登録日:2009/05/27(水) 12:51:35
更新日:2023/08/08 Tue 15:20:26NEW!
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■ゼウス
ギリシャ神話の主神。オリュンポス十二神の一柱で、ローマ神話ではユピテル。
英名はジュピターであり木星の語原。
古代オリエントに共通する天空神、雷霆神、英雄神の系譜にある天の主宰神であり、神々と人間の守護神でもある。
……そう、本来の信仰だと他の神々もゼウスの庇護下にしか入れない存在でしかなく、それ位にゼウスは強大なのだ。
ティターン神族のクロノスとレアの子。
気候を操りキュクプロスからもらった雷霆を武器とする。
ポセイドン、ハデス、ヘラ、デメテル、ヘスティアの兄(弟)。
後の生み直しによると長男であり、ここで上記の男神→女神の順番に変わっている。
正妻は結婚を司る女神ヘラ。
子女はアレス、ヘベ、アポロン、アルテミス、アテナ、ヘルメス、ヘラクレス、ヘレネ、ポルックス……etc.と多数。
第一世代のオリュンポスでは末弟にして長男となるが、これは祖父のウラヌス、父のクロノス同様に古代ギリシャにあった末子相続の価値観が他地域の価値観と混ざり合い、長子相続の価値観も取り入れられたからとも分析されている。
争いが無くなったり、生活基盤が安定すれば色々な意味で死人が出なくなるし、子供を犠牲に捧げる必要も無くなるのである。
父クロノスに飲み込まれていた兄、姉らを解放し、オリュンポスの神々を率いてクロノスをリーダーとする
ティタン神族との十年に渡る戦いを勝利に導いた神々の王。
兄弟とのくじ引きの結果、天界を支配する。
この天界というのは、現在だとそのまま神々の本拠地であるオリュンポス山と解釈されがちだが、実際には全宇宙と万物の物質凡てのことである。
ギリシャ神話は多神教神話の代表の様に扱われているが、実際の信仰の場でのゼウスは一神教の神と同義というレベルの強大な存在であったらしい。
また、自分の都合(気持ち的な)で、夫(ウラヌス)と息子(クロノス)世代の統治を終わらせて来たガイアを黙らせ、
自らの天下を安泰させた初めての主神でもある。*1
その溢れんばかりの威厳は、人間が直視できないどころか体が焼けて死んでしまうほど。
なので神としての姿では人間の前に現れない。
雷神的な属性で語られる場合が多いが、より正確には天の理を支配する主神である為、その気になればなんでもやれる全能の神である。
加えて、元々は死の運命があったのだが、それに抗って覆した結果、運命ですら殺せない存在になっている。
ここまでの話だけなら、かなり勇ましい英雄のように感じてしまう。
しかし、彼はまだ本気を出していなかった……。誰も本気を望んでないのに。
上記の活躍は半分本当だが、兄ハデスの功績に乗っかった形。
敵方の最高司令官に当たる人物を倒したことは倒したが、それ以外は武器を持たない敵を倒していた……とか言われる場合もある。
ただし、こうしたイメージは神話から膨らまされた二次創作的な話の中での姿であり、原典でのゼウスの“雷”は、現在に言われるようなただの“雷”ではなく、放たれた瞬間に空間中に満ち、凡る物質を灼き尽くす、と讃えられた、“雷”とは名ばかりの、無属性、防御不可のオールレンジ攻撃なので、防ぎようどころか、抵抗のしようが無かったというのが正しい見方。
寧ろ、ゼウスが居たからオリュンポス側は圧倒的な優位に立った状態で父母を含むティターン達と戦えたのだ。
ダメージもアレだが、全能神の威光(物理)に目もやられるバッドステータスも付いているので、敵に回した時点で詰み確定といえる程。
……寧ろ、こんなん相手にして十年も戦えたティターンが異常なのだ。
その威光は、ギリシャ神話に於ける原初の神カオスをもついでとばかりに灼き滅ぼした程。
元々は、かのテュポン大先生すら、怒りで世界と共に灼き滅ぼしたとされていたが、後に色んな神話を付け足される中で大幅に人間味を増されると共に弱体化補正を掛けられたらしい。
……まあ、それでも他の神が並び立てない程に強いのは変わらないのだが。
