ガイア(ギリシャ神話)

ページ名:ガイア_ギリシャ神話_

登録日:2011/05/14(土) 14:52:05
更新日:2023/08/18 Fri 18:56:08NEW!
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「最初に混沌カオスがあり、次に大地ガイアが生まれた」



■ガイア

ギリシャ神話に於ける大地母神。世界の始まりから存在する原初神
ローマ神話ではテルース(テラ)に相当し同一視される。
バビロニア神話のティアマト
日本神話の伊邪那美
ロマンシング サ・ガの破壊女神サイヴァ
……らに似る。



混沌カオスより生まれた最初の存在で、『大地』その物とも呼ばれる。
ただし、天空をも生み出していることから大地どころか世界その物であるともされる。
ローマ神話でのテルース、テラはラテン語で「大地」を意味するが、古代ラテン語では「地球」を指していたとのこと。
そしてガイアの後にカオスから次々と神々が生まれてゆく事になる。
または、これらの神々はガイアが単体で生んだとする説もある。
カオスは「混沌」と訳されることが多いが、本質的には空間(有限を生むための無限)であるといい、ガイアはその中にあって最初に姿を現した有限の母体たる存在なのだという。
託宣を行う予言の神でもあり、後にアポロンに支配されたデルポイの神託所は大地の裂け目から沸き出るガスでの酩酊より予言を得る、即ちガイアの支配する所であった。
神も人も約束事はガイア(大地)の上で行うことから誓言の神であるともされるが、神話では自分の都合のいいように予言を発したり、後に約束を覆すような予言をしたりもしている。


これより、母なる女神の子等を記す。
ラインナップは以下の通り。(※●→男、○→女)


●タルタロス(奈落)
●エロス(愛)
●エレボス(闇)
○ニュクス(夜)


尚、エロスは後にアフロディーテの従者や息子とされる混乱がある。
そしてエロスの導きによりエレボスとニュクスが結婚。
この二神から、


●アイテル(澄明)
○ヘメラ(昼)


が生まれている。


その後、ガイアは単体で


▲「高い山々」
●ポントス(海)
●ウラヌス(天空)


を生み出しており、これにより大まかな「世界」が形作られる事になる。


そして、ガイアは最後に「自らに匹敵する位に大きな者」として生んだウラヌスを夫とし、ここに第一世代の「神」による統治が始まったのである。


……次にガイアはウラヌスと交わり、子の世代の神々を生み出す事になる。


※以下にラインナップ。


【男神】
●海流神オケアノス
●知識の神コイオス
●太陽神ヒュペリオン
●星と星座の神クレイオス
●武器と死の神イアペトス
●農耕の神クロノス


【女神】
○記憶の女神ムネモシュネ
○掟の女神テミス
○泉水の女神テテュス
○予言と託宣の女神ポイベ
○輝煌の女神ティア
○大地母神レア


この六神ずつの男女神を併せて「ティターン十二神」(「ティタン神族」「巨神族」とも)と呼ぶ。
更に励んだ二神は次に異形の巨人族を生む事になる。


ヘカトンケイル
五十の頭と百の腕を持つ巨人三兄弟。
◆ブリアレオス
◆ギュエス
◆コットス


▼キュクロプス(サイクロプス)
一つ目の巨人三兄弟。
◆アルゲス
◆ステロペス
◆ブロンテス



■神の時代の終焉

【崩壊の序章】

……だが、ここで円満と思われた夫婦の関係に亀裂が入る事になる。


ウラヌス「キモ……醜い巨人はオレの美しい世界にいらんから捨てるわ」


ガイア「はぁ!?」



ウラヌスはガイアの非難も聞かずに巨人を縛り上げるとガイア(大地)の胎内……更に奥深くにある『タルタロス』(奈落)へと閉じ込めてしまった。
……如何に夫の決めた事とは云え、腹を痛めた我が子への処遇に怒り心頭に達したガイアは復讐計画を練り始めるのである。




【神々の戦いの始まり】

ガイアが復讐の駒として利用しようと考えたのは我が子「ティターン」であった。
まずガイアはそれまで地上に存在していなかった地上最硬の物資「アダマス」を生み出し、それで巨大な鎌を作り、我が子らにこう言った。
「この鎌で父を罰した者に世界をやろう」……と。


しかし、相手は父にして天空そのものである大神……躊躇する「ティターン」の中にあって、しかし手を上げたのが末子のクロノスであった。
このクロノスは年齢が若いが兄弟で最も知恵(狡猾で残忍な)者であり、尚且つ父にも反発的だった……。


