検索してみた範囲では) いざ実戦、となった時に運用面で深刻な問題がでなければ戦力としては北朝鮮相手なら申し分ない。 -- 名無しさん (2016-10-04 04:42:16)
- 普通にパワーパックやエンジン部分はノウハウが必要だから完全国産しようとして苦労しただけで、実際には普通に最新鋭戦車だよ。兵器開発なんてトラブルはつきものだから、そこがわかってないと産経新聞みたいにF-2は欠陥機とかF-35は使い物にならないとか言い出すことになる。 -- 名無しさん (2018-06-26 14:47:47)
- 「トラブルがある」と「トラブルしかない」は同義じゃないんだよなあ -- 名無しさん (2018-11-11 23:54:17)
- ゴツゴツしてて好きなんだけどなあ -- 名無しさん (2018-11-12 01:13:40)
- 要求性能は意外と堅実なんだよなぁ……計画当時の他国主力戦車と比べても割と控えめで高望みしてないし 国産化に拘泥してグッダグダになって全部パーなんだけど -- 名無しさん (2018-12-15 08:43:49)
- 要求性能が堅実だからこそ技術育成のために国産化しよう、というのは割と普通では。日本だってアメリカから買えば安いものをわざわざ割高な国産で揃えているのは意味がある。 -- 名無しさん (2019-04-03 14:33:56)
- か…滑空砲… -- 名無しさん (2019-04-03 15:00:01)
- ↑2そこまではいいんだよ、ただ国産化できなくてぐだぐだになる前に「次までにはなんとかしよう」で妥協する必要があるってだけ -- 名無しさん (2020-08-09 00:32:09)
- 動力源ってエンジンで発電機回してモーター動かす方式じゃ不味いんかねえ(ポルシェ博士並の感想) -- 名無しさん (2020-12-07 22:36:58)
- ↑4 かなり本題から逸れてしまうが、米国産戦車は重すぎて使いづらいって問題がある。別に安くもないし。まあ、銃器は向こうのが優秀だろうが。 -- 名無しさん (2020-12-07 22:39:59)
- 90式二台貫通したというのは、もしかしたら90式の防御力を実現した車両二台を使って実験したんじゃない? それなら一応嘘はついてないような気がする。 -- 名無しさん (2020-12-08 15:00:59)
- 一番必要な陸軍戦力の開発でこのざまじゃ戦闘機空母なんて夢のまた夢だわ、実際要求予算から99%カット食らってるし -- 名無しさん (2020-12-08 15:12:34)
- 終いには何の関係も無い日本が悪いことにされるんだろうな。いつものことだが。 -- 名無しさん (2021-03-06 12:43:08)
- ↑2 99%カットって、実質中止にちかいやんけ... -- 名無しさん (2021-05-01 21:26:39)
- 実はメルカバ、エイブラムス、90式(!)の開発者を招いてアドバイスをもらってたりする。んで、色々ゴタゴタのあるエンジンに関しては、元々開発側は「先進国と同等レベルは今の技術的には無理だから堅実に」って感じだったけど、議員や企業の国産族と輸入族の泥沼の戦いに巻き込まれてグダグダに…… -- 名無しさん (2021-05-09 21:35:24)
- 報告にあった荒らしコメントの削除 -- 名無しさん (2021-11-08 11:23:07)
- ポーランド次期主力戦車ウルフ・プログラムへの正式採用決定 -- 名無しさん (2022-06-15 06:39:23)
- 韓国、ポーランドそれぞれのメディアによると、ポーランドは当初従来型K2を180両緊急調達、並行してポーランド仕様K2PLを開発して500~600両調達する方向のようだ -- 名無しさん (2022-06-16 06:16:30)
- 既に三次量産も始まってるし、記事の内容が古すぎる。パワーパックについてもトルコのアルタイに採用されてインテグレーション試験が順調に進んでるのに -- 名無しさん (2022-06-20 06:43:02)
- 結局この項目どうする?現在の状況に即した内容に書き換える?それとも一部の人らの現実逃避の為の憩いの場としてそのままにする? -- 名無しさん (2022-07-26 20:31:56)
- グダグダを無事に解決したのか……。 -- 名無しさん (2022-08-19 15:29:33)
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*2 開発予算はギネスブックに登録されたほど。
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