現代風に解釈するならば…超体育会系
バチが当たりそうな言い方だが、実は結構なDQN。
また、クロノスの時代は争いも無く、大地の実りだけで穏やかに暮らしていけた世界に自身の権力掌握の為に争いと混乱を蒔いた張本人である。
彼の子供達を誕生順≠受精順に並べると
- テミスとの間の第二子ディケー
星乙女アストライアとも呼ばれる正義の女神で、同父同母の姉エウノミア(秩序)、妹エイレネ(平和)と共に季節と植物の開花・結実も司る。
「知能の高い人間がリーダーシップを執る」という権力は認めているも、権力の乱用や私物化を厳しく咎め、戦争や内乱に対しては否定的。
国の一つ二つ簡単に壊滅させられる強大な女神だが、神罰の執行者を押し付けられた結果、人間界に常駐して人間に神罰が下されるようなことが無いよう正義を説くと同時に、罪の重さを計ってゼウスとテミスに相談の上で神罰を下すので、超絶激務化している。
炎と技術を司る。人間に労働と技術を教えると同時に、貧富の格差を産む原因となる。
- メティスとの間の一人娘アテナ
受精はディケーやヘパイストスより先だが、長らく父の頭の中に封印されており、ヘパイストスによって解放される。
生まれた時から武具を身に付け、武術や戦術等を人間界に持ち込む。
花の女神だが、ゼウス自身が「自身の子女で最も高貴」と断言する程のポテンシャルを有する。アテナを姉と慕い、親しかったが、ハデスに見初められ、ゼウスが事態を引っ掻き回した結果、冥界に嫁入り+食物が実らない季節が生じる。
冥界に居る季節はハデスと共に死者を裁き、地上に居る季節は母の補佐をして植物の開花と実りを管轄するので姉のディケー同様に超絶激務化。
- ヘラとの次男・戦争の神アレス
人間界に戦争を巻き起こす荒ぶる戦神。
姉のディケーの仕事を増やす。
「男の子を産んだ場合は父親より強大になる」メティスは長女受精のタイミングで体内に取り込み、先の戦でMVPの活躍をしたハデスと自身の子女の中で最強の潜在能力を有するペルセポネは冥界の支配者という多忙な仕事を押し付けて反抗の暇もない様にし、同じく自身の娘ながら強大な女神であるディケーもその生真面目な性格を見抜いて人間界の権力者の監視と処罰の役を割り当てた後に軍神であるアテナとアレスに戦争や諍いを煽らせる事で心労を溜め込ませているのだから権力掌握の手際の良さにかけては他の神を圧倒する。
以下(性的な意味での)ハッスル伝説
支配者となった彼は、牡牛に変身してフェニキアの王の娘を誘拐してクレタ島まで連れ去って孕ませ、
アルゴスの王が彼を警戒し監禁していた娘を黄金の雨に変身して交わり孕ませ、
人妻に白鳥の姿で近づき孕ませ、美少年を従者にするために鷲に変身して誘拐し、
森の精に変身して寝ている美少女に接近し孕ませ、巨人族の娘を孕ませ、
ヘラに浮気がばれそうになるや否や愛人を牝牛に変えてエジプトまで逃がし(後に再婚してエジプトの女神「イシス」に昇格)、
姉デメテルの色香に狂って犯した挙句、デメテルの本来の恋人は嫉妬に任せて雷で打って殺害し、
自分の孫娘であるペルセウス一族の王女に対して何と婚約者に変身してハッスルしまくり孕ませ、
記憶の女神と結婚し九夜連続でのハッスルの末九人の娘をこしらえ、ヘラに仕える神官を雲に変身して孕ませ、
自分の娘である純潔の女神アルテミスに変身して彼女の従者を孕ませたりした。
子どもの数は両手両足使っても足りない程。
木星=ジュピターの4大衛星「イオ」「ガニメデ」「カリスト」「エウロパ」は、総て上記の逸話の被害者から名が冠せられている。
万能神だけあって何にでも変身できる上、手口も巧妙で命中率も100%という
オーバーフロー作品の主人公も真っ青な戦果を上げる。正直うらやましい。
ちなみにヘラだけでなく、デメテルとも子どもを作っている。近親相姦万歳。
これに加えて彼に孕ませられた方々は大抵ヘラの嫉妬のお陰で録な目に逢わない。
ヘラに度々怒られているが懲りずに他の女との子作りに精を出す。
最初の妻が産む男子に王座を奪われるとの予言があれば妻を飲み込んだりもした。