クロノス「ママン!ボクに任せてよ……やっちゃうよ!?やっちゃうよ!?……でも約束守ってね!!」


……そして、クロノスはガイアに導かれ両親の寝所に潜み、その時を待つのである。



【クロノスの統治】

何も知らぬウラヌスはガイアと交わる為に横たわる彼女の前にニュクスとともに降り立ち(※「夜の帳」の意)、いつもの様に覆い被さろうとした。
……しかし、その瞬間を待っていたクロノスは父のいきり立った「ソレ」を左手に取ると右手の鎌を振るい瞬時に切り落としたのである。


……ガイアは夫の股間から滴る血を浴びながらほくそ笑んだ……。



「作戦通り」……と。




こうして約束通り、母から支配者の権利を与えられたクロノスは姉レアを娶り、
新たなる神々の王となり第二世代の「神」の統治……「ティタン神族」の時代が始まる事になる。
尚、一説に依ればウラヌスを襲ったのは長兄オケアノスを除くティターン全員であったともされる。
また、クロノスの血を浴びたガイアは更に、


◆復讐の三女神(エリニュス)
○メガイラ
○アレクト
○ティシポネ


▼巨人ギガス


▽ニンフ


……を生み出している。
また、これとは別にクロノスが大海に投げ捨てたウラヌスの「アレ」より生じた泡から、後に


○愛と美の女神アフロディーテ


……が生まれている。




【新たなる復讐】

こうして開始されたクロノスの統治だが、その政権は他ならぬ後見人であった筈のガイア自身にケチを付けられる事になる。


「お前もいつか子らによって王座を奪われるであろう」


このガイアとウラヌスの予言にクロノスは知恵(迂闊で残念な)者なだけに怯えた。
マジで怯えて妻レアとの間に生まれた子供達を次々と腹に飲み込む暴挙に出た。


……ちなみにガイアがこんな予言をしたのには理由がある。
前述の様にウラヌスとの諍いのそもそもの発端となったのはウラヌスが巨人族をタルタロスに幽閉した事であり、
ガイアはクロノスが巨人族の幽閉を解いてくれるのを期待していたのだが、
臆病なクロノスは一度は約束を守るフリをしながらも再び彼らを閉じ込めていたのである。




ガイア「……F××K!!」



つまり予言とは名ばかりの予言の名を借りたガイアの「呪い」であった。
……そしてガイアは更に駄目押しとして、五人もの子供を飲み込んだ夫の暴挙に泣き付いて来たレアにアドバイスを与える。


先ず、ガイアは丁度六人目の子供を妊娠していたレアをクレタ島に導き、クロノスが気付く前に出産を済ませると、その子を受け取り、
替わりに産着に包んだ石をクロノスに渡す様にレアに指示したのである……。


……そう、この時に生まれたのが後の全能神ゼウスであり、ゼウスにより解放される事になるのが第三世代の神々「オリュンポス」であった。


以降の神話については各、当該項目を参照されたし。


ちなみにゼウスはマジでクロノスやウラヌスより聡明だった。



従兄弟にあたる思慮の女神メティス(オケアノスの娘)の協力を得て兄弟(ポセイドンハデス、ヘラ、デメテル、ヘスティア)を解放し軍勢を整えた後に、
ガイアの言う通りに巨人族を解放し、その力を借りたのだ。


そして、ゼウスは父たるクロノス率いる「ティターン」との戦い(ティタノマキア)を制し、その後のくじ引きでも「運」を発揮し(ズルをしたとも言われる)、
遂に自らの時代を呼び込んだのであった。



【ティターンの幽閉】

……こうして、遂に世界に平穏は……。



訪れませんでした。




ゼウスは「ティターン」との戦いの後で彼らを巨人の替わりにタルタロスに幽閉し、ヘカトンケイルを番人に立てたのだが、
その「ティターン」の幽閉をガイアは気に入らなかったのである


……孫世代のゼウスに力は貸したが、気持ち的には子世代の「ティターン」に情があったのだろうか。
やっぱりゼウスにも「お前も我が子に支配者の座を……(rya…」とやっているが、この件はゼウスが戦の女神アテナを生んだだけで、


「無かった事」にされてしまった。
より正確に言うと、クロノス同様に妻にしていたメティスを身ごもった子供ごと飲み込んでしまったのだが、当のメーティスは何と腹の中から彼にアドバイスを送る立場に落ち着いてしまい、予言が果たされなくなった。
神の預言は絶対であり、その運命を覆したゼウスは運命から逸脱した存在へと至ったのである。



