その他

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一人二役的な会話

これは個人の能動行為である。ICは受動的な体験であり、これとは区別される。

 

統合失調症

統合失調症では未知的な存在が体験され、客観的実在と混同されることがある。ICは反復して現れ、その度に特定の一貫した人物として認識され、客観的実在と混同されない。

妄想とも異なり、ICは了解可能な現象である。ICの現象はICのみと結びついており、妄想体系化の傾向はない。また、自らの意志に反する現象でもない。

 

自我障害

ICの出現時は、自己所属感が保たれ、自己主体性が明確である。させられ体験や思考干渉といった自我の能動性の障害は見られない。

 

幻視

シャルル・ボネ症候群やレビー小体型認知症、パーキンソン病などにみられる幻視とは区別される。これらにみられる幻覚は、幻視ならば幻視のみといったものが多く、幻覚と本人の間に相互作用はほとんどない。

ICの場合は、複数領域にまたがる幻覚(偽幻覚)がみられ、相互作用があり、その多くがポジティブな相互作用である。

 

参考文献

  • 森口佑介 『空想の友達 子どもの特徴と生成メカニズム』 心理学評論 57(4), 529-539, 2014.
  • 澤たか子 『イマジナリーコンパニオン』 精神科治療学 24(8), 1013-1015, 2009.
  • 中川東夫・江夏偉岳・髙木哲郎・林香織・岩崎真三・渡辺健一郎 『青年期に至るまでImaginary Conpanionが存続した2例 その臨床精神医学的特徴について』 臨床精神医学 35(7), 1017-1025, 2006.

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