父クロノスが似たような理由で自分の兄弟姉妹を飲み込んでたのに何してんだこいつ。
クロノスと違うのは、飲み込んだ対象が子供でなく身ごもった妻であること。そして、飲み込まれた妻が脱出する気ゼロだったこと。
結果、ゼウスを殺すとされる2番目の子供は生まれることがなくなった。
さらに付け加えると、クロノス時代には働く必要が無く、幸福だった人間たちが不幸を知り、苦しみ、働かなくては生きていけなくなったのは、
ゼウスがかけた呪いが原因。余計なことしやがって……
因みにヘラは結婚という男女の契約を司る女神でもあり、ジューンブライドの元ネタの神でもある。
(らき☆すたとひだまりスケッチの劇中で少し話題になってもいる)
……なのに浮気しまくるんだもんなあ、このオヤジ……
そして、自分の不誠実が原因で事態の収拾が付けられなくなると母親に泣きつく。
『もしかしたらいない方が良かったんじゃ』などとは言わない約束。
ただし、女性関係ではこんなでも、それ以外については情が深かったりする弱者の守護神としての側面も持つ。ただのスケベ親父ではないのである。
嫉妬と肉欲にまみれたギリシャ神話の代表的な神。
因みに誘拐を幇助(ハデスの為に)した事もあるらしい。結局ペルセポネが冥界の果実食べちゃったおかげで事態はこじれにこじれ、なんとかペルセポネは「一年の3分の1は冥界で過ごすように」という形に収まった。おかげで母親がやる気なくして冬の時代が誕生したのだが。
……念のために、念のために、一応! 一 応 フォローもしておくが、ゼウスがここまで絶倫オヤジなキャラになったのには、訳がある。
知ってのとおり、ギリシャ神話が浸透する地域は権力者が現れては倒れてを繰り返す、混沌とした地域であった。
そんな中、新たに身を立てようとする者は、何か自身に箔を付けたいと、当然のように考える。
そこで目を付けたのが、古くから伝わる神話群であった。
知識人に頼んだりして、神話に新たなエピソードを追記させたのある。
つまり、新たな神話の中でゼウスに子供を作らせ、それが自分の先祖だとしたのだ。
そして、自分はこの国の最高神・ゼウスの子孫なので、正当なる支配者だぞ、と主張し、人々を従わせる、というわけである。
ちなみに、同じことをインド神話でもやっていたりする。
出世したい人の常套手段としても有効である。科学も発達していなければ、まともな政府も国連もない時代である。
古代ギリシャ人にはこういうのが、意外に効果があり重要なのだ。
元々、強い男=強引という風潮があった。つまり肉食系万歳な時代だったのである。
簡単に言えば、学生ヤンキーの世界。
……まあ、元々ゼウスに好色って特徴があったからこその芸当なのかもしれないが。
※……余談ではあるが、ゼウスとほぼ同じ特徴を持つ古代インドのインドラ神は好色が過ぎて、
全身に女陰を生じる呪いをかけられた逸話がある……。
この事から強い男=好色というステレオタイプは古代から同時多発的にというか古代オリエント、ことにアーリア人系統の信仰の主神に見られる傾向であり、モデルとなっているのが昔の王様だからだなんて考察も。
ゼウスの場合はとにかく高名になりすぎて、侵略する側のローマ帝国にすら逆に浸透してしまったギリシャ神話の王だったというのも大きいだろう。
……英雄“色”を好むの説話は神話時代からの通説の様だ。
尤も、ギリシャ人から見ても「流石にこれはヤリすぎだわー」となったのか、神話後半になると大分自重してる。
なお、この風潮の煽りを受けたのがかの有名なハデス(ハーデース)である。
詳しくは彼の項目で言うが、彼は三兄弟の中で唯一
唯一
優しい性格である。ガーデニングもたしなむようである。
追記・修正は10人以上の女性(実姉含む)を孕ませてからお願いします
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*1 ※より正確にはゼウスを頂点とする神の系譜がギリシャによる平定の後に、征服された地域の神話等とも纏めて改めて創り直されたのである。
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