……そこで、ガイアはかつてクロノスの股間から滴る血を受けた時に生み出した巨人ギガス達を使い、「オリュンポス」の神々に戦いを挑む事になる。
……これがギリシャ神話に多く語られる神々と巨人の戦い(ギガントマキナ)である。
この戦いは熾烈を極めた、流石にメインイベントだけあり、物語は最高潮である。
…しかし、ガイアの予想以上にゼウス率いる孫、更にはひ孫世代の神々は強かった……。


これに加えて英雄ヘラクレスらの力も借りたゼウスの前に、
遂にガイアはタルタロスと交わり生み出した最強の怪物テュポンを刺客として送り出す事になるのだが……。




……お祖母様は敗北致しました。

ただし、ゼウスは一度は敗北している。が、テュポーンが深手を負っている隙に色々協力を得て逆襲に成功したのである。





……流石に全ての手駒を失ってはガイアもゼウスの統治を認めざるをえず、そして神話の時代は「神」から「人」の物語へ……
そして人々の時代へと移り変わるのである。





■余談

スクウェア・エニックス開発のアーケードカードゲームLORD of VERMILIONに魔種として参加。
きわどい衣装に身の丈以上のドリルに跨がった女性として描かれている。
裏のテキストから鑑みるとこのドリルは旦那のナニなのだが、こんなのどうやって受け入れたのだろうか?
また、「アタシを誰だと思ってやがる!!」や「お前の信じるアタシを信じろ!!」といった某天元突破の台詞を言う。




割とよくあることです。







追記、修正は力ずくで揉め事を解決してからお願いします。


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  • 実はトロイア戦争の発端だったりする。ガイア「最近人間多くなりすぎて重い」ゼウス「じゃあ戦争起こさせて減らすか。ちょうど息子が結婚するからそれ利用しよう」 -- 名無しさん (2014-02-08 12:10:06)
  • ギリシャ神話おもしれーな。聖闘士星矢での情報しか知らんかったわ -- 名無しさん (2014-02-08 13:09:26)
  • まあここの神話関係の情報も偏ったのやトンデモなの多いけどね。 -- 名無しさん (2014-02-08 13:13:45)
  • ↑2 名前が「ガイア」なのにやってることが根源的破滅招来体じゃんwww -- 名無しさん (2014-03-20 00:35:27)
  • ギリシャ神話はゼウスが横暴だと聞いていたけど、ガイアばあちゃんの内輪もめが一番ひどいな。父親連中のやったことも酷いし同情しないでもないが。 -- 名無しさん (2014-06-12 13:05:28)
  • 美の神が神のちんちんから・・・・・パネェな。 -- 名無しさん (2014-06-12 13:31:14)
  • ギリシャ神話の創世神話とは、全てを支配しようとする闇の母から男(子供)が脱却していく過程であるとも言えます。 -- 名無しさん (2015-02-07 10:22:19)
  • 子供たちのことを考えて自重すべきだったな。 ゼウスたちが気に入らなかったとは言え、結果は結果だから。 クロノス一人抑えられなかったガイアが支配者にならんでいい -- 名無しさん (2015-04-02 07:24:16)
  • ガイアに関しては支配権の問題じゃなく子や孫に対する庇護から発してるものだけどな。母や祖母として子や孫が冷たいタルタロスに幽閉されるなんてのは見たくなかろう。まぁ立場が立場だけにとんでもない神話大戦になっちまうんだがw -- 名無しさん (2015-04-02 08:16:32)
  • ↑しかもガイアにしたらでかくなった子どもを子宮内に押し戻されるわけだからな。 --   (2015-12-04 16:53:05)
  • お前だ。いつもいつも脇から見ているだけで、人を弄んで -- 風見裕也 (2016-05-18 05:49:34)
  • 割と勘違いされがちだけどカオスの娘じゃなく妹なのよね だからゼウス達はカオスの直系ではなく傍系の子孫になる -- 名無しさん (2018-08-31 17:49:10)
  • ↑カオスは父ちゃんや兄ちゃんじゃなくて家って呼んだ方が正しいのかも。 -- 名無しさん (2018-08-31 18:30:48)
  • テュポーンの敗北後はなんやかんやゼウスとガイアは和解したらしく、ガイアが「人間が増えすぎて重いし、英雄共があちこちで戦争して身体の表面が痛くて我慢できないからなんとかしてくれ」という頼みにゼウスが答えたのがトロイア戦争のそもそもの始まりだとか -- 名無しさん (2021-06-21 22:09:40)

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