準宇宙

ページ名:準宇宙

児童期以降になると、子どもの中には複数の仲の良いきょうだいあるいは友人と一緒に、「準宇宙(paracosm)」と呼ばれる空想の王国や世界を作り出すことがある。

しばしば仲の良いきょうだいや友達との共同作業によって作り出されるため、ICとは異なる。

 

そのシナリオは複雑であり、加齢に伴い組織立ったものへと変化する。しばしば絵や文章によってまとめられる点が特徴である。

 

富田(2002)は以下のように述べている。

将来にどう生かされるかはとりあえず別としても,準宇宙の創作は子どもにとって様々な意味を持つようである。それは,その子どもの退屈を和らげ,退屈からの逃避を可能とするのに加えて,ある種の喜びの感情,個人の統制感や統制力を養うのに役立つ。また,彼らが他人や社会との間の避けることのできない緊張と折り合っていくための,より進んだ,より想像的な方法であると考えられる。

 

友弘ら(2009)は、面接調査において「準宇宙」と思われる内容が語られたことを報告している。

その登場人物をICと同じように検討した結果、それらがICと同じような役割を果たしている可能性が示唆されたという。

 

参考文献・引用文献

  • 富田昌平 『幼児期における空想世界に対する認識の発達』 兵庫教育大学 博士論文, 2015.
  • 友弘朱音・佐野秀樹 『Imaginary Companionの定義に関する考察』 東京学芸大学紀要 総合教育科学系 60, 203-208, 2009.
  • 富田昌平 『子どもの空想の友達に関する文献展望』 山口芸術短期大学研究紀要 34, 19-36, 2002.

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